═カイロ、市街地════
町の様子は惨状だった。人間は既に居らず破壊された建造物が散乱している
「酷い・・・」
「まだLBXが暴れてるわ。別れてこれ以上の暴走を止めるわよ!」
「ヒロ君、スルガから一応預かってるから渡しとくね」
と、ルナはヒロにマルチプルパルスを渡す
「ありがとうございます。借りていきます」
「行っくよー!ミネルバ!」
「ジャンヌD!Go!」
「ペルセウスッ!」
「ムーン、行くよ」
各々が特に相談せず定めた方向へ身と共にLBXを進める
─sideルナ────
ルナは迷いなく一番暴れている機体が多い方に来ていた。そしてハンター改とルナティックジョーカーが起動
二機が銃弾をばら蒔きLBXの掃討を開始
ムーンも負けることなく朔で暴走LBXを次々屠る
「私のジョーカー、別物だ。スルガのカスタマイズは相変わらず凄い・・・」
ルナティックはムーンのバックアップ特化専用機、そこまでタイマン性能は高くない。しかしルナが操るムーンと合わさればかなり凶悪化する
的確にムーンの後方からこっそり近付くLBXを短機関銃二丁で蜂の巣、撃破出来ずとも足止め、その隙にムーンが処理すると言う戦術
更に対処仕切れない集団が表れてもハンター改が凪払うので特に苦戦はしない
そして間も無くLBXの大半はガラクタと化していた。散発的に出現する。そしておかしな騒音、ルナはこれがオーバードウェポン使用の音であることに感づいた
═ヒロside════
ルナと違ってこちらは単機、苦戦していた
幸い撃破されそうな数ではない
そして一時的に撃退、落ち着きを取り戻す
「ふぅ・・・ッ!」
一体近くの木箱に腰を下ろした時だった。突然目に浮かぶ、否、焼き付けられると言う表現が正しいかもしれない
『ここから先に足を進めると、高所から大量のLBXに待ち伏せされペルセウスが破壊される』映像を強く認識したのだ
「今のは?トキオシアの時と同じ・・・?」
嫌な予感を見たヒロ、そしてルナから渡されたオーバードウェポンの事をおもいだす
─回想─NICS───
スルガによるヒロとユウヤ向けオーバードウェポンの扱い方の授業を思い返す
『こいつがマルチプルパルス、真後ろ以外のほぼ全方向に必殺ファンクションレベルのレーザーをばら蒔く。こいつを使ったときの資料映像がこれだ』
高速道路で大量のデクーエース相手にぶっぱなしトラックをぼろぼろにした写真とエターナルサイクラー防衛戦での映像を見せた
「まさにMAP攻撃、ですね」
「一体何本レーザーを搭載してるんだい?」
『この付いてる一個一個の棒あるじゃない?』
「うん」
『これ全部パルスキャノン』
「馬鹿だ・・・」「うわぁ・・・」
『片舷65門、合計130門のパルスキャノンが短時間照射されるから機龍みたいなLBXだと無理やりブースターで高速移動しながらぶっ放したらその辺一帯焦土にできるぞ』
─回想終了───
それを思いだしマルチプルパルスをペルセウスにセットした
「確かこれらに共通して重いからLBXの運動能力が大きく下がる・・・でもこの状況を切り抜けるなら」
ヒロは待ち伏せの広場の手前まで行くとオーバードウェポンを起動、ペルセウスを広場の中央へ投げる
ヒロCCM『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』
待ち伏せしていたLBXが姿を表し攻撃体勢を取るがもう遅い。緑のレーザーが放射されるのが早かった
オーバードウェポン
マルチプルパルス
LBXもろとも建物の砂岩を破壊していく。偶然直撃を免れたLBXも建物の崩壊にまきこまれ行動不能になった
「あわわ!どうしよう」
自分が思ってたより破壊範囲が広くたじろくヒロ、これ直すのに幾らするんだろうと、考えてしまった
(余談だがヒロがトキオシティでのブレインジャック時、服を一時的に借りた(そのまま今にいたる)服の代金は三万クレジット、それで泣きそうになっていた)
その時だった。ペルセウスの周辺に紫のエネルギー弾が着弾する
「!?アキレスディード!」
ヒロは反撃しようとペルセウスを操作する。しかし思ったように動かない
「なんで・・・あ、オーバードウェポンか!」
─────
『オーバードウェポンは種類によりけりだけど使ったらメンテナンスするまでまともに動けんくなるものが大半だから気をつけなよ』
─────
無慈悲にもアキレス・ディードは上空からダークシューターを撃ち下ろし続ける
(くっ、このままじゃ)
かろうじて致命傷には至っていないもののこのままではやられる。その時だった
突然別のLBXが間に割って入りペルセウスに直撃する射撃を二本の刀身が並んだブレードで弾き飛ばす
そのLBXは大きく跳躍し浮遊するアキレスディードに斬りかかる。しかしアキレス・ディードは更に上昇し姿を消した
「た、助かりました・・・一体誰が」
助けてくれたLBXをよく観察すると砂漠の砂のような色をメインにピエロのようにも見える古代エジプトが元であろうデザイン、そしてピラミッドのようなヘッドパーツが特徴的の『シン・エジプト』
