思ったよりも早く挙げられました
今回は主人公が登場します
というか長いので前後編に別れてます
ご了承ください
――川神学園
川神鉄心が学長を務める学び舎であり、川神の風土や血筋と相まって闘争心のある学生が多い
そんな川神学園では現在グラウンドにて全校集会が行われている
話題は当然、今朝ニュースにあった武士道プランについてだ
武士道プランについての概要はニュースである程度語られているため学生たちは知っているものの誰が転入してくるかなど詳細は明かされていない
故に、一部の人間は目を輝かせている
武士の血をひく彼らにとって武士そのものである義経達に興味深々、闘争心はむき出しの状態だった
武士道プランによってプランの申し子は4人、残り3人は関係者であることが最初に明かされた
意外に転入する人数が多い気がするが九鬼にとってはクローン達はそれだけ大事な存在であることを内外にアピールするためと思えばなんてことはない人数ではある
「では、まず3-Sに転入する生徒を紹介するとしようかの。葉桜清楚、でませい」
学長の言葉で1人の女生徒が壇上へ上がった
醸し出す雰囲気は清楚そのもの。これには男子生徒も別の意味で興奮した
「こんにちは、3-Sに転入する葉桜清楚です。趣味は読書です。小笠原の地から皆さんとお会いするのを楽しみにしてました。これからよろしくお願いします」
清楚の自己紹介によって男子生徒からは歓声が起こった
学園には滅多にいないタイプであることも相まって男子受けはかなり良かった
「なんだよカワユイのにSとか…Fに来てくれー」
百代の残念そうな声を皮切りにS以外の3年クラスからはうちに欲しいといった発言が飛び交っていた
それだけ彼女は魅力的だということの証左でもある
「うちに欲しかったですね。彼女」
「やれやれ、若まではしゃいじゃって」
若と呼ばれた男子生徒は葵冬馬、2-Sの所属でエレガンテ・クワットロの一人でもある
他の男子生徒のテンションが高い中、一人テンションの低い禿頭の男子生徒は井上準という
「テンション低いねーこの男は」
井上準にはある厄介な性癖を持っていたそれは……
「3年ってさ…言うたら、女としてもう腐ってるじゃん。やっぱり女は小学生までだろ」
…根っからのロリコンであるということだ
朝はロリに始まり夜はロリに終わるそんな生活をしている準に彼女などといった存在はいないがそれを知らなければ普通にモテるらしい
「さて、本題に入ろうかの。誰か葉桜清楚、という名の英雄を知っておる者は手を挙げてみよ」
―――。全校生徒誰一人として手を挙げる者はいない
なぜなら、日本・世界の歴史上の中でそんな名前の英雄はいないためだ
名前的には日本の名前であるが、それが彼女の正体に直結しているかと言えばそうでもない
顔の形やパーツを見てアジア系であることは間違いないが、それ以上は誰にも分からないだろう
「ふむ、実はの九鬼の意向で葉桜清楚には正体が明かされておらん。これは本人も例外ではないから、彼女に聞いても意味はないぞい」
「学長の言うとおり、私は25歳になるまで正体を教えてもらえません。葉桜清楚、という名前もイメージで付けた名前です」
その発言に周囲が一瞬どよめくものの、ここは川神学園その程度のことで驚きはしない
『お前、誰だと思う?』
『文学少女っていう雰囲気だから…そっち系の英雄なんじゃないか?』
『そうだな…清少納言、紫式部とかその辺りじゃないか?』
しかし、正体はやはり気になるようで先ほどからは学生たちは葉桜清楚の正体が誰か話し合っていた
「で、彼女はいったい誰のクローンなんです英雄?」
「我が友トーマよ。彼女に限って、我もその正体を知らぬ」
九鬼家次期当主である九鬼英雄ですらその正体を知らないほどの徹底ぶりからして、九鬼の本気が窺えた
「フォッフォッ、皆テンションが上がってきたようじゃの。では、次に2年に入る4人を紹介じゃ。内一人は彼女らの護衛として、全員2-Sとなる」
「ほー。此方達のクラスとは命知らずな」
「まずは、主たちも気になっておる源義経、武蔵坊弁慶。両方共に女性じゃ」
源義経が女であることは周知の事実であるものの、武蔵坊弁慶までが女であると誰が予想しただろうか
武蔵坊弁慶はドラマの中でも厳つい大男として報じられている
その女版を想像してしまうのは仕方ないとはいえ全校生徒の顔はよろしくない感じになってしまった
「うげぇ、マジで弁慶女バージョンかよ」
「誰が得すんだよ。ノーサンキューもいいトコだぜ」
「では、両者登場せい」
そんな男たちの会話を余所に鉄心は二人に登場を促した
すると、2人の女性がスタスタと歩き壇上へと登った
1人はテレビや東西交流戦で見た少女。もう一人は――
「こんにちは。一応、弁慶らしいです、よろしく」
相当な色気溢れる美女であった。
その色香に男たちが一気に色めきだつ
「結婚してくれーーーー!!」
「死に様を知った時から愛してましたーー!」
先ほどまでノーサンキューだとかうげぇと言っていた岳人及び育郎(ヨンパチ)は手のひらを返したような対応を見せた
当然、その様子を見ていた女子はドン引きしていたがそれに気づく2人ではなかった
「源義経だ。性別は気にしないでくれ」
中性的な顔立ちから男とも女とも取れる彼女ではあるが、体つきは立派に女性のソレであるため、気にする人間は多少ともいるらしい
寧ろ彼らからすればご褒美のそれに近いと受け取られたようで…
