═旧イノベーター研究所 道中═════
スルガが何のためにさっさと色々動いたか、ひとまず最初のタイニーオービット社侵攻を食い止めるためである
今タイニーオービット社に大量のベクターが襲来したと連絡が合った。しかし本編のようには行かない。すでにソルジャーやシャルナック、シーカーの実働部隊がいつ起こるか分からないゴーストジャックに即応出来る体制を整えており稼働機にはハッキング対策を施した。簡単には行くまい
「成る程、現状は?」
「分からない。現在シーカーの部隊が応戦中、ベクターによるハッキングを防ぐため社内の電源を落としたため内部との通信は叶わないらしい」
「シーカーのLBXは全てFAに更新済み、余程の事がないと大丈夫だとは思うが」
「早く戻ろう。今タイニーオービットが落ちればAX-000の製作にも影響が出るかも知れない」
「直ぐに行こう!」
バンに引っ張られる形でタイニーオービット社へ急ぐ。スルガは帰りの車の中でカスタムビルドファクトリーを開いた
「お前らメンテするからLBX借りるぞ。銀龍、袋の中に予備パーツあるから二人に頼んで交換作業手伝ってもらってくれ」
イカロス・ゼロとトリトーン、機龍、イプシロンUCをファクトリーに入れてメンテナンスを開始
いくらこいつら(世界トップ&マジキチ人外)が操縦者でも損傷が無いわけではない。LBXのメンテナンスは必要だ。タイニーオービット社への到着時間ギリギリで作業で終わるだろう
═タイニーオービット社 外═════
正面玄関口の階段下まで来た。足元には焦げたり真っ二つだったり溶けたり大破したベクターが落ちている
「・・・マルチプルパルスの跡だ。それに他のオーバードウェポンの跡もある。傷酷すぎてどれか分からんけど」
「オーバードウェポンが複数回発動されたのか?」
「間違いない・・・恐らく接近に気付いたソルジャーとシャルナックがやったんだろう・・・つまりオーバードウェポンを使う量の襲撃者が来たと言うこと。不味いぞ」
「河白君!」
「霧島さん?何か有りましたか?」
「中で君のLBXとシーカーの部隊がまだ戦闘中だ。それに結城君や拓也社長、まだ数人が避難出来ずに取り残されてしまっている」
「早く行かないと!」
「どうする?何処から侵入するか?」
「恐らくシーカーの部隊は研究室、隣接してるLBX保管庫、メインサーバールームで防衛戦を展開してるだろう。だから・・・搬入口から入ろう。運が良ければ襲撃者を挟み撃ちに出来るかも」
4人は内部構造を知り尽くしたスルガの手引きで内部に侵入、しかしここは荒れているもののベクターやゴーストジャックされたLBXは居ない
「電源落ちてるって言ってたから、非常階段から行こう・・・ここも居ない?シーカーとの戦闘に戦力振ってるのか?」
本来ならオーディーンと戦ったりするがオーディーンはとっくの昔に回収済みだ。特にベクターに悪用されそうなものは物理的に隔離したし無事のはず
非常階段で研究室等のあるフロアに到達、数フロア下に居た転から銃声や砲声が響いてきていた
「よし、開けるぞ?準備良いか?」
スルガがドアノブに手を掛け、機龍とイプシロンUCを待機させ、自身もグレネードを手にする
バン、ジン、八神もそれぞれのLBXを直ぐに出せるようにしていた
そしてスルガはそれを確認して一度頷き
手に力を込めて扉を少し開ける
ベクターやゴーストジャックされたであろうLBXが廊下の奥に向かっている。その先は研究室だ
(やはり研究室に向かってるな?このまま行けば挟み撃ちに出来る)
人差し指でハンドサインを出し扉の向こうへ。ここからは衝撃度合いで決める
機龍と銀龍が攻撃体制を取った。ジェネラルはルミナスシューターを構えイカロス・ゼロとトリトーン、イプシロンUCはユニオンファンクションの予備動作に入る
機龍と銀龍からはアブソリュート・ゼロを除く全ての火器を一斉射。ルミナスシューターがベクターを貫き混乱したところに機龍からの攻撃が着弾、さらに状況を混沌とさせる
その間に三機がエネルギーを練り上げ、深い青に染まった煌めく水のようなエネルギーがイカロス・ゼロに纏わり付き、そのままウェポンフォームへ変形、トリトーンが上半身、イプシロンが下半身を持ち、さらに刃にエネルギーを収束させる
ユニオンファンクション
ミルキーウェイフロウ
二人がイカロス・ゼロを振り下ろすと点々と輝く光を伴ったエネルギーの激流が繰り出されベクターやゴーストジャックされたLBX達を呑み込み翻弄し大ダメージを与える
「今のうちだ!突っ込め!」
全ての攻撃が終了せぬ内に八神の号令でLBXが銀龍を正面に集団に突貫
