何か楽にルビ振りができる方法はないでしょうか?
「いってぇ! なんだよ、この痛み!
「どうします? リアス」
「助けるに決まってるでしょう!」
魔法で飛んだ先は公園。茂みに隠れ見ていると、そこには、帽子を被った堕天使によって、腹を光の槍で貫かれたイッセーがいた。
な~んでこの子はこの前、堕天使の奴に襲われたのに、またここに来てるんでしょかね? 馬鹿でしょうか?
「他の眷属に連絡は?」
「入れといたわ。朱乃はここにすぐ来るし、小猫も祐斗もすぐに来るわ」
「そうですか……っと、マズイですね」
リアスと会話していると、イッセーに二本目の光の槍が放たれようとしていた。
私の言葉で気づいたのか、リアスもそちらの方を向き、急いで滅びの魔力を指先に集中させる。
この滅びの魔力ってのは、リアスの母方の家系……確かバアル家だっけかな? だかの特有の物で、その名の通り、大体なんでも滅せる。でも、リアスはまだ、なんでも滅ぼせるわけではないですけどね……それでも、そこら辺の悪魔なら一発で滅ぼせる。
滅びの魔力を放ったリアスは、光の槍を消し去ると、飛び出していく。
全く、無鉄砲に飛び出さにでくださいよ。危ないったらありゃしない。
「リアス……先輩と……銀……華?」
あらら、最期の力を振り絞ったイッセーはそれだけを言うと、そのまま地面にうつ伏せになって気絶してしまった。
「何奴!」
「ただのクラスメートです!」
「そんな事を聞いてるんじゃない!」
「聞いてるじゃないですか、やだなあ、もう」
折角、答えてあげたのに、この堕天使ったら、光の槍を飛ばしてきましたよ。こっちは、ただのか弱い人間だっていうのに。
ま、これくらい光の槍、天さんとの修行中にいくらでも味わったので、なんともないですがね。
私は、飛んでくる光の槍を、両手にオーラを纏い、右手で弾く。そして、踏み込んで追撃を仕掛けるが、後ろに飛ぶことで躱されてしまった。
「貴様、何者だ」
「だから、クラスメートだって言ってるじゃないですか」
拳をぶらぶらと振りつつ、目の前の堕天使に言うと、リアスが後ろから一歩踏み出してきた。
「ここを引くつもりはないかしら、堕天使さん?」
「……その紅の髪……なるほど、貴様グレモリーの者か」
堕天使は帽子を深く被り直すと、服に付いていた埃を落とす。
気取った堕天使ですね。なんか、ちょっとイラッときます。殴っていいでしょうかね?
「そちらの者は、貴様の下僕か?」
「えぇ、そうよ」
「そうか……ならば、飼い離しにしとくのはやめといた方がいい、でないと、私のような通り過ぎの堕天使に狩られるぞ」
それだけを堕天使は言うと、踵を返して、夜の闇に溶け込むように飛んでいってしまう。今だ!
「やめなさい」
「あだっ」
クソ~何をするリアス。折角後ろを見せたから殴ろうとしたのに、なんで足を引っ掛けて転ばすんですか。
障害は早い内に叩いとく! ならば、今しか!
「……やめてください。銀華先輩」
「いたい……小猫ちゃん」
地面に倒れていると、私の上にいつの間に来たのか、小猫ちゃんが乗ってきて、右肘の関節を決めてくる。
「えぇ、そうですわよ、銀華ちゃん」
「痛いです、朱乃さん」
地面に倒れていると、その上にいつの間に来たのか、朱乃さんが乗ってきて、左肘の関節を決められてしまう。……なんか、デジャヴ。
それより、肘痛い。なんで二人とも、私の肘を決めるんですか。しかも、息もぴったりですし、威力も中々……ってか、本気です。
流石の私でも、折れますよ。私、これでも人間なんですから。光の槍とかへし折れますけども。
「朱乃、小猫、離してあげなさい」
「はい、部長」
「……分かりました」
やっぱり、二人とも息ピッタリで、同時に離してくれる。
いや~痛かった。後、二百秒位で折れるところでしたよ。
「よっこいしょっと……さてリアス、この子どうする? もう少しで死ぬよ?」
立ち上がり、イッセーの元まで行き、容態を確認すると、腹から血がどっぷり。息はほぼ無し。脈は……だいぶ弱ってますね。
さて、このまま、放っておけば死ぬね。
「それは勿論、助けるわよ。だって、その子は……」
そう言って、リアスはイッセーと一緒に転移魔法に入ると、そのままどっかに飛んでいってしまった。
多分、イッセーの家なんでしょうけど……なんか嫌な予感がするんですよね。例えば、全裸でイッセーと一緒に添い寝するとか……ま、ないな普通。
