ダンボール戦機 絶対零度の闘士   作:超甲形巡洋艦

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スタンフィールインゴットを入手せよ 後

═鉱山════

坑道の地図を借りて作業員らに入口まで案内と内部を進むためのトロッコを用意して貰った

 

 

「ここまではLBXは居ない。あとこれを付けとけ。邪魔かもしれんがここのルールだ。顎紐しっかり締めろよ?」

 

 

渡されたのは黄色いヘルメットだ。

 

 

「はい。お借りします」

「ここで加速、ここでブレーキだ。制限速度は地図に載ってる。これ以上出すと脱線する可能性がグッとあがっちまう。普段は鉱石を積んで重いが今は軽荷だ。気を付けろ」 

 

 

コブラとスルガでトロッコの機関車の説明を受けていた。速度は余り出ないようだがいちばん頑丈なのを用意して貰った

 

 

「ヤバいと思ったら直ぐに逃げろ。それが採掘屋の俺達との約束だ。良いな?」

「ハイ!」

「済まねえな。本来なら俺達でしなけりゃいけねえことなんだが」

「緊急なので仕方ないです。何か合ったら《また》よろしくお願いします」

「おうよ。頑張れ」

 

 

負けるな!、安全にな!と言う言葉に背中を押されてスルガはトロッコを発車させた

 

「制限30、坑内進行~」

「結構揺れるね」

「余り線路も綺麗では無いからな」

「おい、スルガ前止まれ。岩だ」

「機龍」

 

 

機龍が機関車から飛び出しスパイラルクロウで大岩を砕く

 

 

「えーと?制限10、進行。多分LBXが出てくるのこの辺りからだな?復習しておこう。ここのLBXは採掘作業用にカスタマイズされている。作業員に聞くにはパワーや頑丈さが売りらしい。その辺の奴よりは固いだろう。武器はタイタンドリルみたいな武器腕やハンマー類がメインだと」

「おい、早速おいでなすったぜ」

「機龍、崩落を引き起こしかねないから遠距離攻撃は控えめでな」

 

 

機龍が飛び出しハンマーを持ったデクー数機を尻尾の一撃で壁に叩きつけブレイクオーバーに持ち込んだ

 

 

「あいつ手加減したな?」

「一撃で撃破して手加減してんのか!?」

「今の機龍なら本気で殴れば一発で胴体を叩き割って真っ二つだろうし。おっと制限15、精錬炉までもう少しだな。警備があれだけ?」

 

 

スルガが機関車を止めて皆で回りを観察、LBXに制圧されたにしては基数が少くないか?

 

 

「・・・これは、俺達を待ってるのか?」

「可能性が高い」

「もしかしたら俺達を生き埋めにしようとしてるのかもな」

「そんな縁起でもねえこと言うなよスルガ」

 

 

精錬炉も近くなってきた。緊急時に対応できるようにここからは徒歩で向かう

もしやさっきのLBXが哨戒でそれを機龍が速攻撃破したからまだバレて居ないのか?

 

取り敢えず最悪の事態を想定して動く。やがて巨大な炉にたどり着いた。怪しまれぬよう数機のLBXをやり過ごした程度でここまでこれたがこれからどうなるか

 

 

「大きい・・・アレじゃない?スタンフィールインゴットって」

 

隠れたバンが指差す先にはガラスケースに納められているスタンフィールインゴット、一本で大体一機作れるくらいの大きさが十何本置いてある

 

「ベクターはここにいると思うが・・・居た。あそこだ。他にも居る」

 

今度はジンが精錬炉の前に立つベクターを発見した。他にも数機が警戒に当たっているようだ

 

「見えるだけで・・・10機?」

「多分ほかの坑道で採掘作業してるか、見えてないだけでもっと居るだろう。スルガ、狙撃は出来るか?」

「やってみる。機龍、イプシロンを支えてくれ」

 

イプシロンUCがルミナスシューターを構え機龍がそれを後ろから支える

スルガはオーバーセンスとオーバーロードをフル活用し照準

 

 

「もうちょい右、下・・・照準よし」

 

 

今のところ行動する赤い軌跡は今のベクターとぴったり重なっている  

 

 

「撃ったら場所バレる・・・援護するからこっそり取りに行けないか?万が一ここが崩落すれば」

「・・・それもそうだな。よし。ジン、ここでスルガのカバーを。バン。行くぞ」 

 

バンとコブラがゆっくりとスタンフィールインゴットの安置場所まで近付き預けられた鍵を使い、ケースを開けた。ベクターは炉の方を向いていて気が付いていない

 

バンとコブラがそっとスタンフィールインゴットを一本一本回収、バンのカバンにありったけ詰め込んだ

 

 

そして、こちらに手を振る。しかし、ベクターが振り向いて、発見された

スルガがそれを認識した瞬間に引き金を引く。 

機龍により反動を吸収され弾は綺麗にベクターに吸い込まれるように頭をぶち抜く

 

