ハイスクールD×D 天馬の神器を持つ者   作:gbliht

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今回、四千文字と多少少なめですが、区切りが良かったので。
それと皆様、遅くなってしまい、申し訳ないです。


第七話 イッセーのチラシ配りしかし、即効で終了

さて、あの説明から幾日後。私はリアスと共に、オカルト研究部の部室で紅茶を嗜んでいた。

 

新しく入ったイッセーは、チラシ配りだ。

 

チラシ配りっていうのは、新人悪魔がやらされる一つの仕事。その内容は、悪魔を呼ぶためのチラシを、色々とお願い事のある人の家に届けるというものだ。

 

本来は悪魔の手下というかなんというか、とりあえずそんな感じの使い魔に任せるのだが、新人悪魔さんは何故かチラシを配らないといけないらしい。

 

まあ、そんなこんなで、今日はそのイッセーのチラシ配りが終わり、いよいよ悪魔としてチラシを配った人達に呼び出されることになりました。

 

いや~、ようやくですね。一体どんな方に、この変態なイッセーは呼び出されるのでしょうか? ま、どうせ、同じタイプの変態なんでしょうけど……いや、変わり者って言った方がいいかな?

 

「さて、リアス。他の皆は?」

 

「そろそろ来るわよ。ササンも来るって言ってたし」

 

「へ~ササンさんがですか。でも、何故?」

 

「さあ? 現赤龍帝がどんなのか気になるんじゃないからかしら?」

 

はて? 本当にササンは何が目的で来るのでしょうか?

 

オカルト研究部の一員でもないし、ましてやリアスの下僕でもない。まあ、親友ではありますけど。

 

……なんでもいいですか。リアスの言った通り、ただ赤龍帝イッセーの事だけが気になるだけでしょうし。

 

 

 

そして時間は進み、リアスと会話している内に、いつの間にかオカルト研究部のイッセーを除くメンツが全員揃った。

 

「はい、小猫ちゃん」

 

「……ありがとうございます、銀華さん」

 

ソファーに座っている私の隣にやって来た小子猫ちゃんに、そっとケーキを差し出す。

 

ああ、かわいい。流石駒王学園のマスコット。可愛すぎる!

 

「こ~んば~んは~」

 

「失礼する」

 

「あら、ササン。遅かったじゃない」

 

「少しある物の生成に手間取ってね。ほら、雨天」

 

小猫ちゃんのケーキを食べる姿に見とれていると、急にオカルト研究部の部室が開き、ササンと雨天さんが部屋の中に入って来た。

 

相変わらず無表情な方ですね、雨天さん。渋い。

 

「あら、雨天。貴方はなんで来たの?」

 

「なに、現代の赤龍帝をこの目で確かめてみようと思ってな」

 

私たちの後ろにある一人用の椅子に座り、リアスに言葉を返す雨天さん。ササンはリアスの横に座った。

 

「……あの」

 

「ん、どうした?」

 

あれ? さっきまで私の隣にいた小猫ちゃんが、いつの間にか雨天さんの前に行ってる。いつの間に?

 

「……これ、どうぞ」

 

「ああ、ありがとう」

 

小猫ちゃんが持っていたケーキを雨天さんに渡すと、雨天さんはケーキを食べ始めた。

 

「……どうした?」

 

「……いえ」

 

ケーキを渡し終えたのに、一向に小猫ちゃんが戻ってこない。戻ってこないどころか、雨天さんの方を見て、固まっている。一体どうしたのだろうか?

 

雨天さんも小猫ちゃんに気になったのか声を掛けてみるが、いい回答が帰ってこなかったみたい。

 

いい回答が帰ってこなかった雨天さんは、ケーキを食べる時に使用したフォークをケーキの皿に置くと、顎に手を当て考え始める。

 

……あの考える姿勢。天さんにそっくり。まるで、天さんを見てるよう。

 

「……おいで」

 

考え事を終えたのか、雨天さんは顎に手を当てるのをやめ、自分の膝を軽く叩く。

 

「……」

 

小猫ちゃんは、少しためらったあと、ゆっくりと歩き出すと、チョコンと雨天さんの膝に乗っかった。

 

……可愛い。行動全てが可愛すぎる。

 

「あらあら、まるで親子のようですわねえ」

 

「そうですね。雨天さんの若さ的に、もうちょっと小さい子のような気がしますけど」

 

「いや、私に娘がいれば、今頃は木場君位の歳だよ……はい、アーン」

 

木場君と朱乃の会話に雨天さんは返答すると、フォークを手に持ち、ケーキを小猫ちゃんにアーンする。

 

……何故でしょう。アーンされている小猫ちゃんが羨ましい。胸がモヤモヤする。

 

「……あむ」

 

「よしよし」

 

小動物のようにパクッと一口小猫ちゃんは差し出されたケーキを食べると、雨天さんに頭を撫でられている。

 

めっさ、小猫ちゃん嬉しそう。いつもはクールな小猫ちゃんの頬が、僅かに緩んでいるもの。

 

ああ、いいないいなあ。私も雨天さんに撫でられたい……って、なんで私はこんなことを考えてるのでしょうか?

