ハイスクールD×D 天馬の神器を持つ者   作:gbliht

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第二十一話 レーティングゲーム中

「私達は正面突破……なのですが、何でしょうね」

 

「誰もいないわね。何? ここまでたどり着けないとでも思ったのかしら?」

 

本陣から真っ直ぐと本校舎まで走ってきた私と澪。今は茂みに隠れて本校舎を覗いております。……あ、そういえば途中、なんか二十個くらいトラップがあったけど、たいしたことなかったな~。

 

地面を踏んだ瞬間に爆発とか、跳ぼうとしたら頭の上にはピアノ線が張り巡らされてたり、いきなり炎が真正面から飛んできたりとか、たいしたことなかったですが。

 

文字通り正面から全部突破してやったけど、一つくらい引っかかってあげればよかったかな?

 

「ま、誰もいなくてもいいですよ。さ、ちゃっちゃと向かいましょう」

 

「そうね。どうせ、奇襲とかしょうもないこと考えてるだけでしょうし」

 

茂みから飛び出し、校舎へ向かうために通らなければならない校庭を悠々と歩いていく。

 

……ここにもトラップがあるもんだと思っていましたが、一つもありません。つまらないですね、これじゃあ簡単に校舎に――――――

 

「澪」

 

「分かってるわよ」

 

小さな光の槍を作り出した澪は、背後を見ずに光の槍を背後に投げる。すると、数秒後爆音が鳴り響き、砂埃が舞上がる。

 

「やはり奇襲でしたか」

 

「でも、お粗末ね。殺気がただ漏れで奇襲になってないわよ」

 

二人して背後を顔だけづらして見れば、そこには翼を生やして宙に浮いているローブを被った魔道士が。確か、彼女はライザーの女王(クイーン)名前は……ユーベルーナ。爆発女王(ボムクイーン)でしたか。

 

ふうん。女王(クイーン)の登場ですか。これはこれは、好都合。

 

砂埃が収まっていく。さっきまでユーベルーナしかいなかったのに、砂埃が止んだ校庭には、更に一人、仮面を着けた女性が立っていた。

 

「さっきの爆撃を防ぐなんて、やりますわね」

 

「いやいや、余裕ですけど? もしかして、奇襲のつもりでしたか?」

 

あ、ちょっと挑発してみたら、ピキッと青筋立てた。いや~怖い~助けて~。

 

「どうやら、貴方は徹底的に爆殺しないとダメみたですわね」

 

「知りませんがな……澪、貴方は横の仮面をお願いしますね。どうやら、相手は私を指名してるようなので」

 

「分かった。精々手加減してあげなさいよ」

 

「さあ、それはどうでしょうか?」

 

悪魔の翼を背中から出し、空へと飛び上がる。一方、澪は相手の仮面と静かに向き合っている。

 

「ユーベルーナさん? いや、爆発女王(ボムクイーン)? どっちで呼べばいでしょうか?」

 

「ユーベルーナと呼びなさい。小娘」

 

「では、ユーベルーナさん、お願いがあるんですがいいですか?」

 

「何? 命乞いなら聞かないわよ」

 

「いえいえ、そんなものではないです。私がお願いしたいのは――――――」

 

簡単に倒されないでくださいよ。

 

そう言った瞬間、私はユーベルーナに向かって飛び出す。まだ霊的な瞳(アウラー・オブ・ヴィジョンアイ)を発動はしない。だって、発動しちゃったら、瞬殺なんですもん。

 

咄嗟の事で、ユーベルーナは杖を突き出し爆発を起こそうと魔法陣を展開しようとするが、遅い。

 

「え……」

 

展開した魔法陣を勢いよく右足で横薙に蹴り壊し、勢い殺さないまま左足で裏回し蹴りでユーベルーナの腹を思いっきり蹴り飛ばす。

 

おー、すごい飛びましたね。十メートル位吹っ飛びましたよ。……しかし、今の一撃に耐えれるのですか。ならもう少し出力をだしてもよさそうですね。

 

「ぐ! なんて威力! これが、霊的な瞳(アウラー・オブ・ヴィジョンアイ)の力なの……」

 

空中でなんとか態勢を整えたユーベルーナが何か言ってますが、的外れです。まだ霊的な瞳(アウラー・オブ・ヴィジョンアイ)は使っていません。これは私の素の力です。

 

悪魔の駒(イーヴィルピース)を取り込んだおかげですかね、力が溢れて仕方ないんですよ。

 

