東方誘夢録   作:罪袋C

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実は前回特にネタがない


第二章:人里編
第九話:共同生活始めました


 あれから更に時は進み、村人達は鉄器が作れるようになっている、ちなみに今度こそ私の知る時間の流れ方だ。

 私はあの日からちまちま障気の森(人間がそう呼んでいる)で肥大化した猪やら牛やらをプレゼントしたり、木材を持ってきたりしてた。

 まぁ、そのうちにあっさり村人に見つかってしまったのだが。

 当初は警戒されるかと思ったのだが、食料や木材を持ってきていたのが私だとわかるとあっさり村に受け入れられてしまった、理解があるというか妖怪にも善悪があると思ってるらしい。

 ちなみに言っておくと神様になるなんてご都合主義なことは起こらなかった。

 代わりと言ってはなんだが二人を喰ってから妖力の衰えを感じなくなった、私も大概チートだなぁ。

 

 

 少女監視中……

 

 

 私は今、村の中心にある物見台で村に近寄る妖怪がいないか見張っている。

 見張っているというか気配を『視て』いるというか、まぁ早い話がレーダー状態だ。

 どれくらい感知できるかって?

 

 13キロや   ド ン

 

「お~い、霞さん」

 

 なんて一人で寂しくボケてると下から声をかけられた。

 

「おぉ、どうしたんだい」

 

 台の下を見ると、この村の衛兵で名前は、えーと…………うん、衛兵の一人が立っていた。

 

「キリカの奴が呼んでましたぜ」

 

「あら、もうそんな時間か」

 

 

 少女移動中……

 

 

 キリカとはこの人里に住む御巫で、祀ってる神様の正体は不明だがご利益はあるらしい、何それ怖い。

 で、そのキリカが私に何の用かと言うと、妖怪の私相手に霊術(霊力を用いた術なのでそう仮称中)の練習中なのだ。

 キリカはそこら辺にいる人間よりも遥かに霊力が多かったのを(それでも妖気換算で小妖怪以下なのだが)うっかり口を滑らせてキリカに言ってしまうと稽古をつけてほしいと言われてしまったのだ。

 

「いつもいつもすいません」

 

 私が彼女の住まう家につくとすでに外で待っていたキリカが丁寧に頭を下げる。

 

「いやいや、私も暇だしいいのよ」

 

 使う力の違いはあれど、弾幕の作り方は基本的に一緒なので、それを教えるのは苦労しなかった。

 問題はやはり彼女は飛行する能力を開花できなかったのだ。

 

「さてさて、修業なんだから今日こそ手加減なしで頼むよ?」

 

「で、でもカスミ様に何かあったら…」

 

「万に一つも何も起きないから安心していいよ」

 

「そうきっぱり断言されると堪える物がありますね…」

 

「貴女に足りない物、それは情熱思想倫理頭脳気品優雅さ勤勉さ…はどれも充分にあるんだけど…何よりもぉ!

 

            …経験が足りない!」

 

 

「はい、それは私が一番感じております…」

 

 うん、まぁネタと受け取れないよね、クーガー兄貴知らないんだもんね。

 

「ま、そう言うわけだから、ちゃっちゃと特訓と行きますか」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

「と、言ってもだ、実は私が教えられる事がもうほとんど無いのよね」

 

 というのも、妖術と霊術では微妙に感覚が違うのか結界などをうまく張ることができなかった、一応原理と理論は教えてあるからこの娘なら自分で開発してくれる気がする。

 

 ……コイツ師匠として最低だな。

 

「ということで、ちょっと早いけど最終試験としよう」

 

「最終試験……ですか?」

 

「そう!私は能力を使わない、その状態の私にどんな方法でも傷をつけられれば合格」

 

「できるでしょうか…」

 

「やれなきゃこの村を守るなんて無理、髪の毛一本でも切れれば充分だからさ、とりあえずやってみようや」

 

「はい…分かりました!」

 

 キリカの瞳が鋭くなる、集中力が上がっていくのがよくわかる。

 

「往きます!」

 

 その言葉と共に前に飛び出すキリカ、その手には短刀が握られている、私はそれを体捌きで避ける。

 

「攻撃する前に宣言する奴があるか馬鹿者」

 

「……」

 

 キリカは何も答えずに再び突っ込んでくる、次も手に持った短刀で貫くような姿勢だ。

 

「甘い甘い、その左手に作った霊弾、能力を使わなくても丸見えだよ」

 

 キリカはハッとしたようだが、速度は落とさずにそのままの姿勢で目の前まで来ると、霊弾を放った。

 しかしその霊弾は真っ直ぐに飛ばず、放たれてすぐに四散した、つまるところショットガンだ。

 

「うおっと……いつの間にこんな技練習したのよ」

 

 私はそれを横に大きく跳んでかわす……そしてそれを読んだかのように短刀が飛んでくる。

 

「誘導して攻撃、えげつないことするなぁ」

 

 その短刀を手で弾くと、それを見計らったようにキリカが右足で飛び蹴りを仕掛けてくる。

 

「あっぶな!?今のは流石にびびったよ」

 

 私が頭を下げて右足の蹴りをかわす、すると遅れて飛んできた左足が直角に角度を変え、私の頭目指して振り下ろされる、明らかに常識では考えられないような方向転換と、急加速だった。

 

「はい、合格!」

 

 私はとっさに物理的な障壁を作る結界を張りキリカの蹴りを受け止める。

 

「まったく……いったいどこでそんな暗殺拳みたいなこと覚えてきたのさ……」

 

「えっと……まだ術があまり得意ではないので、戦う手段として前々から……」

 

「もしかして我流なの……?」

 

 だとしたらなんという化け物か、確かに体を鍛える訓練はつけたが技は一つとして教えていなかった。

 

「はい、霞様に修業をつけてもらうようになってから自分で」

 

「最後の蹴り、普通じゃないよね、あれはどうやったの?」

 

「えっと、飛べないかわりに霊力を放って空中で体の軌道を変えてみました…どうでしょうか?」

 

「……やっぱり人ってのは凄いなぁ、そんな柔軟な発想がぽんぽん出てくるんだもん、私が教えること、本当にもう何もないかも」

 

 私ら妖怪は基本的に「右ストレートでぶっ飛ばす、真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす」だからなぁ…それがまかり通る妖怪も妖怪だけど。

 

「そ、そんなことはありません!まだまだ教わりたいことはたくさんあります!」

 

「と言われても私が思い付かないんだよなぁ…ま、なんにしても半人前卒業おめでとう」

 

「あ、はい!今までありがとうございました」

 

 うむ、私の弟子一号が無事に成長してくれてよかったよかった、今度実際に小妖怪を任せてみようかね。




再びの難産だった。
次どうしよ…
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