ダンボール戦機 絶対零度の闘士   作:超甲形巡洋艦

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襲撃者達

─Sideルナ────

 

「この子たち、強い!」

 

ルナは襲撃者三人の内一人、緑髪に紫の体や装備、巨大な刃付きのランチャーを持つ装甲娘と戦っていた。一撃が重い上、攻撃が全て通らないタイミングがある

 

「伝説って聞いてたけど、こんなものか」

 

緑髪の少女が上から長細いランチャーを撃ち降ろす。ナイトメアの機動性なら避けるのは容易だが如何せん攻撃が通らない。片手機関銃では決め手に欠ける

 

(うーん、一方通行のシールドか、それとも攻撃も遮断するから張れないのか、どっちだろ?ヒノちゃんの方見る感じ近戦距離では効果ない?なんか条件あるね)

 

黄色髪の2丁の青い大鎌をもった白い襲撃者と戦うヒノは普通に打ち合えている。だが立体機動力の差で攻めきれていない

迅雷が紫色の襲撃者の初撃で左腕が飛ばされFA轟雷の操縦、轟雷とスティレットが前線を張っているが苦戦している

 

(まともにやりあえれば確実に落とせるんだけどな。それに弾丸のサイズと破壊力が釣り合ってない気がする)

『ごめんそっちの皆、こっちも装甲娘の襲撃を受けた。』

「分かった。こっちはこっちでなんとかしてみる。轟雷、スルガへの連絡は済んでるんだよね?」

『はい。スルガさんの事なので来ると思うのですが』

 

そして全員のチャットに一言、《到着》とメッセージが表示

オオミヤ方面から白い煙を残しながら猛スピードで近づく物体、同時にFA轟雷が可動を停止する

 

「へぇ?試作型が来たんだ。アーテル!」

「直ぐに斬り捨てちゃうよ♪」

 

アーテルと呼ばれた少女が空中に躍り出て鎌を振りかぶる

─鎧袖一触

 

猛スピードの物体、その正体は試作型LBCSのソルジャーD、防衛隊から掻っ払ったミサイルをVOB宜しく仕立て上げた臨時強襲装備を背負っていた

フルリンクシステムを用いた制御、LBXで出来ていたことが試作型LBCSで出来ない謂れはない

 

白いのが向かってきた。背中のミサイルをパージしパラシュートを使った急減速で攻撃をすからせた。直ぐにバージし、左腕にもったクサナギを突き出し、背中のユニットに突き刺しそのまま地面へ降下する

 

「スルガありがと」

《無事か?》

『済まぬ。左腕が持ってかれた』

《了解、対価は相応にもらうとしよう。ルナ、ヒノ、轟雷達の前衛頼んだ。俺は白をいただいていく》

「分かった。たまに遠距離攻撃が当たらないから」

 

ソルジャーの左腕から伸びるワイヤーを思いっ切り引っ張る。その先に結ばれているのは突き刺したクサナギ

それをぶん回し、ビルに激突させる

 

そしてシューターSR33を構えて

 

アタックファンクション

サンダーバースト

 

電撃のビームを照射、直撃させる。だが手応えは無い

衝突の衝撃でワイヤーを回収、抜けたクサナギを右手に、左手に魔改造コマンドハンドガンを持ち直し、構えた

 

「このくらい!」

 

衝突の煙から白い塊が飛び出しスルガも突撃していった

 

「ねえヒノちゃん、あの赤い子の相手、私に任せてもらって良い?」

「分かった。轟雷、スティレット行くよ!」

「迅雷ちゃん、タイミング合図するから援護、よろしく頼むよ」

『承知』

(見てたけど彼女が一番遅い。アレの発射も相当な反動があるみたいだし、一番狩り易い。でも高度差と障壁だけは土壇場でなんとかしないとね)

 

跳躍、空中での機動制御で砲撃を回避、肉薄寸前まで近づいたか何かに遮られ一定以下に距離が詰められなかった

 

(うん。円形のフィールド、範囲は大体あの武器の近接の間合いと大体同じかな?)

 

空中で速度を失ったところで刃が可動して銃剣になった武器を振るう。だが直撃コースではない

 

待っていたと言わんばかりにルナがワイヤーを発射、先端が肩をガッチリと掴みルナはワイヤーを巻き取りながら赤い装甲娘を中心に回り始める

 

「なっ!?」

 

大味の武器2丁ではルナを捉える事は愚かワイヤーの切断も一苦労だ。それにルナが回る度に体にワイヤーが巻き付き、動きを制限していく

そして、背中の飛行ユニットらしき場所に降りた

 

「へへん。どお?」

「人間如きに!」

 

体中がワイヤーでぐるぐる巻きになり動きの大半が封じる

 

「さ、大人しくしてもらうよ。うおっと!?」

 

そのまま赤い襲撃者は高速でルナを振り落とそうと飛び始める

 

「そっちがその気なら!」

 

