ハイスクールD×D 天馬の神器を持つ者   作:gbliht

16 / 30
第十六話 解決

「……」

 

「銀華、大丈夫か?」

 

現在、私はむつけてます。何故かって? 恥ずかしからですよ! もう! どうして私は皆がいる前で泣いちゃったのよ! 

 

ほら、小猫ちゃんなんか微笑みながらこっち見てるし、木場君も微笑んでるし……ああもう! 恥ずかしい!

 

「……銀華先輩、可愛かったです」

 

「可愛かったね」

 

うがあああ!! 恥ずかしくて死にそう。誰か助けて……。

 

ってか、そもそも、私がこんなに恥ずかしい思いをしているのは天さんが急に現れたのが悪いんだ! 全て天さんのせいだ!

 

若干睨みながら天さんに視線を向けるが、天さんは私を見て首をかしげている。この、鈍感め!

 

……ふぅ、落ち着け私。いいから落ち着け私。色々と恥ずかしい思いはしたが、それは一旦置いとけ。今はなんで天さんがここにいて、何で天さんが生きてるのか聞くのが最優先だ。

 

イッセーの方にあの堕天使が行った……というよりは飛ばされたのは気になる所だけど、天さんが何かしらの理由があってワザと飛ばしたのでしょうか、まあ、気にしなくてもいいでしょう。

 

「ん、ん! て、天さん。二つ聞いてもいですか」

 

いつものクールビューティーな私を取り戻し、天さんに聞いてみる。

 

「なんだ?」

 

「一つ目は何故天さんが生きているのかといこと。二つ目は、なんでここに居るのですか?」

 

「その事か。それについては、アイツ等が来てからにしよう」

 

「アイツ等?」

 

アイツ等とは、いなくなっていた一年間に会った人でしょうか?

 

天さんの言葉の内容を考えていると、急に床の一部が光りだした。あれは……ササン・カラビアの家の転移魔法の紋章。という事は、まさかアイツ等とはカラビア家の人ですか。

 

「到着! おお! 貧乳同盟メンバーナンバースリー銀華ちゃんだ!」

 

「だ、だだだ誰が貧乳ですか! 私はただあんまりないだけです!」

 

 

カラビア家の転移魔法から出てきたのはメルトとナリヤ、そして朱乃さんとリアス。それはいいのですが、いきなりナリヤが失礼なことを言ってきやがった。

 

全く、コイツは何を失礼な事を言うのだろうか。私は貧乳ではない! 断じてない! 私はただちょっと周りよりも少し小さいだけだ! 異論は認めん!

 

「それを貧乳って言うんっすよ」

 

「黙りなさい!」

 

何をいうかこのマスクメロン! お前は少しデカすぎだ! 少しよこせ! 具体的には三割くらい脂肪をよこせ!

 

「……銀華先輩」

 

「ど、どうしたのかな小猫ちゃん?」

 

「……仲間」

 

い、いや小猫ちゃんよりはあるはずだから、私は仲間なんかじゃ……う~小猫ちゃんの視線が完全に仲間を見る目だ。……分かったわよ! 認めるよ! 私は貧乳ですよ! 何か文句あるか! こんにゃろおお!!

 

「て、天!?」

 

「リアス、久しぶりだな」

 

私がいじけていると、いつの間にか天さんとリアスが話し始めた。

 

「貴方どうしてこんな所にいるのよ……いえ、別にそんな事はいいわ。いや、よくはないけど、置いといて。イッセーはどこにいるの?」

 

「イッセーなら、上に上がって堕天使と一騎打ちをしている所だ」

 

「そう、一騎打ちね……なら大丈夫だわ」

 

大丈夫……ですかねえ。いくら赤龍帝の神器(セイグリッド・ギア)があるとは言え、勝てるでしょうか……勝てますね。あのイッセーの性格だと、神器(セイグリッド・ギア)は簡単にとはいきませんでしょうけど、結構引き出せると思いますからね。それに、アーシアちゃんの事もありますし。

 

「行くのか?」

 

「ええ、多分もう終わってるでしょうしね」

 

「なら俺も行こう……ナリヤ、メルト、行くぞ」

 

「「了解!」」

 

ああっと、リアスと天さんたら、私達を置いて行ってしまいましたよ。まだ、天さんに聞いていないと言うのに……仕方ない、追いかけますか。

 

 

 

「もしや、あの方は……」

 

「どうしました、朱乃さん」

 

階段を歩いていると、隣を歩いている朱乃さんが天さんの背中を見ながら呟いた。

 

