ダンボール戦機 絶対零度の闘士   作:超甲形巡洋艦

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vs海道ジン(お互い本気)

 

─タイニーオービット社研究室────

以前スルガがバンとジン、ヒノ等と戦っていた場所、ではなく研究室の中にDキューブがセットされている

観客はレックスやルナ、ヒノ、話を聞きつけたバンだ

 

「よし・・・結局ジンだけ?」

「一人で戦う方が、力量差は測りやすい。キャプテントリトーン、起動!」

「んじゃまぁ、行こうか。ソルジャー!」

(スルガ、本気で戦うって言ってた。オーバーセンスの事、明かしたのかな)

 

スルガはCCMを閉じてポケットに突っ込み、機龍とシンクロ深度をオーバーセンスの域へと堕ちる

一部が黒いパーツを纏ったソルジャーDもそれに応えた。トリトーンもシーロードアンカーではなくエンペランチャーを持っていた

Dキューブの中にいるトリトーンの前に降りる

 

 

MAP 港湾都市 ゼネラルレギュレーション

バトルスタート

[なるべく破壊なし、LBXのリミッター解除]

 

なんかふわっとしたルールで行われた

 

「あれ?本気って言ってたのに機龍じゃないのか?それにソルジャーの右腕と脚だけイプシロン?」

「うーん、スルガのLBXの中で一番強力なのは機龍のはず?」

「多分、付き合いの差だと思う。スルガが一番最初にフルリンクシステムを積んだのはウォーリアー、それを受け継いだのはソルジャーなんだ。つまり最もスルガの事を理解してるのも、ソルジャーなのかもな」

「後はビットを使う為だろう。俺も色々利用させてもらったが奴はまだまだ使い道を残してる」

 

バンとレックスがそう言うとほか3人は納得したような顔を見せる

 

ソルジャーが先に仕掛けた。持っているのはグレネードランチャー付きの電磁機関銃、ポンッと小気味よい音を響かせて2機の間で炸裂、煙幕が辺りを覆う

 

(自ら視界を遮った?・・・オーバーセンスで視えるのは長くて4.5秒)

 

手からネバネバの糸を放出、した所で動きを止める。そして再始動、を持ち攻めに動く

 

(視界に依存する物なら、やはり死角からの攻撃がベターだが、その程度は予期しているだろう。となると反応出来ない手数を叩き込むか?いや反応出来ない場所に追い込むか)

 

MAPは港湾都市、水場はトリトーンが得意とする戦場、引き込めれば間違いなく優位に立てる

が、突然左右上部2箇所からレーザーが飛んでくる

 

ピュンピュンピュンピュンピュンポンピュンピュン

 

「そう来るか!」

 

ビットを撃墜するためショットガンSG4Cを構え回避を始めた。高いビルの間、動きが読みやすくなる場所へと誘い込む

 

突然ビルの間から右腕ソードビット、左腕クサナギの二刀流でソルジャーDが襲来

 

(残り2基、シールドは使えない!)

 

ジンは残ったビット数を考えショットガンSG4Cをソルジャーに向け引き金に指を掛け発砲した途端トリトーンの目の前で何かが炸裂、ダメージを負う。しかしソルジャーも至近距離のショットガンは避けられずタックルに近い姿勢をとり右半身を向け関節部への直撃だけ避け押し通った

 

「グッ、」

 

スルガの表情が少し曇る。まだ脳汁の出ていない今は結構痛い

右腕装着のソードビットでトリトーンを斬り上げる。だが幾つも重なった赤い軌跡、ショットガンの子弾だ

迫撃砲の要領で打ち上げておいたグレネードランチャーの爆発、その中で正確な射撃をしてみせる海道ジンの恐ろしさにスルガは認識を改める

 

(これは、あんま搦め手使うと逆に足を取られるな)

 

だがこっちが斬り上げる方が早い。

ビットの刃がトリトーンを捉えた。煙も晴れる しかし手応えが薄い。ジンはショットガンの反動をも使い後退していた。晴れる前の爆煙でソルジャーからその動きは視えていなかった

 

(上手く抑えられたか。それにビットの追撃の精度も落ちている。このままショットガンで攻めるか?いや、ジリ貧か。決め手に掛けるな)

 

エンペランチャーに持ち替えて構える

 

今度はソルジャーと追従したビット4基がトリトーンに突進する

 

(来る!)

 

トリトーンの間合いに飛び込む寸前、追従していたビットが坂の用にシールドを形成、ソルジャーは空中で電磁機関銃に持ち替え、5基のビットと上から撃ち下ろす。そして下降を開始した所で更に足元にシールドを形成し更に跳躍、しようとしたところに6本のミサイルが殺到

1基で迎撃、4基を腰に呼び戻しソルジャー任せの空中制御で滑空しつつミサイルから回避運動、スルガは電磁機関銃を撃ち続ける

 

ミサイルを全て撃ち落とし、低い建物の上に降りたタイミングでトリトーンを見失う

 

(何処行った?しかしショットガンは想定内だったがエンペランチャーを引っ張り出すとはな)

 

機体を屈めて索敵、突然視界が赤に包まれる。辛うじて何かが来る向きを特定しシールドを張る

が、来たのは強力な爆風、ダメージは押されられたが建物ごと吹き飛び、湾内へと落ちた

 

「マッズ!」

 

(決まった!爆風は視られていただろう。だがあれ程の爆発なら煽りは相当な物、シールドでも受け止められまい!)

