短編集   作:ミネラルいろはす

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ネタ


ハイスクールD×D×俺ガイル

ライザーとのレーティングゲームで負けてから数日、私は煌びやかな会場に立っている。

私達の全員が数的不利にも関わらず、善戦してライザーを残すのみとなったあの勝負に私達はライザーの圧倒的なまでの実力に下僕が痛めつけるのを我慢できずにリザインしてしまった。

私の為に戦ってくれた、朱乃を初めとした眷属のみんな特に一誠に関しては最後までライザーに挑んでいった。

そのあまりの様に私は、リザインを宣言してしまった。

その結果がこれだ、目の前に広がる美しい会場、花を始めとした豪華な装飾が施されている。

これから始まる私の結婚式を始めるための会場。

私の一生に一度の晴れ舞台、望んでいない晴れ舞台。

 

けれど私にはどうすることもできない。

既に抗う権利も自分で投げ捨ててしまった。

 

「皆が見ているんだ笑顔で返せよリアス」

 

「・・・わかっているわ」

 

隣にいる金髪似非ホスト風の男の言葉に肯定で返す。

この男こそが、ライザー・フェニックス張本人。

その身にフェニックスの権能を宿す、生れながらの不死鳥。

その体はあらゆる攻撃を受けても死なず、どれほど痛めつけても灰の中から復活する。

 

眷属を除いて、この男本人だけでも今にして思えば倒せたかどうか怪しい。

 

紅いレッドカーペットを渡り歩き会場の新婦席へとたどり着いた。

その場所からは会場を見渡せるような構造になっているせいか、私達の眷属を始めとした、生徒会の面々やお兄様の姿も見ることができた。

そのせいか眷属達の悲痛な面持ちも、ソーナの苦虫を踏み潰したような表情も、お兄様の表情も・・・見た。

 

そうして、私はもうどうしようも無いことを悟った。

この状況をひっくり返すことはもう誰にもできない。

手に握っている銀メッキが所々剥げているおもちゃの指輪を何故か握りしめてしまった。

こんなもの買った覚えはないはずなのに・・・

 

 

 

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会場の片隅に集まっているのはリアス・グレモリーの眷属達。

ここにいるのは、女王の姫島朱乃さんと戦車の塔城小猫ちゃんに騎士の僕、木場祐斗だけだ。

兵士の兵藤一誠くんと僧侶のアーシアさんはこの場にはいない。

先日のレーティングゲームで倒れた一誠君のそばにアーシアさんがいるためだ。

 

そして僕達は今危機に直面していた。

送られてきたスマホに映る短い文面を皆に見せる。

 

「どうしましょうか」

 

「一誠君はまだ起きていないそうです。」

 

「間に合わなかったという事でしょうか」

 

「そう・・ですわね」

 

「どうしようもないんでしょうか」

 

一誠君が起きない。

グレイフィアさんから来た連絡はそれだけだった。

 

本来であればフェニックスに対して唯一の対抗札となりうる兵藤一誠の覚醒を気に、ライザーとの一騎打ちを行う算段だった。

そして僕達はそれを援護するために、彼の到着を待っていた。

 

だが、彼を連れに行った魔王様の女王であるグレイフィアさんから来た連絡はそれが最後だった、彼女本人もまだ会場にはいないことから、未だに彼が起きていない事が伺える。

 

 

僕達が動いてもこの状況は打破出来ない。

彼の眷属なら可能性はあるかもしれない。

けれどライザー・フェニックス本人となれば話は変わってくる。

どれだけ攻撃を与えても復活する不死の存在。

そんな彼に対して僕達は有効打を持っていない。

可能性があったのが、腕に神滅具の赤龍帝の籠手を宿す彼だけだったのだ。

彼の倍化の能力それがあればライザーを倒すことも不可能ではない、そう考えていたんだ。

 

けれど、その切り札が到着しなければ話は始まらない。

 

 

そして、もう式典が始まってしまう。

兵藤一誠は式典には間に合わない。

 

僕達にはもうできる事は無くなってしまった。

 

 

 

---------------------------------------

 

 

「な、なんだあれは!?」

 

ライザーの声が会場に響く。

式典には相応しくないその声に、彼の視線の先に会場中の視線が集まる。

 

その先に広がるのは魔法陣。

だが、驚くべき点はそこではない。

 

