そういえば、書き忘れてましたがこの物語はあずみ√からの逆行となっております
記述漏れがあり、大変申し訳ありませんでした
はじめに、にも書き足しておきます
前回にも書きましたが今回からは主人公視点となります
いきなりの視点変更ですがご了承ください
それでは、どうぞ!
「では最後に武士道プランの関係者を紹介するとしようかの。共に一年生として転入するぞい」
川神鉄心殿、学長の合図で待機していたウィー○交響楽団が演奏を始めた
いよいよあのお方がこの学園にいらっしゃる
「なぁ姉貴、これは無駄に金を使ってるんじゃないか?」
「あー、まぁこれくらいやらないと舐められちゃうっていうのが理由だからねぇ」
私たち庶民にとってはウィー○交響楽団に演奏を依頼して学園に登場するなんて贅沢かもしれない
でも、九鬼の御曹司達にとってはその程度の額でしかない
九鬼の経済力は既に世界でも随一となっている
それこそ総資産は何十億ドル以上になっているだろう
故に楽団に演奏を依頼することなど簡単にもほどがある
「義経、一度ウィー○交響楽団の演奏を聴いてみたかったんだ」
「良かったねぇ義経」
「うん!」
義経の笑顔に弁慶の顔も緩んでいた
ホントにこの主従は……
あぁ弁慶、義経キメてるって顔しないの
「フーハッハッハ! フーハッハッハ!」
そんな微笑ましい高笑いと共に九鬼の従者部隊が2列横隊になって並び始めた
彼らはあの方……九鬼紋白様の登場に選抜されたメンバーだ
まぁ、ただクジで抽選しただけなんだけど
「姉様、紋白の下にいる人なんで嬉しそうな顔しているんだ?」
「世の中には特殊な人がいるんだよ」
紋様は今横隊で並んでいる従者部隊の彼らが作った道の上を歩いている
文字通り体を張って作った道だ
彼らは紋様に踏まれるととても恍惚とした表情を浮かべている
とても教育上良くない顔をしているが紋様には見えていないことが救いと言えるだろう
まぁ、もしも目に入った場合は即刻師匠に串刺し刑に処されるから大丈夫だろうけど
そんな事をしてるうちに紋様が壇上に到着した
何も校門の方から来なくても良かったんじゃ、と思ったのはここだけの話
「我、顕現である!」
諸葛孔明のような扇を片手に紋様は九鬼おなじみの登場セリフを決めていた
英雄様や揚羽様の場合は何とも思わないんだけど、紋様の場合は微笑ましく見えるのは私だけではないだろう
英雄様だって顔がにやけていらっしゃるし
「我の名前は九鬼紋白。皆、紋様と呼ぶが良い!」
紋様は本来学園に来られるような年齢じゃない
にも拘らず何故学園に来たのか
そも武士道プランの責任者が紋様であられるためだ
武士道プラン成功のために本来ではあり得ない飛び級という建前(実際には権力)を振りかざして学園に来たわけで
「お金持ちってスゴイよね」
「まぁ、本当に優秀じゃなきゃできない力技でもあるけどね」
弁慶の言う通り本当に優秀でなければ日本で飛び級することはかなりの困難を極める
どれくらいかというとオリンピックって3年連続金メダルを取るくらい難しい
権力だけではそこの所どうしようもないからねぇ
「でも、あの人もよくやるよね」
「それは紋様のこと? それとも…」
「ヒューム爺に決まってるよ。まさか学園に入ってくるとは…」
――ヒューム・ヘルシング
九鬼家従者部隊序列0位の従者
序列0が意味する言葉は最強
つまりあの人は九鬼従者部隊1000人の中でその実力は最強であるということの証でもある
「あー、まぁ仕方ないんじゃない? 紋様は自分で戦えるだけの戦闘力を保持してるわけじゃないんだし」
「だからってヒューム爺は大人げないでしょ」
「否定はしないけど、その分悪い虫は確実に減るからね」
紋様にヒュームさんが護衛として学園に編入することになった理由は簡単だ
この学園には九鬼の重要人物の内2人も学園内部に入ることになる
その護衛があずみ1人に勤まるわけがない
あずみは確かに優秀だけどそれでも別々の場所にいる2人を同時に守るとなるとかなり厳しい
英雄様を守るだけ手一杯だろう
だからこそ、その負担を分散させるために紋様の護衛がどうしても必要だった
私が今回学園に来たのもその辺りが理由だったりする