どこか懐かしげで、それでいて感謝したいような気持ちでいっぱいのような瞳をしている。……はて、どうしたのでしょうか。

 

「……私がまだ幼かった頃……まだ人間だった頃。一度、死にかけた事があるのです。その時助けてくださった人が、リアスの隣を歩いている彼に似ていまして」

 

へ~……って、多分それ天さんだわ。だって、昔何人か人とか動物とかを助けたって話を天さんから聞かされた時があるんだけど、その時、巫女を助けたって話を聞いたもん。しかも、その巫女ってのが、人間の巫女と、堕天使と人のハーフ巫女……つまり、朱乃さんとそのお母さんの事だと思う。

 

「は、はぁ、そうなんですか……そういえば、何で朱乃さんってなんで悪魔になったんですか?」

 

堕天使と人のハーフである朱乃さん。そんな人が、堕天使の敵である悪魔になんかなたりしないよね。今まで聞いたことなかったけど、ちょうどいい機会だから聞いてみよう。

 

ちょっと恥ずかしそうに頬を赤らめる朱乃さん。……何か聞いていけはいけなかったのでしょうか?

 

「……笑わないでくださいね?」

 

「笑えなかったら」

 

笑っちゃうような内容なの? なんていうかこう、~の恨みを晴らすためとか、~に復讐するためとかじゃないの?

 

「実はですね。私、家出した所をリアスに拾われたんですの」

 

「……へ? 家出?」

 

こりゃあまた、朱乃さんらしからぬ言葉だこと。

 

「家族仲が上手くいってなかったんですか?」

 

「いえ、上手くはいってましたわ。ですが、その……上手くいきすぎていてその、当時の私には刺激が強すぎて」

 

「と言いますと?」

 

「夜の営みを見てしまいまして……しかも、SMの」

 

……あっちゃ~そりゃあ、家族間気まずくなるわ~家でもしたくなりますわ~しかもSMと来ましたらもう……ね。

 

「それで、当時の私はその光景に耐え切れず家出し、その途中でリアスに拾われまして、自暴自棄になっていた私はそのままズルズルとリアスの眷属に……」

 

な……何も言えね~どうしろと? 笑えばいのか? でも笑ったら多分朱乃さん傷つくでしょう。

 

というよりも、朱乃さん自暴自棄になりすぎでしょう! 何ですか、自暴自棄になって悪魔になるなんて! 若いとは言え、もう少し考えて行動しましょうよ。

 

「多分、あの頃の私はお父様に対する敵対心みたいなのがあったのでしょうね。それで、こんなふうに……」

 

「そ、それはなんというか……ドンマイです」

 

これ以外に言葉なんぞ浮かぶか! どうしろって言うんだよ! どうしようもないだろ!

 

「でも」

 

少し落ち込みながら言っていた朱乃さんだが、一度目を瞑ってから、女の私でも見惚れるような優しい笑みを浮かべた。

 

「私は悪魔になったことに悔いていないですわ。悪魔になった今でもお父様との仲はいいですし、お母様との仲も良好ですしね。それに、リアスや小猫ちゃん、木場君やイッセー君、そして銀華ちゃんにササン。他にも沢山楽しい人達に会えましたしね」

 

……この人は、もし私が男だったら惚れてる所でしたよ。いつものお姉さまな雰囲気とは違った年頃の女の子っぽい所も評価高いですよ。

 

「朱乃さん、聞いてるこっちが赤くなりそうです」

 

「あら、ごめんなさい。でも、これが私の本心ですわ」

 

「ああ、可愛い。私が男だったら惚れてましたよ」

 

「ふふふ、ありがとうございますわ」

 

ったく、本当、この人、可愛すぎるだろう。

 

 

 

階段を全て上がり、地上へと出ると、そこには丁度堕天使を殴り飛ばしたのか、両足を光の槍で貫かれながら、殴った状態のまま立っているイッセーがいた。

 

「祐斗」

 

「はい、部長」

 

立っていたイッセーだが、流石に無理がたたったのか、ふらつき倒れそうになる。急いで木場君が駆け寄ってイッセーの肩を支えるが、どうしてでしょう。木場君がホモにしか見えない。

 

「小猫、さっきの堕天使を連れてきて頂戴」

 

「……分かりました」

 

小猫ちゃんが器用に窓から外に飛び出して行く。

 

「さえ、私達はイッセーの所に行くわよ」

 

イッセーの元へ歩いていくリアス。お、いとしのリアスが近づいて来たのに気づいたのか、イッセーがこっちに振り返ってきた。

 

……ん? 教会にあった椅子に横たわっているのはアーシアちゃん? ……ふむ、先ほどの御紋を解消してみましょうか。

 

皆に気づかれないようにコッソリとアーシアちゃんに触ってみる。……やはり、これはアーシアちゃんではない。

 

これは、精巧に作らたアーシアちゃんの人形だ。いったい誰がこんな事を……!! まさか、これをやったのは天さんか?

