═タイニーオービット社════
世界中から集められたありとあらゆるデータをファイアーウォールの中でほぼ守り通した。現在ハーデスが警備中
現在バンとジン、ヒロがインフィニティネット上に最初の仮想セト50の攻撃によって流出したデータの回収に回っており所々でミゼルが回収兼妨害に差し向けるヴァーチャルLBXを撃破しながら収集中
更にファイアースイーツ隊が破壊もできない扉があると言うのでそれを開けるために日本からハッキングで開けるためオタクロスと大空博士がオメガダインへのメインサーバーハッキング、ディスティニーゲートの突破にはソルジャーD、シャルナック、機龍が向かっている
スルガは希望のLBXの設計作業に携わっていた。各社の技術者や山野博士が新たな素材や構造を次々と悪魔合体させ試験、とにかくトライ&エラーを高速で繰り返し少量のスタンフィールインゴットでオーレギオン以上のLBXを作り出そうとしている
装甲や武器は山野博士が監督している。一人では手が回りきらないとスルガは駆動系やコアスケルトンの監督をしていた
「やはりAX-000ベースのコアスケルトンではスタンフィールインゴットクラスの耐久力がなければ攻撃に耐えるどころかエターナルサイクラーの排熱もままなりません」
「コアスケルトンの新規設計は必須って訳か。試験班、成果は?」
「まだ山野博士から提示された強度を発揮できる組合せはまだ見付かってません。個人的に強度が増す組合せの法則性が分かってきた気がします」
「分かりました。定期的にその法則性を忘れて下さい」
「了解、引き続き試験を続けます」
「単一素材より複合素材で多層構造を作りしなりを重視する。これは間違えてないが」
「やはりエターナルサイクラー周りだけでもスタンフィールインゴットを使うべきだろう。悩みの種は確実に減るぞ?」
「装甲や武器に使う予定と合わせると・・・かなりギリギリだな。削りカスも捨てられない。霧野秘書のお手並み拝見、最悪自分の使ってる奴溶かすか」
機龍のコアスケルトンにもスタンフィールインゴットを使ってい。その予備を溶かせばいくらか出てくるだろう
「だがコアスケルトン内部の駆動系や通達系もかなりの頑丈さを出さなければいけません」
「内部の情報通達系はオーレギオンの設計をある程度流用出来るでしょう。これにサイバーランスとクリスターイングラムから持ち込まれた新たな伝達システムと制御システムを組み込んで更に対物理やゴーストジャック方面にも頑強に出来ます」
「なるほど、そうだ。メインカメラや各種観測機器はどうです?・・・と言ってもフレームが出来てないんで候補でしょうが、選定はどうです?」
「提示された基準で相性の良い組合せを多数作成済み。既存コアスケルトンに組み込んで試験中、さらに絞り込む」
「そちらは任せます。たまに常識をぶっ超えた組合せも試してみてください」
「分かった。作業に戻る」
「他は何か・・・特に無いようなら進捗確認を終わります。皆さん適度に休息を入れて下さいね」
軽い進捗確認を終わらせコーヒーを飲み一息付く
「河白君、君も休みなしだろう?少し休むべきだ。いつから着替えてない、服も髪も酷い臭いだぞ?」
「・・・なら、お言葉に甘えて一息いれてきます」
そう言われてスルガは研究室を後にした。とりあえず二人に会いに行こう。そう思いシーカー本部に足を向ける
═シーカー本部════
「お疲れ様、スルガ」
「現状、進んでるかい?」
「ほぼ各社の技術者任せだけどな。着実に前進してる」
「来たかスルガ、ちょうどよかった。オメガダインの制圧が終了したとカイオス長官から通信が入っている」
少し鈍くなった頭でモニターに顔を向ける
「どうもカイオス長官、こんな身格好で申し訳ない」
『構わない。早速だが「待った!ミゼルがここにハッキングを仕掛けてきたデヨ!」
「は?ハーデスは、いやシーカーは別ネットワークだったな。よし、迎え入れよう」
「「「「はぁっ!?」」」」
「どうせ時間の問題だ。引きずり込んで逃げ道塞いでやれ」
全員がスルガの言葉に驚愕したタイミングでミゼルが言葉を発してくる
『本当に出来ると思っているのかい?』
「よお、ミゼル」
シーカー本部の真ん中にある立体投影装置になんか白くなったミゼルが投影される
「残念だがデータの方はここに無いぜ?」
『今回はそれが目的ではないよ。それにしても、僕の正体、突き止めるのに結構時間が掛かったみたいだね。もっと早くバレると思ってた』
