ダンボール戦機 絶対零度の闘士   作:超甲形巡洋艦

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スルガとミゼル

═タイニーオービット社仮眠室══════

スルガは今一人だった。正確には機龍と一緒ではある

 

 

「フルリンクシステム、起動」

 

 

そう呟いて肉体から機龍の体へ、肉体はしばし機龍にお任せだ

 

 

『じゃ、言ってくる。留守をよろしくな』

『・・・』

 

そう言いスルガはインフィニティネットへダイブ、オメガダインのメインサーバーのファイアーウォール、ディスティニーゲートの入口へと向かった

 

 

═ディスティニーゲート入口════

 

さてと、どっかに呼び鈴でもあれば良いんだけど

 

 

『・・・君は馬鹿なのか?』

『お?ミゼルか、悪いな。出てきて貰って』

 

 

突然隣にミゼルのアバター?が生成される。呆れた表情を隠していなかった

 

 

『自分の意識が僕に乗っ取られるとは考えないのかい?』

『考えたさ。勿論だとも。そのリスクを犯してでも取りたい利益があるのさ』

『へぇ・・・何か知りたい?僕の正体とか?』 

 

 

ミゼルがスルガの行動に少し呆れながらも不敵に笑う

 

 

『いや、そんなもんどうでも良い。単刀直入に言う。停戦しないか?』

『はぁ?』

『ワールドセイバー、お前が知らないはず無いだろう?』 

 

 

スルガはこれを機にワールドセイバーを本気で根絶やしにしようとしていた。それを聞いたミゼルも少し考えて納得の表情を見せる

 

 

『成る程・・・つまりワールドセイバーに対抗するために手を組まないか、と?なら答えはNOだ』

『えー、やっぱりか~』

『さっさと帰りなよ。警告として受け取っておこう。今は細工もしないでおいてあげる』

『ちぇっ、じゃ、また会うときは敵同士だな』

『警告のお礼だ。僕はあのLBX、諦めてない』

『・・・全力で当たらせて貰う』

『こっちこそ、様子見はこれで終わりだよ』

 

 

スルガはまたインフィニティネットにダイブしてタイニーオービットへと戻った

やっぱりあの野郎オーレギオンを諦めてなかった。じゃあどうやって盗む気だ?オーレギオンにも当然ゴーストジャック対策のコーティングはしてあるし・・・気は抜けないか

 

 

═タイニーオービット社仮眠室═════

 

「・・・スルガ、何処に行ってたの?」

 

 

おっと、ルナの仁王立ち。結構怒ってる・・・機龍め、情報漏らしたな?

 

 

「ちょっと知り合いに会いに行ってた」

 

 

嘘では無い。相手も自分の事は知ってるし自分も相手の事を知っている

 

 

「へぇ?」

 

 

あっ、ヤバいこれ誤魔化せないやつだ

さてと、ここでどうするべきか

 

 

「降参だ・・・ちょっとミゼルに会ってた」

「前にも言ったよね?あんまり危ないことしないでって?」

「それくらいのリターンがある話だったんだよ。それに。奴がまだオーレギオンを狙ってることにも分かったし、それに小手調べも多分ここまで、次からは奴も本気で来る」

「得られた物は多かったみたいだね。その分私の怒りも大きいけど?」

 

 

ダメだ誤魔化せなかった。どう開き直る?

 

 

「分かった。こっちからミゼルに会うことはもうしない。危険なことは・・・約束しかねる」

「・・・はぁ、私も甘いよね」

「間違いないな。ヒノは?」

「オーレギオンの試験中だよ。スルガも行く?」

「行く。ついでにオーレギオンの実力、試すとするか。機龍?」

 

 

短く吼えて返事を返される。そしてスルガの肩に飛び乗り、レベル5研究室に向かった

 

 

═レベル5研究室════

現在ここ以外の設備でジャンヌDの改造やら色々な事が進行しており休む暇はない

 

 

「お?やっと来たぜ」

「どこほっつき歩いてた?」

 

