活動報告を更新してあるのでそちらも合わせてお読みください
それではどうぞ!
――川神某所 早朝4:00頃
監視対象から3km離れた地点から監視を開始する
…眠いけどねぇ
対象は現在まだ就寝中
監視を続ける
7:00に対象が起床した
なんだか眠そう
対象は直ぐ傍の川で顔を洗う
顔を手拭いで拭きつつテントの中に入っていった
多分寝巻から普段着に着替えるんだろう
寝巻に着替えた後はテントから釣竿…って!
「其処は内水面漁業調整規則の区域だから釣っちゃダメだってば天姉!」
「む、美哉。今日はお前の当番だったのか…というか急に背後に立たないでくれ、びっくりする」
顔を少しだけ顰めている美人さんは橘天衣
元武道四天王の1人で歴代最速の異名を持つ女性だ
「それよりも此処では釣っちゃ駄目だからね」
「では、今日の朝ごはんは…」
「私が一応買ってきたからそれを食べて」
「流石にお前の世話になるわけには…」
「た・べ・な・さ・い!」
「は、はい……」
しゅんとする天姉は可愛かった
でも目を離すと何をしでかすか分かったもんじゃないな
「じゃ、私は任務に戻りますから」
「一緒に食べて行かないのか…?」
そ、そんな捨てられた子犬のような目でこっち見ないで!
…………ううう
「わ、分かったからそんな顔しないでよ、もう」
「やった!」
これが計算の内だったらマジ策士だよ
でもラック値低いからなぁ…
因みに私と天姉は以前に知り合ったことがある
丁度天姉が軍事演習で両手足を失って揚羽様の強化股肱を装着したてのころだった
当時相当荒れていた天姉の世話役として派遣されたのがきっかけだ
天姉の性格傾向から癒しを求める性質らしくこう呼んであげたらとても喜んだため今もこう呼んでいる
「じゃあ、食べ終わったしもう行くよ。何かあったらまた駆けつけるよ」
「分かった」
再び元の監視地点に戻り監視を続行した
既に半分意味を成してないような気がしないでもないけど
11:00ごろ天姉に接近する人影あり
あれは……揚羽様だ
揚羽様は天姉のことを大層気に掛けてくださっている
そのため空いた時間を使って天姉の様子を見に来られる
「『フハハハ九鬼揚羽降臨である!』か…揚羽様らしい」
ヘリから生身で降下してきたことも含めて揚羽様らしい
普通の人間ならいいとこ複雑骨折なのに
あ、小十郎が落ちてきた
パラシュートを何故開かなかったんだろう
…大方揚羽様に無しで飛べと言われたんだろう
ホントに大丈夫なんだろうか
あ、起き上がった
傷一つないなピンピンしてる
毎度揚羽様に殴り飛ばされているだけのことはある
それから5分少々天姉と話していくと迎えのヘリに飛び乗っていった
小十郎を小脇に抱えて
12:00を少し過ぎたころにまたもや人影を確認した
今度はキャップたちだ
大方昨日話していた件だろう
この圏内でもまゆっちなら気配で気づくかもしれない
なるべく気配を消しておこう
「『此処から美哉の臭いがするわ!』ワン子…それじゃホントに犬だよ」
もはや臭いで誰かをかぎ分けることができるようになったというのか
「おっこんなところに居たのか妹!」
いつの間にか背後に何かいるし
無視しておこう無視無視
「ほほぅ、お姉ちゃんを無視するとはいい度胸じゃないか」
ムニュン…ってちょっと!
「何で毎回会うたびに胸を揉むの!? 意味わかんないよ!」
「揉んで大きくしようかなって」
「大きなお世話です!」
第一これ以上大きくなってもらったら困る!
