スルガはどんな決断を下しどのような結末を望むのか
それはこれから明らかになる
═サターン操縦室════
二人で最後のドアを開けてレックスが待ち受ける操縦室に入った。まず目に入るのはサターンの心臓、一際大きな謎の発光体が収まる巨大な装置『グラビティポンプ』
「あれは?」
「たしかあれは・・・」
「グラビティポンプ。エターナルサイクラーから生まれた悪魔の機関だ」
操作席によしかかり待っていたであろうレックス
「よく来たな。二人とも」
「・・・レックス」
「ああ、あの程度の障害じゃあ止められねえよ」
「レックス・・・なんで・・・信じてたのに!」
「1つ教えてやる。この世界に信じられるものなど無い」
「いや、ある!これまで戦って来た仲間やそれに楽しいことだってきっと」
「レックスの価値観なんぞ知らないし別にどうでもいいが信じるモノは自分が決めることだ。世界と心中なんか御免被るぜ」
「妹も親父も家族もみんなこの世に殺された。俺はこの世界の全てが信じられないんだ!だから在り方を根本から変えるメッセージとキッカケを与えてやる!俺自身の手で!」
説得失敗、レックスは鼻から戦闘するき満々のようだ
「バン、この際だ。力ずくで止めるぞ。砕け散るまで戦うよ機龍、フルリンクシステム起動!」
「ああ!」
オーディーンと機龍が戦闘体勢を取る
そして檜山連は一機まだ見ぬLBXをくりだした
「そいつはイフリート、俺の中に沸き立つ憎しみと怒りの化身だ。止めれるものなら止めてみろ
この世界の命運賭けた運命のラストバトルだ」
機龍が大きな咆哮を上げる
map サターン操縦室 アンリミテッドレギュレーション
バトルスタート
先に動いたのは炎の魔神の名を冠するイフリート
その拳を業火に包む
自機から発せられる熱で一部パーツが溶解する程の温度、それがレックスの憎悪の炎のようだ
オーディーンと一気に距離を詰めパンチ、オーディーンの咄嗟の対応でビームガータで防ぐ
そこに機龍の強襲、ブースターを用いたタックルでイフリートに攻撃、しかしそこは熟練で最強のLBXプレイヤーレックス、衝撃をほぼ殺し逆に機龍を殴り飛ばす
そこにリタイエイターの上段突き、しかしこれを握り止め引き込む。膝でしたから打撃。更に両手を組み振り下ろし地面に叩きつける
「オーディーン!」
「どうした?お前たちの実力はそんなものか?」
オーディーンと機龍は再び立ち上がる。機龍が誘導弾及びレールガンの射撃。オーディーンの攻撃を支援
機龍自身もある程度蒔いたら突撃、二機の代わる代わるの攻撃で少しずつ崩しに掛かる
オーディーンの突き、誘導弾、レールガンを回避しながら反撃の隙を伺うイフリート、しかし至近距離からレールガンの射撃が隙を打ち消す
いかにイフリートでも並大抵のLBXを一撃で破壊する誘導弾、レールガンの直撃を受ければいかにイフリートでもダメージ必至だろう
機龍がオーディーンと変わりイフリートとのインファイトに突入
機龍は打撃を貰いながらも各所ブースターでの姿勢制御で飛ばされるのを防ぎながら戦闘
オーディーンも要所要所で横槍を入れる
しかし技量ではレックスに敵わない。尻尾の打ち合いで力負けし機龍が大きく姿勢を崩す。激しい痛みに耐えながら立て直すもその隙はレックスにとって十分であった
さらに大きな一撃を叩き込み隙広げる
「必殺ファンクション!」
アタックファンクション
ヴァルゾダース
イフリートの胸の窪みが光り肩から巨大な火炎が噴出、すぐに全身が血のような色のエネルギーに包まれ隙を見せる機龍に高速で突撃する
そのフォローでオーディーンが間に入りビームガーターで防御、しかし数秒でビームガーターは破壊される
だがその停止した短時間で機龍が口内連装メーサーをイフリートに向ける。盾を破壊したイフリートに攻撃を遮るものはなく、いくらイフリートと言えど避けられなかった
短時間と言えど連装メーサーの直撃を喰らったイフリート目に見えて怯んでしまう。しかし目に見えた被害が怯むだけなのも相当ヤバイ
「必殺ファンクション!」
アタックファンクション
グングニル
リタイエイターから創り出される巨大な紅い神槍が炎の魔神を貫かんと突き進みイフリートを爆煙で包み込んだ
