ダンボール戦機 絶対零度の闘士   作:超甲形巡洋艦

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スタンフィールインゴットを手に入れろ

═タイニーオービット社════

ベクターに襲撃されながらもタイニーオービット社ではオーレギオン製造の準備が整えられていた。拓也さんは襲撃の最中でも社長室に引きこもり準備を進めていたのだ。何と言うか、覚悟が決まってる

しかし凶報、クリスターイングラム社やプロメテウス社、そして神谷重工もベクターに制圧されたらしい他二つはともかく神谷はヤバい。現状工場周辺の被害は無いので静観みたいだが、近くにベクターの製造工場が出来てしまった。ヤバい

 

 

「ほんとすげえな。上に立つだけあるわ」

 

 

時折拓也の正義感や行動力を邪魔に思うスルガもこの時は素直に尊敬していた

ハッキング対策の方はハッキングのプロフェッショナルの大空博士の参加によって大きく進行した。完全遮断までは後少しだ

 

 

「あら?ここまで上手く進んだのはスルガ君が基礎を既に作っていてくれたからよ?私の力なんて些細なもの」

「あの、心読むの辞めてもろて」

「別に本当の話よ。それより新型の危険性、だったかしら?それは山野博士に伝えたの?」

「伝えましたよ。けど今更引けないと」

「なら、こっちでミゼルの小細工が無いか探すだけね」

「ですねー」

 

 

気の無い返事。こうなったらミゼルの手に渡らないよう精一杯するだけだ。そして細部のチェック中、山野博士が声をかけてくる

 

 

「スルガ君、一つ相談があるんだが」

「ん?どうしました?」

「ジェネレータにエターナルサイクラーを用いる予定なのだが発熱量が予想以上なんだ。コアボックスに影響もあるが、空間にはこれ以上余裕も無い」

「成る程、なら素材かぁ・・・思い当たりも・・・ありそうだけど出てこない」

「それならスタンフィールインゴットなんてどうかしら?あれなら軽量だし頑丈よ?パラダイスや他の人工衛星にも使われているわ」

「スタンフィールインゴットか。そういや機龍にも使った使った。ここに在庫あるかな?」

「待って、スタンフィールインゴットはとても稀少で高価なの。スルガ君が機龍改造の時に用意出来るのが異常で普段は一般流通してないわ」

 

 

里奈さんが待ったを掛けた。どうやらスルガが割りと簡単に入手出来てるのが可笑しいらしい

因みに今の機龍のコアスケルトンは大体スタンフィールインゴット(財力の暴力)が使われている。機龍の暴力的な戦い方にコアスケルトンが耐えられていなかったのだ

そもそも機龍は製造当初から使われているパーツ等アブソリュート・ゼロのダイアモンド位で細かい改造やオーバーホールによって中身は最早別物に変容していた。大体理由はフルリンクシステムを使い続けるため

 

 

「一応中国の鉱山で産出してるわ」

「それなら僕とバン君で向かうか?」

「うーん・・・近場でゴーストジャックの対応してる奴居ないか?」

「まだ状況は落ち着いていないデヨ?潰せば別のが沸いてる状態じゃ」

 

 

八神から間接的に他が動けないことが語られる。本編だと少し状況は落ち着いていたはずだが・・・こちらが動かせる戦力も

多い分ミゼルも相応に動いてるのか?

 

 

「こっちから出向くしかないか?いやでも作り始めた以上ここが再襲撃受ける可能性が高い」

「スルガ!大変だ!」

 

 

突然騒動慌てた拓也が研究室に駆け込んでくる。何があった?

 

 

「今度はA国の通信センターが襲撃を受けた!その施設が落ちればA国内の通信網は勿論国際通信も維持が怪しくなる!」

「何でそんな重要なもん一つに纏めてやがんだ!少しは分散配置で影響少なくしろよ!」

 

 

スルガの渾身の叫び。しかしこちらはレアメタルで精一杯だ。そして拓也のCCMが鳴る

 

 

「俺だ。どうした?・・・分かった。それなら頼みたい事がある。確かロンドンに居るんだったな?・・・直ぐにA国に向かってほしい。詳細は後で伝達する。任せたぞ・・・・・・通信センターは問題ない。檜山達の手が空いたから向かわせた」

「流石レックス達だ。処理が早えな。間に合えば良いが」

「現在再編成を終えたファイアースイーツ隊が応戦しているらしい。ハッキング対策の試作コーティングのデータは既に渡してある。大丈夫だろう」

 

現在日本以外のアジア回りはヒロ、ラン、ユウヤ、キリトが

北米、南米大陸はカズ、アミ、ジェシカ、アスカが

アジア以外のユーラシア、アフリカ、ヨーロッパをレックス、ルナ、ヒノ、郷田、仙道が担当している

ヨーロッパチームが数と質を有しており一番広範囲を担当してベクターを駆逐していた。北米、南米大陸チームはNICSで、アジアチームは日本から届けられ既に試作コーティングをされていたため全体の処理力も少し上がっている

 

 

「鉱山でベクターが出る恐れもある。あんまり少数だとベクターが出たときに対処できんし・・・」

「スルガ、タイニーオービットなら既にシーカーの部隊や予備機を出して再侵攻に備えている。直ぐには落ちない」

「なら・・・行くしかないかぁ、三人と機龍で・・・いやでも・・・それしかないか」

 