明らかな異常に他のLBXとベクターが一斉にスルガの方に殺到した

 

 

「チッ、行くよ!イプシロンUC、機龍!」

「トリトーン、起動!」

 

 

機龍が迷わずメーサーで採掘用LBXの群れを凪払いベクターには誘導弾でのピンポイント爆撃をプレゼント、撃破まで至らないが少し足止め

 

 

「行けっ!イカロス・ゼロ!」

「早くこい!取り敢えず持って帰るぞ!掃除はそれからだ!」

 

 

バンとコブラ、イカロス・ゼロと合流して機関車まで急ぐ

しかし機関車の方にもLBXが迫ってきており、ただでは帰してくれないようだ

 

 

「くっそ、さては自分達では開けられなかったから誰かが開けるの待ってやがったな?乗れっ!」

 

 

機関車を発車させる。コブラに運転を丸投げして三人と機龍が機関車に近付く機体を撃退

 

 

「クソッ!前からも来やがった!」

「俺と機龍で前を殺る!誰だこんなときに連絡なんて・・・来たか!コブラ、アジアチームの合流だ。坑道に入ったらしい。機関車に乗った場所で合流して迎撃だ」

「分かったぜ!」

「この先急カーブ!」

「おう!・・・ブレーキが効かねえ!」

「「「ハァ!?」」」

「やつらこんな細工してやがった!ええい!機龍!」

 

機龍が機関車の連結器に取り付きブースターを調整しながら減速させる。前からのLBXは全て後ろに追われる形となり三人で全力で迎撃しているが如何せん量が多い

 

「何かに捕まれ!カーブに突っ込むぞ!」

 

 

ギギギギギギギギギギギギィィィィィィィィィィィィ!

 

車輪と線路が激しく擦れ大量の火花を散らす。しかし減速がまだ足りずに少しずつ片輪が浮き機関車が傾いていく

 

 

「二人とも!浮いてる方に寄れ!」

 

 

三人の体重を合わせて機関車の傾きが止まり、やがてカーブは終わり、もうすぐ機関車の待機場所だ。少し下り坂だったから50kmを越えかけている

 

 

「機龍!フルブレーキ!」

 

 

ガクン!と機関車の速度が落ちる。そして停車、機関車の火を落とす

 

 

「バンさん!」

「ヒロ!」

 

 

ヒロ、ラン、ユウヤ、キリトの四人と合流し全力の迎撃戦が始まる

スルガはルミナスシューターを構えベクターを狙う。しかしベクターはルミナスシューターを既に最重要脅威と認識しており狙いが付けられない。ので凸る事に

ビットを全て呼び戻し浮遊し機体のブースターで一気に距離を詰める

途中機龍の尻尾を打ち込まれ更に鋭い加速を受けてヒロと戦闘をしていたベクターと衝突、胴体にルミナスシューターを打ち付け銃口の先をもう一機別のベクターへ向け引き金を引く

 

余裕でベクター二機を貫通した上で周囲に被害を振り撒く 

 

 

「何ですかそれ!?」

「タイニーオービットの新型。さてと、近接戦だ!」

 

震刃に持ち替え手頃なタイタンのコアボックスを装甲ごと雑に両断、その後ろに居たベクターに斬りかかる

オーバーロードを発動させ機体を超精密制御、ベクターの首を切り落とす。即席の準備品とは言え震斬がベースの切断力特化の高周波ブレード、比較的脆い関節部なら天叢雲や朔含めて斬り捨て可能と言う頭の可笑しい性能をしている

 

 

「ソードビット!」

 

 

背中の二基を展開を展開、左右から襲ってくるデグーとドリューのコアボックスに突き刺し撃破

両腕のビットをレーザーガン変わりにしてリュウビの援護、同時に近付いてきたタイタンドリルを付けたクノイチを蹴り飛ばして撃破する

次はベクター、40秒のタイムラグが終わりルミナスシューターを引っ提げて再び突貫、

しかしベクターはイプシロンUCに近付こうとしなかった

そこでスルガ、とんでもないことを思い付く

 

 

(そういやこいつ正規品よりエネルギーの照射時間長いよな・・・凪払う用に撃ったらどうなんだ?)

 

大体射撃時間は二秒程、しかし反動はとんでもない

 

 

「よし。やってみるか。機龍、支えて。みんな、下がれ!」

 

 

イプシロンUCは腰でルミナスシューターを支える。更にそれを機龍が保持して横に降りながら引き金を引く

 

発信されたエネルギーは少しずつ広がりながら扇の形を取り何機かのベクターごと集団を焼き付くす

 

 

「ふむ・・・これもう近接武装に改造だな」

「そんなヤバいものいきなり振り回すな!」

 

 

思わず怒鳴る風摩キリト、素敵な火力だ。だがどうも取り回しが良くない。要改善だ。まあ、ミゼル相手にその時間があるとは思えないが・・・ほんまあいつふざけんなよ!少しは!疲れってモノを!見せろ!

