ダンボール戦機 絶対零度の闘士   作:超甲形巡洋艦

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はい。続きの前にちょっと時系列を戻して


FrameArmor出撃までの話

─シーカー仮設支部─────

タイニーオービットの支社の地下施設に設営されたシーカーのオオミヤ支部 ミゼレムクライシスが発生した時点でシーカーはトキオシアデパート地下及びタイニーオービットの拠点を破棄する準備を完全に済ませていた。そしてスルガ達FrameArmorの本拠地となっている

 

その一室に色々なケーブルでコンピューターに接続された3人の少女達、その傍らには肉体から意識を喪失して居るスルガ、ヒノ、ルナが静かに座り込んでいた

 

そして暫くして四人は目を覚ます

 

 

「ふむ。うん。これなら前線を立たせられるな」

 

 

シュミレーター上でスルガが指揮するミゼレム軍団と、ルナ、ヒノ、轟雷、迅雷、スティレットとの模擬戦、終盤に面白半分で大型ミゼレムに仕立て上げた銀龍を投入してみたら撃破されたので、大抵の大型ミゼレムなら多少群れを率いていても狩れるだろう

 

 

「いきなり銀龍に相手させるなんて、一歩間違えば私達が、やられてたわよ!」

「普通のキラードロイドより強いから試験官には丁度良いだろ。手加減するように伝えたし合格ラインと考えとけ。まあ、小型の処理は手早いし、伏兵への対処も的確、問題は無かろう」

 

 

装甲娘達を鍛えてるスルガが太鼓判を押した。彼女達、フレームアームズ・ガールの実戦参加はファーストケース出撃と同日に合わせる。2日後だ

 

 

「スルガは大丈夫なのですか?私達と前線に出ると言う話でしたが?」

「まあな。普段からアレは重機代わりに乗り回してるし、ソルジャーのフォローもある。敵の規模にもよるが、そう簡単には落ちる気はないさ。いざとなれば、やりようはいくらでもある」

 

 

フレームアームズ【轟雷】、スルガがフレームアームズガール作成前に実用化させていた搭乗型大型機動兵器

推定ミゼル、ベクターを相手にするには運用上問題(開発中も何となくそんな気はしてた)があり量産は凍結された

試作していたバッテリー駆動型を落とされたら落とされたと割り切り火力支援兼司令施設として前線に持ち出す

そして防衛隊からスクラップ名義で買った魔改造オスプレイ、アレの火力で撃破できないものなどこの星には存在し得ないだそう

 

 

「ささ、明日はメンテナンスと休息だ。万全に調子を整えて初陣飾るぞ。ルナ、ヒノ、後任せてもいいか?ちと色々呼ばれてるものでな」

「どこ行くの?」

「サクラタウンの防衛隊、どうやらアテナスの教え子達がファーストケースをもぎ取ったらしい。その祝だ。甘い物でも持ってってやるさ」

「スルガ発注物資、やはり一部は手に入らなさそうだ。それと宇崎拓也から郵便が届いていたぞ」

 

 

そう言ってシュミレータールームに入ってきたのは元オメガダイン総帥、アラン・ウォーゼンである

なぜこの人がここに居るか、ざっくり説明しておこう

 

スルガは組織を継続的に運用するノウハウが無い。指揮官や軍師の経験は幾度もあるが組織のトップは経験がない

大きな組織率いて手強かった人、と言う条件の元でこの人に白羽の矢を立てた。そしてクラウディア大統領とのコネで、なんとか特例で仮釈放を依頼、名目上社会貢献としてFrameArmorの事務員に雇用した。因みにもう一人仮釈放されている

立ち位置は総務副部長(名目上部長はヒノ)である

 

 

「あー、やっぱりですか。ヤバい物は手に入らんか。まあ、ミゼレムのパーツからリサイクルしてくしか無いかぁ」

 

手に入らなかった物のリストを貰う。弾薬や消耗品のたぐいは調達したようだが一部嗜好品、レアメタル等は手に入らなかった

 

「大体の消耗品が手に入る分ここはマシだろう。卸業者から他の民間組織は特に衣服等が手に入って無いようだぞ。それに物資輸送の護衛もある。これから更に手に入りづらくなるぞ」

「ふむ、取り敢えず轟雷達のメンテ用品手に入っただけ良しとするか。んじゃ、外出してきまーす」

 

 

時は夕刻、スルガは人通りの少ない大宮を自作のバイクで走る。荷台には頼んでおいたケーキセットが入っていた

そしてその中で、オーバーロードが頭痛と共に少し先の光景、数機のミゼレムの襲撃を写す

 

「・・・機龍、ソルジャー、準備は?」

(問題ない)

(・・・!)