その魔法陣が、この場の家系のどこの物でもないということだ。

通常魔法陣には各家の特色が現れる。

だから、私も式典に参加する家の者たちの魔法陣は覚えている。

しかし、そのどれでもないということは・・・

 

「衛兵二人のそばに」

 

魔王であるサーゼクスは衛兵を二人の前に衛兵を配置する。

グレイフィアから兵藤一誠が向かっているという連絡はない。

そして、この場に呼ばれている悪魔の家系の魔法陣ではない。

 

テロリストか、全くこのタイミングでとはな、だがこれはある意味チャンスかも知れない。兵藤一誠が起きていない今、式を延期することでまだ結婚を止める可能性が残っている。

 

とんだ儲け話だと、魔王であるサーゼクスは思う。

 

だが、その魔法陣から現れるのはテロリストなんて言葉だけで、片付けられるほどの存在でないという事をこの後思い知る羽目になる。

 

 

「お集まりの皆さんもその魔法陣から離れてください」

 

そうして、来賓をその場から下がらせ現れる瞬間を待つ。

緊張感が走る中、魔法陣が蒼く燃え上がりその場に人影が現れる。

 

「BB~ちゃんとうちゃ〜く!!先輩からのお願いということで、一気に目的地までごあんな~い。」

 

勢いよく飛び出してきたのは、長髪の紫髪の少女。

感じる魔力から、悪魔でも天使でもましてや堕天使の魔力さえ感じない。

 

「ありがとうBB。って、まじで真ん前じゃないか!!めっちゃ狙われてるんだけど」

 

そして、もう一人魔法陣から現れる。

ボロボロの黒いローブを着ている男。

姿が認識しずらいことから、認識阻害の魔法か、はたまたあのローブ自体にその能力があるのか、どちらにしても油断はできない。

 

「えぇ~BBちゃんは先輩に言われた通りに、最短で最速で真直ぐに目的地までご案内いしただけですよ~?」

 

「いや、もうちょと部屋の前とかやりようがあっただろうが」

 

「てへ」

 

「誤魔化そうとすんな」

 

「そんなことより、蝙蝠の皆さんがお待ちですよ先輩」

 

「ちっ、わかってるよ。」

 

軽快な調子でこちらに主導権を渡してきたBBと呼ばれた少女とそれに伴う感じでこちらに目線を向ける彼。

 

「君達はここがどこだかわかっているのかい?」

 

これは一応彼らが何者なのかを尋ねる目的も含んでの質問だ。

そしてそれの彼らの答えは、

 

「知ってますよ、リアス・グレモリーとライザー・フェニックスの結婚式でしょ?」

 

「知っていてこの会場に乱入したと、それでは君の目的は何かな?見たところ旧魔王派の悪魔ではないようだし、天使でも堕天使でもなさそうだけど・・君は、いや君達は一体何者なんだい?」

 

手のひらに滅びの魔力を纏わせて彼らの返答を待つ。

旧魔王派なら顔を知っていてもおかしくはないし、そうでなくても魔力に覚えがあるはずだ。だが、その気配はない。

そして、天使や堕天使特有の独特の雰囲気もない。

それならば彼らは一体何者なのか?

悪魔でも天使でも堕天使でもない彼らは一体?

 

「相変わらずですね、妹の危機となると凄い変わりようだ。何者か?ですか、そうですねBBあれの解除は?」

 

「了解で~す。パチンです」

 

彼の一声により、BBと呼ばれた少女が指をパチンとすると、頭痛が走る。

それは私だけではないようで、妹のリアスやセラフォールの妹、リアスの女王も同じようだ。

特定の相手に掛ける魔法かと思ったが、なぜ関係のないセラフォールの妹やリアスの女王にまで?

掛けるなら戦力になりそうな、ライザー君達にも掛けるのが道理だろう。

激しい頭痛のなか考えを巡らせる。

なぜ、この面子を狙ったのか、それが彼らの目的と繋がっているのか?