 

天さんならまだしも、雨天さんに撫でられたいなんて……やはり、雨天さんが天さんに似ているからでしょうか? 見た目とかじゃなくて、雰囲気が。

 

「……ぐぬぬ」

 

なんでか私は握りこぶしを握っていた。

 

負けた気がする。駄目だ。後で、何かでストレス解消しないと、ストレスで爆発してしまう。

 

「銀華、こっちに来い」

 

「? 何ですか雨天さん」

 

握りこぶしを解き、雨天さんに言われた通りに雨天さんの元へと行く。

 

そして、雨天さんの元へと着くと、雨天さんは小猫ちゃんが座っている膝とは違う方の膝を指差す。

 

これは……座れということでしょうか? 少し気恥ずかしいですが、座ってみますか。

 

雨天さんの指差す通り、雨天さんの膝へと座る。

 

「あらら、今度は大きな娘さんが出来ましたわねえ、雨天さん」

 

「こんな二人みたいな娘が出来たら、俺は幸せだよ」

 

なんてことを言いながら、雨天さんは私の頭をそっと撫でてくれる。

 

……ああ、これだ。この頭を撫ででくれる感覚。懐かしい。あの天さんと旅していたとき、よくこうして撫でてもらっていたなあ。

 

本当に、あの頃が懐かしい。

 

「……銀華先輩」

 

「ん? どうしたの、小猫ちゃん?」

 

「……涙、出てます」

 

「え?」

 

そっと頬を触れてみたら、何か温かいものが私の頬を伝っていた。

 

泣いてる……? 私が? 

 

今まで、天さんがいなくなったことに涙を流したことはなかったのに……なんで、今になって……涙が流れるの?

 

「大丈夫、大丈夫だよ」

 

「……銀華先輩」

 

「大丈夫……だから」

 

必死に瞳から流れてくる涙を袖で拭い、小猫ちゃんに向かって笑顔を作る。

 

そう、大丈夫。大丈夫だよ。天さんが死んだ後でも、私は強く生きるって決めたんだから。

 

だから、だから! そんな顔をしないでよ――――――天さん。

 

 

 

「いや~可笑しかったわね、イッセー君」

 

私は現在、オカルト研究部から自分の持っている部屋へ戻り、さっきあったイッセー君の事について思い出し笑いしていた。

 

イッセー君がオカルト研究部の部室へと、いつもの仕事を終えて帰って来ると、リアスは早速とばかりにイッセー君を魔法陣を介して依頼人の元へと飛ばそうとした。

 

でもね、なんとイッセー君ったら、魔力が足らなすぎて依頼人の元へと行けなかったの!

 

 

もう、これにはその場にいた全員が固まったわね。だって、子供の悪魔でも出来ることをイッセー君は魔力が足らなすぎて出来なかったのよ?

 

いや~笑った笑った。久々に面白いものが見れたわ。

 

「それで、貴方はどうして先程からそんな表情をしているの?」

 

部屋にあるソファーに座り、部屋の隅の方でボーっとしている雨天に話しかける。

 

オカルト研究部から戻ってきてからずっとこの調子だ。ただ、ボーッとして、全てのことについて上の空のように見える。

 

「……いや、置いてきた娘が泣いていたもんだからな」

 

「あら、ぶっきらぼうの貴方でも、娘を思いやる気持ちはあるのね」

 

「元は人間だからな。それに、両親が死んでからは、アイツがたった一人の家族だったからな」

 

「そうね」

 

私は巨大な体をしているくせに、チョンっと触れば崩れてしまいそうな雨天へと近づき、雨天の肩の上から顔を出し、そっと後ろから雨天を抱きしめる。

 

「……ごめんなさいね、雨天。もう少しだけ待ってね。そうしたら、あの子の元に行っていいから」

 

「……いや、あの子の元へはいかんさ。俺の居場所はお前だけだ、ササン」

 

ああ、本当。どうしてこの人は、こんなにも渋くて格好良いのだろうか。もし、他の人だったら、惚れてるわよ。私は一目見た時から惚れてるけど。

 

「ありがとう……天馬」

 

「ああ、ササン」

 

彼に抱きついてる腕に更に力を込め、ギュッと抱きしめる。彼は彼で、彼の肩の上に置いた私の頭を優しく撫でてくれる。

 

「おやおや~これはちょいとお邪魔でしたかね~どう思います~メルトさん」

 

「いや~これはこれで~ぐっとタイミングではないっすかね~そう思いませんすか~ナリヤさん」

 

「ナ、ナリヤ! メルト!」

 

雨天にばっかし集中しすぎて見落とした!

 

二人の声に咄嗟に雨天から離れ、入口の方を見ると、そこには頭だけを部屋の中に入れて、ニタニタと笑っているナリヤとメルトがいた。

 

くそ~恥ずかしい! あの二人にこんな姿見られるなんて! 絶対この事でネタにされて弄られる!

 

そもそも、なんで二人がここにいるのよ! 仕事はどうしたのよ! まったく!

 

「二人とも、何でここにいるのよ!」

 

「いやね~例のブツを届けに来たんですよ~」

 

「私は仕事が一段落着いたので、途中で会ったナリヤの付き添いっす」

 

「そ、そう……ん、ゴホン! ありがとう、メルト。例のブツを頂戴」

 

「ほい」

 

メルトから貰った大きな紙袋を受け取り、中身を確認する。

 

確かに、例のブツは全部揃っている。これなら……例の作戦も決行出来そうね。

 

「そういえばササン。堕天使側の情報によると、そろそろこの街に来るそうっすよ、あのシスター」

 

「そう……なら、そろそろ準備に掛からないとね。ナリヤ、メルト、貴方達はこの学校にいつも通り通って、いつでも作戦を決行出来るようにして。雨天は変わらずいつも通り教師をして頂戴。もし何かあったら、私に連絡。分かった?」

 

「「イエス、マイマスター」」

 

「了解した」

 

礼儀正しく並んだ二人は同時に言い頭を下げ、雨天は相変わらずのぶっちょう面で首を縦に振る。

 

ふふふ、さてさて、これから楽しくなるわよ。早速私も例のブツである物を作らないと。

 

パーティーの時は、近いわよ!

 




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