ダンボール戦機 絶対零度の闘士   作:超甲形巡洋艦

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去年の爪跡

═タイニーオービット════

ルナとヒノ、レックス達がNICSの別動隊として日本を発ち暫くして山野博士、バンとジンそれに付いてきてオタクロス、大空博士が日本に到着、タイニーオービットに戻ってきた

 

「へー、これがイプシロン?」

「まさか作ることはないと思っていたが、こうして日の目を見るとは」

「と言っても内部は似せた改造品だけど。後この形で完全に完成だ」

 

 

先ほどまで何もなかった各所のマウントラックには増加装甲に擬態したモノ、ビットが14基マウントされていた 

 

 

「このビットね、本体に装備したままなら補助推進装置になる。それにソード、レーザー、シールドの三モードを実装してあるのよ。恐ろしいほどコストかかる」

「重量問題はそれで解決か。操作の方は?全て同時に展開するの?それとも管制AIがあるのかしら?」

「無理無理。14基の同時展開とか普通の人間じゃまともに制御出来ん。専念して六基、戦闘中なら2機かなぁ?まあ、ソルジャーとシャルナック、機龍が管制してくれるなら全機同時展開出来るけど。自動制御は時間的に無理」

「これにハッキング対策が盛り込んでいるのか?」

「うん。装甲がこの色なのもそう言う塗料を使ったから。それにアーマーフレームやコアスケルトンの外装も電磁波遮断する素材配合したからこいつはベクターに触れられても平気、あ、そうそう。イカロス・ゼロとトリトーンを出せ。試作コーティングをするぞ」

「もう出来上がったンデヨ?」

「遅延が限界ですが、なにもしないよりかはマシでしょう」

 

 

スルガによりこの二機にもコーティングが施された。そして、山野博士から帰国の目的が語られる

 

 

「私がイノベーターで設計していたLBXの設計図を復旧しに行く。当時は技術力やイノベーターに利用される危険性を考えて削除したものだ」

「成る程・・・それがベクターに対する力になると。それで目的地は?旧イノベーター研究所?」

「ああ。話が早くて助かる」

「取り敢えずシーカー本部に行こう。あそこに行くなら八神さんや真野さんが居たら心強い。僕も、施設の全容を知っているわけではない」

「丁度来てる。行こうか」

 

 

═シーカー本部════

 

「拓也さん、到着しました。早速ですが目的地は旧イノベーター研究所です」

 

 

早速本題、山野博士が拓也と八神にも同じような説明をして急ぎ旧イノベーター研究所へ盗みに入る事になった

 

 

「あそこは今政府管理下の施設、それにベクターが表れて既に施設が制圧されているらしい」

「マジか・・・つまり扉開けようモノならベクターがすっ飛んでくると、あそこの設備考えるとマジの要塞に逆戻りしてるじゃねえか」

「ああ。真野と矢壁、細井が偵察しているが、ゴーストジャックされたと思われるLBXでサターンの時に使った湖面の入り口は警備が厳重すぎて使えない。思い付く限りの出入り口を見たがどこも同じような状態だった」

「いや、一つだけ心当たりがある。旧イノベーター研究所には一部幹部やお爺様しか知らない。システムに記載がない隠し通路がある。ベクターはハッキングをして施設を掌握したならそこは気付かないはずだ」

「・・・なるほど、高度な電子戦能力を持つが故の盲点か」

「それで行こう。それで侵入するのは?」

「私とバン、ジン、スルガ、八神くんで行こう。オタクロス、大空博士、遠隔から設計図の復元の補助をお願いしたい」

「任せるデヨ」

「準備が出来るまではスルガ君の変わりに私がハッキング対策の研究を続けておくわ。資料は?」

「研究室に紙ベースで置いてある。ベクターがハッキングを駆使している以上電子媒体での保管はするべきではありません。銀龍連れてくか。ならソルジャー、機龍、シャルナック、留守番よろしく」