 

「銀華ちゃん、何してるっすか?」

 

「わひゃあ! もう、脅かさないでください、メルト」

 

視線を天さんに向けながら一人で考えていたら、いきなり後ろからメルトに抱きつかれた。う! この背中に感じる柔らかさは……クソ、このマスクメロンめ!

 

「あ~アーシアちゃんすね~」

 

「そうです。……何か知ってますか?」

 

「知ってるすっよ。でも、答えは合わせはもう少し先っす。ほら、始まするっすよ」

 

答え合わせは先……? どういうことだろう。メルトがこれに関わってるのは分かったが、それ以外は分からない。しょうがない、答え合わせってのを待とう。

 

メルトが離れ、指差す方を見てみれば、そこには堕天使が何かイッセーに懇願している。

 

「イッセー君! この悪魔を一緒にやっつけましょう!」

 

「……部長、もういいっす。やってください」

 

「イッセー君!!」

 

「黙りなさい。私の下僕をたぶらかした罪は重いわ……消えなさい」

 

リアスが堕天使に向ける指に滅びの魔力が集まっていく。アレが当たれば、あの堕天使は跡形もなく吹っ飛ぶだろう。

 

「さあ、始まるっすよ!」

 

「え……!?」

 

リアスの指から放たれた破滅の魔力の塊。その塊が堕天使へと当たる一瞬にも満たない瞬間、破滅の魔力の塊が霧散した。

 

それと同時に、メルトとナリヤは堕天使の横に立ち、私達を迎え撃つような形になる。

 

「すまんな、ここから先は私達に任せてもらう」

 

霧散した理由は堕天使が弾いたとかではなかった。霧散した理由は、天さんが何かしたからだ。

 

見えない。やっぱりあの人の速さはどうあっても見えない。

 

いや、それよりも、どうして貴方までそちら側に居るのですか、天さん! まさか、貴方は堕天使の陣営に行ってしまたのですか……。

 

急いでリアス達の元へ駆け寄る。やはり、全員天さんやメルト、ナリヤの行動に驚きを隠せていない。そりゃあ、そうだ。私だって驚いているのだから。

 

「て、天、何故そっちにいるの?」

 

「それは――――――」

 

「それは、私から説明させてもらうわ」

 

「誰?」

 

「酷いわね。この私の声を忘れるなんて」

 

急に声が聞こえたかと思うと、今度は壊れた扉の方からコツコツとハイヒールの音が聞こえてくる。

 

それと同時に、天さんやナリヤ、メルトが横に一列に並んで頭を下げる。

 

「ササン!」

 

「はーい、リアス」

 

やって来たのはササン。……ん? 頭を下げてるのは、ササンの下僕である人物達。つまり、天さんもササンの下僕になったの!?

 

悠々とササンは堕天使の前へと立つと、堕天使の顔を覗き込む。

 

「こんにちは、堕天使レイナーレ。私はササン・カラビアよ」

 

「貴様……」

 

「ああ、話さなくていいわ。貴方に、二つの道をあげる。一つは、悪魔に転生して、私の下僕になること。二つ目は、ここで私に最大級の拷問を喰らって死ぬこと。どっちがいい?」

 

「ササン、勝手な事は……」

 

「黙ってて頂戴、リアス。今は、こっちの問題なの」

 

ッ!? マズイ、天さんが目で私に言ってる。これは、私達は少し黙ってろって事だ。

 

「リアス、ここは少し黙ってましょう」

 

「……ええ、そうね。ここで下手に口出ししたら、軽くひねり潰されそうだわ」

 

良かった、リアスがまだまともな精神を持っていて。ここで、手柄がどうとうか言う馬鹿な上級悪魔だったら、今頃ここは血まみれになっていたよ。

 

「さて、どうするレイナーレ?」

 

「そんな事、悪魔になるなら……」

 

「ちなみに、貴方のお友達の三人は、今安全に私達が保護してるわ」

 

「……」

 

「それに、考えてみなさい。ここで、貴方がなるといえば、三人は助かる上に……」

 

そこからは、ササンがレイナーレに耳打ちしたので聞こえなかった……けども、私はちょっとした読唇術でササンの唇を見て、ササンの言葉を読んでしまった。

 

ササン曰く、貴方の好みの渋いおっさん系である天がついてくるわよ……だって。

 

はぁ、ササンも馬鹿だな。そんな事でレイナーレが釣れるわけ――――――

 

「……カッコいいかも」

 

釣られてる!! 思いっきり釣られてるよ! この堕天使さん、渋めのおっさんである天さんに惹かれてるよ! おっさん好きとしてその気持ちはわかるけど!

