真剣で私に恋しなさい! MA   作:x.i.o.n

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今回から第2章の開始です
それではどうぞ!


Chapter2~模擬戦編~
第12話~模擬戦始動~


 

――5月中旬

 

「模擬戦…ですか」

 

「うむ、最近義経達が転校してきてその機運が高まってきておるようじゃ」

 

昼休みの学校花壇前で川神学園の教師陣が集まっていた

 

体育教師のルー・イー先生や世界史の小島先生、英語のカラカル・ゲイル先生などどちらかと言えば武闘派形の教師が勢ぞろいしていた

 

え? 私は何で居るのかって?

 

そんなのこっちが聞きたいくらいだ

 

いきなり連れて来られたかと思えばこれだよ

 

「質問、よろしいですか?」

 

「なんじゃゲイル先生」

 

「模擬戦、というのは一体何なのですか?」

 

川神学園には決闘というシステムがあるのは既に知っての通り

 

また決闘には個人で行う物もあれば集団で行う物も存在する

 

その人数が1クラスに収まらず幾つか、もしくは全てのクラスの者が参加し、行われる大決闘の事を川神大戦と呼ばれる

 

川神大戦を行うには凄まじいまでの費用と広大なまでの場所が必要になってしまう為に滅多に行うことが出来ない

 

そこで川神大戦と決闘の中間である模擬戦を創設したらしい

 

模擬戦とは集団中規模戦闘を行うもので1つの部隊の人数は凡そ150人程度

 

それを学園のグラウンドに展開して戦を行うという物だ

 

勝敗の判定は軍の壊滅判定、若しくは敵軍の大将旗を倒した方が勝利となる

 

「WOW,川神には面白そうなことが沢山ですね」

 

「ただ、やはり慎重にことを進めるべきだと私は思いますけどね」

 

模擬戦の検討に消極的なのは我らがだらけ部顧問、宇佐美先生だ

 

主な理由はメンドクサイからだろうけど、確かに慎重にはなった方が良いだろう

 

何せ模擬戦とはいえやるのは戦闘行為だ

 

幾ら生徒に念書を書かせているとはいえ学業に影響が出てしまってからでは遅いのもまた確かなのだから

 

…ところで

 

「あの、学長」

 

「なんじゃね」

 

「先ほどからお聞きしたかったのですが、どうして私は此処に連れて来られたんですか?」

 

全然、何も聞いてないんだけど

 

師匠に問答無用で連れて来られてそのまんまだよ?

 

「義経ちゃんたちの護衛は美哉ちゃんだったからの、一応九鬼の人間としての意見を聞いておきたかったんじゃ」

 

「つまり、義経達の安全を守る人間の立場からの発言をしてほしいと」

 

「そういうことじゃ」

 

「概ね問題は無いでしょう。細かなルールの設定を聞く必要はありますが」

 

元々義経達は学園生徒たちと切磋琢磨させて共に成長を促していくのが目的だ

 

その点。模擬戦は義経達とより効率よく関わらせることが出来るだろう

 

「なるほどの……では本格的に検討してみるのもいいかもしれん」

 

学長のその言葉でこの場は解散となった

 

「ってなことがあったわけ」

 

「なるほどなぁ、まぁある程度のことは予想してたが…」

 

夜、自由時間の時に私の部屋にいたあずみに昼の事を話してみた

 

義経達が転校した時点で九鬼もある程度の学校イベントは予想を立てていた

 

模擬戦も予想の範囲内ではある

 

「何事もなければいいんだけどねぇ」

 

「無理だろ」

 

何せ此処は川神だからな

 

そんなあずみの言葉は妙に説得力と力強さが混在していた

 

模擬戦はあの話し合いから1週間後に復活が決定されることになった

 

「人手が欲しい?」

 

「うむ」

 

後日学長にまたも呼び出されたかと思えば、そこには師匠やクラウディオさんがいた

 

そこで話されたのは圧倒的な人手不足だった

 

「学校の教師陣だけでは中規模と言えど管理は容易ではない」

 

規模は両軍合わせて300人程度、補充兵を合わせればそれ以上になる

 

その数の人間がグラウンドに集まり動き回るというのだ

 

学校で武闘派である教師は小島先生・ゲイル先生・学長・ルー先生くらいだ

 

