═トキオシティ沖、エネルギープラント═════
ルミナスシューターの自壊ギリギリの超火力、エクスカリバーの光の奔流、ロンゴミニアドの全てを貫く光の槍を受けてなお、盾を構えて立っていた
「無傷・・・だと・・・」
『さすが君達が作ったLBXだね』
「へっ、お褒め頂きありがとう、とは言わねえぞ」
まずい、イプシロンUCの腕が反動でイカれた・・・ソルジャー、まだか?
(済まない。もう少し掛かる)
分かった。イプシロンUCはもう持たない。なる早で頼む
『君達の持つLBXでオーレギオンと互角に戦えるのはあの銀のLBXだけ。それも別のところで手一杯。諦めたらどうだい?』
「それは出来ない相談だな」
『ふぅん・・・なら、消えなよ』
オーレギオンが動いた。それに続き攻撃の流れ弾で消し飛んだベクターの後も続いてくる。が、その時だった
ズドォン・・・
壁から飛び出したレーザーとも見える弾丸がオーレギオンシールドを貫き破壊する。露骨に驚きを見せたミゼル
『何?』
「ヒュージキャノン!ソルジャーか!」
しかしヒュージキャノンの直撃で盾しか壊せてない。思ったより頑丈だな
ヒュージキャノンが穿った穴からソルジャーDが飛び出してきた。スルガは即座にソルジャーDとリンク、オーバーロードとオーバーセンスを同時発動させた
「いくぞ、ソルジャー!」
オーレギオンとの戦闘が始まる。流石に性能差が大きく、オーバードウェポンを持たないソルジャーDの持つ火力では決定打は与えられない。そう、決定打は与えられないのだ
当然ミゼルもそれを承知しているだろう。ならば少しずつ時間稼ぎをしながら下がり時間稼ぎ、端から見れば互角だがルナとヒノは勘づいていた
スルガがそう考えているとき、オーレギオンに別の黄色い光線がヒット、しかし傷はない
「この狙撃・・・カズか!」
ジンが海上に目を向けると赤い轟雷が乗ったた1機のライディングソーサーと単体で飛ぶ黒いアキレスが急接近していた
『悪い!少し出遅れたぜ』
『スルガ、苦戦しているようだな』
レックスの赤い轟雷とアキレス・ディードが降り立つ
「頼もしいよ。レックス!」
『ミゼルとやら、俺も混ぜてくれよ』
レックスの轟雷がライディングソーサーからソルジャーDの隣へ飛び降りる。そしてナックルを構えた。スルガとレックス以外はベクターへの対処で手一杯だ
開幕一発、轟雷の滑腔砲が轟音を轟かせAPSFDSを発砲、オーレギオンが驚異の反応速度を見せ避けられるがオーバーセンスで避けた先にスルガがイプシロンUCに積まれている14基全てのビットで一斉射、当たりはするがダメージにはならない
そしてソルジャーDは突貫、気が散ることもなくオーレギオンはレギオンランスを振りかぶる。ソルジャーDとスルガの狙いはただ一点、我王砲の発射口
だがミゼルもその程度は予想していたしスルガもそれを読んでいる。振り降ろされたレギオンランスを震刃で防ぐ。いかんせん急造品、耐えられず折れてしまったがまた作ればいい
今度は左腕を向ける。内蔵されたボウガンでもこの距離なら我王砲を使用不能させるくらいは可能。狙いを付けて、撃った。しかし空いた左手で矢を掴まれ、そのまま裏拳で殴り飛ばされた
「なんつー馬鹿げた反応速度だよ。だが」
だがオーレギオンの死角、ソルジャーDの真後ろにワイヤーが繋がれたナイフのような刃物、轟雷のテイルブレードがイプシロンUCのビットに導かれ我王砲の砲門に深々と突き刺さる
一歩調整を誤ればソルジャーDが串刺しになっていただろう。レックスの技術とスルガの能力を噛み合わせ、即興で編み出した初見殺しだ
『なかなかやるじゃないか』
「オーレギオンの弱点は我王砲の発射口、ここだけは装甲が薄い。カズ!」
「おう!任せろ!」
ソルジャーがオーレギオンの近くから退避
アキレス・ディードのルミナスシューターが我王砲の発射口に撃ち放たれた。
レギオンランスでこの攻撃を薙ぎ払ったが今度はソルジャーDが電磁狙撃銃を、轟雷がAPSFDSを発射口に撃ち込む
左腕でその攻撃を弾きオーレギオンが高速で動き出す
しかしそれをスルガが視て2手3手先を打つ。当然ミゼルも対応してくるがミゼルの予測演算よりも精度が良い未来予測を使っているので致命傷は受けない
「ソルジャーDと轟雷は重度の改造されてるけど性能はオーレギオンと天と地ほどの差があるんだけどさ?それでもここまで致命傷がないとオーレギオンの基礎設計に重要な欠陥がないか不安になるね!」
『チッ、小癪な』
「鬱陶しいよね?確かに目の前で羽虫がにチョロチョロされるのは小賢しい。けど今のお前はその羽虫すら潰せてないとか完璧主義が笑わせる!あ、ハエたたきとかあげようか?あ、でもホログラムの体じゃ持てないかw」
煽る余裕があるように見えるだろうがスルガ本人はソルジャーDの操作に能力を全振りしていてそんな余裕は欠片も無い。気を緩めようものなら一瞬で力負ける
スルガ(inソルジャー)の煽りに空中投影されたミゼルが露骨に顔を歪め、スティンガーミサイルでの面制圧で完全に逃げ場を無くしてきた
機体制御をソルジャーに任せイプシロンUCをスルガが遠隔操作、5基だけミサイルに弾幕を張らせ、残り9基を使い三角錐のシールドを形成
シールドへのミサイル直撃だけ避け爆風を防ぎ、ぐるッと周囲を視てオーレギオンの突撃を確認、グレネードを投げてドライブシステムで後退
しかし爆炎が晴れてもスルガの目にはオーレギオンの次が視えない
「視え・・・逃げる気か!」
真っ直ぐ上に飛行形態の赤い軌跡が視える。が、別の無数の赤い線がそれを遮っていく
その刹那飛び上がったオーレギオンに大量の弾丸とミサイルが襲いかかる。ミゼルは弾丸を少し掠らせながら弾幕を強引に突破、更に施設の奥へと侵入していった。速度が早すぎて追撃は難しいだろうが、青い機体が追跡していった
「F/Aオーディーン・・・タシャルナックからの遠隔操作?タイニーオービットから良くやったな。それにヒュージキャノンはハンター改か?良くやってくれた」
オーディーンがタイニーオービットからの遠隔操作でオーレギオンを追いかける。
「教官!もう一方のメンバーが最終防衛ラインを構築したと」
「ソルジャー、オーレギオンの連絡は終わってるな?・・・よし。少しずつ削りながら防衛ラインを下げて下さい。レックスと俺で向こうの救援とオーレギオンの追撃に向かいます。いくらバンが居るとはいえ・・・心配だ」
「分かった。後は僕たちに任せてくれ。1機たりとも通さない」
「ジン、任せた」
「行くぞ。スルガ」
防衛線はオーレギオンの襲撃で新たな局面を向かえた。アキレスD9の完成までもう少し時間が掛かるだろう。少しずつ変わる歴史の歯車はどう狂うのか?
それは、まだ分からない