 

「……分かった、なるわ」

 

「商談成立。さて、これで私の目的の一つは消費したわね」

 

堕天使との商談? もとい、多少強引な交渉を終わらせたササンは、こっちに向かって歩いてくる。

 

「で、二つ目の商談。銀華ちゃん、私の眷属にならない?」

 

「なッ!?」

 

「眷属、ですか……」

 

その話は、出される気がしていた。だが、私には天さんとの約束が……て、ちょっと待った。

 

天さんとの約束は、出来れば銀華を人間のまま幸せに生きられるようにして欲しいだったっけ? なら、別に悪魔になってもいいんじゃない?

 

今までリアスには世話になったけど……それとこれとは別問題だよね。悪魔の眷属にも、交換制度があるし、それに基本人間は欲望に忠実だからね。

 

「なります!」

 

「ちょ、ちょっと銀華!」

 

「ごめんね、リアス。今までお世話になったけど、私はやっぱり天さんの元に居たいんだ」

 

「……そんなこと言われたら、無理に止められないじゃない」

 

「ごめんね……でも、一生の別れってわけじゃないんだ。遊びに行ったりするよ」

 

「はい、これで二つ目、最後は……」

 

あっさりと終わった私との交渉をあとにすると、ササンはイッセーの前に立つ。

 

「イッセー君、納得がいかないって顔だね」

 

「……」

 

「そりゃあ、そうよね。君を好いているアーシア・アルジェントちゃんが堕天使レイナーレによって殺されたというのに、堕天使レイナーレは殴られただけで終わり」

 

「分かってるなら……」

 

「そんな君にとっておきのプレゼントをあ・げ・る」

 

イッセーの鼻先をデコピンしたササンは指を真っ直ぐと立てて教会の出口を指差す。全員ササンの指差した方を見ると、そこには長髪の金髪を振り乱しながら走ってくるシスターが……。

 

「アーシア!?」

 

「イッセーさん!」

 

向こうから走ってきたシスター……もとい、アーシアちゃんはイッセーに駆け寄ると思いっきり抱きついた。ふむ、やはりアレは人形でしたか。

 

「アーシア、どうして生きてるんだ!?」

 

「えっと、それは……」

 

「私が予め匿っておいたのよ」

 

「どういうこと、ササン?」

 

得意げな顔して、いきなり腕を組むササン。何でしょうか、無性に腹が立つ。

 

「ふふん。実は、私には今回三つの目的があったの」

 

「何の話し?」

 

「いいから黙って聞いてなさい。それでね、その一つ目の目的が、赤龍帝の強化。二つ目がアーシアちゃんの救出。そして三つ目が、レイナーレの仲間加入」

 

ほ~……成程、ある程度理解はしました。しかし、凄いですね。ここまで計算通りだったら、前もって相当綿密に計画を練っていたんでしょうね。

 

私以外を見渡してみる……はぁ、誰もピンときていませんね。

 

「まず一つ目の赤龍帝の強化。これは、レイナーレと戦わせて強化しようと考えてたのよ。正直言ってあまり期待はしてなかったんだけどね。でも……」

 

一旦言葉を止めると、ササンはアーシアちゃんに向かって指差す。

 

「彼女、アーシア・アルジェントがイッセーと接触し、仲良くなった。これで、レイナーレがアーシア・アルジェントを殺せば、怒りによって赤龍帝の力を強化出来る……と考えたわけ。結果は……まあ、成功って所かしらね。でも、これには欠点がある。それは、二つ目の目的であるアーシア・アルジェントの救出が出来なくなってしまう。そこで、アレ」

 

パチンとササンの指が鳴ると同時に、ナリヤの腕から黄金の鎖を飛ばし、私が先程から人形と言っているものに絡ませて自分の所に持ってくる。

 

「このダミー人形を使ったわけ。これ作るの、すっごい大変だったんだからね。しかも、聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の偽物も作らなきゃいけなかったし……。ま、そのお陰で、この場にいるレイナーレ及びリアス達を騙せたんだけど。それは置いといて、これで、二つ目のアーシア・アルジェントの救出は無事成功。そして、難関だった三つ目。レイナーレを私の仲間にすること」

 

「え、え、な、何?」

 