宇佐美先生もある程度やれる方だけど本人はあまり進んではやろうとしないだろう

 

何せだらけ部の顧問だし

 

「儂やルー、ヒュームにクラウディオ達だけでも充分かもしれんが万一何か起こってからでは遅いしの」

 

「それで、あと一人誰か人手が欲しいと?」

 

「できればフットワークの軽い人間が好ましいですね」

 

「俺達は四方から戦場全体を観なければならん」

 

「私たちハ、事が起こってもすぐさま中に入れるわけではないネ」

 

「サッカーのように中にも1人審判が欲しいんじゃよ」

 

ふむ、つまり私にやれと、そういうことです?

 

「私がやりましょうか?」

 

「却下だ」

 

「一応聞きますけど…何故ですか?」

 

「お前は学生だろう、それに義経達の護衛もある」

 

「ヒュームは貴女にも学生生活という物を味わってほしんですよ。なのに貴女を学校行事から外してしまっては本末転倒も良い所です」

 

それで、人手が欲しいと言われても

 

気持ちは嬉しいんですが

 

「いや、待てよ……」

 

「そういえば、1人いたね。凄い暇にしていて凄まじい戦力を保有している人間を」

 

「む? そんな奴がいるのか」

 

いますよ、多摩川付近にホームレス生活していて社会復帰のリハビリしている人が

 

「おい、まさか……」

 

「いいんじゃないですか? 社会復帰の良い近道になるかもしれません」

 

「もしもし? あぁ鷲見さん? 悪いんだけど学園まであの人を連れて来てくれないですか?」

 

――十数分後

 

「連れてきたで」

 

「ありがとうございます。鷲見さん」

 

鷲見さんは一つ頷くと踵を返して歩いて行ってしまった

 

序列9位である鷲見さんだけどその実力は並ではない

 

歩く動作1つ取っても全く隙も無駄もない動きだ

 

「なるほどの、彼女ならば納得じゃ」

 

「橘天衣…まさかこんな近くにいたとハ」

 

学長たちの意見は上々だった

 

一応面接や試験などを通してって…

 

「あの、本格的に教師として雇うんですか?」

 

「本人の強い希望での……」

 

そういうことなら仕方ないけど

 

臨時の増員みたいなものだと思ってたからなぁ

 

橘先生、か

 

なんか普通に学生達に人気がありそうだ

 

不運そうなところとか、支えてあげたいって思うよね

 

講師という立場だけどちゃんとした形で就職できてよかった

 

「(実際の所は美哉ちゃんと近くで一緒に居たいから、じゃがのぉ)」

 

こうして、講師橘天衣が誕生することと相成った

 

担当科目は女子体育

 

模擬戦では戦場内で学生と一緒に動き回り審判を務める

 

また副担任として2-Fを担当することになった

 

 

――2-S教室

 

 

天姉の就職が決まってから教室へ戻ると何やら教室内が騒がしかった

 

「ユキ、どうしたの?」

 

「今模擬戦について説明を受けてたんだよー」

 

私は現場にいたし、連絡が先に来ていたから知っていたけど学生たちは今模擬戦復活の報が来たらしい

 

それで盛り上がっていると

 

「そういえばチームはどうなるのじゃ? 6チームあるのじゃろ?」

 

「まずは義経、お前が1つチームを立ち上げてくれ」

 

不死川さんの疑問に英雄様がその解答を答えた

 

まず1チームは義経に任せたいらしい

 

何といっても今回の模擬戦復活は彼女達が原因でもあるからね

 

「そして我も九鬼軍を設立する」

 

更に英雄様の九鬼軍の設立も決まって残り4チーム分枠がある

 

実質燕さんが設立を宣言してそうだから残りは3チームになりそうだけど…

 

「他にはどのチームがおるのじゃ?」

 

「更に風間翔一率いる風間軍に松永燕率いる松永軍がいますね」

 

こういうお祭り好きだもんねキャップは

 

燕さんの方も家名を高めておきたいんだろう

 

耳が速いね

 

「なるほどねぇ。チームの編成期間はいつまで何だ英雄」

 

「うむ、チーム編成の期間は6月の上旬から7月上旬の1か月間となる」

 

「随分間があるんだな」

 

