ダンボール戦機 絶対零度の闘士   作:超甲形巡洋艦

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決戦 前日

═タイニーオービット社════

スルガは他数人の技術者と共に熟睡している。なので視点を天に移そう

 

 

═ヴァーチャル上════

「はぁっ!」

「ふんっ!」

「なンのっ!これしきでッ!」

 

A・アーサー、ソルジャーD、リュウビが全力で攻め立てている

現在このマップには予めワイヤーが大量に張られており身軽なシャルナック、シャルナック・ムーンがそれを利用し死角から強襲を掛けていた

 

現在五対一でランのイプシロンΔ零の修練をしてる。感覚派っぽいランなら使い方を体にたたき込むのが一番だろう。ついでにバンとヒロも似たような事をしている

 

ランはイプシロンΔ零のパワーとスピードに振り回されながらも何とか応戦しているがシャルナックのビット4基が鬱陶しい

 

「よし、貰った・・・えぇ、これも防がれるの?」

 

二基のビット自動で動き◆のシールドを形成、朔の突きを受け止めた。同時に正面からのソルジャーとリュウビにカウンターで回し蹴りで震刃と武神の剣を蹴り払う

 

「ストライク・エア!」

 

 

アタックファンクション

風王鉄槌

 

 

風圧の砲弾がイプシロンΔ零に衝突する。これがエネルギー系の攻撃なら施された対ビームコーティングが威力を減衰させるがこれはただの風、浮遊するシールドビットの位置が乱れた

そこにシャルナックが電磁拳銃を撃ちながら天叢雲を構えワイヤーから突貫

ランそれぞれの攻撃を一番固い二の腕で弾きにかかるがムーンは電磁機関銃を撃ちながらワイヤーをイプシロンΔ零の足元に撃ち込み急接近、そのため直ぐその場から退避する。がその先に無数の氷の刃を纏った巨大な白虎がジオラマを薙ぎ倒し突進して来ていた

 

ユニオンファンクション

白虎氷斬波

 

「ルナこっち!」

 

ムーンは同士討ちを避けるためワイヤーを切り離脱、それをシャルナックのシールドビットが足場を作り援護、飛行形態のA・アーサーが上手く拾い上げる

 

ユニオンファンクション

燕返し・月華

 

A・アーサーが機首を中心にエネルギーを纏いその上でシャルナック・ムーンは朔を構え、二機を覆うように燕のような紺のオーラを纏い急降下する

 

上からと横からの攻撃、ランは氷の白虎に向けて走り出す

 

「行くよっ!リミッター解除!必殺ファンクション!」

 

 

アタックファンクション

炎崩し

 

 

イプシロンΔ零が白虎に飛び込む

エターナルサイクラーから吐き出させる無尽蔵のエネルギーをキビツヒコに集中、巨大な炎の渦を作り出し白虎の氷を全て溶かし尽くし、つづき右腕から繰り出される拳が炎の渦に撃ち込まれ迸る業火が大きな白虎をリュウビホウオウ、ソルジャーDごと消し去った

 

ランの意識は燕に向けられる。が、シャルナックが斬りかかりA・アーサーとシャルナック・ムーンへの防御やカウンターを許さない・・・が自身へのカウンター攻撃を受けた。シャルナックも防御したがその防御ごとコアボックスを打ち砕く

 

そしてホバー戦闘用のブースターとビットの推量で大跳躍し燕と対面、拳を蹴り出す。が、燕は突如宙返り、ランの攻撃は空を切る

 

すかさず燕の内部のA・アーサーが突っ込みイプシロンΔ零は左の拳を繰り出しA・アーサーの突撃を相殺、続いてシャルナック・ムーンが朔を構えて突入・・・が攻撃寸前で防がれた、その後刹那に斬撃を繰り出しイプシロンΔ零を一閃、そのまま二機まとめて突き抜ける

 

シャルナック・ムーンとA・アーサーが綺麗

に着地

そして朔の一撃で首を一閃されていたイプシロンΔ零は戦闘不能判定を受ける

 

ヴァーチャル上で行われていた死闘に決着が付いた

 

 

═タイニーオービット社 レベルファイブ研究室════

 

「やっぱり強すぎる出力が扱いきれない・・・」

「パワーもスピードもヴァルキュリアを遥かに超えてる。バン君とヒロ君も高すぎる性能に振り回されてるね」

「私も少し触ったけど確かにスルガはランちゃん用で作り上げてる。それは間違いないよ。これに比べればムーンの癖なんてまだマシな方だったんだ」

 

 

同じくスルガ製のカスタマイズ、LBXは誰でも使える程癖が少ない(フレームアームズ、その他無人機)か個人用の癖強(機龍とかムーンとか)が二極化している

 