でも、普通じゃないからな、リアスは。
「すみません、遅れました!」
全てが終わると同時に、木場君が、公園にやって来た。そして、公園の状況を見て、全てが終わってると悟った木場君は……落ち込んだ。
……ふむ、ドンマイ、イケメン。
「ハローササン。ヤッホー」
「あら、ナリヤ、戻ってきたの?」
「戻ってきたよーっと、いや~なにこれ? 面白そうなことがこの街で起こってるようじゃん」
一人部屋で紅茶を飲んでいると、もう一人の『僧侶
彼女の名前はナリヤ・エクスパレント。元人間で、彼の後に入った子。見た目は子供っぽく、腰まである水色の長髪に、薄紫の双眸。これで、結構な強さを眷属内でも持っている。
一応彼女は、彼より遅く入ったが、リアスたちには知られている。彼の方は、顔合わせする前に、ちょっと用事が入っちゃたからね。
それと、彼女にも、神器があるのだけれど……それは後でね。
「それで、仕事の方は?」
「一応、雨天を連れて猫の奴とは話してきたよ。いやー驚いてたね、あの猫。なんてたって、目の前にいるのが、命の恩人なんだからね。かなり、感謝してたよ」
「そう、それで、会った感想はどうだった?」
私は紅茶を一口飲み、部屋の隅っこに向かって声を掛ける。
「元気だった。妹さんもこの学校にいると言っていたな。それに、はぐれ悪魔扱いされてはいたが……まったく。完全な悪人ではなく、むしろアレは、主が最大限に悪いな」
「それなら良かった」
相変わらず低い声音で、彼はぶっきらぼうに答える。
彼、もうちょっと表情を表に出せばいいのに。そうしたら、かなりのイケメンなのだけどね。……それとも、アレかしら? こんな歳にもなって、はしゃぐのが恥かしとか? ……ありそうね。
「じゃあ、ここら辺であたしは……」
「ああ、ちょっと待ちなさい」
報告を終え、出ていこうとしたナリヤに声を掛け、一枚の紙切れを渡す。
「ちょっと用事があるから、あまり遠くには行かず、ここら辺にいて頂戴。むしろ、学校にいなさい……それと、そこに書いてあるもの、持ってこれるだけ持ってきて頂戴」
「わっかりましたーじゃあ、あたし、明日から学校に登校しますわ。ブツの方も、できるだけ早く」
「よろしく」
それだけを言うと、ナリヤは部屋から出ていった。
「ササン。さっき、イッセーが堕天使に襲われたが、どうする?」
「どうするって? そうね……まだ、放置でいいわ。貴方の言っていた堕天使の仲間かもしれないし」
この前、彼が会った堕天使の子。その子、なんか他の堕天使より光の密度が濃いらしいのよね……それが気になるし、もし、本当に他の堕天使より光の密度が濃かったなら……眷属に入れようと思ってね。
「わかった。しかし、もしイッセーが殺されそうになったら、助けるぞ。無論、他の生徒も襲われていたら助けるが」
「そこら辺は任せるわ。貴方のさじ加減でやって頂戴。ああ、それと、リアス達が堕天使を殺そうとしていたら、堕天使の方を助けてあげて」
「わかった」
彼は一言返事をすると、この部屋から消えた。
「さて、もう少しでパーティーが始まるわよ」
「で、イッセーを部室に呼んで来いと?」
「ええ、その通り」
堕天使にイッセーが刺された次の日、私はリアスに部室へと呼び出されてた。
なんでも、今日イッセーに悪魔だってことを伝えるんだそうだ。そのため、私にイッセーを呼び出して欲しいとの事。
ぶっちゃけ、嫌です。つか、めんどい。あと、変態だから。その他諸々の理由でやりたくない。
「ええっと、嫌です」
「そこをなんとか!」
部室の中で全裸になりながら、リアスは両手を合わせて、可愛らしく舌を出しながら言ってくる。
あざとい、あざとすぎる。そして、女から見れば、それは逆効果だ。
ああ、あと、リアスが部室で全裸なのは、別にリアスが痴女ってわけじゃないいんですよ?
リアスが全裸なのは、昨日、イッセーと添い寝したせいで、風呂に入れなかったからとか。
ま、案の定、添い寝の時は全裸だったそうですが……まあ、それは置いといて。それで、今は部室に備えられている風呂に入ろうとしているため、リアスは全裸になっているのだ。
しかし、どうしましょうか? リアスは私を頼っているようですが、めんどいので、誰か代わりになる人がいないですかね?