レイピアを飛行ユニットの中枢と思われる場所に突き刺し、自分は飛び降りる

 

空中で様子を見ると案の定出力不足で向こうも堕ちていた。たが出していた速度が大きいためかなり遠くの方に落ちそうだ 

 

「追撃は、」

『スルガ、紫の子は撤退したよ』

『こっちも逃げた。お土産は貰ったが』

「私の方も多分このまま逃げられるかな。追撃する?」

『いや、損耗が激しい。成果は十分だし、こっちも撤収する。アテナスの方もなんか厄介事があったらしい。帰路で共有する』

 

 

──sideソルジャーinスルガ────

 

三人と三機が合流、襲撃を警戒しながら帰路に付く

そしてデカい鎌と白い棒のようなものを持ったソルジャー、もといスルガが話し始めた

 

 

「アテナスの連中もミゼレム側の装甲娘から襲撃を受けたらしい。詳しくはアテナスに立ち寄って話していこう」

「ねえ、あえて聞くけど、何持ってるの?ソレ」

「ん?ああ、あの白いのの武器。舐めたこと言ったから腕ごと斬り落としてやった。うんともすんとも言わないが解析したらあのシールドの原理も分かるかも、と言うかあいつらもフレームアームズガールだったんだな」

 

斬った腕の断面にはコードや金属パーツが露出している。その構造がフレームアームズガールの物であるとスルガは即看破した

 

「え?つまり彼女達も私達と同じってこと?」

「私も全く分かりませんでした・・・」

『人間にしては妙な音を検知していたから何か可笑しいと思っていたが』

「取り敢えずアレはなんと説明すべきか」

『スルガ、敵の赤いのが紫のに向けて《フレズヴェルク》と言っていたのを記録している』

「フレズヴェルク・・・」

 

ふむ。月面機シリーズの建造予定は立ててすら無いから偶然の一致・・・にしては出来過ぎている。まさか俺がフレームアームズガールを生み出したからそのカウンターとして出現した?と言うかあいつら、ミゼレム産なのか?

取り敢えず帰ったらミゼルにフレズヴェルクの建造プランの有無だけ聞いとくか

 

「なら誰がベースか分からんが、多分雛形は一緒だろ。背中ほぼ同じだったし」

「そうだね。戦っていた感じから推察すると白い接近戦型の《アーテル》紫の《フレズヴェルク》、赤い子は分からないね」

「ん?ヒノ、白がアーテルって言ったか?」

「うん・・・あ、ラテン語なら黒色を表す言葉か。フレズヴェルクも北欧神話のフレースヴェルグ、鷲の姿の巨人、僕よりも背は小さい気がしたけど」

「愉快な事になりそうだ。今度チビって煽ってみよ」 

 

 

 

─アテナス本社─────

 

後は細かい損耗や気付きを聞いている内にアテナス本社へと到着した。スルガの肉体も拓也の手配でここに運ばれてきている

 

「おいっすー、そっちどうだったー?」

「おい、インターホン位鳴らしてこい」

 

相変わらずの無断侵入である。そしてエンペラーが口を開いた

 

「それは良いだろ」

「エンペラー、説明を頼んでも良いか?」

「はい隊長、襲撃してきたのはGレックス、カイザ、マッドドックの装甲娘、そして・・・え?」

「?エンペラーちゃん、どうしたのら?」

「あれ・・・あ、あ、腕が!」

 

エンペラーが腕の無い迅雷を見て固まり、アテナスの面々が慌て始める、

 

「む?何かおかしな事があるか?」

「す、直ぐ病院に!?救急車!?」

「ああ、んじゃ先にこっちの襲撃者の事だけど、ハンターこれ見てみ」

 

といってケラケラ笑いながらスルガは斬った白い機体の右腕をハンターに投げ渡す

見た目は完全に色を失った腕であり、アンドロイド由来の温度は冷たく、温もりを喪ったソレと大差がない

 

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ちょっ!おい、これ、おい!」

 

 

完全に怯えきり腰を抜かしたハンターと慌てふためくクノイチを見てスルガ大爆笑。腹抱えて笑っているところをやり過ぎだとルナとヒノに強めの折檻を受け撃沈、場を混沌が支配していく

そんな中で知っていた隊長だけが冷静にスルガを叩き起こして問い詰める

 

「スルガ、これを見せたということは彼女らにも説明してくれるんだろうな?」

「あー、イッヒッヒッ、フーッ、ふぅ、ああ。フフッ、説明する。まあこ奴らは人間じゃない。断面見てみ。応急処置はしたが十分機械だとは分かるだろ」

「あ、本当だ。確かに、え?じゃあホントにロボットなの!?」

「うん。本当はフレームアームズ、あのロボットの計画だったんだが、色々あってポシャってな。その技術を生かしつつ装甲娘技術を更に掛け合わせて開発した。フレームアームズガール、だがコストと倫理に問題があってな。新しいのは多分作らん。部隊規模あんまり大きくする気はないからな」