 

「ん?どうしたのシャルナック」

CCM《次は機龍先輩がタイマン張りたいらしいです》

 

試験は続く。時に機龍とレックス、ジン、ユウヤを同時に相手にしたりと習熟のために手段は選んでいられなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

═仮眠室═════

 

眠っているスルガの体は仮眠室に運ばれていて、目を覚ました。結構長い時間を寝ていたようであるが、それはどうでも良い

トキオシティ全域の警備の管制をしていたマスターコマンダーからソルジャー経由で洋上で警戒していたオリオン・Eよりベクターの大軍を発見したと報告が頭に響く

 

 

「来たか」

(ソルジャー、機龍、シャルナック、準備は良いな?)

(愚問だな)

(何時でも行けます。機龍先輩もイプシロンUCも全力を発揮可能です)

(よし、シーカーで集合、俺のイプシロンも用意しといてくれ)

(了解です)

「決着の時だな」

 

 

スルガは着ていた白衣を脱ぎ捨て仮眠室を飛び出す。そしてシーカー指令室へ移動中にルナとヒノに合流した

 

 

「あ、スルガ!」

「事態は知ってる。ここに全員居るか?」

「うん。大体居るよ。規模とかはまだ分からないって」

「かなりの規模だ。100や1000所の話じゃない。万単位のベクターだ。俺が誘ったからな、ミゼルも出てくるぞ」

 

 

そして他数人と途中で合流しながら指令室に駆け込む。リアルタイムで送られている情報では現状エクリプスの接近は感知出来ていないくらいだ

 

 

「卓也さん!話は聞きました。オリオン・Eからは万単位のベクターがトキオシティに向けて進行中です」

「ああ。お前が言っていた決戦か」

「さらっと見ましたがここ2日ゴーストジャックは確認されていません。奴が出せる総戦力を出してきたと見て間違いありません」

「だがどうする?策はあると言っていたが」

「分の悪い賭けですがね。根回しは済んでます。お金が掛かりましたよ」

 

 

スルガは報告会にリモート参加している財前総理他官僚の方を見る

 

 

「すみません、俺が今からしでかす事、無罪放免でお願いします。バン、後はアキハバラのキングのお前の鶴の一声が必要だ。ヤマネコに《賽は投げられた》と送ってくれ。レックス、手筈通りに」

「了解した。全く、お前の蛮行には慣れたつもりだったんだがな」

 

レックスとバンがCCMを操作する

 

「?分かった」

「オタクロス、大空博士・・・色々の協力でトキオシティ全域、ありとあらゆるネットワークをここに集中させます。ご助力を」

「「「「『ハァ?』」」」」

『な、何を言っているんだ?』

「これが策の一つなんですよ。許してください!」

 

 

官僚達が何か言っているがスルガは意図的に耳をシャットアウトする。そしてガイナ立ちをした

そして、時は来る。オタクロスが無言でGOサインを出した。スルガは息を吸う

 

 

 

『今、ミゼルがこの町を蹂躙しようとしている。ヤツは人類の可能性を、力を否定した。確かに人間は愚かだ。だからこそ進化する。俺は人類の可能性を、進化の力を信じている。決して0と1では表せないモノを、人類の可能性をミゼルに叩き付けてやろう

手の平サイズの小さなロボットで世界は一つに繋がりミゼルに対抗する絆を、希望を手に入れた

この言葉が全ての人間に届くことを信じて、人の可能性を信じて頼みがある。ミゼルが言ったパーフェクトワールドではなく、俺達が自分達のカタチの世界を作り出す、己らの未来を切り開く為に!・・・愛する人を守るために』

 

『既にベクターのハッキングを無力化するための手段は確立した。協力してくれるのなら近くの模型店でハッキング対策は出来るよう手筈は整えてある。この町を守るために、この世界を救うために、手を貸してほしい』

 

 

そこで映像は途切れる。後はお祈りだ

 

 

「・・・打てる手は全て打った」

「スルガ!聞いてないぞ!」

「言ってないもん。今回の計画を知ってたのはレックスとハッカー軍団だけ。模型店への手回しはレックスにお願いした」

『スルガ君・・・今からでも協力出来ることは?』

「戦う意思を示さない者の避難と起こるであろう災害、怪我人への備えです。どこで何が起こるか分からない」

『分かった・・・・・・防衛隊にも出動の要請をする。人命が最優先だ』

『総理!良いのですか!子供の言いなりなど!』

「防衛大臣、万を超えるベクターを俺達と防衛隊だけで止められますか?たった三機の希望だけではとても守りきれません。ここまで来たなら行政も民間も関係ありません。ただトキオシティを守る、これに集中すべきでは?」

