═タイニーオービット社、翌朝═════
「ふふふ・・・これも乗せよぉ」
スルガは眠気と疲れでぶっ壊れていた。なんと完成間近のオーディーンMarkIIにも無断で手を入れて山野博士を混乱させると言う奇行を行い現在完成した機体にも少し改造を施している
一切の妥協なく研究と改良を加えた結果イプシロンベースの希望、それもまもなく完成する
「よし、後は試運転か」
(機龍、居る?)
(・・・)
(ちょっと試運転付き合って)
(スルガさん、機龍先輩まだ治りきってないです)
(まじで?そこまで損傷酷かった?)
(はい。そっちの作業が忙しそうなんで報告は見送ったんですがオーバーホールした結果無視できない細かな傷や故障がかなり出てきまして)
(なら・・・ソルジャー、ヴァーチャル上でオーレギオンの操作お願いしたいんだけど)
(ああ。直ぐ行く)
スルガもLBXとの謎思考リンクの使い方に慣れてきた。
「西原さん、オーディーンMark.Ⅱも巻き込んでヴァーチャル上で試験しましょう。本試験はその後で」
「時間が無いなら実践試験で良いのでは?」
「単純にオーレギオンレベルのLBXが無いから奴相手にどこまでやれるか分かんないんですよね。最低限シュミレーション上くらいで勝てないと実物には勝てません」
そう言いオタクロスが持つヴァーチャルLBXの装置をブン取ってきてレベル5研究室のサーバーに繋ぎ急いで山野博士に声を掛ける
「山野博士、オーディーンMark.IIの試験って出来ます?」
「可能だ。しかしいつビットを作ったんだ?かなり時間がかかる物だろう?」
「機能を一つに絞ればなんとでも。それに特化させればその性能も上げれます。イプシロンUCのビットは汎用性が高いのは良いんですが如何せんベクター相手には力不足が否めなかったので」
そう言いながらオーディーンMark.IIとイプシロンをヴァーチャル化装置に置く
名前どうしよう・・・希望の三機目だしそれっぽい名前にしたい。それでも本来は生まれなかった可能性か
「このイプシロン、ストライダーフレームか?」
「足周りだけですが、ビットの制御込みの地上機動力ならオーレギオンを遥かに上回れます。勿論強度もあるのであしからず」
「ふむ・・・ビットも付いているんだな。それにこの配色、君が使うのか?」
「補助推力兼シールドで、使い手はランに任せようかと。癖の強いヴァルキュリアを使いこなせてるので多分行けますよ。おっ?ソルジャー来たか。宜しくな・・・オーディーンの操作どうしよ・・・」
(機龍、オーディーンMark.IIの遠隔操作お願いしたいんだけど)
(・・・)
(え?嫌?)
(スルガ、機龍先輩が操作するならオーレギオンの方が武装配置も同じ感じで良いと思いますよ)
(ああ、そ言うことね「ソルジャー、やっぱりオーディーンMark.IIの操作お願い。よっし、やりますか!」
map 草原
アンリミテッドレギュレーション
バトルスタート
三機が仮想空間に姿を表す
「そうだな・・・イプシロンΔ零!お前の力を見せてくれ」
イプシロンΔ零(デルタゼロ)は己の得物、キビツヒコをぶつけ合わせる
ソルジャーD操作のオーディーンMark.IIはリストレイターを振り回し、機龍操作のオーレギオン(設定で性能盛り)も準備運動は万端といった所
最初に仕掛けたのはイプシロンΔ零、ブースターで機体を少し浮かせ、姿勢を下げ、多くのストライダーフレームLBXから引き継がれた足を全力駆動、スルガが予想していたよりも更に速くあっという間にオーレギオンの横を通り過ぎる
「瞬間秒速・・・150mちょい、時速換算ざっくり500km?設計速度300kmの筈なんだけど・・・まあいいや。行くぜ!」
足とキビツヒコを地面にめり込ませて無理やり制動、反転しオーレギオンに突っ掛かる。オーバーロードの感覚には頼らず今までの経験値と直感でこのじゃじゃ馬の手綱を握りオーレギオンに拳を上げた
オーレギオンはスティンガーミサイルを放つが走って振り切られるのが目に見えた為レギオンシールドを構える
そしてそのままキビツヒコのブースターを起動、500kmを超えて加速、そのままレギオンシールドに殴り込み、盾を抉り、真っ二つに叩き割った
オーレギオンの視線が外れたときオーディーンMark.IIがリストレイターを地面に突き刺した
アタックファンクション
フレイムレイド
突如オーレギオンの足下から巨大な火柱が上がる。オーレギオンはその火柱の中からレギオンランスをイプシロンΔ零に投擲、しかしキビツヒコで弾き飛ばす
この調子で試験は続きやがて決着が付く
途中で機龍が完全に槍と盾を捨て素手の野性的な戦い方をし始め、イプシロンΔ零の左腕が欠損