 

郷田と仙道がオーレギオンと戦っていたようだ。やはり負けている

 

 

「バン、オーレギオンは万全か?」

「ああ!いつでも行ける!」

「なら、やろうぜ?ストリートレギュで良いよな?」

「うん。行けっ!オーレギオン!」

「行くよ、機龍」

 

 

Map 石油コンビナート 

ストリートレギュレーション

バトルスタート

 

機龍(改仕様)が近くの石油溜まりにレールガンを一発撃ち込み適当に大爆発を起こした

 

ほんの一瞬だけバンの気がそちらに向く。その隙に突撃開始、スモーク弾頭の誘導弾をバラまいた。疑似的に他方向からの同時突撃を作り出す

 

 

「見せて貰おうか。オーレギオンの性能とやらを!」

 

 

オーレギオンが腰を少し落とし構え、カウンターと防御の姿勢を取った。直接ぶつけてもそこまで大きなダメージにはならないだろう。スモークをオーレギオンの回りで起爆し煙に包み込む

 

機龍はその場にホバリング、次の誘導弾を一斉射、そして煙の僅かな揺れを見て急上昇、オーレギオンは飛行形態で機龍に向けて突進してくる。殴るか尻尾で打ち付けるか一瞬で判断

 

「いや加速エグッ!」

 

しかしオーレギオンの突撃速度が予想以上だった。間一髪で機首を受け止める。お互いの推力勝負、お互い全力で相手を押す。ただの突撃だけでベクターを屠る威力は凄まじい。製造初期の機龍の強度なら完全に壊れていただろう

 

全力で対抗しながら連装メーサーでオーレギオンの肩から背中に照射、スティンガーミサイルを誘爆させ使用不能に陥れる。しかし飛行形態の機首パーツによって防がれ本体に大きなダメージは追わせられなかった

 

 

「意外と行けるか?」

「くっ、まだ扱いきれてない」

 

 

メーサーを浴びながら飛行形態を解く。直ぐにスパイラルクロウ二変形させながらブースターを切った

直後レギオンランスを振り下ろされる。スパイラルクロウでそれを受け止め衝撃吸収と距離を取るのを兼ね瞬間的に自由落下

オーレギオンも追い掛けるが胸部装甲を展開、3連装ハイパーメーサーをちらつかせて少し時間稼ぎ

二度目に撃った誘導弾を機龍の横すれすれでオーレギオンにぶつける

 

 

「多彩な内蔵型武装の扱いや対策はこちらが上手だな?意外とタイマンなら器用貧乏?」

 

 

機龍とオーレギオンの武装配置はわりと似ている。こればかりは連度の差だ

 

 

「機龍も負けてないね~」

「機龍のアーマーフレームも大半がスタンフィールインゴット製に置き換えられている。強度は互角か・・・いや、タイマンなら機龍の方が固いかも」

 

 

結城さんは機龍押しのようだ。バトルの最中山野博士や大空博士らも入室してくる

 

 

「あ、山野博士、それに大空博士も」

「今スルガと機龍がオーレギオンとバトルしてるよ」

「流石俺の弟子だ。一歩も引かねえ所かあのオーレギオン相手に優位に立ってやがる」

「ほう?」

 

 

フィールドに目を落とすとその辺のパイプラインや構造物を鞭や棒のように振り回しオーレギオンに迫る機龍がある。たまにスルガ破片の飛び散り狙いでわざと外すため質が悪い。オーレギオンはそれに苦戦

機体は疑似石油にまみれていた

 

 

「・・・ここまで追い詰められるとは」

「あらら・・・少し遅かったか?・・・へぇ?面白い事になってるじゃないか」

 

 

今度来たのは風摩キリト、機龍とのバトルの話を聞いて急いできたようだ

 

ズドーーーン

 

Dエッグ内部から爆発音、皆がモニターに注視する。オーレギオンが炎に包まれていた。恐らく機体に付着した疑似石油が飛行形態のブースターで引火、爆発したのだろう。それでも機龍は既にバックパックとレールガンユニットをパージないし破壊されていた