 

ソルジャーを撒いて水中に待ち構えていたキャプテントリトーンが牙を剥く

形状的に水の抵抗を受けやすいエンペランチャーでも水中型のキャプテントリトーンと海道ジンが使えば形勢は容易にひっくり返る

加えレーザーは水中で減衰が激しく、ビットも大きく動きの制限を受ける

 

「早く!水から!」

 

この距離でグレネードを使えば自爆は必至、するならグレネードを置いた場所に誘導するかビットに括り付けて海上から落とすかだがその手には対応してくるだろう。まず勝てない

出来ることは早く水を脱出する事のみ

 

スルガはそう考えていたがその想定状況より悪い。まず港湾と言う地形は浜の用に少しずつ浅くなるのでなく崖に近く、大型船の出入りの為に一定深度まで海底は割とフラット、透明度も高く仕込みがバレやすい

 

この状況のジンを越えられるプレイヤーは間違いなく居ない

 

ビットの補助で横振りの一撃目を何とか受け止める。これで持ち込まれていたのが水の抵抗を受け辛いシーロードアンカーならもう勝ち目は完全に無かった

 

(どうする?幸い攻撃はそこまで早くは無い。攻撃は捌けるけど時間の問題・・・罠仕込み安い深い場所には付いてこんだろうし)

 

トリトーンの攻撃を間一髪捌き、ちょくちょく当たって耐久削られているが上での傷を考えればトントンだろう

ジンが一番されたくない手、海からの脱出?

 

 

(ソルジャー、上に残った1基と通信出来るか)

(ギリギリだが出来る。だが位置が分からないと誘導はできない。ビットを2基上に出して三角測量すれば)

(りょ。そっちは任せる)

 

また一撃を避けて、ハンマーを振り抜いた時、エンペランチャーからまさかの魚雷が発射、七本の鮫がソルジャーに喰いかかる

ビット2基が腰から分離、魚雷3本が意図せずそちらに食いついた

 

「んなもん積んでたのか」

「いくら未来が視えても、捌けない量を一度に与えれば!」

「ちっとまずい!」

 

グレネードSを幾つか左右前方に漂わせて全推力で後退、トリトーンはグレネードの加害範囲外を回り込むようだ

 

(ソルジャー、ビットは?)

(今海面を出た)

 

 

それより早く魚雷が接近、グレネードを同時に起爆、海中を引っ掻き回しビットに喰い付いた2本以外は誘爆させた。だが凄まじい水圧や激しい水流に揉まれ耐久が削られる

 

(測量完了、いつでも動かせる)

(2基で残った魚雷を可能ならトリトーンの近く誘導出来ないか?多分パッシブ誘導だし)

(分かった。やってみる)

 

左腕のボウガンから矢を射出、一応装甲に突き刺さったが大したダメージでは無い。水の抵抗が大きいようだ

 

(これは行けるか?予定変更、海面、シールドビット準備)

(成る程、分かった。残りの魚雷に注意しろよ)

 

引き摺られながら残ったグレネードMを海中へと投げる。そしてワイヤーカット、グレネードLで作られた結界の中に閉じこもる

 

トリトーンも下手も近付けない状況を作り出す。再び魚雷発射

 

(魚雷、つまり今は近付いて来ない!)

 

腰のスラスターを全力噴射、トリトーンも意図に気が付き距離を詰めにかかる

 

(間に合うか?)

(誘導完了)

 

トリトーンの進路上に一本の魚雷が通過する。起爆はしなかったが妨害には十分だった

 

海面スレスレにセットされたシールドビットに手を掛け海面上へ、そしてグレネードMをトリトーンの居た場所へ残り投げ込み、沈降を待ち2個追加、海底と海面から二重爆撃をしかけ巨大な水柱を背に跳躍、岸壁へ着地

 

「・・・バブルパルスの水圧と水流の暴力、いやトリトーンの機動力なら逃げられるな」

 

数秒たち水面が落ち着いてもトリトーンは現れない

ちらりとジンの方を見る。その目から闘志は消えていない

 

「さてと、どうするか・・・痛ッ!?」

 

悩んでいる間、後ろからシーロードアンカーが投げつけられ、ソルジャーが海に落とされる

 

後ろを振り返る。ソルジャーの目が投擲をしたであろうゼノンを捉えた

 

「なっ、マジ!?」

「君は二心一体、僕は一心二体だ。卑怯とは言わないだろう?」

「ああ。勝手に納得してた俺が悪い」

 

水面に叩きつけられる寸前、何かに引っかかる事を期待し左腕、ワイヤー付きのアンカーを射出

水中に落ち泡が引いた直ぐに視えたのは投げられたシーロードアンカーを回収しこちらに向かうキャプテントリトーンだ。これはかなり不味い

 