……あ、いるじゃないですか、丁度いい人が。
「リアス、何もそれは私がやらなくてもいい仕事でしょう?」
「まあ、そうだけど……貴方が一番イッセーの事を呼ぶのが楽かなと思って」
「楽ではないけどね。じゃあ、別に私じゃなくていいんだね」
「ええ、別に呼んできてくれるなら、誰でもいいけど」
「そっか、じゃあ、あとは私に任せて。放課後、イッセーをここにこさせるから」
そう言って私は、部室から出て、自分の教室に向かっていく。
廊下を歩き、自分の教室に向かっていると、一人の小柄な少女が廊下を歩いていた。
「あれは……おーい、ナリヤー!」
「んお? おお、銀華ちゃんじゃあ、ないですかー」
最近学校に来ていなかったナリヤに、手を振りながら声をかけると、ナリヤはイカぽっぽを口に咥えたまま振り返り、手を振り返してきた。
「珍しいいですね、貴方が学校に来ているなんて」
「仕事が一段落ついたからね。今日から数日は学校に復帰だよ」
ナリヤの隣に並びつつ、廊下を一緒に歩く。クラスは、木場君のクラスなのだが、ま、途中までは一緒の道だしね。それに、彼女とは結構仲がいいし。
イカぽっぽを噛じりつつ、ナリヤはこっちを向いてくる。
「んで? 銀華ちゃんはどうしてこんな時間に? いつもはもっと早いじゃないですかー」
「リアスに呼ばれたんだよ……と、そうだ、丁度いい。ねえ、木場君にさ、放課後イッセーを部室に連れてきてって伝えてくれない?」
「木場君にかい? オッケーいいよー」
笑顔でナリヤは言いつつ、口に咥えていたイカぽっぽを丸呑みにして食べてしまった。
そして、手を頬に当てると、先程食べたイカぽっぽがあまりにも美味しかったのか、ニンマリと笑う。
「いやーやっぱり、イカぽっぽは美味しね。特に朝に食べるやつは」
「普通、イカぽっぽは朝に食べるものじゃないと思うけど?」
「いいんだよー、朝飯は人の自由さ! それじゃあ、銀華ちゃん。また放課後ねー」
「よろしくねー」
私のクラスの前で、ナリヤと分かれて、私は自分の教室に入る。すると、教室は一瞬静まり返ったかと思うと、ゴミ虫二人がいきなりひれ伏してきた。
「「銀華様!! その足で私たちを踏んでくださませ!!」」
「やだ、断る。誰が踏めと言われて踏むものですか。踏んで欲しかったら、全裸で教室に待機するくらいの気概は見せなさい」
な~んて、Sっけたっぷりで言ってやったら、ゴミ虫二人は悶えて、その場で四つん這いになってビクンビクン痙攣し始めた。うわっ、キモ。
そんなキモイものは無視して、私はクラスの友だちに挨拶しながら、自分の席に座る。
「なあ、銀華」
「おや? イッセー君ではないですか」
席に座り、教科書の準備やら何やらをしていると、急にイッセーが話しかけてきた。それも、結構神妙な顔で。
大方、昨日のことなのでしょうけど、今この場で話すわけにはいきませんし、そもそもリアスが説明するそうなので、ここは適当に誤魔化しときますか。
「なあ、銀華。昨日俺、お前の姿を見たんだよ」
「ほう、それはそれは、一体どこで?」
「それは、その……公園で、だよ」
「時間は?」
「夜中」
「ならそれは見間違いでしょう。私はその時、自分の部屋にいましたし、何より、女の子がそんな時間にウロウロしてるはずがないでしょう?」
イッセーに答えつつ、私は紙を出して、ペンで文字を書いていく。外国出身ですが、天さんのお陰で、五カ国語位は話せますし、文字で書けるんですよ? 凄いでしょう。
「そんな、とぼけないでくれよ! 俺、昨日お前の姿とリアス先輩の姿を……」
「イッセー」
「なん……!」
肝心の、一般人の知られてはいけない所まで口走ろうとしたので、私は紙に書いた文字を教室の皆に見えないようしながら、イッセーに見せる。
『話は放課後に話す。だから、それまで黙っとけ。分かったな? わかったなら、頷きながらわかったと言って、大人しく放課後まで待て』
「……分かった」
頷きながら、渋々といった感じでイッセーは自分の席に座る。
「さて、これで後は放課後を待つだけ」
一人呟いた私は、そのまま自分の席に座り、雨天さんが来るのを待つのだった。
如何だったでしょうか?
感想、アドバイス、批判、誤字報告、お待ちしております