だが好きにさせるわけにはいかない。

 

「なんのつもりかね?この程度で私を倒せると思っているのかい」

 

滅びの魔力を彼に向けて放つ。

来賓を巻き込むわけにいかないため、火力を抑えたものになるが。

それでも、二人を滅ぼすのに充分のはずだ。

 

 

「・・・いいえ、ちっともそんなつもりはありませんよ、てか俺にそんな事できるわけないでしょ」

 

傷一つ無い状態で彼らは煙の中から現れる。

 

「BBちゃんバリアです。残念でした。」

 

「・・・では何故ここに。」

 

「それは・・・「八幡!!あなたなの!?」ちっ思い出すの遅いって、こっちは死にかけてんぞ」

 

「八幡?誰だリアスそれは?君の知り合いかい?」

 

「お兄様何を言っているの?お兄様もあったことがあるはずよ?」

 

「私もあったことがあるだって?そんなはずは・・っつ!?」

 

激しい頭痛の中、記憶のフラッシュバックが始まる。

十数年前の冥界での記憶それほど長くはないが、濃密だったとある人間との会合。

冥界に迷い込んだ一人の少年との一時、それを今のいままで忘れていた。

それは何ゆえか、なんて聞くのは野暮だろう。

 

「そうか、思い出したよ、久しぶりだね八幡。それで今日は何の用かな?見ての通り今はリアスの結婚式中なんだ。旧知の挨拶なら後にしてもらえるかな?」

 

「何の用ですか、ね。サーゼクス様はお忘れかも知れませんが俺とリアスは婚約者ですよ。そんな俺に黙って結婚とかそれは異議を申したてに来るのも当然でしょ?」

 

「何を世迷言を言っているんだい?そんな約束はした覚えがないよ。流石にこの場でその冗談は旧知の中とはいえ、私でも庇えないよ。」

 

「冗談ね、それじゃあこれはどうなるんですかね?」

 

彼が懐から取り出したそれを周りに見えるように提示する。

 

「「「そ、それは!!」」」

 

会場中が、激しい動揺に巻き込まれる。

八幡が提示した証拠それは・・

 

「・・・なんだいそれは、子供の落書きのように思えるが、それが一体何の証拠になるっていうんだい?」

 

「よく見てください、ほらこれには・・・」

 

子供が書いた紙切れに掛かれている内容。

それはクレヨンで書かれたそれには女の子ぽっい丸みを帯びた字で、

こんやくしゃ、りあす・ぐれもりー、ひきがやはちまん、ふたりはけっこんします。

と子供の字ながら書かれていたのだ。

 

「リアスこれは・・」

 

本物かい?とそう尋ねる前に妹の髪の色より真っ赤に染まった顔を見て確信した。

彼と彼女達が昔遊んでいたときに、作られたものだと、だがそれは・・・

 

「さっきから黙って聞いていればなんだそれは!!そんな子供の戯言でこの結婚式を邪魔しようというのか貴様はぁ!!」

 

「子供の戯言ね。だが、これはれっきとした契約書だぞ。」

 

そこにはしっかりと、リアスの物と思える血印と彼の物と思われる血印が存在している。

 

「それが、なんだというのだ。そんなもの今は何の意味も持たんわ!!」

 

「何の意味も持たないね、貴族悪魔は契約を守ることを美徳すると聞いていたんだけど、お前はそうじゃないみたいだな。」

 

「貴様のそれは契約でもなんでもないただの子供のおあそ「そうとも言い切れない」・・・サーゼクス様」

 

「その書類にはしっかりとリアスの名前と彼の名前が押されているのは事実。そして、その約束を子供の頃だからと言って無下にすることは出来ない。だが、逆にそれを今の今まで名乗り出ず、今更になって現れた君の為に、今の婚約者であるライザー君を否定することはできない。」

 

だが、これはチャンスでもある。

ライザー君との結婚を破断にする絶好の機会でもあるが、それと同時にフェニックス家との間に亀裂を産みかねない。

いわば、諸刃の剣といった所だろうか。

だが、一誠くんが起きていない今、それに賭けるしかないというのまた事実ならばこそ。

 

「ならば、二人でリアスを賭けて勝負してもらうしかない、と考えるがどうかなライザー君?」

 

「いいでしょう、そこの世間知らずのガキに身の程というのを教えて差し上げましょう。このライザー・フェニックス身を固める前の最後の羽ばたきがこのような輩であることを残念に思いますが、全力を持って潰させて頂きます。」

 

「八幡もそれでいいかな?」

 

「まぁはい、それしか無さそうですし、此方としては願っても無い条件です。」

 