動きにくいし…
「というかよくここがわかったね」
「天衣さんが教えてくれたぞ」
ちょっとー、何してるんですか天姉
まぁかくれんぼをしていたわけでもないし良いんだけどさ
「それにしても天衣さんは相変わらずラック値が低いなぁ」
「それは言わないお約束です」
天姉のラック値の低さは折り紙つきだ
何でも友達の家に遊びに行くと隕石の破片が落ちてきたことがあるらしい
会話の最中に鳥の糞が落ちてくることなんて当たり前
あの人が両手足を失ったのだって軍事演習中にRPGの弾頭が当たったからだし
あ…なんか天姉が負のオーラ出し始めた
「ほら、いい加減退いて」
「嫌だ」
「じゃあ縛る」
「それも嫌だ」
縛ろうとした瞬間に私から離れてくれた
いつからあんな抱き着き癖が付いたんだろうか
前の時はこんなに激しくなかったのに
「それじゃあ行きますか」
天姉の所へ行って何とか負のオーラを収めてもらうことに成功した
前より改善されたとはいえ未だに負のオーラを出してしまう
笑う門には福来るって言ってるんだけど中々上手くいってくれない
「…………!」
何気なく今一緒に天姉さんがいるけどさっきから一度も鳥の糞が落ちてきていない
そうか、豪運の持ち主であるキャップと一緒にいるからか
それなら…
「天姉、今日はキャップたちと一緒に遊んだら?」
「え? しかし……」
「大丈夫だよ。天姉の心配していることなんて起きないからさ」
「だけど…」
「そんなに私たちと遊ぶのが嫌?(上目づかいで)」
「そんなことないぞ!」
「じゃ、決まりね♪」
「あ……」
おねだり光線成功
主に年上に対して効果あり
「何で京は鼻血出して倒れてるの?」
「さっきの上目づかい見て興奮してました」
「……プロフェッショナル過ぎる」
私が抱えるとナニをしでかすか分からないのでクリスに持って行ってもらおう
そしてキャップたちと一緒に川神巡りが始まった
キャップを中心に川神の至る所にある名所などを探索・紹介していった
やっぱり年下の子がはしゃぐ姿を見る天姉の眼は優しい物になっていた
癒されてるんだなぁ
……ん
「どうした美哉」
「――何でもないよ。少し考え事をしてただけ」
「そうか…」
今のは……
まぁ、今は気にしてもしょうがないか
そうして夕方まで川神巡りは行われた
「天姉どうだった?」
「あぁ…楽しかったよ。隕石の欠片も落ちて来なかったし、雷も落ちて来なかった」
そのセリフだけ拾うとホントに悲しくなってくるよ
やっぱりキャップの運気ってのは馬鹿にできないね
「じゃあ、俺達はこれで」
キャップたち島津寮組とモロはそれぞれ家に帰っていった
結局、当初の予定通りに皆で遊んでしまった
「じゃあ、私達も帰るか」
「またねー」
川神院組もそのまま帰っていった
残されたのは私と天姉の2人だった
「久しぶりじゃない? 天姉があんなに笑ったのって」
「あぁ…彼らには感謝している」
商店街や金柳街等を廻って色んなことをした
そのことが少なからず天姉にいい影響を与えたらしい
「なら、よか……橘様お下がりください」
「美哉?」
「橘天衣、だな?」
私達の前に現れたのは数十名ほどの傭兵達
いずれも武装をしている状態だ
傭兵団のリーダーらしき男が私たちの前へ進み出てきた
「貴様の強化股肱を貰い受けに来た」
どうやら彼らは天姉の強化股肱を狙ってきたらしい
強化股肱に使われている技術は九鬼の最新と言ってもいい技術だ
それを狙っている連中も数多くいる
また、強化股肱はそれ自体が価値を持つ物でもあった
「それで、こんな玩具を引っ提げて此処まで来たんです?」
「む!…いつの間に」
ハンドガンを1丁奪い取って解体した
全く、私の仕事を増やしてくれるなよ
「(それにしても気になるのはこの連中が一体どうやってこの警戒されている川神に入り込んだってことだね)」
現在川神は従者部隊と猟犬部隊が逐一町の出入りを見張っている
怪しい連中を通すはずがないんだけど…
「まぁ、全員捕まえて吐かせればいいか」
「この人数差と物量差で勝てるとでも?」
そんな御託を並べてる時間があるならその玩具を使えばいいのにね
全員捕縛完了
次の瞬間には全員が武器を糸で絡め捕られ捕縛されて地面に転がっていた
本当に呆気ない
「大丈夫でした?」
「相変わらずの手際の良さだな」
それだけが取り柄ですからね
彼らを応援に引き渡すとしますか
「あずみ? 今すぐ応援を寄越して。場所は川神市の変態の橋辺りよ。ええ、全員捕縛済み、それじゃあね」
これでよし
さて、さっさと天姉と帰りますか
「ほら、帰ろ?」
「あぁ」
ホントは天姉には職に就いてもらってほしい
そうすれば社会復帰にもなるし
何より……
1人きりは辛いからね
天姉を送り届けた後に後からやってきたヒュームさんと監視を交代した
「それであずみ。捕えた連中からは何か聞き出せた?」
「それがトンと。何も喋りやがらねぇ」
「そう……侵入ルートは?」
「海の方から…らしい」
「海…ねぇ」
侵入ルートは兎も角、あんなどんくさい奴らが本当に侵入できたどうかも怪しい
何しろ尾行中に私に途中で感付かれるようなドンくささだった
戦闘能力も大したことない
ならば一体どうやって……
「考えてもしかたねぇよ、あいつらから何か出てくるまで待つしかねぇ」
「それもそうか」
如何せん情報が少なすぎて判断できそうもない
何か情報が出てくるまで待つしかない
でも……
「あの、あずみさん? 何だか近くありません?」
「お前は今日遊んでたらしいからな。お姉さんとも遊んでほしいなぁ」
「そ、それはどういった遊びで?」
「お・と・なの遊びって奴だ」
「HAHAHA~☆ でゅわっ」
「逃がすか!」
何で逃げるのかって?
あずみと遊ぶと疲れるんですハイ
男の時と違って何でか知らないけど私が受けになってるし
あずみも激しいし
そう毎回付き合ってたらこっちの身が持たない!
「今日はノーセンキュー!」
「却下だ!」
横暴だー!
結局その後、捕まってしまい敢え無く大人の遊びは敢行されましたとさ
さんかく
Chapter 1 Fin
To the next stage....
というわけで美哉さんの仕事は橘さんの監視でした
彼女は好きなキャラクターの1人ですのでこれから登場させたいがために今回登場させました
今後、橘さんは就職します
何処にってあそこしかないでしょう
その話は近いうちにまたいずれ
ではでは!