 

バン、ジン、スルガ、機龍、そして後追いで来ているコブラが現地で落ち合う手筈となった。あとはアジア担当チームが今がおちつけば応援に来ると

 

 

 

═中国、鉱山════

八神さん経由で財前総理にお願いし小型で取り回しの良い政府専用機を動かしてもらった。既に(国際会議上のスルガの暴言のせい)で国際的なミゼル対抗の枠は出来ており他のチームが各国を回ったりしているので中国側の受け入れも迅速だった。更には内陸部までのヘリまで用意して貰っていた

 

 

「大空博士と里奈さんに貰った地図だと・・・あれだね」

「既にコブラが到着していると連絡があった」

「機長、下ろしてください。ありがとうございます。帰りもよろしくお願いします」

 

 

ヘリから降りて鉱山の管理事務所へ。玄関口でコブラと合流した。良くない情報と共に

 

 

「数日間出荷が停止していた?」

「原因は分からねえがな。来る途中で調べてたら、どうやらそうみてえだ。良くない予感がするぜ」

「・・・つまりNシティのゴーストジャックが起こる前からか?」

「つまりベクターは僕らが気付く前から動き出していたのか」

「それに中から喧嘩っぽい怒号がさっきから聞こえてきてる・・・トラブルがそれだけだと良いんだがな」

「まあ、行くかぁ」

 

 

事務所の受付を通り抜け、なにやら大声ばかりが響く会議室に通された

 

 

「完成している分だけでいいからスタンフィールインゴットを取ってこい!」

「暴走したLBXが待ち構える坑道に入るのは無茶だ!命がいくつあっても足りねえ!」

「そんなに欲しいなら自分で行け!」

「大体逃げる時になぜ持ってこなかった!」

「そんな余裕無かったって何回言えば気が済むんだ?あ?」

 

 

喧嘩であった。スーツの眼鏡と明らかな作業員達だった。男は竜玄社本社の人間らしくスタンフィールインゴットが欲しい

しかしベクターやLBXが暴れる中取りになんて行けないと作業員

 

怒声に紛れて聞こえづらかったが機龍の耳からも聞いているスルガには「本社に責任を問われる」という言葉を聞き逃さなかった

 

 

「で?お前らは誰だ?」

 

 

作業員の元締めであろう大男がこちらを睨んで聞いてくる

 

 

「俺達はNICSの者だ。少しスタンフィールインゴットを融通してもらえないかと訪ねてきた。勿論相応の対価は用意する」

「冗談じゃない!スタンフィールインゴットは全て本社に送られることになっているんだ!」

 

 

コブラと眼鏡スーツが交渉している間に作業員達が子供の方に興味を移す

 

 

「俺達としては分けてやりてえが謎の黒いLBX、ニュースじゃベクターとか言ったLBXがゴーストジャック・・・であってたな?」

「あい。それで鉱山作業してたLBXが暴走、誰も近づけねんだ」

「なら僕たちでベクターを倒してスタンフィールインゴットを取ってくる。って言うのは駄目でしょうか?」

 

 

ジンの交渉が始まった。普通の交渉ならジンの方が得意だろう

 

 

「いくらお前さん達がLBXのスペシャリストだとは言えな・・・」

「去年のアルテミス2トップのあんさんたちとは言え子供だろ?」

「スルガ君、ベクターを」

「ほい。」

 

 

スルガがバックの中からタイニーオービットで大破したベクターを数機取り出し、雑に床に放り投げる

 

 

「さっきその辺にいたのを狩ってきた。これでも駄目か?」

 

 

スルガの言葉で作業員達の目が大きく見開かれる。自分達では手が出なかったベクターをいとも簡単に倒した。そう思っているだろう。あながち間違いでは無いが

 

 

「坑道には崩落の可能性もある。戦闘なんてしたらどうなるか保証できねえし、何より助けに行けるかわかんねえ。そんなところに行かせるなんて」

「大丈夫です。俺達を信じてください」

 

 

バンが更に押す

 

 

「分かった!だがそこのスーツが許可を出すか?あいつから許可が降りねえとどのみち入れねえ」

「ねえねえ。そこのおニーサン?」

「なんだね?」

「俺達で取ってきて上げるって言ったら?」

「・・・は?寝言は寝て言え」

「でもさぁ?このまま出荷出来なかったら、飛ぶのは誰の首かなぁ?作業員達の替えは直ぐに効かない。職人芸だからな。なら会社ならどこを飛ばすかなぁ?」

 

 

スルガが得意なおぞましい交渉・・・ここまできたら脅迫だろうか?

 

 

「分かった!構わない好きにしろ!取ってこれたなら好きなだけやる!」

(おい機龍、今の言葉、記録しとけ)

「だが会社としては責任を一切持たない。これでもいいなら好きにしろ!」

「ありがとうございます!すいません、鉱山の地図ってありますか?」

「ああ。少し待ってろ。おい!持ってきてやれ。一応言っておくがこれは社外秘なんだ。漏らすなよ?」

 

 

スルガは言質を取って、凄く悪い笑い方をしていた

 

 

 

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