双方の合意を取ることは出来た。

ならば、後は試合条件を何にするかという問題点が発生するか・・ここはどちらが勝ってもフェニックス家と禍根を残さないためにもライザー君に決めてもらうのが最善か

 

「それでは、ライザー君。彼と勝負する為の条件を君が決めたまえ」

 

「よろしいのですかサーゼクス様?私が決めるとなればサシしかありませんよ?」

 

「なるほど、八幡君勝負は1対1の戦いだ。それでいいかな?」

 

やはり彼はサシでの勝負は望むか、だが彼がどれほどの強さを有しているのか私には知る術はない。

 

「こっちには拒否る権利ないんで、いいですよ」

 

彼はサシでの勝負を了承した。

ならば、彼に賭けるしかないか。

 

「よろしい。ならば八幡君が勝った時の報酬は何を望む?リアスとの結婚かい?」

 

「いえ、リアスも昔の男に擦り寄られても迷惑でしょう、とりあえずリアスの結婚相手を自分で選ぶ権利何てどうです?」

 

リアスとの結婚ならばここに乗り込んできた理由にもなると思ったのだが、そうでも無いらしい。

そういえば彼は昔から優しい所があったからか、今回はリアスの為ということだろうか。

 

「ほう、なるほど。まぁその程度ならば了承しよう。ライザー君は何を望む?リアスとの結婚は君が勝てば叶うことだがそれ以外のことで、可能な限り叶えられるものなら叶えよう。」

 

ライザーは口角を上げながら自分の願いを口にする。

「そうですねぇ、ならば目の前のコイツを灰にする権利を頂きたく思います。」

 

「やめなさい八幡!!貴方では無理よ!!」

 

リアスの悲痛な叫びが会場中に木霊する。

確かに、彼では根本的な部分でライザーには勝てない理由がある。

それは・・・

 

「だって貴方は人間でしょう!!」

 

リアスの言葉がその理由の的を得ていた。

比企谷八幡は人間だ。

十数年前迷い込んだ時点で、そして現在もあの時と変わらぬ雰囲気を纏っている。

つまりは、彼は今も人間なのだ。

 

「・・・いいですよ、俺の命くらいで満足するなら賭けましょう。」

 

「ダメよ八幡!!」

 

「リアスは黙っててくれないか俺は今そこの身の程知らずと喋っているんだからな」

 

「よろしい、ならばその条件で勝負を始めよう」

 

各自準備に取り掛かりたまえ、と告げその場を離れる。

妹のリアスの悲鳴だけが遠のく私に届いていた。

 

 

 

---------------------------------------

 

闘技場に二人の人物が召喚される。

片や名門フェニックス家なライザー・フェニックス。

もう一人はそのライザーとの結婚式に乱入してきた恥知らずの人間。

 

観客の応援がどちらに行くのか何て考えるまでも無い。

大半の悪魔達がライザーの応援を行い、侵入者に対してブーイングを行う。

 

そんなアウェイの中彼はと言うと、気だるげに佇んでいた。

これから死地へと向かう姿とは思えないその有様に、その対戦相手であるライザーは憤慨していた。

 

「貴様は、俺を舐めているのか?そのやる気のない姿勢、戦う者の目をしていない。」

 

「舐めているね?そんなことできるわけないだろ。お前は不死身のフェニックス片やこちとらあっさりと死んじまう人間なんだよ。本当は今すぐにだってこんな所から逃げ出したいっつうの」

 

「ほう、なのに貴様は何故ここに立っている?人間ごときがこの俺を狩れると?」

 

「・・・まぁ強いて言うなら約束だからな」

 

「ふははははは約束だと?そんな者のために貴様は死刑台まで登ってきたのか、これは傑作だ、面白いぞお前」

 

「笑いたきゃ笑え、俺だってガラじゃないことだってわかってるから」

 

二人が会話しているとサーゼクスからの通信が入る。

「・・・双方準備はいいかな?」

 

「いつでも大丈夫です。」

 

「こっちも問題ないです。」

 

「それでは試合開始!!」

 

サーゼクスの試合開始の合図と共に、ライザーが羽ばたく。

背中の羽は炎の羽、その羽を羽ばたかせて空に舞う。

 

「笑わせてもらった例だ。一瞬で終わらせてやろう。」

 

空中からの炎の弾を彼の立つ場所目掛けて、降り注ぐ。

自身の力を基にしたそれは弾切れなど起こさない。

彼の体力が尽きるまで、その弾を打ち続けることができる。

 

