グッドフィールズ魔法学園   作:日比谷 雷電

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学園宗教オリエンテーション

「私はトト・アームストロング。この学園の管理者だ。我等がグッドフィールズがどういうところか、是非知ってもらいたい」

国立グッドフィールズ魔法学園では12歳から24歳までの魔力を持つ人間を対象に入学してもらう。ここでの主な目標は国家公務員である「魔法使い」になることである。魔法使いの資格の取得は最低で半年、最高で6年かかる。

また、資格取得後は即卒業出来る他、規定年齢30歳を迎えるまで在学することが出来る。これには魔力を持つ人間は迫害されることが多いため保護の役割がある。

卒業した生徒は魔法使いとして仕事を見つけるか、学園の職員になることがほとんど。

生徒は自宅通学と寮生活の二つから選ぶことが出来る。現在では4:6の比率になっている。寮では季節ごとのイベントが設けられていて、その日に限り自宅通学の生徒も宿泊が可能。

治安は極めて良い。風紀委員が極めて厳しい懲罰を定めているため悪事を働くものは少ない…。

 

 

「新入り、入る宗教は決めたか?」

「いえ…どれがどうとかよく分からなくて…」

「素晴らしい眼をしているな。多くのやつはあのパンフレットでどこに入るか決めるんだ。しかしあそこには自分たちのいい所しか書いてないからな。君みたいに先輩に声をかけて一緒に見に行ってくれっていうのが最も正しい見分け方だ」

「あ、ありがとうございます…」

「じゃあ、いくか」

この新入り、見所がある。この学園では学園内宗教に入ることが義務付けられる。これは大きな問題で、私は何度も生徒会や学園長に嘆願書を出したのだが全てダメだった。

学園内宗教は設立も自由なのだが現在ある宗教が強すぎて新興が生まれて来ない。そして宗教のどれもがおかしいのだ。

 

「まずはここだ。チルドレン・オブ・ヴィーナス。コヴ(CoV)とか呼ばれるな。

こいつらは「救済の女神」というものを信じている。毎日ここに集まって礼拝をし、善行を積極的に行う。生前に善行を積み、女神を信じている者だけが人類が滅びを迎えるときに救済されるというものだ。まぁ、わかりやすい宗教だよな。ただ、週に3回夜通しで「女神聖典」の音読をしているおかげで信者の殆どは不健康体だ。頭おかしいくらい分厚いんだよ、女神聖典…」

「なんだか暗い感じですね…」

「女神は闇を好むという考えのせいで礼拝堂はめちゃくちゃ暗いし、人も部屋も暗い…。そうだ、ここの教祖のケイト・コノリーには近づくな。アイツはマジでやべぇ」

「ヤバいって…?」

「12か13の時に片思いしてた男を家に引きずり込んで食った。今でも気に入った男がいると食ってるらしい。残念ながら食われたやつは全員行方不明ってことになってる」

 

 

「次は神聖会、ここの教祖は長浜 陽だ。ここでやってることは修行だ。何をしてるのかわからん。聖典の書き写しだったり、何も無い部屋に篭ったり、自傷してたり。彼らの考えによると生前苦難を味わうことで死後神に生まれ変わるというものだ。

おそらく修行と称してなかなかエグいこともやってるだろうな。信者はみな年中長袖を着ているのだが、全員腕にリストカットの跡があった」

「今度はグロい…」

「ただ、必ず自分でやるってところを大事にしているらしい。そういう意味では主体性はあるな。おすすめはしないが」

「やめた方がいいですよね…」

「度々死者が出て生徒会がゴタゴタに巻き込まれるから結構な嫌われ者集団だしな…。生徒会を敵に回したくないならここはダメだな」

 

「3つ目はレッドクロッシングだ。特待生はだいたいここに入る。特待生以外は入れない。選民思想に近いものを感じるが。といっても、この学園の特待生は100%金のみで入ったバカだから関わらない方がいい」

「僕には無関係ですね」

「私もこういう奴らは嫌いだし、無関係だ。次行くぞ」

 

「続いてリバティ・プライムだ。他の宗教がおかしすぎるから実質無宗教にしようとして立ち上がったのだが…自由が暴走して不良みたいなのが少数残るだけになった。私の仕事はリバティ・プライムのメンバーを含めた解体だ」

「え、解体って…」

「そのままの意味だ。信者も減ってるみたいだしなぁ…ハハハ!」

 

「最後はヴォイズ。まぁご覧の通り教祖以外誰もいない。アダムス、新入生だ」

「ようこそ新入生君、アダムス・ベイカーだ。君が入信すると言うなら私は喜んで歓迎するが、無理強いはしない。よく考えてからまた来て欲しい」

「ありがとうございます」

「私達ヴォイズは完全な自由を掲げている。しかし教祖までいないとなると学園から認められないので私だけここにいるというわけだ」

「やっぱりここに所属するやつがいちばん多いと思うぞ。無難だからな」

 

 

「ところで先輩はどこに所属しているんですか?」

「ヒント、私は年中長袖」

「でも長ズボン履いてるから神聖会ではないですよね。神聖会のパンフレットに夏の行事で長ズボンはいませんでしたから」

「鋭いな。よく勉強しているのもあるんだろう。私はCoVだ」

「え…!?」

「ヴォイズかと思ったか?ケイトが食った話、あったろ?あれは私だ。12の時に食われたから火をつけて逃げたのさ。火傷を隠すために年中長袖長ズボンなのさ」

「なんかすみません…」

「気にするな。お前さえ良ければまた今度飯でも食いに行こう。じゃな」

 

「…ヴォイズに入ろう」

 

 

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