ハイスクールD×D 天馬の神器を持つ者   作:gbliht

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遅いですが、暇があればこの作品も見てください。


第六話 イッセー加入

「さて、放課後になってしまいましたね」

 

腕をまっすぐ上に伸ばして背伸びをしながらイッセーの席の方を向く。まだ席にイッセーは座っているので……逃げるなら今か。

 

そそくさと帰り自宅を済ませ、イッセーにバレないようにこっそりと教室を出て行く。私がいなくても、ちゃんと木場くんがイッセーのことを部室に連れてくるでしょう。なので、ここは、イッセーとの変な噂を立てられたくないので、去るに限る。

 

変な噂が立つのは、木場君とイッセーのホモホモしいBLの噂だけたっていればいいんですよ。

 

「よし、脱出完了」

 

教室を出て、廊下をこっそりと歩き、木場君の教室に行く。

 

「木場君、木場君」

 

「あれ? 銀華さん、どうしたの?」

 

教室の中には入らずに、廊下からこっそりと木場君に手招きしながら声を掛ける。そんな私に、すぐ木場くんは気づき近寄って来た。

 

「木場君、今朝ナリヤから言われてると思いますが、あとはよろしく頼みましたよ」

 

「ナリヤさんに言われたこと? ……ああ、イッセー君のことだね。分かった、後は僕に任せて」

 

「では後ほど部室で」

 

伝えることだけを伝え、私はその場をそそくさと去る。

 

教室の方を見れば、私がいなくなったことにようやく気づいたのか、イッセーが慌てて教室から飛び出し、辺りをキョロキョロし始めた。

 

まるで飢えた獣のようですね。流石、万年発情期のイッセー君は違います。

 

振り返り、目線だけで木場君に、イッセーの元へすぐに行ってくれと伝え、人が結構いる廊下の人を避けながら無音で走っていく。一応、走る速度は押さえてますけどね。

 

 

 

そうして人々の間をすり抜け、外靴へと履き替えて旧校舎へと向かう。

 

……ここまでくれば、見つかることはないでしょう。さてっと、どうやってイッセーに言い訳をしましょうかね。

 

単純に一緒に歩きたくなかったから木場君に任せた? それでもいいかもしれないですね。でも、ぶっちゃけ私が説明するとは一言も言ってないですし、別に私が話さなくても問題は無いですよね?

 

ま、イチャモンでも付けられそうになったら、小猫ちゃんやら朱乃さんやらリアスの姿でも見せれば、エロ妄想に集中しすぎて忘れるから大丈夫でしょう。

 

ちょっとした林の中に建っている旧校舎の入口を開け、いつものオカルトメンバー……リアス達がいる部室へと向かう。

 

「こんにちは」

 

「……こんにちはです、銀華先輩」

 

「ハロー銀華ちゃん。お邪魔してるわよ」

 

部室の中へと入れば、そこにはソファーに座って羊羹を食べている小猫ちゃんと、同じくソファーに座りながら紅茶を飲んでいるササンがいた。

 

「貴方がいるということは……リアスはどこですか?」

 

「リアスなら、昨日お風呂には入れなかったからって言って、シャワー浴びてるわよ」

 

ひとさし指を部屋の奥の方に指しながら、ササンが言ってくる。

 

指さされた方を見れば、何故か部屋に備え付けれているカーテン一枚のシャワー室の方から、水しぶきの音が聞こえる。なるほど、リアスはあそこですか。

 

鞄を部屋の隅にあるテーブルの上へと置き、小猫ちゃんの隣に座り込む。

 

「……どうぞ」

 

「ありがとう、小猫ちゃん」

 

小さなお皿に乗った羊羹に竹で出来たような串を添えて、小猫ちゃんが差し出してきてくれた。

 

ありがたく羊羹を受け取り、一口食べる。うん、美味しい。頭使ったあとだから、よけい美味しく感じる。

 

「そういえば銀華ちゃん」

 

「はい?」

 

二口程で羊羹を食べきると、紅茶を飲んでいたササンが声を掛けてきた。

 

「貴方のクラスに行った雨天はどんな感じかしら?」

 

「雨天さんですか? 至って良い方ですよ。少し無口で怖いですが、来てから数日で生徒からの支持も得てますし、頼れる先生としてやってますよ」

 

本当の話しだよ。雨天さんの勉強は覚えやすいことで有名だし、説明も的確だ。そこら辺の教科書や参考書よりも的確。

 

それに、生徒の相談も積極的に受けてくれる。しかも、全ての質問に的確な答えを返してくれるって話しだし。

 

まあ、私は相談したことはないんですがね。

 

「そう、それは良かったわ」

 

「質問に答えたので、こちらも質問していいですか?」

 

「どうぞ?」

 

紅茶を飲みながら言ってくるササンに、これまで疑問に思ってきたあることを聞く。

 

「雨天さん……あの人は、天馬さん……ではないですよね?」

 

ササンの飲んでいる紅茶のカップが、注意してみなければ分からない程僅かにぶれる。この反応は……やはり、あの人は雨天ではなく天馬さんなのでしょうか?