「終わりか、あっけない道化だったな」

 

既に二十を超える数の弾を打ったライザーは勝利を確信する。

あいつが動いた気配もなく、避けた感じもしない。

つまりは全弾ヒットしたと言うことだ。

 

そして、それを受けて尚立つならそれはもはや人間ではない。

俺らと同じ人外の領域に足を突っ込んでいることになる。

 

「っぶねぇな。いきなり全開かよ。」

 

爆炎の中から出てくるのは倒したと思っていた人間だ。

服は所々燃え落ちているが、それでも奴の身体には傷一つついていない。

 

「なっ!?貴様一体どうやった!!俺の炎を受けて尚立つなど、ただの人間にできるわけがない」

 

ライザーの問いに彼は答える。

 

「只の人間じゃなけりゃあこんな場所立ってないわ」

 

「貴様一体何者だ!!神器使いか!?」

 

「神器ね、そんな神からの祝福みたいなもんだったら俺だって嬉しかったろうよ」

 

これはそんな甘いもんじゃないと目の前の男は言う。

 

「じゃあ何なのだ貴様は!!」

 

「・・・なぁあんたら悪魔ってさ、初代の悪魔の事って覚えているか?」

 

「一体何の話をしている?」

 

「なに、ちょっとした世間話だと思ってくれていい。あんたら悪魔ってのは相当長い時間を生きているんだろ?それなら初代の悪魔ってのにあったことはあるのか、フェニックスならフェニックスの初代にグレモリーならグレモリーの初代にさ」

 

目の前のやつの言葉ふとライザーは考える。

先の大戦で多くの純潔の悪魔を失った今、自分の家の初代の悪魔に出会ったことのあるやつなんて、ほんの一握りだろうし、もしくは産まれてすらいないかもしれない。

 

「ないが、それがどうしたと言うのだ?まさか初代が死んでいるからフェニックスも不死身ではないとそんなことが言いたいのか?」

 

「いや、違えよ。そんな事じゃねぇ。ただあんたの何者かって質問に対する答えがそれだってだけだ。」

 

「貴様は何を言っている?お前がどこかの悪魔の初代だとでも言うつもりか?なるほどそれは面白い。さぞ道化を演じるのが得意な悪魔なのだろうなぁ!!」

 

再びライザーから放たれる火炎弾。

数も大きさも先程とは比べ物にならないくらいの質と量だ。

 

「これを受けて、尚立つと言うのなら貴様の言う戯言を少しは信じてやってもいいぞ、まぁ無理だろうがな。」

 

一発一発が地面を抉る超火力。

いくら、あいつの言う通りどこかの初代の悪魔だとしても、そこらの悪魔なら平気で消し飛ばす威力だ。

 

それでもなお、眼前の敵に傷一つない。

 

「・・・人の話は最後まで聞けよ。全く発情期ですかこのやろー。」

 

「貴様ぁ!!一度ならず二度もこの俺の攻撃を防ぎやがって、なんなのだ!!」

 

「だからその話をしようとしてたのに邪魔してきたのはそっちじゃねぇか、まぁ話を続けるとだな、あんたらのとある悪魔の初代様はよ、とてもめんどくさがりで、自分では何にもしたくねぇって奴だったのさ。でも、悪魔社会では実力と血統こそがモノを言う世界。しかし、それは自分でそれを兼ね備えなければならない。加えて周りからいつも命を狙われる状況、そんな中そいつは思い至ったんだよ。」

 

「・・・続けてみろ」

 

「それならばと、兼ね備えた奴になり変われば良いのではないかとな。全てを手に入れているものに成り代わるのなら自分で何もする必要はない。後は周りを使うだけでいい。そいつはその時歓喜に打ち震えただろうな。自分では何にもしなくていい楽をして一生を永遠に過ごすことができる。そして、そいつが目をつけたのが聖書の神の神器のシステムだ。あれはランダムに神の加護を与えるもの、ならばそれを利用し対象を絞り転生し続ければいいと。」

 

ライザーだけでなく、観客までもが彼の言葉に聴き入っている。

 

「そうして、そいつは何度も転生を繰り返し力を得ていった。自分は何もせず、他人の力を奪う。そんなゴミクズみたいな奴にもついに終わりが訪れる何の因果か転生システムに異常を起こしてたかが人間の子供に宿ってしまう。何にも持っていない只の子供にな」