それはそうだ、急に決まったことでもあるしチームだってまだ勢ぞろいしてない

 

5月一杯までチームの設立期間とし、先着順で登録される

 

つまりチームが揃うまでどのチームも勧誘行為やそれに類する類の行為は禁じられる

 

フェアじゃないからね

 

ただ…

 

「最初の1人だけはいつでも決定することができる。つまり今この時より模擬戦は始まっているのだ」

 

英雄様のおっしゃる通り、どのチームも最初の1人だけは登録されたその時よりいつでも勧誘が可能となる

 

つまり大将の補佐役として動くということになる

 

「我はあずみ、お前を指名するぞ」

 

「喜んで引き受けさせていただきます」

 

――九鬼軍 忍足あずみ 参戦決定

 

早速英雄様は自分の専属であるあずみを指名した

 

それをあずみは承諾しチーム入りが決定する

 

ちなみに指名されたからと言って強制されることはない

 

嫌ならば断わってもいい

 

そもそも模擬戦自体が参加自由だしね

 

「ちなみに参加し、優勝すれば成績も優遇されるからね」

 

ヒゲ先生がそういうと今まで我関せずだったS組の生徒の9割が参加の意欲を示しだした

 

成績を重視するSクラスの人間を参加させるためでもあるこのルールは実の所先ほど決まったらしい

 

富裕層の多いS組は景品なんていらないからね

 

彼らに全く旨味が無いのはそれはそれで問題があるだろうとのことで決定したらしい

 

「あわわ、義経は誰を誘えばいいんだ。弁慶も誘いたいし、与一も…それに姉様だって」

 

どうしてか慌てている義経は可愛い

 

あっちこっちにウロウロして狼狽える彼女を見るとほっこりする

 

「美哉」

 

「弁慶」

 

「歪んでやがる」

 

慌てている義経を見て共鳴した私たちはガッシリと握手をした

 

分かるか同士よ!

 

応とも同士よ!

 

そんなノリだ

 

「義経は、義経は……弁慶を選ぶぞ!」

 

相当悩んだ上に苦渋の選択と言っていいくらいの表情で弁慶を選択した義経

 

弁慶は主の言う事なら、と承諾した

 

源軍 武蔵坊弁慶 参戦決定

 

「よーっす、美哉はいるかー?」

 

「ちょっとごめんねー、美哉ちゃんいるー?」

 

ほとんど同時にSクラスの扉が開いた

 

訪れたのはキャップに燕さんの2人だった

 

「いません」

 

「お、あんなところにいた」

 

「ねー美哉ちゃん、ちょっと話があるんだけど」

 

駆け寄ってくる2人に私はじりじりと後退していく

 

というかキャップは分かるけどなんで燕さんは私の所に来たの?

 

「ふっふーん、美哉ちゃんとなら、いいチームが作れると思うんだ!(美哉ちゃんを落としちゃえば、イロイロ楽しくなりそうだしね)」

 

腹黒いのが隠しきれてないですよー

 

男の時は分からなかったけど女になってからはそういうのに敏感になったらしい

 

「俺の軍師になれ美哉!」

 

「私の所に来なよー」

 

私は義経の護衛があるから源氏軍にしたいんだけど

 

そう思って私は英雄様の方を見た

 

「美哉の好きにすれば良いと思うぞ。義経達の護衛と言っても模擬戦まで一緒の軍では過保護もいいところだ」

 

なんという免罪符だろうか

 

これで実質退路は塞がれたと言ってもいい

 

さて、どうする…どうするよ私!

 

「ほ、保留っていうのは……ダメ?」

 

『ダメ』

 

いま此処で決めろと?

 

そんな無茶な

 

ならば…!

 

「保留で!(ダッ)」

 

「逃げるな美哉!」

 

「待ってよー美哉ちゃん!」

 

今すぐは無理ですー!

 

いつぞやのあずみとの追いかけっこを彷彿とさせた

 

今はあの時より幾分か安全だけど

 

溜息を1つ吐きながら私は学園内を逃げ回ることにした

 

to be continued....





というわけで12話でした
どうでしたでしょうか?

模擬戦のチーム枠はあと2つ空いていますね
誰が入るんでしょうか?
そして美哉は誰のチームに入るんでしょうか?

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ではでは!
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