 

 

「おらぁ!このレギュでこんな戦い方していいのか知らんけど!もっと行くぜ!」

 

 

未だ燃え落ちるオーレギオンにその辺の太い鉄パイプを片手に襲撃

バンはレギオンシールで鉄パイプを防ぐが突如鉄パイプが大炎上、攻撃の衝撃で発生した火花で着火したのだろう。それを更に振り回し機龍のパワーに振り回され鞭のようにしなり更に防御が難しくなる

 

 

「防戦一方だね。さすがにスルガ、容赦ない」

「それほどオーレギオンの事を舐めてなかったってこと?」

「聞いたぜ?機龍には自我があんだろ?つまり二人が衝突したときが隙になるんじゃ無いのか?」

「うーん・・・それは無いね。少なくとも私はあの二人が衝突したのを見たこと無い」

 

 

オーレギオンが再び飛行形態で空に退避、機龍は手当たり次第にその辺のものをぶん投げメーサーで対空射撃

 

オーレギオンがメーサーを弾きながら突っ込んでくる。今度は回避を選択、が横に抜ける寸前でオーレギオンが飛行形態を解除、スルガは不意を突かれてレギオンランスで機龍の腹を突きを入れる

 

 

「うおっ、」

「やられっぱなしじゃない!」

 

 

アタックファンクション

我王砲

 

 

機龍が怯んだ隙を付き短時間のチャージで我王砲を撃ち放つ。機龍も咄嗟に三連装ハイパーメーサーで相殺しようした。しかし自身に付いていた疑似石油に着火、炎に包まれ異常をきたしメーサーが止まってしまう。

装甲を開いたままの胸部に、まともにオーレギオンの我王砲を喰らってしまった

 

「機龍!」

 

 

反動で機龍も飛ばされ地面との衝突で大きく耐久が削られる。ストリートレギュレーションと言うルール上あともう一発喰らえば終わりだろう

 

幸い機龍が吹き飛んだ先は水の上、炎は水で掻き消される。機龍は水中で体勢を立て直した。ここの海は見通しが悪い。オーレギオンの索敵機器なら水中の機龍を見失う事はないだろうが逆に水中は身軽な機龍の方が強い。とにかく少し泳いで何処から不意を突いて強襲する

 

スルガが回りを確認すると機龍の少し後ろに船影がある。小さめの貨物船だろう

 

 

「お?いいのあんじゃーん」

 

 

その船を影にしてオーレギオンの位置を探る

 

「・・・あそこか。低空飛行してんな?引きずり込めるか?」

 

 

貨物船を適当に爆沈させ水中を引っ掻き回して姿を眩ませた。そしてオーレギオンの飛行ルートの近くに潜伏

 

「視界悪いけど・・・・・・」 

 

 

「機龍、何をするつもりだ?」 

「多分水に引きずり込もうとしてる。今の機龍は身軽だし海のなかでの取っ組み合いなら槍みたいな長物は扱い辛いんじゃない?」

 

 

一時的にオーバーロードに頼り感覚を研ぎ澄ませる。海面の揺れを・・・・・・・・・今っ!

 

 

機龍が水面から泳いで飛び出し、飛行形態のオーレギオンに飛び付く。そして、狙い通り海中に引き込んだ

水面から見ればパチパチと数度水中が光る

人型に戻ったオーレギオンの胸部にスパイラルクロウを突き立てる。そしてそれをアンカー代わりに尻尾と左手でひたすら攻撃、オーレギオンは大きな盾や飛行形態のために付いている背中のパーツが抵抗となり上手く動けていない

しかしバン、左腕をもぎ取られながら逆に飛行形態に変形し機龍と共に水中から脱出する。しかし、待っていたのは・・・屋上で警戒しているソルジャーDからの緊急アラームだった

 

 

先程の爆発とは比べ物にならない程の轟音がタイニーオービット社を揺さぶり、この部屋が外と繋がる

しかしDエッグの中のスルガは即応出来なかった

 