ワイヤーの巻き出しが止まっていることを確認し巻き上げる。ただし無情、何にも引っ掛からず巻き取りは続く

 

クサナギを構え初撃を相殺、だが海底に足が付いておらず姿勢が安定しない

直ぐ二撃目が振るわれる。視えてはいるが防御が間に合わず胴体に直撃を貰う。

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

スルガ、敗北

圧倒的な地形不利と手数、後手数の差で負けた

決まり手はオーシャンブラスト、水を生み出す予備動作が無く、直接激流にぶん殴られ揉みくちゃにされてブレイクオーバー

 

「いっやー、強っえー。ゼノン仕込んでるとまでは予想して無かったわー」

「ショットガンで面の攻撃、回避不能の大爆風、地形有利を取り手数で勝負、死角からの攻撃、スルガ、お前機龍の性能に頼り過ぎてたんじゃ無いか?」

「うーん、否定できない」

「凄いや、水中でジン相手にあそこまで粘るなんて」

「詰め方を間違えればやられていたのは僕だった・・・しかし、スルガの本気は恐ろしい」

「どうだった?欲しくなったか?」

「ああ。フルリンクシステムワンセット、これからも借りてて良いだろうか?」

「おう。お前用に調整したやつ作ってやるよ。ただリミッターは掛けるがな」

「分かった。ありがとう」

「つっかれたー。大空博士、人機一体これで満足?」

「ええ。存分に見させてもらったわ」

 

 

そう締め括られ、解散。ジンもA国の留学に戻るらしい

その告白を契機とされたか、はたまた偶然か、各々が本来の日常に戻り、トキオシティの復興が続く中、新たな面倒ごとの火種はまだまだ燻ぶって居るのだった

 

 

──────

 

 

何日か後の日の新月の、夜空の星々が輝く夜、スルガは家の縁側に座っていた

とある事の決心が付いたからだ。スルガの手の中には金属細工が3つあった

 

 

「星、綺麗だね」

「うん。どれも強く輝いてる」

 

 

両脇にはルナとヒノが腰掛けていた。3人で夜空を見あげている。

 

 

「さて・・・二人とも」

 

 

スルガが縁側から、地面に片膝を付く

 

 

「え?何々?」

「大丈夫かい?」

「・・・ふぅ、すぅ、ルナ、ヒノ。色々あったけどこれからも俺と居てくれますか?」

 

 

白く時折青く淡い輝きを見せる月長石が使われた銀のリング

片や強く鮮やかな赤褐色を反射させる日長石が使われた金のリング

 

どちらともスルガの手の上で、この夜空の元で確かな輝きを見せていた

 

「離れたくなっても絶対離してあげないからね」

「うん。うん!僕も君の隣を歩き続けるよ」

「そう・・ありがとう。では、左手を拝借」

「・・・どっちの指から嵌めてくれるのかなぁ?」

「僕、だよね?」

「私じゃないの?」

 

二人はいたずらっぽく笑う。スルガも二人に優劣を付けるつもりはないが、何となく揶揄われそうなのでちょっとした手品を考えていた

 

「ちゃーんと考えてあるよ。お姫様」

 

スルガが掌を合わせもう一度二人に向ける、するとあら不思議、指輪が消えた

 

差し出された二人の左手を重ね、自らの手で上下から優しく撫でるように動かし、その手を退く

二人の薬指には、ルナに銀のヒノに金のリングが嵌められていた

 

「種は秘密だよ」

「ちえー、慌てるスルガが見れると思ったのになー」

「先に貰えるってちょっと期待してたのに」

「気に入って貰えたなら作って良かった」

「スルガが作ったの?」

「うん。あの石置いてあった喫茶のマスターに頼んでその石用意してもらったんだ」

「へー・・綺麗」

「うん。ありがとう、スルガ・・・それで、自分のリングは?」「コレ」「えい!」

 

 

ルナがスルガの手の平からリングをつまみ上げる

金と銀、2つのリングを縦に割って一つにしたような指輪だ

 

 

「私達に嵌めさせて?」

「はい、お願いします」

「ヒノちゃん、そっち側持って」

「スルガ、左手出して」

 

 

二人の手がスルガの左手をやさしく包み、スルガの薬指に指輪を嵌める

 

 

「「これからも、よろしくね」」

「おう、末永く、な」

 

 

スルガが二人に唇を合わせた。暫く縁側でゆっくりした後、ルナが何かを思い付いたようだ

 

 

「あ、ヒノちゃん、耳貸して。」

「え?いきなり?」

「スルガ、先家の中入ってて」

「お、おう」

 

 

ここから先はあえて詳しく描写しない

一言言うなら、ゆうべはおたのしみでしたね

 

 

 

 

次章

新たな危機。スルガ大暴走、動き出す戦姫達

世界線が分岐して起こらないと思ってたが起きてしまったミゼレムクライシス、しかしスルガは真の黒幕に勘付いて居たのだった

 

 

 




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