 

 

キラードロイド銀龍、マスドライバー防衛戦にて初陣を切り大量のLBXとキラードロイドを撃破したスルガ製のキラードロイドだ。こいつの攻撃力ならベクターも撃破出来るだろう

 

さてと、これでタイニーオービットの防衛も少しはマシになるか?それにシーカーの実働部隊もここにいる。あそこのLBXにも順次コーティングしてく手筈は整えたし余程の事がない限りベクターに完全制圧されることはないはず

 

「ジン、その通路、道はあの時と同じか?」

「ああ。途中までは同じだ」

「なら行こう。ミゼルに気付かれるかもしれない」

 

 

言っておこう。手遅れである

 

 

「銀龍ー、そろそろコーティングおわってんだろ~。無理矢理したこといつまでも拗ねてないで出てこいよー」

 

 

部屋の隅の結城机の下に丸まって尻尾だけを揺らしている

 

 

「じゃないとお前大空博士に引き渡すぞ~それでも良いのか~」

 

 

地球に帰ってきた後、大空博士の興味を引いていた銀龍はタイニーオービットに来るなり大空博士と壮絶な鬼ごっこを繰り広げた。その時の諦めの悪さと恐怖心がどうやら銀龍のトラウマになっているようで渋々出てきた

 

 

「どちらにせよ大空博士にブレーキかけるのが居なくなるから下手したら捕まるぞ?」

 

 

少しうつむきスルガの頭に飛び乗ってくる

 

 

「本当に興味深いわ。どんなAI作ったらそんなに感情豊かになるのか。いつか解析させてもらうわよ?」

 

 

おっと、銀龍が諸に威嚇し出した。えっレールガンに電気流してる?

 

 

「もう良いか?」

「あっはい。行きましょ」 

 

 

 

═旧イノベーター研究所、山中════

日が落ちる頃

サターンへの襲撃に使った獣道的な道、少し前にスルガが通る時少し草を除去したがまた植え茂っている

 

「こうやっていくとあの時思い出すなー。サターン打ち上げ阻止しに行ったの」

「そうだね。良い思い出では無いけど、懐かしい」

「そうだな。だがエクリプスの事、残念だ」

「我々が管理していながら、不甲斐ない」

「今回ばかりはさすがに相手が悪すぎますよ。でも今度会うときには完全に破壊せにゃならんでしょうね。奪還ではなく」

「少し気になっては居たが、騒動が終わった後エクリプスを作る事は可能なのか?」

「いや、厳しいだろう。エクリプスの建造プロジェクトは秘匿性が高いプロジェクトだった。たとえトップでもエクリプスの全容を知っていたわけではない。それに既に技術者は散り散り、設計図も残されていない。我々も整備で手一杯だった」

「何とかシーカー用の翼を用意したいとこだけど、資金的は余裕でも保管場所とかの問題が付きまとうしなぁ。何とか出来ないものか」 

 

 

スルガも使い勝手が良く足が付きにくい緊急時の移動手段を考えていた。遠い将来にも向けて。いずれにせよミゼル事変が終わった後だ

そう考えているとジンが何かを発見、地面を見回す

 

 

「半分ほどが木に飲み込まれている石がある・・・あの木の下だ」

 

 

ジンが倒木に偽装されたスイッチボックスを開き中のレバーを操作すると地面の一部がせり上がり梯子の付いた縦穴が姿を表す

 

 

「この縦穴は指令室近くの通路に出る設計になっていたはずだ」

「そういや道中LBXの一機もいなかったな」

「確かに・・・ミゼルが余裕を見せているのか?動き全てが気付かれていない可能性は極僅か、つまり」

「ある程度気付いてなにもしてないか、歓迎してくれてるのかね?既に気付いてたとかありそうで怖いなぁ」

「引き返すわけにも行かない。行こう」

 

 