どうしてでしょうね。急にササンが握り拳を作ったかと思うと、堕天使の元へツカツカと歩いていく。

 

「本当にね、私達頑張ったのよ。イッセー君を傷つけてしまってはリアスが許さないからイッセー君を傷つけさせないようにしないといけない……無理だったけど。しかも! アーシア・アルジェントを傷つけたら、今度はイッセー君が許さないだろうし。それ以上にまず、仲間にする為にレイナーレを脅迫……ん、んん! 誘導するために色々と調べたりしたし……つまり、何が言いたいかというと」

 

ニッコリスマイルなササン。そのササンが握っていた拳が段々と上に上がると……。

 

「一発殴らせろや!」

 

「いたァ!?」

 

イッセーに殴られていたせいか、まともに避ける事の出来ない堕天使は、ササンの全体重が乗った拳を頭に……うわぁ、痛そう。

 

殴らられた堕天使はそのままノックダウン。要は、意識を失ってしまいました。あ、天さんが無理やり堕天使を起こした。うわ、首の骨、ガキッ! とかいってるよ。堕天使、生きてるかなあ?

 

「そんなこんなで、三つの目的を達成された今回の事件は全て丸く収まりましたと。誰も悲しまないハッピーエンドって事で、説明終わり! ああ、話しすぎて疲れた……あ、それとレイナーレと銀華ちゃん」

 

「な、何でしょうか?」

 

「はい?」

 

名前を呼ばれつつ、手招きされる。一体なんでしょうか? わお、首でも痛いのだろうか、摩りながらもちゃんとササンの近くに来ていますよ、この堕天使……いえ、これから仲間になるのですから、レイナーレと呼びましょうかね。

 

手招きしたササンは地面に指差す。これは……正座しろということですかね?

 

「なに?」

 

「正座しろだそうですよ、レイナーレ?」

 

「正座?」

 

ああ、堕天使だけに日本の文化には疎いのですか。仕方ない私が先に手本を……

 

「こうやるんだ、レイナーレ」

 

見せる前に天さんが先にしてしまった。しかも、ナリヤとメルトまで。

 

流石に見せられれば分かるのか、レイナーレも同じように正座する。勿論、私も。

 

横一列に正座し、リアス達の方を向く。すると、ササンが私達より一歩前に出て正座する。もしかして、これは……

 

「リアス・グレモリー様、兵藤一誠様、木場祐斗様、塔城小猫様、姫島朱乃様、アーシア・アルジェント様。此度の一件。私の下僕であるレイナーレが起こした事件、言葉では謝りきれるものではございませんが、謝らせてください。すみませんでした」

 

「「「すみませんでした」」」

 

やっぱり、土下座でしたか。って、やば! 出遅れた! 天さん達が頭下げてるのに、私とレイナーレだけ頭下げてない。

 

「ど、どうすればいの?」

 

「謝れ、このバカ!」

 

小声で聞いてきたレイナーレにこちらも小声で言って、すぐさま頭を下げる。

 

「すみませんでした!」

 

「ごめんなさい」

 

「そ、そんな、いいっすよ。アシーアも生きてましたし……まあ、フラれた上に殺されそうになるのはもう勘弁ですけど」

 

「……そう言ってもらえると、こちらも助かるわ。ほら、レイナーレ、ちゃんとたって謝りなさい」

 

私の隣で土下座していたレイナーレはちょっとムスっとしながらも立ち上がると、イッセーとアーシアの前に立った。

 

「その、謝りきれるものではないけども、ごめんなさい」

 

頭を深々と下げるレイナーレ。

 

さて、アーシアちゃん、一体どうするのでしょうか。仮にも貴方の命と引き換えに聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を取り出そうとした堕天使ですよ。イッセー? どうでもいいです。

 

「……レイナーレ様、顔を上げてください」

 

「アーシア」

 

「レイナーレ様。私は別に、レイナーレ様の事を恨んではいませんよ。例え、私の聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』を取るためとはいえ、行く宛がなかった私をこの教会に迎え入れてくれました。それに……」

 

振り返り、イッセーの腕に抱きつくアーシアちゃん。

 

「レイナーレ様がこの街に呼んでくれたおかげで、イッセーさんにも出会えましたから」

 

「アーシア……本当にごめんなさい」

 

流石、聖女と呼ばれただけはあるね。器がでかい。

 

「さて、これにて一件落着!」

 

はぁ、終わりましたか。じゃあ、帰りましょうかね。でも、その前に……

 

「誰か立たせてください。足が痺れました」

 




長くなったので一旦終了。次回は、色々と補足を入れさせてもらいます。

感想、アドバイス、誤字、お待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。