ろくに備える時間も取れやしねぇ

 

だが全員の奮戦でLBXの数も減ってきた

 

 

「文句は後で聞く。あのベクターだ!風摩キリト!俺は前から!必殺ファンクション!」

「OK、気に食わないがやってやるよ。必殺ファンクション!」

 

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

アタックファンクション

Xブレイド

 

イプシロンは正面から炎の刃をベクターに振り下ろす。一撃目は防がれたが強引に防御を崩し、二撃目を斬り込んだ

同時に後ろからキリトのフェンリルフレアがXブレイドを無防備な背中に二連撃を叩き込む。しかしベクターまだ倒れずに反撃を試みようとしてくる

 

「次だ!」

 

アタックファンクション

ヒートウイング

 

アタックファンクション

ヒートウイング

 

 

二機の炎の翼が共にベクターを巻き込みそこへ前後両側から斬撃を加えた。ベクターもダメージの蓄積が激しく、撃破した

 

 

「よっしゃ」

「中々じゃないか。そのLBXも」

「機龍・・・えっぐ」

 

 

だがこれで全てのベクターを撃破、残りのLBXは動きを止めた

 

 

「よし。鉱山の中は大体片付いたか?ってマングース?いつの間に?」

「みてえだな・・・スルガ、本格的にスタンフィールインゴットの交渉に行く。付いてきてくれ。他のメンバーはそこのと鉱山の見回りをしてくれ」

「それならコブラが良い。事前交渉したのもコブラだし」

「・・・チッ、わーったよ。行くぞお前ら」 

 

 

マングースの引率で他のメンバーは再び坑道の中へ

 

 

「ケッ、相変わらずだな」

「バーン!スタンフィールインゴットだけ置いてってくれー!」

「あっ、ごめんごめん」 

 

 

バンから受け取ったスタンフィールインゴットを全てポケットに突っ込んで坑道を出て再び事務所へ

 

 

 

 

═鉱山事務所═════

 

「ただいま帰還しましたー。鉱山内部のベクターはほぼ殲滅、一応残りのメンバーが見回りしてます」

「お、無事だったか・・・良かったぜ」

「それよりスタンフィールインゴットは!?」

「ほらよ。この通りだ。炉の近くにあったやつで全部だな?」

「ああ、」

「よし。事前の約束通り少し買ってくぞ?」

「・・・」

「ん?」

「そんな契約・・・した覚えが無いが?」

 

 

その言葉を聞いた作業員達が一気に怒声を上げた。リーダー格の男が「もう邪魔するもんはなにもねえ!こいつ炉に放り込みに行くぞ!」とアップを始める

 

そしてスルガ、鉱山に入る前に機龍に録音させておいた音声を流した

『分かった!構わない好きにしろ!取ってこれたなら好きなだけやる!』

 

「事前の会話も録音してあります。記録もとってありますし、立派な契約では?」

 

そう言い嗤った

 

 

「確かにこんなこと言ってやがったな・・・おい!」

「は、はいっ!」

「良いな?」

「はい!でも全部は勘弁してください!」

「そこまで鬼じゃねえよ・・・取り敢えず必要量と予備分だけ購入していきますね」

 

 

眼鏡スーツは作業員のリーダーの圧に負けた。そしてスルガはスタンフィールインゴットの重量と時価を計算し支払いを済ませる

 

 

「もう少し待たせて貰っても良いですか?他のメンバーも待ちたいので。それとベクターにハッキングされた機器は再起動すれば正常に動作するのが確認されています。作業開始前に一度全て再起動を」

「おう分かったぜ!好きに過ごしな。お前ら!安全確認終わったら設備点検だ!」

「「「おう!」」」

 

 

作業員が会議室からぞろぞろと出ていく。作業の準備だろう

 

「何から何まで済まなかったな」

「いえいえ・・・ご協力ありがとうございます」

「また協力が欲しいならいつでも連絡してくれ。大半の鉱石なら送り届けてやるよ!」

「はい!またご縁があれば」

 

 

そういい作業員のリーダーはスルガの背中をバンバンと叩いた

 

「よっし、俺も作業再開の準備に行ってくる。帰るときは一声掛けてくれ。恩人相手に見送りもなしとはみっともねえからな」

 

 

イプシロンのUCの腕関節を予備パーツに交換したりメンテナンスをして十分程たった頃に他のメンバーが帰ってきて、作業員らの見送りを受けて全員がタイニーオービットへ。アジアの騒動は一通り制圧したらしい。ヨーロッパチームとアメリカチームも現在抱えてるゴーストジャックを鎮圧すれば一度日本に帰国するようだ

 

取り敢えずこれでAX-000の製造を開始できる。スルガは頭を巡らせる。もう一度あるタイニーオービット社襲撃をどう乗り切りその後どうやってオーレギオンの奪還阻止、もしくは破壊するか・・・だ

 

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