『怪我人が出たらどうする!責任は誰が取る!』

『何勝手なことをしているんだ!』

何か色々言っているが・・・スルガはキレた

 

 

「黙って聞いてりゃカス共、今までのブレインジャックとゴーストジャックを終息させてきたのは俺達だ。そんな中よぉ、日本で事が起きたとき、防衛隊は何をしていた?正面切ってLBXと渡り合ってたのは俺達だ。俺が調べた限りじゃぁ悠長に会議してたみてえじゃねえか。ほんと、お前ら見たらミゼルが人類を管理したいって言い出すのも無理ねえわw」

『何だと!?』

「それによぉ、ここまで俺は手を回せたんだぞ?てめえらの不祥事とか弱みになるもんも当然握ってんだ・・・まだ甘い蜜が吸いたいなら邪魔をするな。最後に言っておく、これは警告だ」

 

 

邪魔な官僚どもの喉元に情報と言う銃口を突き付けて黙らせる。

 

 

「あなた方に働いて貰うのは恐らくもう少し先の話です。その時は、よろしくお願いします」

 

 

そう言い今度は頭を下げた。官僚数名は驚いている様子、ミゼルの通信傍受を警戒し通信を切って、そしてトキオシティ全域のMAPに目を移す

 

 

「ベクターの大軍の中にオーレギオンが居ない所見るとミゼルの第一目標は戦力を削ぐのと・・・分散、混乱辺りだろう。奴にとっての作戦第一段階か」

「当然、次がある。それがオーレギオンの出撃か?」

「いや、決戦と銘打った以上・・・人類への降伏勧告、その最後通牒だ。来るのはオーレギオンだけじゃない。エクリプスも飛来する。何が起こるか推測すると・・・」

 

 

そう言いスルガは黙り込む。頭の中をフル回転させているらしい。そして興味をそそられたアスカがレックスに話を振った

 

 

「なあなあレックス、こいつに何頼まれてたんだ?」

「まずトキオシティ各地にあるLBX販売店への根回し。ハッキング対策のコーティング塗料の塗布委託と配布、そしてブルーキャッツに集まる連中への協力要請だ。ハッカー軍団の協力が合ったといえギリギリだったがな」

「そんなことまでしてたのね・・・」

「今回の事件、本当にこいつが居なけりゃもっと酷いことになってたな」

 

考えを纏めたスルガが顔を上げて口を開く

 

「・・・ミゼルはエクリプスの内部にセト50が有ることを全世界に向け公表するだろうな。攻撃したら地球全体に被害を与える代物、これで一切の遠距離攻撃を封じられ、その上で、滅ぶか従うか選べ

即決即断を求められるとその時点で詰む

タイムリミットが設定されれば・・・希望でミゼルトラウザーに殴り込む。勿論逃げられないようにしてからだが

理想的なパターンは何らかの攻撃で辺り一帯は廃墟になるけどその攻撃のエネルギーの充填のために動けなくなるパターン

山野博士、セト50対策の方は進んでるんですね?」

「ああ。問題点も多いが直ぐにでも実現させて見せる」

「数なら・・・そっちはミゼルの出方次第ですね。理想パターンに嵌まってくれりゃ準備的に楽でいいんですが」

「おい、スルガ、お前のバカに付き合ってくれる奴は大量らしいぜ?」

 

カズがネットニュースと掲示板を覗いていた。困惑が多いがベクターへの抵抗者は爆発的に増えたようだ。キタジマ模型店にも対ハッキング用コーティングの依頼でてんてこ舞いのようである

 

「ならば結構!手始めにベクター共を殲滅する!

俺達はベクターに制圧されたままのエンジェルスター、神谷重工、解体中の海道邸の奪還に動く。トキオシティ中のLBXプレイヤー達が大暴れてくれてる間に陥落させて後顧の憂いを絶つ!」

 

 

ついでに神谷重工相手の交渉材料も手に入る・・・よし

 

「だが俺はまだやらなければいけないことが山積みでな。各地の防衛と攻略はお前らと卓也さんに任せたい」

「分かった。攻略の指揮は任せろ」

「山野博士は引き続きセト50対策の方を、俺はここの防衛とこれからに備える」

 

ついに決戦の時、ミゼルとスルガの地球という名のチェス盤はトキオシティと言う狭いステージに限定された。だが互いの番外戦術はまだまだ飛び交う

 

 

次回、絶対零度の闘志

《決戦 トキオシティ》

 

「ハハ・・・想定通りだ!」

 

 

スルガの本領が、発揮される

 

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