 

そのままバイクを止めて、数秒後、十数秒経でヘルケルベが五機姿を現した。にらみ合う

 

「ステルス機能か。厄介な物を」

 

 

アタックファンクション

ブリッツフレイム

 

 

突然一機の首が炎が走り、ヘッドパーツが落ちる

それを皮切りに残り4機は一直線にスルガに向かってきた

 

「よくやったソルジャー。相変わらずいい腕だ。コネクト。アーキテクト」

 

スルガの右手だけ黒いオーラに包まれる。

夕焼けを背に立つ黒い塊を纏う者、この世の存在にしては異質なモノ

ヘルケルベの鋭い爪がスルガに迫る。そしてその中のスルガが拳銃を取り出し、安全装置を解除。

拳銃の銃口に青いリングが形成、拳銃弾が熱線のエネルギーを纏い、一機のエネルギーコアを貫く。そして機龍から誘導弾と黄色い稲妻が発砲されもう2機を撃破、残りの一機の攻撃を躱す

 

(視ないでも避けれるな)

 

アタックファンクション

大真空斬

 

伊達に実戦訓練や荒事をこなしているわけでは無いのである

攻撃をスカッた一機の背後に三振りの斬撃が降り注ぎ腕と首を斬り落とした

 

「ナイスだ。んじゃ行くぞ」

 

5匹のスクラップをそのままにして走り去った

尚防衛隊やらはこんなところに入り込み、尚且つLBCSが動いた痕跡のない中存在する謎のスクラップに胃を痛める事になる

 

 

─サクラタウン アテナス特殊警備本社─────

スルガが出資して建物が綺麗になったアテナス本部、稽古も兼ねて何度か顔を出しているところだ

 

 

「ウィッス、おいアカシ、鍵空いてたぞー」※ピッキング&ハッキング

「・・・確かに締めたんだが?」

「俺が作ったセキュリティだぞ。バックドアくらい仕込み放題だわ」

「またセキュリティ見直しかぁ」

「ミゼルにも即突破されっぞ。もっと用心する事だな」

 

前科5犯、普通の入り方した事は無いし、隊長以外との初対面時は不法侵入。この男、滅茶苦茶である

 

「他の連中は?」

「そろそろ来るんじゃない?」

「あ、スルガさーん、聞いて!私達ファーストケースに選ばれたんだよ!」

「らしいじゃねえか。」

 

アキレス、ミカヅキカリナが走り寄ってきた。実は表向き生徒第一号が彼女だったりする

始めましてで色々(スルガが)やったが、今では大型犬のような感じだ

 

 

「河白さんじゃないですか。今お茶淹れてきますね」

「げっ、河白ちゃん、今度はなんら」

「ミナセ、別に良いぞ。今日はお前達の祝いに来た。紅茶かコーヒーか、俺が淹れるよ。おーい、菓子持ってきたぞー。その様子ならミクリヤは要らねえか」

「わーい、河白ちゃん大好きなのらー」

「ミカヅキ、イチゴとケイは?」スルー

「えっと、エンペラーさんとなんか話してたよ」

「エンペラー?・・・あぁ、カタクラか。アカシ、本気で現場指揮官交代させるのか?」

「ああ。その方が良いと判断した」

「ほーん、指揮系統だけはきっちりしとけよ。ミクリヤ、3人呼んできてくれ」

「ほほーい」

「各々飲み物は?俺選で銘柄選んできたらか紅茶か珈琲か」

「カフェオレってできますか?」

「おう」

「私もカフェオレー」

「じゃあ珈琲を」

 

響き渡るの3人分の悲鳴、多分マココが呼び出しかねてイタズラしたのだろう。その後直ぐドタドタと走る音が聞こえてくる

 