先ほどから周囲は沸きまくりである
義経の挨拶は良くも悪くも模範的で、彼女自身は優等生なイメージだった
真面目な優等生タイプの美少女(ここ重要)はこの学園では稀少である(事実)ため周囲は完全に歓迎ムードになっていた
因みに後日、某栗は語る――
「気持ちのいい挨拶だったな。話が合いそうだ」
それに対して周囲の反応は
「お前も初めはああいうタイプだと思ってた」
であったとは全くの余談である
「きちんと挨拶できたぞ、弁慶!」
「義経、まだマイク入ってるよ」
そんな微笑ましいやり取りもあり、ますます彼女の人気は上がった
「では、女子諸君。次は武士道プラン、唯一の男子じゃぞ」
これには女子と一部の男子が沸いた
「まぁ、これが問題児なんだけどなー」
九鬼家従者部隊序列1位である忍足あずみはそんなことをぼやいても周囲の熱気や雑音が多すぎて誰にも聞き取れてはいなかった
「(上手くやれよ…美哉)」
はぁ、と1つため息を付きあずみは壇上へ上がるであろう彼女に激励した
「2-S、那須与一! でませい!」
--intrude
清楚や義経達の挨拶が行われる中、学園の屋上にてその光景を眺めている1人の少年がいた
名を那須与一という
本来彼は壇上傍に控えていなければならなかったが今はこうして屋上にいる
理由は簡単『出るのが面倒くさいから』だ
「卒業するまでの付き合いに……意味なんてあるのか? 人間は死ぬまで1人なんだよ」
そんな厨二病発現をサラッと口に出しながら与一はクネッとポージングする
見ている人間がいればかなり痛い人を見る眼で見ていただろう
「はいはい、そんなこと言ってないでさっさと出なさい」
バシンッと軽快な音と共に与一の頭を叩くメイド服を着た1人の女性が現れる
「ってぇ……何すんだよ姉貴」
「弁慶……怒ると思うけど?」
「ッ……お、おおお俺は姉御には屈しねぇ!」
姉貴と呼ばれた人物に弁慶の名前を出された途端体を震わせる与一
既に骨の髄まで弁慶に屈服している与一にとって弁慶は鬼門になっていた
「いくら私にでも限度があるからね? 与一が圧倒的に悪いと判断すれば容赦なく突き出すから」
「……だがなぁ」
「『馴れ合いに意味なんてあるのか』って言いたいのは分からないでもないけど、その馴れ合いに意味を見出すのが学校ってところなんだと思うよ」
女性の言葉に顔を伏せる与一
「一度きりの人生、今しかこの学園で見れない景色があると思うよ?」
「一度きりの人生…ね」
女性の言葉を受けて少しだけ遠くを見つめる与一
そんな与一を余所に女性はその顔を覗き込んだ
そして、彼女は与一の手を引っ張る
「ほら、次は与一の番だよ」
「分かったよ、行くから引っ張んなって」
――なら、しばらく記憶に留めておくとするか。一度きりの学園生活って奴をよ
女性に手を引かれつつ与一はそんなことを思った
――intrude out
「俺が那須与一だ。よろしく頼む」
キャーッなどの女子からの黄色い歓声が飛び交っていた
与一は贔屓目を抜きにしてもかなりのイケメンの部類に入る
そんな彼を見て沸かない女子は残念ながらいなかった
そして与一は同時に嫉妬に狂う多くの男子生徒の妬みの視線を浴びていた
「(幾らなんでも露骨すぎんだろ…)」
与一は名前から予想できるが弓を扱う
よってその目は椎名京と同等以上に良く、他人の視線に敏感だった
そんな彼には自身にどのような視線が浴びせられているのか瞬時に察知し、溜息がでる
「(まぁ、女はともかく男の方は理解できんこともないが)」
所謂、リア充爆発しろのようなものである
与一も一般男子である以上そのような感情があることに理解はある
まさか自分がその対象になるとはこれまで思ったこともなかったが
与一が壇上を降りると鉄心は2-S最後の転入生を紹介すべくマイクの前に立った
「うむ、次が2-S最後の転入者となる。彼女は主に源義経達の護衛及びサポート役としてこの学園に転入となるぞい。では直江美哉、でませい」
『ッッ!!?』
鉄心がその名を口にした瞬間、一部の人間に動揺が走った
そんな彼らをしり目に名前を呼ばれた女性は壇上へと登る
「ご紹介に預かりました直江美哉と申します。護衛と言っても義経達に変なことをしなければ特に何もないしないので、主にサポート役として徹することになるとは思いますが、皆さんよろしくお願いします。」
スッと美哉が一礼すると、その優雅で気品のある所作に思わずほぅと息が出た
ここら辺は流石九鬼のメイドといったところであろうか
皆がそんな感想を抱く中、美哉は『更に…』と言葉を続けた
「これからしばらくは九鬼の執事やメイドが九鬼関係者の護衛と武士道プラン成功のため学校内部に現れることがございますが、どうか仲良くしてやってください。皆さんの味方ですので」
美哉はそう言うとさっさと壇上から降りて行った
あえて明言は避けるがあのまま壇上にいては何するか分かった者ではない連中が複数名居たため動揺から立ち直る前に壇上下に退散した方が良いと判断したのだろう
「それでは最後に武士道プランの関係者を紹介するとしようかの。共に一年生として転入するぞい」
to be continued....
どうでしたでしょうか?
次回からは本格的に主人公が出てきますよ
というか次回からは主人公視点となります
感想誤字脱字報告お待ちしております
それではまた次回お会いしましょう
ではでは!