 

「それが、お前だと?だが、貴様は悪魔の気配を纏っていないだろう?」

 

「気配なんてどうとでもなる、何千回転生してると思ってんだコイツは、それで、更に不運な事にそいつは転生した子供に全権を奪われてしまうという失敗を犯しましたとさ。」

 

それが俺の正体だと告げる彼にライザーは嘲笑う。

 

「いいだろう、そこまでのストーリーを考えているのなら、言ってみろその悪魔の名を」

 

彼はゆっくりと口を開け、その名を告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベルフェゴール、そいつが俺に取り憑いた初代の悪魔だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ、ふざけるのも大概にしろ!!ベルフェゴールだと、かの七つの大罪にも数えられる初代様を愚弄するのか貴様はぁ!!!」

 

「ふざけてなんているか、全て事実だ。」

 

「ならばその戯言も吐けぬ体にしてやるわ!!」

 

ライザーの体から大量の炎が生成され、凝縮されていく。

例え避けたとしても余熱で辺り一帯が焦土となるだろう。

太陽の熱にも等しいそれは放つライザーですらタダでは済まない一撃だ。

 

「いい加減わかってくれよ、あんたの炎じゃ俺には届かない。只の人間である俺にすらな」

 

彼に触れる直前にその全てが書き換える。

炎の塊も周りの熱気もそれすらも掻き消してしまう。

たった一度手を振るっただけでだ。

そうして、一人彼は地上に立っている。

 

「そ、それはまさか「裂け目」だと!?」

 

「なんだ、知ってるのか?ならわかってくれたんじゃないか、本物のベルフェゴールの権能を見せたんだから。」

 

「そんなことあり得るものか!!」

 

ライザーから放たれる炎。

その全てを彼はかき消してしまう。

ベルフェゴールの権能「裂け目」

自分の能力を超えない範囲で裂け目を作り出すベルフェゴール家特有の権能。

そして、彼は空間に裂け目を作り出し、彼の炎の裂け目へと仕舞い込んだ。

そんな系統現代のベルフェゴール当主ですら真似できない、いや今までの当主ですら真似できる芸当ではない。

本物の初代ベルフェゴールの権能を操りし者。

 

「本当はリザインしてくれるのがいいんだけど、そういうわけにもいかないよな?」

 

「当たり前ダァ!!いくら権能を持っていようが、貴様は人間だ!!誇り高き悪魔の一族として人間なぞに負けるわけにはいかぬ!!」

 

ライザーの猛攻は止まらない。

ここに居たのが赤龍帝であったのならば、この時点で積んでいただろう。

 

 

だが、相手が悪い。

大戦の全盛期、それも初代の悪魔であるベルフェゴールの権能を有する人間。

加えて、幾度の転生を経て奪った力を溜め込んでいる存在を降した者。

 

「だから、効かないってそれは」

 

それを現代のたかが、不死身の悪魔ごときが超えられる存在ではない。

無傷で佇む人間。

その手は蒼く輝いている。

 

「フェニックスは灰からでも蘇るらしいが、今のあんたでも半分くらいなら復活できるよな?」

 

「なにっ・・」

 

続く言葉を紡ぐことはできなかった。

刹那彼の手から放たれた光は、ライザーを真っ二つに断絶させた。

 

ライザーの体の間に裂け目を作り出し、体を真っ二つにしてしまったのだ。

 

そのままライザーは空から地へと堕ち、体が消える。

恐らくは意識を失い緊急離脱したのだろう。

流石のフェニックスでも現代の悪魔では半分も耐えられなかったらしい。

 

「・・・サーゼクスさん。これで俺の勝ちでいいですよね?」

 

「あ、ああ、ライザー君の意識消失で君の勝ちだ、おめでとう」

 

体が闘技場から転移する。

転移後、俺を待っていたのは激痛だった。

 

「はちまーん!!!」

 

なぜなら、リアス・グレモリーが突っ込んできたからだ。

 

「うぐっ、お、お前それが勝負してきた奴に対する仕打ちか、てか、力強いって、やべ、ギブギブ・・・あっ」

 

ライザーへの強気は何処へやら、リアス・グレモリーの抱擁で比企谷八幡意識消失。

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