オーディーンMark.IIのレーザービットではオーレギオン相手に牽制にしかならずイプシロンΔ零のシールドビットもスティンガーミサイルは受け止められるが本体からの攻撃を受けきるのは長時間は無理であった
「ソルジャー!決めるぞ。ユニオンファンクション!」
アタックファンクション
ダブルクロウウィング
イプシロンΔ零は飛行形態のオーディーンMark.IIに飛び乗り積乱雲に突入した。そして咆哮と共に積乱雲が一気に霧散、その中に長大な稲妻のドラゴンが誕生しており巨体を翻し、激闘で消耗したオーレギオンに突っ込んだ
オーレギオンが防御姿勢を取ったがドラゴンの中に飲まれ全身から雷を受けて損傷部から電撃が入り込みスタンフィールインゴットが導体となり身体中をショートさせた
続いてオーディーンMark.IIの突撃、オーラを纏った機首で交差させた腕に
衝撃で防御が崩れかなりのダメージを貰う
そしてオーディーンMark.IIの速度を乗せたイプシロンΔ零が拳に電撃を従わせ我王砲の発射口に全力の一撃を叩き込み、胸部アーマーフレームを叩き割り内部に強烈な振動を与えた
オーディーンMark.IIとイプシロンΔ零はオーレギオン突き抜け着地、オーレギオンは大破し爆発した
═試験終了═
戦闘をモニタリングしていた技術者一同は自分達が作り出した希望のLBXが希望に成り得るものだと、これならミゼルを打倒し人類の未来を切り開ける・・・と確信を持つ
══════
「ふう。手強かったわ・・・しかしイプシロンΔ零、思った以上のじゃじゃ馬だな」
基本的にスルガが想定していた性能よりも高くスルガの機龍で培われた野性的な戦闘スタイルでは真の強さは引き出せない。武道家であるラン専用機と言うのを実感する
「さてと、山野博士・・・どうです?」
「期待以上だ。これなら・・・」
「お?もうじきバン達来るみたいですよ。そこで御披露目と行きましょう」
「スルガ、少し良いか?」
「卓也さん?何かご相談ですか?」
「カイオス長官への報告と今後の計画を話し合う。スルガも来てくれ」
「了解。直ぐ行きます・・・あ、レックス、バンの回りのLBXプレイヤー召集しといて。渡したら即効慣れて貰わんと困る」
「分かった。腕利きに声を掛けておこう」
バン達の練習相手を確保してスルガはシーカー本部へ
═シーカー本部════
既にNICSとの通信回線は開かれておりこの報告会にはカイオス長官他卓也とコブラ、スルガとオタクロスだけだ
「カイオス長官、希望のLBXは三機とも完成しました。アキレスD9、オーディーンMark.IIイプシロンΔ零・・・いずれも単騎でオーレギオンに十分対抗できるLBXです」
『良くやってくれた・・・それでこれからミゼル相手に決戦を挑むと?』
「ええ。前に挑発してミゼルはそれに乗った。今あいつはオーレギオンの改造と俺達が破壊したベクターの補充。全力の拡充をしてます。間違いなく」
「決戦と言っても場所はどこじゃ?」
「ミゼルはこう言った『希望を打ち砕く』と。この場合、アキレスD9、オーディーンMark.II、イプシロンΔ零、後は既存のLBXで唯一オーレギオンにタイマン張れる機龍、この四機を破壊することでしょう」
「つまり、ここか?」
「と言うよりこの四機が揃う場所ですね。ただ、だからと言ってここから大きく動く事も出来ません。特に本州から出れませんね」
「何でデヨ?」
「仮に海を渡るとしましょう。飛行機なら撃墜するし船なら沈めてトンネルなら発破します。対した労力も掛けずに希望のLBX達とその操縦者を無力化できるなら俺がミゼルなら間違いなく殺る。まあ分散したらしたで各個撃破されてBADENDでしょう」
「ミゼルの戦力も考えると・・・予想される戦域は」
「俺たちがこのままここにいてミゼルが全ての戦力を一点投入するならトキオシティ全域がミゼルとのチェス盤になります。はっきり言って俺らだけでは対応できません。まあ賭けですが策はあります」
ほぼ原作と同じことになるだろうと予想している。もしかしたらもっと酷いことになるかもしれない
まあ、トキオシティ全域の戦闘は各地のLBXプレイヤーを挑発すれば頭数は揃うだろう
専門業者に頼んで対ゴーストジャック用コーティング材も増産してあるし、協力してくれるプレイヤーのLBXにコーティングする位の量は作ってある。念のためジャックジェラート中尉も呼んであるし
ルミナスシューターも量産されてシーカー実働部隊には配備して配る準備も出来ている
一応ハッカー軍団にトキオシティ全域のハッキング根回しは頼んだし・・・後は、神のみぞ知る