再びこちらに向かって杖を突き出し、爆発の魔法陣を展開するユーベルーナ。……ふむ、素の防御力がどれほどになっているか気になるので、一回受けてみますか。

 

「喰らいなさい!」

 

はい、喰らいます。

 

私の周りに魔法陣が現れ、一斉に光りだす。次の瞬間、爆音とともに魔法陣は弾け飛ぶ。

 

「あはは、いい弾け具合ね」

 

何やら高笑いしてるユーベルーナですが、残念な事に私、ノーダメージです。何故でしょうね。悪魔の駒(イーヴィルピース)を取り込んだだけで、ここまで防御力が上がるなんて……元のスペックが良かったんですかね。それとも、取り込んだのが、女王(クイーン)だからでしょうか?

 

ま、どちらにしても、もうこの戦いに興味はなくなりました。

 

黒い爆煙の中、悪魔の羽を羽ばたかせるのをやめ、地面に向かって真っ逆さまに落ちていく。そして、爆煙を抜けると同時に、再び悪魔の羽を羽ばたかせ、ユーベルーナの背後に回る。

 

「貴方に一つ教えましょう」

 

「ッ!?」

 

「爆発とは、こうやるんですよ」

 

ユーベルーナの背後に何十個もの魔法陣、そして私とユーベルーナを囲むように結界を展開し、話しかけると同時に指を鳴らし魔法を発動させる。

 

私の声に驚き振り返るユーベルーナ。瞬間、私とユーベルーナを閃光が包み込む。

 

隕石が落ちてきたかのような爆音。常人ならまず耐えられないような爆発が何十、何百と発動していく。

 

そして、ようやく爆発が止むと、そこにはユーベルーナの姿はなかった。……あれ? もしかして、跡形もなく消し飛ばしちゃった?

 

やばッ!? それだったら私人殺しじゃん!

 

『ライザー様の女王(クイーン)リタイア』

 

あ、良かった~。アナウンスが鳴ってるんだから、ユーベルーナは生きてるんだよね。これで、私は人殺しじゃないよね。……なんてね。今更人殺しがどうとか気にはしませんよ。

 

「ケホッケホ。しかし、この爆発でも傷一つないとは、どんな体の構造になっているんでしょうか、私……それとも、初めて使った見よう見真似の魔法陣だったから威力がおちたのでしょうか?」

 

ま、それよりも、澪は……っと、戦ってますね。お、澪、肘関節完璧に決めましたね。ありゃあ、逃げられない。あ、タップが入った。

 

『ライザー様の戦車(ルーク)リタイア』

 

あれで、降参に入るんだ。……でもま、いっか。これで、本陣から本校舎までの道のりは確保っと。後は、天さんとササンがどう動くかによるんだけど……ライザーの所まで攻めちゃっていいか。

 

宙からゆっくりと地面に降りて澪の横に立つ。やっぱりというかなんというか、一切疲れきった様子がないですね。私も疲れてはいないですけど。

 

「お疲れ」

 

「お疲れ。どうだった、クイーンは」

 

「全然、素の力で圧倒できたよ」

 

「やっぱり? 実は私もなのよね。あの修行に比べたらなんというか、全然楽なのよ。同じ戦車(ルーク)なのに、ここまでの差があるなんてね」

 

「そりゃあ、駒二つと一個の差じゃない?」

 

「そうかしらね?」

 

「ま、それはともかく。さっさと攻めに入りましょう」

 

「そうね」

 

軽く澪と会話を交わしてから、本校舎に向かって歩いてく。さて、私達がライザーを倒すまでに、他の皆は来るかな?

 

 

 

「来たわね」

 

本陣で一人で目をつぶって待っていると、校舎の中に複数の気配を感じた。数はおよそ九。ふーん、殆どの戦力を私のところに回してきたわね。面白い。アナウンスで兵士(ポーン)二名脱落だから、他の六名の兵士(ポーン)はこちらに来て女王(クイーン)になっているでしょうね。

 

「ふふふ、いいわね。これでこそ、やりがいがるってもんよ」

 

両脇に置いていた双銃カストルを手に持ち、扉に向かって構える。そして、徐々に私がいる部屋に足音が近づき――――――

 

「動く――――――な!?」

 

「一斉発射。恨みっこは無しよ!」

 

剣を構えたまま扉を蹴破ってきたライザーの眷属に向かって一斉にカストルの弾丸を発射する。

 