「その腕の主もミゼレムなのか?」

「うーん、分かんない。仮にミゼレムじゃないとしたら作れる場所や組織は限られるかな。ミゼル相手に防諜なんて出来てるか分かんないし作られても不思議じゃないけど」

 

設計図ぶっこ抜かれただけなら人格の自壊プロトコルとかも仕込んでは居るけど

 

「それも含めてこれから調査ということだな」

「ああ」

 

今更ながらスルガの情報網の大半は今死んでいる。と言うのもハッカー軍団からのハッキングや改修したベクターを送り込んで情報ぶっこ抜き等をしていたがインフィニティネット、無線通信の制限によりそれらが難しくなった

ミゼルに頼めば滅茶苦茶に出来るが存在の露呈を気にして一切外出させられない。本人曰く痕跡残すような間抜けはしないとのことだが

 

「そうだ。スルガ、ここに山野博士が来られるようだ」

「山野博士が?ああ、LBCSのメンテナンスか」

「俺が想定していたよりもLBCSの負荷が大きくてな。メンテナンスをお願い出来ないかと思っている」

「あれ?そう言えばLBCSの精神リンク回りはスルガがつくったんじゃないのか?LBCSの製造にも噛んでるだろ。お前。アタシらのLBCSの改造だって出来るんじゃないのか?」

 

混乱から抜け出したクノイチが湧いた疑問を口にする。確かに最前線でのLBCSのメンテナンス、改良もスルガの役割の一つなのだが、ただ一言

 

「出来るけど頼まれてない」

 

と、言い放つ。そう。アテナスからその依頼が来ていない

スルガがアテナスのLBCSの整備を請け負わなかったのはその一点に限る。まあ、自分の下で技術叩き上げて高頻度で頼って来るようなら《再指導》を始めるつもりだった

 

「一応秘密主義部隊のリーダーなんでな。忙しい。自分から仕事を増やすことはしないぞ面倒臭い。ああ、勿論依頼受けたらキッチリ熟す。(ある意味)安心安全のスルガ印だぜ?」

「今までは俺の経験値を得る意味でも頼らなかった。最善手が有るのに取らなかった事は君達に謝罪する」

「いや、別に良いよ。特に何かあったわけでもねえし」

「はい!隊長が整備してくれたLBCS、すっごく使いやすいですし」

「一番上手い調整を出来るのはそいつらを常に見てる技術者よ。まあ、上手くいってるなら余程酷い壊れ方しない限り俺の出番はないだろうよ。まあ、詳しいことはまた紙ベースで送る。そっちの詳細もよろしくな」

「ああ。任せてくれ」

「隊長、お手伝いします」

「あ、私も手伝いますよ〜」

 

そして共有会議を手短に終わらせシーカー大宮支部へと帰還した

 

 

 

 

 

===シーカーオオミヤ支部=========

 

腕を落とされた迅雷の修理と白いアーテルと言われたFAgの腕の解析を同時並行で進める

 

「中々良い切れ味してんなこの鎌、断面凄え綺麗だ」

「少し見たがレーザー刃だろう?熱で焼き切っているだけでは無いのか?」

「いや、それだけじゃない。レーザーの密度が段違いでそれが斬れ味を担保してる。それにこの武器、避けたと思ったら何故か当たった事が何度もあった。その絡繰りも解明したいねぇ」

「スルガもあったの?じゃああの遠距離攻撃の異様な火力もおんなじような原理かな?」

「調べてみないとはっきりしないが多分な。それにこの青いのも何かある。あとは所属組織が分かるものがあれば良いんだが」

「ふむ、ならば判断材料を作れるかも知れんぞ?コレが成功しても失敗しても特に我々には痛みが無い。その分リターンは物足りないかもしれないが」

 

ガーダインが何かを思い付いたらしい。それを聞いたはスルガ大爆笑、ノリノリで準備を始めた

 

「何それ超面白そうじゃんww上手く行けば相当コケに出来るぞ。それ採用。ルナ、ヒノ、これここだけの秘密な」

「またバンが怒るよぉ?これ」

「ハカタが襲撃されたらどうするのさ」

「向こうも堅牢、シャルナックにも伝えとくし下手なことにゃならんだろ」

 

清々しいまでの丸投げである。まあ、向こうにはシャルナックとその試作型LBCSが有るので、直ぐに向こうの戦闘に介入は出来るし、多分本当に問題は無い

そしてスルガとスルガに染められた3人の味方を巻き込んだ悪戯が始まるのだった

 

 

 

 




━アラン・ウォーゼン━━
元オメガダインの総帥、現FrameArmor総務副部長
スルガからFrameArmorの補給物資や金銭管理、外交を任されており、FrameArmor(ほぼスルガ個人)へのクレームにも鋭いカウンターを決める遣り手
スルガ個人としてはルナを誘拐されたこと、ルナを庇って居てくれたことで全ヘイトがガーダインに向いた為にほぼ敵対心は無い
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