 

「どうしてそう思うのかしら?」

 

「あの言いようのない時間の感覚。あんな変な時間を感じさせることが出来るのは、私は天馬さんだけしか知りません」

 

時間が早まったようであり、遅くなったようであり、時間が止まったようであり、時間が途切れたようだったり……あんな変な感覚、天馬さん以外考えられない。

 

紅茶を優雅に飲みながら、ササンは少し目を瞑る。そして、目を開け、ササンが口を開こうとした所で――――――

 

「こんにちは。部長、イッセー君を連れてきました」

 

空気の読めないイケメソが入ってきた。

 

なんての間の悪い。あと少しでササンから聞き出せたというのに……仕方がない。また今度聞くことにしよう。

 

木場君の後をオズオズと畏まりながら入ってくるイッセー。そんなイッセーは、羊羹を食べている小猫ちゃんを見ると、固まる。大方、学園のマスコット的存在である小猫ちゃんがここにいることにでも驚いているんでしょう。

 

「小猫ちゃん、こちらイッセー君。僕たちの同期だから、小猫ちゃんの先輩だね」

 

「あ、どうも、兵藤一誠です」

 

「……塔城小猫です。よろしくお願いします」

 

イッセーたらかしこまっちゃって、借りてきた猫みたい。

 

小猫ちゃんから視線を外し、今度はササンを視界に入れるイッセー。

 

この学校の三大お姉さまの一人であるササンに目がいったか。変態だね、流石だと言いたいよ、クソイッセー。

 

「ササンさん、こちら例の赤龍帝です」

 

「へ~この子が今回の赤龍帝なのね」

 

紅茶をテーブルに置き、立ち上がると、イッセーの顎を持ち上げながら、瞳を凝視するササン。ああ、童貞野郎イッセーなのだから、そんなことしたら、固まって動けなくるよ。実際、固まって動けなくなってるし。

 

「う~ん、かわいい系の子だけど、私の好みじゃないわね。私的には、雨天の方が百倍好みね」

 

あ~らら、はっきり言われちゃいましたね、イッセー。

 

ショックを受けたのか、落胆した表情で地面に四つん這いになりそうになる。なりそうになったということは、実際はなっていないわけで、イッセーは四つん這いになる前に、奥の方から聞こえるシャワーの方に反応してそちらの方を向く。

 

うっわーマジキモいっす。野獣っす。目線が完全に性欲に飢えた獣ですわ。

 

「……いやらしい目」

 

うん、小猫ちゃんの言うとおり。いやらしすぎる。モテたいとか言ってるのに、こんな目してるから、モテないのですよ。

 

天馬さんなんか、色恋沙汰にあまり興味なかったからでしょうかわかりませんが、こんな瞳見たことないですよ。まあ、あの人は基本戦いに没頭してる人だったからアレなんでしょうけど。アレの意味は、ご想像にお任せします。

 

「部長、これを」

 

「ありがとう、朱乃」

 

シャワーの音が止まり、奥の部屋から朱乃さんとリアスの声が聞こえる。あそこに朱乃さんもいたんですか……気づきませんでした。

 

服でも着ているのか、スルスルと服の擦れる音が聞こえてくる。

 

おうおう、段々ヨダレが出そうなくらいいやらしい表情になってきましたよ。……あ、ヨダレが垂れそうになって袖で拭った。

 

どこまで変態なんですか? イッセー。

 

「ごめんなさいね。昨日イッセーの部屋に泊まったから、お風呂に入れなくて……」

 

「リアス、まさかイッセーに添い寝したわけではないでしょうねえ?」

 

「え? したけど……あいたッ!」

 

ソファーから立ち上がり、軽くリアスの頭を叩く。

 

何やってのよリアス! 貴方はアホですか……いや、アホだった! イッセーに添い寝? そんなことしたら、女性としての貞操が危ういわ!

 

なのに、なのにリアスったら……ああもう! この危機感ゼロ女!

 

「何するのよ、銀華!」

 

「こっちのセリフです。何をやってんですか、この危機感ゼロの処女女郎。そんなことやってたら、いつの間にかイッセーに処女奪われますよ」

 

「お、おい、銀華! いくらなんでもそんなことは……」

 

「黙ってなさい、この童貞野郎! ……ま、いいでしょう。これからは気をつけてくださいよ、リアス」

 

「はい……」

 

私の罵声にしょぼくれたイッセーは置いといて、リアスに最後の一言を言い終えたあと、再びソファーに座りなおす。

 

「さて、リアス。イッセーに昨日の説明をどうぞ」

 

「そ、そうだったわね」

 

いつもの調子になったのか、リアスは腰に手を当て、ふんぞり返ると、ひとさし指を上にまっすぐと立てる。

 

「イッセー、貴方をオカルト研究部の一員として、歓迎するわ」

 

そうリアスが言うと同時に、私以外の全員が背中から悪魔の翼を生やす。

 

「悪魔としてね」

 

 

 

その後、イッセーを私の向かいのソファーに座らせ、しばらくの間、イッセーが悪魔になった理由とオカルト研究部の実態。そして、あの堕天使の女がイッセーを騙していた話しをした。