機龍の赤外線カメラはめっちゃ温度を放つイフリートを認めている
爆煙が晴れると佇むイフリートが見えた
「そんな・・・」
「こいつはは全てを焼き尽くす。本番はこれからだ。
焼き尽くせイフリート、インフェルノモード!」
レックスCCM『インフェルノモォォォォード!』
レックスのCCMが展開し新たな画面を空中に投影する
突然イフリートが苦しみ、もがくように、ぎこちなく体の各所を動かす。そして体の周囲全体に紫の炎のようなオーラが覆い隠す
チャット『こいつ本当にLBXか?化け物の間違いじゃねえの?』
「なんだ・・・これ」
バンもスルガも今まで感じたことの無いドス黒いオーラを目の当たりにする
「そうさ!こいつはモンスター・・・俺の中に沸き立つ怒り、悲しみ、そして憎しみ・・・俺自身だ」
紫の炎が消えそこに残るのはインフェルノモードを発動してしまったイフリートが
「・・・まさか、そんな」
機龍も再び大きな咆哮を上げる
「さあ、第二ラウンドと行こうか」
イフリートはこれまでとは比べものになら無い性能を発揮した、五メートル以上は離れていた筈のオーディーンの真正面に瞬間移動の如く現れ空中にかち上げ、飛ばされているオーディーンを捕まえ天井を破りながらサターンの外壁を壊していく
うっわはっや、肉眼でギリギリ捉えられる速度か?
とにかく追いかけないと!
═サターン外壁════
機龍もイフリートが開けた穴に飛び込みサターン外壁に出る。出た瞬間に更なる追撃を受けたオーディーンが機龍に衝突し二機まとめて外壁に叩きつけられた
メーサーブレードを展開した機龍が降りてきたイフリートに突進
キシャァァァァァ!
グオォォォォォォ!
二機の咆哮、その戦いはもはやLBXではない
己の闘争本能に身を任せる生存競争、拳が機体の各所を抉っていく。イフリート、機龍両機ダメージが蓄積する
そしてエクストリームモードを発動し飛行形態にチェンジしたオーディーンが機首にエネルギーを集め高速で突っ込んでくる。JETストライカーを発動したのだろう
イフリートは機龍を押し飛ばしは正面からオーディーンを受け止める。機龍はイフリートに向け高温に耐えられず不調をきたした背部バックパックを射出
イフリートは尻尾で撃墜、しかしその爆煙の中からレールガンユニットも投棄し軽量化した機龍が機動力を上げてイフリートに挑む
オーディーンを投げ捨て機龍と対するイフリート
そして機龍が再び覚醒する。目が赤く光り黒いオーラに包まれた
今のスルガの体は近くにはない。そのため意識は機龍の中に残る。残ってしまう
なんだ・・・?
既に機体の制御はスルガに出来ない。暴走した機龍の中のでの感覚は異質だった
イフリートからは強い負の感情を感じるが機龍からは
『何も感じなかった』
おい機龍、聞いてるか?
・・・
まあいい。聞いてる前提で話すぞ
・・・
力を貸してくれ機龍。俺はルナを・・・たった一人の愛する人守りたい。
・・・
・・・機龍、頼む
・・・・・・・・・・・・
システム音『CODE"G"を解除します』
機龍、協力してくれるのか?
・・・!
行くぞ!機龍!
スルガが再び操作を取り戻す。その瞬間イフリートからの攻撃が視えた。
オーバーセンス!このタイミングとは!
さっきとは一転し機龍は白いエネルギーを纏い目を強い意思の篭った金色に輝かせる
イフリートからの打撃を逆につかみ穴の上に押し出し反撃の起点とする機龍、瞬時に意図を読み取ったであろうバン、オーディーンが攻撃準備を済ませた
オーディーンが前からリタイエイターを、機龍が後ろから回転し尻尾を叩きつける。イフリートはそのままの勢いで自分が開けた穴に落下、機龍とオーディーンがイフリートを掴みまそのまま操縦室まで落ちる
═サターン操縦室════
胸のど真ん中に小さな穴を穿たれイフリートは床にものすごく強く衝突し仰向けで沈黙した
「レックス・・・俺たちの勝ちだ。もうやめてくれ!」
チャット『ああ、これで仕舞いだ。レックス!』
「馬鹿な・・・イフリートが負けるだと?」
「ふざけるな!お前の力はこんなもんじゃ無い筈だ!