更にヒュームさんが選ばれたのはさっきも言ったけど悪い虫が付くのを防ぐためでもある
紋様は良くも悪くも純粋だし、悪い虫が付かないとも限らない
だからこそ人の本質見抜くことに長けた従者が必要だったわけで
「その辺り、まだ年若い従者には無理だからね」
「あぁー、確かに」
まぁ、そんな九鬼の事情があろうともどう見たって60歳以上のご老人が紋様の後ろに控えている時点で嫌な予感がしてならないだろう
今までが綺麗どころ揃い(自分で言うのも何だけど)だった為にあんなお爺さんが編入してくるのではないか
そんな予感が脳裏をよぎった人間が多かったらしく先ほどからざわめきが鳴り止まない
「…おい、じじい。もう1人の転入生はどこだ?」
姉さん、残念だけどもう1人の転入生は紋様の直ぐ傍にいるよ
それにしても自分の祖父…いやその前に学長相手にあんな口を利けるのは姉さんくらいだね
変わってないみたいで安心した
「さっきから紋ちゃんの横におるじゃろう」
何を言うとるんじゃというような顔でそんなことをのたまう学長、といった感じかな
っていうか他の人は絶対そう思ってるんだろうな
「1-Sに入ることになりました。ヒューム・ヘルシングです。皆さんよろしく」
「そんな老けた学生はいない!」
居て堪るか、と言いたい所だけどこれがホントのことになるなんてねぇ
今更誰が何と言おうと決定したことだし、覆しようもない
当然、最初この話が決まった時なんてヒュームさん以外の1桁台従者全員が口にしたし
「まぁ、でも無理に学生と同じ扱いじゃなくても教師としてでもよかったんじゃない?」
「それじゃ護衛の意味ないでしょ」
常に一緒、とまではいかなくともある程度の距離は必要だし
教師じゃ別クラスの授業で離れざるを得ない時があるしね
「でも、ヒューム爺なら何とでもなりそう」
「……否定はしないよ」
ヒュームさんは人の強さを越えてる人でもあるからね
実際、あの人が凄く早く動くとワープしたように見えるし
そう思うのも無理ないと思うけど
「っていうか弁慶、そういうのは本人のいるところで言ってあげたら?」
「それは無理だね。次の訓練の時何されるから分かったもんじゃない」
「(全て聞こえているぞ。弁慶)」
あー、ありゃ聞こえてるね間違いない
こっち一瞬睨んだし
弁慶、南無南無
「何でこっちを拝むのさ?」
「その内分かるよ」
って目を離した隙に姉さんにちょっかい掛けに行ったし
傍から見ればセクハラにしか見えないよねあれ
「おい、何がセクハラだ貴様」
「っと危なッ!」
咄嗟に頭を低くすると先ほどまで頭があった場所にヒュームさんの蹴りが通りすぎてく
油断も隙もないよホントにこのお師匠様は
「勝手に心を読まないでください。プライバシーの侵害です」
「俺の弟子にそんなものはないぞ」
「それはそれで酷いです」
口は災いの元とは言うけど、この人たちの場合は口に出してなくても災いのもとになるからなぁ
「それは貴様もだろうが」
「あぁ、バレました?」
「本当に仲が良いな。姉様とヒュームさん」
「知らない人間が見たら祖父と孫娘にしか見えないな」
まぁ否定はしないけどさ。私もそんな感覚だし
そんなこんなで朝礼が終わり各学年のHRの時間になった
当たり前だけどHRだから各自の自己紹介が行われる
何も新しくなったのは編入生の私達だけじゃない
教師にも新しく入ってきた人間がいる
こちらは九鬼家というよりは学長が独自に行った補強のようなものだ
武士道プランを今の教師たちでは対応できないと見たのだろう
ただでさえ騒がしく問題も起こすような連中を見れるだけの教師となるとそれなりに難しい
そんな教師がその辺に転がってるわけじゃないしね
というわけで1-Cにはカラカル・ゲイルが、3-Fにはカラカル・ゲイツが担任になると聞いている
「義経と弁慶、与一に美哉だ。皆転入生とは仲良くするんだぞ」
「き、緊張することないぞ弁慶! 与一!」
義経が一番緊張してるよね、とは誰も言わない
弁慶は可愛いから、っていう理由で与一は我関せずだからね
「ほら、緊張してるのは義経の方でしょ。落ち着いて」
「う、うん。」
