さてさて・・・私がこの村で生活するようになってから軽く百年が過ぎた、と言ってもキリカに修行をつけ始めたのが今から十年くらい前だから、実際それほど時間が経ってるわけじゃない。
「霞様~」
私が神社の縁側でゆっくりお茶を飲んでいると、突然キリカが駆け寄ってきた。
「ん?どうしたの?」
「いえ、実は妖怪の方から相談が来ていまして」
「別に珍しくもないでしょ、一体どうしたのさ」
そう、この集落では人と妖物との距離が異常なほど近い、そう考えても私のせいである。
「それが内容が内容なんですよ」
「いったい何を相談されたのさ、人を襲わせろってんだったらほかの集落いけで片付くでしょ」
「いや、それもどうかと思うんですけどね・・・」
「で、肝心の相談内容は?」
「あ、そうでした」
キリカから聞いた話をまとめるとこうだ。
最近変なしめ縄をつけた神様を名乗るやつが現れてここら辺に妖怪や神が統治する村はないかと聞かれたとか。
なんかすっごい強そうでびびちゃったから。
だからとりあえずこの村を教えちゃった(・ω<)
「よし、今すぐその妖怪の場所へ案内しろ」
私が直々に鉄拳制裁を加えてやろう。
「か、霞様!」
「いや、冗談だけどさ・・・・・・こりゃまずいことになったなぁ・・・・・・」
そりゃ間違いなく神奈子だ、だってしめ縄つけてだもん。
それに時期的にもそろそろ諏訪大戦じゃないかと思ってた頃なんだよね、まさか私の村が前哨戦にされてるとは思わなかったけどさ。
たしか神奈子は中央神話だかなんだかの神様で、とりあえず日本をその神話でまとめて統治したかった上の人に命令されたからケロちゃんと戦うんだよね。
え、私次は神様と戦うの?
「あの、霞様、私──」
「ダメ」
「まだ何も・・・・・・」
「一緒に戦うってんでしょ?ダメだよ、確かに最近は中妖怪くらいは任せられるようになってきたさ、でもね、次だけは相手が悪い、悪すぎる、私だって五分に戦おうとしたら妖力が尽き果てる限界まで戦うことになるかもしれない」
「あの・・・霞様」
「なんだい?」
「一体どうして私たちのためにそこまでしてくれるのですか・・・・?霞様だって妖怪なのに・・・・・・修行も付けてくださいましたし」
「うーん、なんて言えばいいのかな・・・・・・簡単に言っちゃえば人間が好きだからかな」
「人間が・・・好き?」
「うん、まぁ人間は妖怪を嫌うけどね」
「私も、この村の人も霞様を嫌うことはありえません!」
「そりゃ私が特別だからさ、特別長生きで、狂ったかのように一周回って人間が大好きな妖怪になっちゃたんだよ、私は、だから私は人の味方をする」
「私も霞様の味方です」
「でもダメ」
「ダメですか」
「うん、ダメ」
「・・・・・・分かりました、代わりに約束してください」
「おう、何を約束すればいい?」
「必ず勝ってください」
「まかせんしゃい、これでもおそらく世界最古の大妖怪さ、年下の神になんか負けてたまるもんかってね」
さてさて・・・・・・約束しちゃったし私も少し作戦を考えないとなぁ・・・・・・・
少女準備中・・・・・・
あの日から約一週間、私は今か今かと加奈子の登場を待っていた。
足がの震えが止まらん・・・・・・これが武者震い・・・・・・じゃねぇよ!ただの恐怖だよコンチクショー!
私は無い頭を振り絞ってどうにか神奈子軍に勝てそうな作戦を立案するに至った。
最初の一撃、これが成功するかどうかに全てがかかっている。
常に神奈子達が来るであろう方向を視る、僅かな神力(神の力なのでそう仮称中、見たことないけど)すら見逃せない。
そしてついに、今まで触れたこともなかった力が見えてくる、神奈子達が来たのだ。
ヤベェなぁ・・・・・・あいつらどんどん戦闘力が上がっていくよ・・・・・・私の左目スカウターみたいに『ボンッ』とかならないかな・・・・・・
なんて馬鹿なことを考えながらも両腕にありったけの妖力を溜め込む。
久々のフルパワーだ、持ってくれよ、私の体よ・・・・・・
これはいつか弾幕ごっこが始まったらスペルカードにしようと決めていた技、とりあえずフルパワーがどんなもんなのか、神様たちで実験。
幽輝「No-Name」
幽輝名前つけてなかったし勝手に付けるわけにもいかないよね。
私の両腕から放たれた強力な光線が迫ってくる大和神軍の先頭に直撃するとともに、そこら辺一帯を平地へと変貌させた・・・・・・・っておい!なんだ今の威力!私いつの間にこんなに妖力高くなってるの!?あれか、2億年もの間冬眠しながらも妖力は上がり続けたってことか!?
そしてそれを喰らってまだ生きてるって一体神様ってどんだけ強いのよ・・・・・・あ、でも戦闘不能になったのかみんな退却していく・・・・・・これは僥倖。
いや、一人だけあきらめの悪い神がいらっしゃる。
「貴様・・・・・・ッ」
「やめときな、今のあんたなら確実に勝てる」
「くっ・・・・・・次会うときを覚えておけ、名前は」
「霞」
「その名、しかと覚えたぞ、我が名は八坂神奈子、乾を司るものだ」
「神に覚えてもらえるとはね、そりゃ嬉しいことだ」
どう考えても最悪のファーストコンタクトだった。
ね?盛大に何も始まらない。