 

「何!?」

「なんだ!?」

 

 

Dエッグを解除する。そこには少し姿が変わったベクターとミゼルが立っていた

 

 

「さっきぶりだね。アレは貰うよ」

「やっべ!機龍!」

 

 

他のメンバーも既にLBXを戦闘態勢にしていたがベクターは背中に取り付けられたブースターでオーレギオンに殺到する。機龍との激闘で損耗した所を突かれた

 

 

「やべぇ!もぎ取った左腕からならゴーストジャックが出来るぞ!」

「そう言うことか!」 

 

 

キリトが叫んだ。機龍もダメージで思うように動けないがスパイラルクロウとフル加速で突っ込む。しかし取り巻きのベクター数機に阻まれた

 

 

「え?ムーンコントロールが効かない!」

「僕のアーサーも!?」

「機龍しか動かねえ・・・ECMかよ!バン!何とか出来ねえか?」

「駄目だ。コントロールを受け付けない・・・!」

 

 

口部連装メーサーを照射した。しかしこのベクターは思った以上に、異常に固い。メーサーでもブレイクオーバーするだけで他のベクターを捲き込めなかった

 

 

「屋上におっかないのが居るみたいだし、そろそろ退散かな」

(こいつ、気付いて!?ソルジャー!エクリプス逃がすなよ!)

(無理だ。奴が乗り込んできた手段が分からない。エクリプスの用な大型機は近くに居ない。恐らく少数のベクターと共にVOBの要領で突っ込んで来たんだろう・・・いやまて、小型機がかべにはりついてる)

(このタイミング、ミゼルだ!当たらなくても良い!ぶっぱなせ!)

(いいのか?死人が出るぞ?)

(・・・ぇえい!監視しといてくれ!)

 

 

その小型機はタイニーオービット社の外壁に近付くとホバリングした。ミゼルがオーレギオンを拾い上げてそこには向かう

 

 

「じゃあね。また会おう」

「おう!二度と来んじゃねえ!」

 

 

スルガはミゼルに走り出す。いつぞや使ったDエッグ脚立シリーズのスコップとグレネードを手に機龍経由でオーバーロードとオーバーセンスを全力発動しミゼルを殺りにかかる

 

 

「無駄だよ」

 

 

改造されたベクターがベクターガンの弾幕を張るがスルガは全てを避けきりミゼルに肉薄する。そして踵でノータイムの踏み込み、回避すら視てミゼルの頬に拳を叩き込んだ

 

 

「何が、無駄だって?」

 

 

思いっきりミゼルは怯む。直ぐに体勢を立て直したが目の前にスルガは既に居ない

今度は機龍がさっきのフィールドにあった疑似石油が詰まっているであろう巨大タンカーを持ち上げて、飛び上がっていた。オーレギオンを覆うベクター共に突撃する

 

 

「なんつー馬鹿力だよ・・・伏せろ!」

 

 

風摩キリトが近くのルナとヒノの頭を掴み伏せを促し、山野博士らも物陰に隠れた

 

 

タンカーはむなしく舵やスクリューを動かすが機龍によって船首からベクターの群れに突っ込まれた

 

ガギャィィン!

 

船首が潰れ変形しながら更に機龍は船体を押し込みやがてタンクがベクターの元へ到達、機龍が離脱、スルガはその辺の柱の影に飛び込んでいた

 

 

刹那、部屋が炎と煙で染まった。普段は強化ダンボールで遮断される爆風がミゼルを、ベクターの集団を襲う

 

 

「・・・どうなった?」

 

 

暴風が収まりスルガが顔を出す。そこには既にミゼルの姿はなく、爆心地には焦げたベクターしか無い

 

 

「クソッ!・・・完全にしてやられた!」

 

 

スルガが煤でコーティングされた床に拳を叩き付ける

バンが外を見たが、既にミゼルと思わしき小型機は姿を消していた

 

 

 

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