「大方アダムとイブの遺産。こんな所だろ?」
『・・・へぇ?驚いた』
ミゼルが驚きの表情を見せる。さらりと答えを言い当てたスルガは黙ってミゼルを睨み付けていた
「スルガ、いつから分かってたの?」
勘、とだけ答えてスルガは言葉を止めて大空博士の方に視線を向ける
「ミゼル、貴方の正体はアダムとイブが作成したウイルスプログラムね」
『正解だよ』
「フューチャーホープ号でアダムとイブをシャットダウンしたとき、あの子達の中で《死》と言う概念、そして恐怖が生まれた」
「アダムとイブは人工知能、常に考えて、成長するもの。その思考を止められるのはアダムとイブにとって死と同じ・・・と」
「拓也さん良い勘してますね。ついでに言うと存在否定にも繋がるのかな?」
「パラダイスであの子達をシャットダウンする刹那で貴方を、いや、貴方に繋がるモノを作った」
『そう。僕にとって大空遥はお母さん、いや、おばあちゃんかな?』
「要約すると死に損ないの置き土産ってこったろ。で?わざわざ何の用だ?」
大空博士が動揺していたのをぶった切って問いを投げつけた
『僕は世界の最適化を加速する』
ミゼルは言う、この世界を動かす規則、プログラムを守る、と。そんなプログラムがあるなら見てみたいね、とスルガ
このまま人間に任せていたらいずれ地球というシステムは崩壊する。地球は僕が完璧に管理する
「勝手なことを、言うなッ!」
バンが叫んだ。しかしミゼルは待ってましたとでも言うように言い返してくる
『なら聞くけど、ヒトが争わずに生きていくリソースは十分存在するのになぜ人間は争うのを辞めないんだい?』
『傷つけ、憎しみ合うことをなぜ辞めないんだい?人間にだって分かるハズだよ。争い戦うことによってどうなるのかは・・・それなのに、なぜ辞められないのかな?』
「それはっ・・・」
全員が言葉に詰まる。しかしただ一人だけは大笑いし出した。皆がスルガに注目する。ミゼルは不思議そうな顔をしていた
「所詮お前は0と1の集合体だ。人間と言う生命の愚かさを舐めてやがる」
『・・・は?』
「そもそも、この地球も完璧じゃない。お前が言う争い、戦いをするのは人間だけじゃない」
『食物連鎖の事を言ってるならそれも僕の管理下に置くつもりだけど?』
「へぇ?・・・争いを生まない人間、牙を捨てた生物など俺に言わせりゃ進化を捨てた不完全にすらならない木偶人形以下だ。戦争、その重ね合わせが今の地球史を作り上げてきた。戦いこそが生物の可能性、俺はそう考える」
『君の言う可能性を突き付けていくと、自滅するんじゃない?それじゃ愚かさを開き直っているだけじゃないか』
「そもそも俺の言葉の前提が違う・・・人間はどうしようもなく愚かだった。だからこそ今を生き抜いて、進化する。お前の目標は可能性の否定だ。そんな思考じゃ完璧など程遠い」
『君の言葉が理解できない』
「こんなことも理解できないならお前に一人一人何もかも違う数十億の人類を完璧に管理できるとは思えない。お前が管理するパーフェクトワールドにバグが起きたときはどうする?まさか物理的排除とか言わないよな?」
スルガはミゼルの発した言葉に明らかな嘲笑を持って反論した。まるで穴だらけの理論だとでも言うように
『ふむ・・・そもそも僕の理想に人間は必要無いのかもね』
「なんか落ち着いて言ってっけど子供の癇癪と同じじゃねえか。気に食わないオモチャがあるから遠ざける。それと同じだ」
完全にミゼルの表情が一転した
「そもそも俺は今のこの時を生きる人間を愚かだとは判断しない。未来を生きる者達が判断することだろう」
『そんな思考をするから争いが辞められないんじゃないか』
「じゃあ聞かせてもらうけどよ、お前の言うパーフェクトワールドとはなんだ?」
『この地球に存在する全ての無駄を省く』
「その基準は?」
『僕の判断』
「ただの独裁、聞くにも耐えないな。さっさと消え失せろ」
スルガは即近場にいたシャルナック経由でサーバー上に移動、そこに居たミゼルを殴り飛ばす
『なっ!?』
「この状態なら!お前のことぶん殴れるんだよぉ!」
口喧嘩に飽きたので暴力の反動でミゼルのデータをシーカーのネットワーク上から殴り追い出した
「はっ、ザマねえぜ」
長居は無用と生身に戻る。ルナとヒノ以外はスルガの行動と言動にドン引きしていた
『君、本当に人間かね?』
「俺はどこまで行っても人間ですよ。ルナとヒノが居る限り」
そう言いスルガは不敵な笑みを浮かべるのだった