 

悪魔になった理由は、とりあえず勘違いだったことは言わずに、あの堕天使が殺したことにしといた。なんて言ったけ? ほら、あの変に紳士的な奴の方……忘れたからいいや。

 

で、そいつに殺されて、間一髪の所で、リアスが配っている、悪魔が願いを叶えてくれる魔法陣をイッセーが持っていて、その魔法陣のお陰で、イッセーが救われたってことにした。

 

オカルト研究部のことは、オカルト研究部は仮で、悪魔の活動が本業なのだと話しとく。

 

そして、初めての人が堕天使で、騙されていたことに酷くショックを受けたイッセーは落ち込むが、リアスの話しは続き、今は悪魔の業界の事と、神器(セイクリッド・ギア)の説明に入ってる。

 

「神器(セイクリッド・ギア)?」

 

「神器(セイクリッド・ギア)っていうのは、人間に宿る規格外の力のこと。過去の有名な偉人たちだって、神器(セイクリッド・ギア)をその身に宿してたしね」

 

「ちなみに、現代にも神器(セイクリッド・ギア)を宿している人はいるのよ。私とかね」

 

「へ~……って、銀華! しれっと説明してくれてるけど、なんでお前がここにいるんだよ! それに、説明するって言っときながら、なんで先にいなくなるんだよ」

 

「その話は、後ででいいでしょう。それに、今説明してるんだから、大人しく聞けこの野郎」

 

急に突っかかってきたイッセーを一蹴して、テーブルに置いてある紅茶を飲む。

 

「まあ、それでね。神器(セイクリッド・ギア)は人間社会でしか機能を果たさないものばかりなのだけど、例外もあるわ。堕天使や悪魔に天使。神だって殺せるものだってある……イッセー、手を上にかざして頂戴」

 

「手……ですか?」

 

リアスに言われたとおり、イッセーは左手を上に掲げる。

 

「目を閉じて、あなたが最も強いと思う存在を思い浮かべなさい」

 

「最も強い存在……ド、ドラグ・ソボールの空孫悟かな……」

 

ああ、あの野菜人とかが出てくるアレですか……アレは面白いですよねえ。天さんも結構好きでしたし。天さんだけに。

 

「そう、それじゃあその人物が一番強く思える姿を思い浮かべて」

 

「……」

 

お、出るかな? あの技。有名なあの技を!

 

「ゆっくりと腕を下げて、立って」

 

イッセーは目を閉じたまま立ち上がる。

 

「そして、その人物が最も強くなる姿を真似して。強くね」

 

やはりこの歳になって、あの技の真似は辛いのか、少しだけ躊躇ったあと、イッセーはゆっくりと両手を開いてくっつけ、前へ突き出す。

 

そして――――――

 

「ドラゴン波!」

 

……ぷふ、ふふふふふ!

 

面白い、面白すぎる! ドラゴン波って! 確かに彼がやれば格好良いですけど、イッセーがやるなんよ……ぷふ!

 

イッセーから顔を背け、ソファーに顔を埋めて、必死に笑うのを堪えながらソファーを叩く。

 

「さあ、目を開けてみて。魔力が漂うこの空間なら、貴方の神器<セイクリッド・ギア>もこれで発現するはずよ」

 

「な、なんじゃこりゃあああああああああああああ!!」

 

イッセーが目を開くと同時に、まばゆい光が部屋の中に広がる。

 

私はソファーに顔を埋めてたのであまり光は感じませんでしたが、モロに食らってたら目の前が見えなくなるでしょうね。

 

光が徐々に収まり、ソファーからイッセーの方へ顔を向けると、そこには左手には真っ赤で、真ん中には丸い宝玉がついた籠手が装着されていた。

 

「それが貴方の神器。一度発現出来れば、いつでも出せるわ。……さて」

 

リアスが立ち上がると、その後ろに他のオカルト研究部の面々が整列する。そのリアスの横に、私とササンが並んで立つ。

 

「改めて自己紹介するわね、祐斗」

 

「僕は木場祐斗。イッセー君とは同学年ってことは分かってるよね。えーと、悪魔です。よろしく」

 

「……一年。塔上小猫です。……よろしくお願いします。……同じく悪魔です」

 

「三年生、姫島朱乃ですわ。研究部の副部長も兼任しています。これでも悪魔ですわ、うふふ」

 

「三年。ササン・カラビア。リアス達と同じく、悪魔。でも、リアス達とは違うグループだから、よろしくね」

 

「五月雨銀華。私は悪魔じゃないから、そこら辺よろしく、イッセー。いえ、童貞野郎」

 

「そして、私がこのオカルト研究部部長、リアス・グレモリー。家の爵位は公爵でこの子達の主。そして、貴方もこれから私に仕えることになるわ。よろしくね、イッセー」

 

全員の自己紹介が終わると、皆の背中から一斉に黒いコウモリの翼が生える。勿論、イッセーの背中からも。

 

さて、これで説明も終わりましたし、これからの悪魔としてのイッセーの生活が楽しみですね。……いえ、赤龍帝の生活が、ですかね。

 




次はいつ更新になるかな……?

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