「わー、追ってくるのらー」

「おらジョーカー、今日とゆう今日は・・・まーた不法侵入か?」

「いやいや、鍵が空いてただけだ(?)」

「ジョーカーさん!待ちなさい!」

「コラー!!あんたいい加減にしなさいよ!」

「おうおう、ここはいつ来ても騒がしい」

「スルガさん、いらしてたのですか」

「なに?稽古でも付けに来たの?」

「いやいや、ファーストケース就任祝だ。ホレ。紅茶か珈琲か、選べぃ」

 

「じゃあ、紅茶お願いー」

「私は珈琲でお願いします」

「私は紅茶派なのら〜」

「アタシも紅茶頼む」

「はーい、給湯室借りるぞ。摘み食いすんなよ〜」

 

挽いてきた珈琲豆とパック詰めしていた紅茶を用意、その片手間でシステムをハッキング、追加のシュミレーターの訓練データを追加してそれぞれ完成

 

「ほーい、飲み物きたぞー」

「そいや菓子ってのは聞こえたけど、何持ってきたんだ?」

「色々あるよ。形が崩れやすいケーキ類は種類ないけど、焼き菓子類は豊富だぜ」

 

そう言って飲み物を配り、箱を開けて机に並べた。本当に色々用意してある

発注元はブルーキャッツとミソラ商店街で行き付けだったケーキショップと鉱石喫茶のマスターだ

 

「うわぁ凄い。これ本当にこれ全部良いんですか?」

「こんなカラフルなの久っ々に見たぞ」

「構わんよ。んじゃこれだけだ。オレは帰る」

 

目を輝かせる乙女たち。年頃の女子で娯楽を制限されていればこうもなろう

 

「いただきー!」

 

 

わちゃわちゃとおやつタイムが始まる。それを後ろ目に鍵を開錠、移動中山野博士の元にいるシャルナックに謎通信をかけた

 

(シャルナック、今大丈夫か?)

(どうしました?)

(いや、アーキの様子どうかなって)

(特段変わったことはないですよ。他から来た研究員達にも馴染んでますし、積極的にコミュニケーション取ってるので心配要らなさそうですよ)

(そうか。ゴタつくかと思ったけど良かった)

(大体スルガさんの奇行の方がヤバいからっすけどね。なんだかんだ拡張性の塊のアーキは開発ツールとしても便利みたいで)

(手が欲しいってアーキ引き抜いたら開発に支障でそう?)

(流石に出ますね。アーキが前提の開発プロジェクトがいくつもあるので)

(後お前等用の改良型LBCSは?)

(普通のLBCS優先で製造されてるのでちょっと時間掛かりそうです。ですが予定より先輩は早く完成しそうです)

(ほーん。了解。後山野博士に伝えといて。サージェン弄るならおまえの人格は参考にすんな。一から作れってな)

(わかりました。意図も何となく察したので伝えておきます。では)

(そっちは引き続き任せた)

 

謎通信を終了させ今度は防衛隊への連携確認やら財前総理に出陣前のご挨拶とミゼレム撃滅宣言をしに行き、スルガの拠点に帰ってきたのは既に全員が寝静まった頃である

 

 

 

 

──FrameArmor スルガのラボ─────

スルガの自宅にあった機材、部材が置かれた部屋、更に追加でLBCS、轟雷達の整備もここで行われており、スルガが悪いもの作るのも大体ここ。加工機械を備えた大型ガレージに通じている

 

スルガは鍵付きの棚の中、小型の金属ケース、その中にある絡繰り箱を開けて、何時ぞや拾った緑の石を取り出した。それを何か電源ケーブルとノートパソコン、ミゼルオーレギオンの胴体が繋がった謎の円柱の中に放り込む

 

そして、ノートパソコンが独りでに起動、そこに映し出されたのは・・・ミゼルだった

あの時、セト50の爆発で消し飛んだと思われていたミゼルが、そこにいる

 