もっとだ!もっとその身に絶望の炎を滾らせろ!」
その言葉に共鳴か呼応か、イフリートが目を開き強い光を放ち再び動き出す
再起動の衝撃だけでエクストリームモード、CODE"G"(仮称)が解除される
「そういう事か!クックックックッ・・・ハッハッハッハッハ!」
チャット『バン、今のイフリートは完全に暴走・・・いや自分の意思で動いてる』
「イフリートが、暴走?」
「いいや、違う。イフリートのCPUが完全に俺の感情を理解した!俺はとうとう本物の化け物を生み出してしまったようだな!」
アタックファンクション
プロミネンスレイド
イフリートがエネルギー集めを圧縮する
拳を打ち付けあいそこにエネルギーが集中する
胸の孔が一際光を強めた段階で打ち付けられた拳を無理矢理剥がす。行き場が無くなったエネルギーが大量の熱線として放射、辺り一帯に降り注ぐ
「ぐわっ」
「うわぁっ」
「おわっと」
急ぎフルリンクを解き熱線の回避、オーディーンが被弾しエクストリームモード解除、だが機龍には命中無し
レックスが避けようとした拍子に頭をぶつけ倒れこむ
「レックス!」
「もうイフリートは全てを焼き尽くす。誰にも止められない!」
「止めて見せる。あれがレックスそのものだって言うなら」
「フルリンクシステム起動。機龍、もう少し協力してくれよ」
グラビティポンプの前で待ち受けるイフリートに挑む二機、しかし攻撃を掻い潜られきれいに二機とも頭を捕まれグラビティポンプの中に連行される
═グラビティポンプ 炉心近く════
グラビティポンプの炉心近くに付いた途端別々の方向に投げられる
決戦のゴング代わりの火球の連続攻撃、二機とも防御したがイフリートはオーディーンを追撃、再び頭を掴み床に叩きつけ殴り飛ばす
機龍はオーディーンに追撃しているイフリートに攻撃を敢行、尻尾を打ち合いそのまま顔に殴りかかる。
しかし右腕を噛み壊されゼロ距離から火球をぶつけられ、その間にオーディーンが体勢を建て直したところにイフリートが蹴りつけ壁に激突
この時点で二機の機体各所には亀裂が走っているため長い間耐久出来るわけでもない
なんとかイフリートの正面を見せた状態で一時的にでも動きを止められたらバンが必殺ファンクションで何とかしてくれると信じて!
オーディーンが再びイフリートに挑む。その隙に機龍はホバー状態で高速移動しイフリートの背後に回る。次の行動を先視し攻撃を回避、機龍が背中に張り付きブースターで無理矢理その場に固定する
チャット『バン!』
アタックファンクション
ライトニングランス
リタイエイターを回転させる事で緩やかな螺旋の三本の青い光を纏いオーディーンはそれをイフリートに突き出す
機龍は当たるまでイフリートを固定しつづける
外壁での戦闘で空いた胸の穴に突き刺さり大きな悲鳴を上げる
よし今だ!安全装置解除、胸部装甲展開用意
エネルギー充填準備開始
機龍を振り払いオーディーンにそのヘイトを向ける
だが即座に胸部装甲が展開されエネルギーが凝縮を開始し、空色の光球となる
オーディーンはリタイエイターを回転させエネルギーを集め空中で電気の塊を作り出す
アタックファンクション
超プラズマバースト
アタックファンクション
アブソリュート・ゼロ
イフリートから最後の抵抗として必殺ファンクションを発動する二機に向け無数の火球を打ち出す
オーディーンは電気の塊に槍を打ち込み電気を纏いそのままの勢いで火球すら粉砕し突撃
絶対零度の光球は憎しみの火球を冷やし打ち消していく
光球が先に直撃し冷却、かなりの高温で体の中心から徐々に凍結していく。バンの超プラズマバーストがそこに突き刺さりイフリートは最後の咆哮を上げすべての機能が停止、欠片も残さず完全に破壊された
═サターン操縦室════
イフリートを撃破しそこに帰ってきた機龍とオーディーン、すでに満身創痍であった