何機かのベクターが迎撃に出てきたが銀龍は問題なく攻撃を弾き飛ばし、続くLBX達が突入し撃破を重ねる。ジェネラルは銀龍の上に乗り込み時間を埋める形でアーチャーライフルを撃ち下ろす
そして機龍とイプシロンUCは最優先でベクターを無力化して行きながらさらに集団の中へ。鍔迫り合いで相手を固定し足関節をビットで破壊しその隙をついてベクターよ首を落とす。機龍は単純に力に任せて叩き潰していた。銀龍に寄ってった奴もしっほで叩かれたり踏み潰されたりと質量差で圧倒されている。特にベクターは念入りに踏みつけられていた
そうして前進していてスルガは見慣れた機体を目にする
「轟雷!スティレット!」
二種の機体の肩にはシーカー所属であることを示す水色のskの文字が刻まれている
足元には大量の残骸や撃破されたベクターが落ちている。全員でそこを駆け抜けシーカーの部隊が隠れている遮蔽物に滑り込む
「スルガ、大丈夫か?」
「状況は?」
「見ての通りだ。安定・・・までは行けないが何とか。それに結城の試作品もありったけ掻っ払ったからな」
後ろの研究室では結城さんや大空博士、オタクロスがまだ何かしているようだ
「サーバールームは?」
「そっちは残り人間とソルジャー、シャルナックが守ってる!だが避難出来てない人がまだ居る」
「よし。それなら俺達で救出に向かいます。銀龍、ここ頼んだ」
「バン、ジン、八神さん。社内のベクター掃除しながら救出に向かいましょう」
「恐らくコントロールポットルームと社長室だ」
「ならば二手に分かれるますか?」
「ベクターの集団に少数精鋭は危険だ。社内を掃討しながら固まって行くぞ!」
こちらから打って出る。銀龍の援護を受けて四人は飛び出しコントロールポットルームを目指す
═コントロールポットルーム════
道中数機現れたベクターを排除した四人はコントロールポットルームに飛び込み、扉を閉めた
「ふぅ・・・理奈さん、大丈夫でしたか?」
「ええ。ここは大丈夫よ。それよりも研究室やサーバールームの方は?」
「後から向かいます。理奈さん、避難を」
「分かったわ。けど一人じゃ」
「・・・ジン、騎士を頼んでも?研究室まで行けば大丈夫だ」
「謹んでお受けしよう。理奈さん、こちらへ」
「俺たちはサーバールーム寄ってから社長室へ向かおう」
═サーバールーム付近════
近付いただけで異臭がして来た
「酷い匂いだ・・・」
「あの曲がり角の先だ。これは?」
八神の足元には行動を止めたウォーリアー、しかし少し違う。背中に異質なモノを背負っていたり、壁にめり込んでいたりする
「グラインドグラインダーにグラインドブレード」
「それにこの棒を持ったのは、マスブレードだったっけ?」
おびただしい数のオーバードウェポンが発動していた。そして角の向こうは惨状だった。主に原因はオーバードウェポンだろうが、マスブレードに殴られたであろうベクターは原型を留めていない
「うっわ、ひでえ」
すでに大半の敵を粉砕した後だ。恐らくベクターが複数機きたら迷わずオーバードウェポンをぶち込んだのだろう
「教官、ここは大丈夫です。それよりも研究室は?」
「まだLBXの襲撃があるようだ。俺らで社内のベクターを遊撃する。ソルジャー、シャルナック、やったなぁ・・・後で絶対怒られるじゃんこれ」
あまりの惨状には目を背けて次目指すは社長室、と思った所で研究室から放送が入る
《研究室への侵攻が威力を失ってきた。これより社内の掃討戦に移行する!防衛戦力を残しベクター共を根絶やしにしろ!》
「へぇ?よし。教官命令だ。6名を残し全員でベクターの捜索と掃討をする。奴らをこの会社から生かして返すな!」
「「「「「了解!」」」」」
「八神さん、俺らは社内の掃討に入ります。バンを連れて社長室へ」
「分かった!」
そして大空博士やオタクロス、山野博士の協力もありタイニーオービット内部に居る残りのベクターを炙り出し逆転した数の暴力と純粋な暴力(機龍銀龍オーバードウェポン)で叩き潰した
しかしスルガには得体の知れない気持ち悪さが残るのであった。目的云々ではなく、なぜミゼルがこのタイミングのこの状態のタイニーオービットに侵攻してきたのか?なぜシーカーの部隊に正面から喧嘩を吹っ掛けたのかだ
適当な所でゴーストジャックを起こせばシーカーの実働部隊はそちらに向かう。最低限の戦力は残るだろうがその程度ならベクターで対抗出来るだろう
それがスルガの思考を狂わせている
しかし次の面倒事はスルガは見えている。スタンフィールインゴット、そして二度目の侵攻だ。まだまだ序盤も良い所だ