「よ。元気か?」

『どうしたんだい?』

「いや、俺達FrameArmorも本格的にミゼレムの駆逐に動き出す。最終的にお前がどうするか、聞いとこうと思ってな」

『聞いておく?何を?一緒に戦うか、と言うことか。それなら今まで通り保留にしておくよ』

「りょーかい、だが手伝っては貰うぞ」

『分かってるよ。それで、ボクをどうする気なんだい?』

「お前の事は信用してる。だからFrameArmorのメインサーバーをお前に開く。そこで俺と開発やら事務処理やら手伝ってもらう」

『いいのかい?僕が向こう側に付くかもしれないのに』

「前も言ったし、アレらはお前も冤罪で同結論だったろ。ミゼレム、アレは純粋なミゼルでは無い。そりゃそうだ。大元はここに居るんだもん。大方ワールドセイバーの仕業かニュースタンダードがやらかしたか何かだろってのは。残渣って言われてるとうり、アレは散らばったミゼルのデータを補って復元・・・いや自分たちの良いようにしたに過ぎないってな」

『そうだね。アレは劣化コピーに過ぎない。やり口も暴力的、あれじゃあ人類殲滅どころか地球の最適化世界を破滅させてしまう』

 

 

まあ、ミゼルがいる理由はいずれ語られる事もあるだろう。因みにスルガの悪事の結果である事は言うまでも無い

その間も別のパソコンのキーボードを叩いている

 

「いよいよ手が足りなくなったらお前用の義体的なの用意するからな。その時拒否権があると思うなよ」

『それは分かっているつもりさ。元はと言えば欠片を落としていたボクの失態だった。筋は通す。それで、僕の存在は君以外に話すのかい?』

「いや、話さない。バレかけても便利AI組んだって言い逃れる。話してもバレたらルナとヒノにだけ話す位だな。自分がバレたら不味いことくらい分かるだろうよ」

『そうだろうね。君がいかに手柄を立てていても、人類の敵扱いは免れない』

「お前に出て貰うタイミングだけ決めておく。ミゼレムがオーレギオンないしソレに匹敵するLBCSやらを繰り出してきた時は問答無用な。それとアレがお前を知ればお前を求める。それって俺が思ってる意味で良いんだよな?吸収、同化しよとするって」

『どう補われたかにもよるけどね。恐らくボクを知れば取り込むなりしようとするはずだ。ボクを構成するプログラムは人類にそうそう創れるモノではない。スルガと話しているこの瞬間も最適化・・・いや、進化と言い換えるよ。進化を続けている。君達を超えるためにね』

「殊勝な心掛けじゃねえか。また喧嘩したくなったら相手してやる。だが今度は全人類巻き込むなよ?相手はせいぜい1国家レベルで抑えとけ」

『それもどうかと思うけど』

「お前とガチ喧嘩するなら国家級戦力は必要だろ。その方が面s・・・楽s・・・不完全燃焼だろ」

『ボクとの戦いは人類の危機だったと記録しているが、君からすれば娯楽だったのかい?』

「楽しんでた事を否定はしない再三言うが俺は人類滅んだら、まあ滅んだか。程度に考えてるし、あの2人に危害が及ばないなら俺はあんまりやる気ださないし」

『つまりいくら巻き込んでもあの石森ルナとコンゴウヒノを相手にしないと君は本気を出さないと?』

「そういう事。んじゃメインサーバーの受け入れ準備出来たし、持ってくぞ」

 

 

ミゼルがFrameArmorのメインサーバーに移される。ソレに気付くものは他には無かった

 

 




『フレームアームズガール』
略称FAG、オメガダインの初期型サージェン等を見てスルガ主導で作った。ここでは手のひらサイズでなく普通に人間サイズ、やろうと思えばDエッグの技術流用で出来るがどうせ少数建造なので別にやる意味も無いと判断されている(掌サイズの諜報機器はLBXで十分のため)

LBCSの設計図をぶっこ抜き色々な企業を巻き込み少女のようなアンドロイドを制作(デザインは外注、もう一度言う。デザインは外注)
そこにフレームアームズをLBCS化したものを組み込みハッキング対策を施した(一応人間を模したのは装甲娘達と連携を取りやすくすると言う理由はある)

ただ倫理的に・・・コストが・・・性癖が・・・こんな可愛い子たちを兵器として酷に扱われると心が痛い・・・
と言う実に日本人らしい色々な理由でミゼレムクライシスの終結時点で何もなければ関連技術は有用な少数を除き破棄する事になった
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