═旧イノベーター研究所═════

去年フェアリーと戦ったあの辺りに床の点検口の更にその中に出口は存在していた。監視カメラは当たり前に有る。指令室回りのカメラは打ち上げ三十秒前にスルガが大暴れしたせいで動いていないか壊れただろう

※スルガはサターン打ち上げ直前阻止手段を探すため壁や天井を破壊しまくっている

 

 

「さてと、指令室回りは思わぬ所から視界が良く通るから気を付けんとなー」(犯人)

「ああ、そう言えばスルガ滅茶苦茶してたね」

「穴だらけだったな」

「ひたすら爆破したからね。あの時」

 

 

スルガがゆっくりと点検口を開ける。壁の破片以外特に何も居ない。これは遊ばれてる

 

 

「なんも居ねえ・・・舐めやがって。後は時間勝負だな?」

「ああ。サーバールームはこっちだ」

 

 

この近くの監視カメラが無いからなのかそれとも・・・とにかくサーバールームに急ぐ。が、内部には居るよ。ベクターとかゴーストジャックされたLBX

 

「ベクターは俺に任せな。初陣だ。行くよ。イプシロンUC、ちょいと手伝えよ機龍?銀龍纏めて凪払え!」

「行くぞ、イカロス・ゼロ!」

「トリトーン、起動!」

「ジェネラル、出る!」

 

 

向かってくるイノベーター所属だったLBX達、イプシロンに向かってきたのは三機のデクーカスタム(監視型)だ。それぞれ手斧を持って斬りかかってきたが両手両足と腰から2基、スルガ制御の2基、機龍制御で4基のビットが展開、2基ずつのレーザービットがデクーカスタム(監視型)のコアボックスと頭を撃ち抜き撃破、イプシロンは後ろに居たインビットの一番固い胸部装甲を容易く両断、後ろにいたベクターに斬りかかった

 

ベクターはベクターソード振りかぶる。攻撃の衝突、少しの鍔迫り合いを弾きビットレーザーが追撃、間接部を狙うが避け装甲で防がれ再び斬りかかってきた。それをシールドビットが防御する

攻撃が止まった瞬間機龍がシールドビットを解除、スルガ配下のビットがレイピアのようなソードになり震刃と共に間接狙いで突き出した。だが、ベクターが空いた左手でイプシロンUCの腕をつかむ

 

「機龍!」

 

 

機龍がいつの間にかベクターの真横に移動、脇腹にスパイラルクロウを突き立て装甲を貫き内部を掻き回す。更にそこにメーサーを照射されベクターは耐えられず爆破、原型を止めず大破した

更にイプシロンUCは機龍、銀龍と連携、他の三機に襲いかかるベクターやゴーストジャックされたLBXを次々撃破、何度かゴーストジャックしようとした隙を付いて過半数を大破させるに至る

 

「凄いな。少しでも触れられたらアウトのハッキングをここまで弱体化させるとは」

「機龍も流石だ。ベクターを簡単に大破させるなんて」

「レックスは3対1で2機大破に追い込んで一機をかなり手酷く撃破だぞ?」

「先に急ごう。見つかった以上更に増援が来る」

 

 

そして横にある去年スルガが爆破した穴を見ると大量のLBXが押し寄せていた

 

 

「逃げるぞ!」

 

 

スルガは壁、天井にグレネードを投げて崩落を引き起こしLBXの行き足を妨害する。今さら穴が増えたところで気にすることでは無い。更に銀龍がスルガの頭の上から4丁のガトリングを振り撒き追手を返り討ちに合わせた

 

ベクターは弾幕の暴力で押し返す。装甲には細かい傷しか与えられないものの弾丸のもつ運動エネルギーは伊達ではなく、追撃前に損害を追ったり関節が破壊されたりと行動不能に陥いる事が多かった。やがてLBXの追手を完全に迎撃しサーバールームにたどり着く

 

 

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