「レックス、終わったよ」
「バン、さっさとサターンの自爆プログラム流してこい。レックスは俺が介抱しとくよ」
『二人とも、大丈夫か?』
「うん、父さん」
『では真ん中の操縦席にLBXを置いてくれ。自爆プログラムを流し込む。パスワードは『希望』だ』
バンは諸々の操作をしている
「レックス、今の気分はどうだ?」
「・・・逆にスッキリしたよ。とても満足感がある」
「そうか。んで聞くがレックス、死ぬ気はあるか?」
「ああ、こんなことをしちまったんだ。それに俺はもうこの世界に不要だ」
《サターン自爆カウントダウンを開始します》
『私は元イノベーターの八神だ。まもなくサターンは自爆し太平洋に沈む。エクリプスには君らを収容する準備がある。この際生き残るのにイノベーターもシーカーもない・・・無駄死にするな』
八神さんからの放送が入った
「レックス、帰ろう」
「俺にはもう生きてる価値はない。二人で逃げろ」
「レックス、俺は最初に言った。価値があるかは他人が決めるってな。他人がレックスの事を要らないと言っても俺やバンにはレックスが必要だ」
サターンの一部が崩壊を始める。地図を見ればもうそろそろA国の防空識別圏に入るところ。間違いなく墜とされる
「立てねえなら肩貸すぞ、バン、左側楽しむ」
「うん」
「心配ない。自分で歩ける」
「とか言ってふらふらじゃねえか。さっさと行くぞ」
═サターン通路═════
レックスに肩を貸しながら歩いていく。そろそろあの名言が聞ける頃かな?
「レックスが出そうとしてたメッセージって何だったの?」
「あ、確かに。キッカケは各国首脳の死だろうけど声明の方は予想出来ないな」
「そうか・・・」
「人は獣にあらず。人は神にあらず。人が人であるために今一度考えるのだ。人とは何かを・・・何をするべきかを・・・」
「人は何をするべきかを?」
「ああ。賢くなり過ぎた人間は、この世の全てを管理し支配しようとする。まるで神であるかのように。
大きな力を手に入れた人間は弱者を喰らい、どんな残酷な行いもいとわない。まるで獣であるかのように。
進歩しすぎた人は、人であることを、いつの間にか忘れてしまったんだ。俺は世界の人々に考えさせたかった。人はどうあるべきか、人が人である為の真実の姿を・・・」
「人は変われるさ。新しい世界はきっと作れる。レックスが望む世界だって」
「バンの言うとうりだ。可能性に百は無いがゼロは無い。バンが作ろうとしてる世界、見届けろよ。レックス」
と、ハープーンが突き刺さっている所まで来た
「バン、レックス連れて先行け」
「どうしたの?」
「いや、ドングリ作ったは良いけど使う場所無かったからここに仕掛けるだけよ。なあに、五秒で終わる」
さあレックス、ここで自害するなら俺を巻き込むことになるぜぇ?
ビニールテープを取りだしこれで誘爆すんだろと壁に雑に張り付ける。レックスが切断部以上奥に進んでいることを確認しハープーンに乗る
「たっくやさーん。全員乗ったよー」
『分かった。そこにベルトがついているから全員に巻け』
あ、安全装備ついてんのね。裏で口出ししといて良かった
「バン、レックス、これ巻け」
と、二人に安全ベルトを巻き付ける。レックスの動向に注意するのも忘れない
『ハープーンを切り離す!』
エクリプスとサターンを固定していた数本のワイヤーとハープーン本体が切り離される。レックスは何もしていない。と言うか打ち所が悪かったのかちょい苦しそう
ふと外に目を写すと各所で爆発を起こしながら高度を下げていく。そしてその巨体は雲海に沈んで行った
朝日が昇る。それは新しい世界の幕開けとなるのだろうか
「終わったな」
「いいや、ここからが始まりさ。レックスの望む世界を俺たちの手で作るんだ」
「それは結構だが、テロは起こすなよ?」