カストルの弾丸は私の純粋な魔力を固めている物。例えばもしこれをリアスが持って撃てば、滅びの魔力が圧縮されて弾丸となって打ち出されることになる。魔力の弾丸と言っても、普通の銃と同じで、相手に当たれば貫通くらいはするわよ。

 

なら、私の場合はどうなのかと聞かれれば、私は別に滅びの魔力を持ってはない。だから、ただ単に普通の魔力の弾丸が飛ぶだけなのよ。はぁ、リアス見たいな滅びの魔力が欲しかったわ。

 

……ま、その代わりにカストルに色々とギミックを加えたからいいんだけどね。

 

「でも、泣き言言ってても始まらないわよね」

 

カストルを撃ち続け、まず目の前にいた騎士(ナイト)倒す。そして、弾丸の撃ち過ぎで埃やら木屑やらで視界が悪くなってるうちに、すぐさま扉から廊下へスライディングする。

 

右側に着物大和撫子とそれを守っている剣士。左側には兵士(ポーン)が六人。……よし、まず大和撫子と剣士を倒す。

 

体を起こしながら大和撫子と剣士に向かって弾丸を放つ。左は大和撫子の胸へ。右は剣士の足と顔に向かって撃つ。

 

「うぐ!?」

 

視界が悪い中での不意打ち。流石の剣士でもこの視界では反応が鈍ったのか、頭は弾丸を躱したが、足は躱しそこねて当たる。大和撫子は、そもそも何が起こっているのか理解できていない状態のまま私の弾丸に撃ち抜かれて消えた。

 

剣士が怯んでいる間に、天井へと跳び、コウモリのように張り付き、下にいるクイーンにプロポーションしている兵士(ポーン)に向かって弾丸の雨を降らせる。

 

廊下が狭いことと、何人も固まっていたせいで、満足に避ける事も出来ずに、兵士(ポーン)達は私の弾丸の雨を受け続ける。

 

かろうじて獣耳を生やした少女二人が私の弾丸の雨から逃れ剣士の方へ跳んで逃げる。私はというと、天井から降りて、今は少女達と剣士の向かいに立っている。

 

「奇襲とは、卑怯な!」

 

「ごめんなさい。これも、勝つ知恵って事で」

 

再びカストルを構えて撃とうと引き金を引くが、弾丸が出ない。あれ、もう魔力切れ? 流石に連射すると魔力がなくなるの速いわね。

 

「「チャンスよ!」」

 

弾丸が出ない事を好機と見たのか、笑みを浮かべて突っ込んでくる獣少女達。確かに、魔力切れで弾丸が出ないからピンチかもしれないけど……忘れてもらっちゃ困る。このカストルには、あるギミックが付いていることを。

 

突っ込んでくる少女達に向かって私も突っ込み、片方ずつ握っていたカストルを両方共両手で握る。

 

振り抜かれる二つの拳。少女たちが殴りかかってきたんでしょうが、問題はないわ。

 

咄嗟に体をずらして二つの拳を躱し、私は二人の横を通り抜けようとする。その際、小さくある言葉を呟く。

 

「ハルフゥ起動」

 

「「え?」」

 

通り過ぎ終わると、二人の少女達に刀で切られたような傷が大きく胸から腹に向かって出来る。

 

「なん……だと……」

 

剣士が驚いているのも無理はない。なんてたって、さっきまで持っていた銃は綺麗さっぱり消えて、今私の手には刀が握られているのだから。

 

これが、カストルのギミック。カストルはある言葉を呟くことによって形態を様々なものに変える事が出来る。勿論、銃と刀だけじゃないわよ。あと三つは変化させられるわ。

 

「ふう。久々に振るったけど、意外と体は覚えてるもんね」

 

刀をひと振りし、刀に着いた血を飛ばす。それと同時に、少女達は光に包まれて消え去った。

 

「さて、残りは貴方だけだけど、どうする?」

 

「私は……騎士だ! 私は、騎士の誇りにかけて、最後まで戦う!」

 

自身の持っている剣を杖がわりにして立ち上がり、こちらに向かって戦う気満々の瞳を向けてくる。いいわね。それでこそ、騎士。ライザーの眷属じゃなかったら、欲しかったくらいね。

 

「その誇り、素晴らしいわ」

 

言い終わると同時に、ハルフゥを振るって斜めに袈裟斬りし騎士に止めをさす。

 

『ライザー様の兵士(ポーン)六名、騎士(ナイト)二名、僧侶(ビショップ)一名リタイア』

 

「じゃあ、ライザーの所に向かいましょうか」

 




次回、焼き鳥はどうなるのか。

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