駄目だこりゃ……完全に緊張してるよ
義経達が育ったのは小笠原諸島っていう超ド田舎だし仕方ないとはいえ
「ヒュホホ。分かっておろうが、この2-Sに来たからには英雄と言えども力を示してもらわなければならぬぞ。」
「さぁ、私が相手になりましょう。相手は誰ですか。」
報告には聞いてたけどホントにドイツの猟犬がいるとは…世も末だね
お嬢様1人のために普通軍を動かしますか
――ツンツン
ん? なに弁慶、さっきから私を小突いたりして
「私に行けと?」
「Yes」
「ここはクローン組でいいでしょ」
「可愛い主を守る義務があるからね」
「それは私でもできるよ。というかそれなら尚更弁慶たちの方が良いんじゃ」
「そこはほら、適材適所ってやつで」
「(…めんどくさいってだけでしょ弁慶の場合)…分かったよ、じゃあ私がやるよ少尉殿」
「…そう面倒くさそうに言われると釈然としません」
あ、ほらちょっと拗ねちゃったじゃんか
弁慶たちが素直に相手にしてくれればいいのに
「おい美哉…分かってるとは思うが」
「は、なるべく怪我はさせぬよう加減はします英雄様」
先ほど大人げなく誰かさんを天井に串刺しにして病院送りにした誰かさんとは違うし
何で分かったのかって? 凄く揺れたしヒュームさんの気が少し上がったしね
「じゃあお前ら、表に出ろよ」
宇佐美先生が教室のドアを開けて私達生徒全員に退室を促した
こんな狭いところでやろうとするほど血に飢えてないけどね私は
――ピンポンパンポン
――これよりグラウンドにてマルギッテ対直江美哉の決闘が行われます
ここは本当に退屈しなさそうだ
――intrude
「美哉ー」
グラウンドへと向かう途中、私の腰に抱きついてくる1人の少女
「ユキ」
名前を榊原小雪。
まだ私が九鬼に行く前に出会った少女である
この子が私たちのグループに入れてほしいと頼んできたのが彼女と関われた切っ掛けとなった
「元気にしてた?」
「うん。お蔭様でー」
「じゃあいい子にしてたユキにはマシュマロをあげよう」
「やったー!」
好物はマシュマロ、これは子供の時から変わってないらしい
飛び跳ねてまで喜んで…ってそんなに飛び跳ねたら見えちゃうからやめなさい
「おや、ユキが人に懐くとは珍しいですね」
「というか俺はユキとコミュニケーション取れてる方が珍しいと思うんだけどな若」
「確か…葵冬馬と井上準…でしたか」
「私たちの名前を覚えくださるとは」
いや、というか英雄様の親友なんだから知ってて当然だと思うんだけど
まぁ、あずみからの報告もあるし2-S全員のプロフィールは頭の中に入ってる
「あ、冬馬、ハゲ」
「こらこら人をハゲって呼んじゃダメですよー」
ユキはド直球で物を話すからなぁ
まぁ彼の頭頂部には毛が一切ないからそのあだ名で呼ばれるのは仕方ないとはいえ
「きっと気にしてるんだから言っちゃだめよユキ」
「分かったのだー」
「ひどいわひどいわ!」
この扱いの差……ユキの中で彼の位置づけがよく分かる
まぁ、彼らの事もあずみからの報告で大体の事情は把握している
ユキはあれから葵冬馬の部下である榊原家に迎え入れられたらしい
前の世界で何故彼女があんな風になってしまったのか
彼女は幼い時に母親から激しいDVを受けていたらしい
で、私達が楽しそうに遊んでいるのを見て私達と一緒に遊ぶことによってその現実から耐えようとしていたとのこと
「(それを知った時は激しい後悔に襲われてたなぁ)」
何せ前の世界では仲間に入れてあげなかったのだから
その所為でユキが壊れてしまったことを鑑みると当時の私の落ち込みようはそれはもう凄かったらしい
あずみ以外の人間には何故落ち込んでいるのか分からなかったとは思うけど
「で、ユキはいつまで抱き着いてるつもりなの?」
「ずっとなのだー」
「そう…」
まぁ、今まで会えなかった分、甘えたいのかな
可愛い子だよホントに
――intrude out
to be continued
どうだったでしょうか?
書いていて長いなぁ大丈夫かなぁと思いました
長さ的にどうだったんだろう?
というわけで第3話でした
感想、質問誤字脱字随時受け付けていきますんでよろしくお願いします
ではでは!