アキレス・ディードを退けたシン・エジプトはヒロのヨコヲ飛び抜け後ろの人物の肩へ飛び乗る
「あ!助けて頂いてありがとうございました」
と、ヒロが頭を下げる
しかし一瞥しただけで直ぐに去って行こうとする
「あの、お名前を聞いてもいいでしょうか?」
と、その人物は去り際にCCMを操作、シン・エジプトから音声を出した
《M・ゴジョー クリスターイングラム社のテストプレイヤー》
「ヒロ!大丈夫!」
さっきのオーバードウェポン発動音を聞き付け敵の掃討を完了したジェシカとランが来る
「ヒロ、あの人は?」
「ゴジョーさんって言ってました。アキレス・ディードから助けてくれたんですが」
「Mr.ゴジョー、ヒロの事ありがとうございました。貴方は何故ここに?」
ピッピッピッ
《休暇で来ている》
「ちょっと待ちなさいよ!」
《子供はさっさと家に帰るんだな》
と、言葉を残し去っていった
「なにあいつ、感じ悪い」
「悪い人では無さそうですが・・・」
「クリスターイングラム、ちょうどオメガダインとの繋がりが噂されている所ね。彼の目的、本当に休暇なのかしら?」
「おーい、みんな大丈夫~」
気楽で緩い声と共にルナがひょっこり顔を出す
「ルナ、そっちLBX多かったけど、怪我とかしてないよね?」
「うん。やっぱりスルガのカスタマイズはスゴいや。大体の敵はスルガのLBXが片付けちゃった。それにオーバードウェポン使うなんてヒロも思いきったね」
「スルガさんの武器凄いですね!建物がこんなことに」
と、雑談はこれまでとして今起こった事の共有を済ませた所でオタクロスから通信が入る
《おまんら、指令コンピューターの位置が分かったデヨ!近くのホテルの管理コンピューターじゃ。先にコブラがホテルのオーナーと話を付けておるデヨ》
「オッケーオタクロス。早くコブラと合流するわ。皆、行きましょう!」
═カイロホテル════
近くのホテルに入りその大きさに圧倒されるヒロとラン
「凄く大きい建物だ・・・」
「家の道場何個分だろ、これ?」
「お前達!怪我とかしてないか?」
「うん、皆さん大丈夫です。街に居たLBXも倒しきりました」
「そうだ、ヒロ君これ使う?」
ルナが差し出したのはソルジャーDだ
「これって、スルガさんのLBX?」
「うん。さっきのでペルセウスの充電終わってないでしょ?」
そう、まだペルセウスは全力を発揮できない。尽きたエネルギーの充電が済んでない上メンテナンスが済んでいない
「確かに・・・ありがたく使わせて貰います」
「話は済んだみてえだな。早速だがこれからの事を説明するぜ。まずここの地下にある指令コンピューターの無力化のために従業員用通路を通って行ってもらう。問題は指令コンピューターを守るためにLBXが徘徊してる上一部扉にロックが掛けられててな。そこをクリアしてかなきゃならん」
「つまりLBXでダクトか何かを通って内側から開ければ良いってこと?」
「そう言うことだラン。だがダクトの中にもLBXが潜んでる筈だ。注意してくれよ?」
「「「了解!」」」
═従業員用通路════
大きな逆ピラミッドの空間に出た。下にも数本通路が見え、一際明るい一番下指令コンピューターのあるところ。ここを降りていくのだ
「ねえルナ、スルガとの馴れ初め聞かせてよ」
「スルガとの?確か入院してるときに私がLBXバトルに誘ったんだったかなぁ?懐かしいねぇ。もう五年も前のことか・・・」
「五年の付き合いかぁ」
「スルガが退院した後も結構お見舞いに来てくれてその度にバトルしたり思い出きいたりしてた」
「思い出?どんなことを聞いてたのかしら?」
ジェシカとランはこの手の話に興味津々らしい。ヒロも好奇心で話に乗ってくる
「その時は私はまだまだ外に出られなくてね。外の世界が知りたかったのと、若干依存してたんじゃないかな」
「依存・・・ですか?」
「その時は家族はお姉ちゃんしか居なかったし、あんまり高い頻度では会えなかったからさ。少なくともスルガが居なかったら私はここに居ないと思うよ」
「こんなこと言っちゃ駄目そうですけど、歪んでる気がしますね」
「まあ、当時は歪んでただろうねっと。この話は一体終わりにしよう」
指令コンピューター防衛のため巡回しているエジプト、ヌアビス合計五機と鉢合わせた。
各々がLBXを繰り出し戦闘開始
map 従業員用通路
アンリミテッドレギュレーション
バトルスタート
エジプトを先頭にナイルブレードで斬りかかってくるヌアビス。ソルジャーDは2本ある剣で確実に攻撃を受け止めムーンとミネルバは初撃に対してカウンター。
「いよっしゃ決まったぁ!」
「僕も行きますよ!」
ヒロの操るソルジャーDも受け止めた剣を弾きエジプトを蹴り飛ばす
「やりました!」
ジャンヌDはソルジャーに向かう二機を銃撃し足止め
ソルジャーDが走りだしエジプトを斬り上げる
「バックアップは任せて。思いっきりやりなさい!」
「私も援護するよ。好き勝手暴れて」
「「ハイッ!」」
ミネルバはカウンターをしたヌアビスに、ソルジャーDはエジプトに追撃をする
「ハァァァァァ!」
「おりァァァァ!」
ソルジャーD、ミネルバは一気に距離を詰め反撃を許さぬ猛攻を加える
双剣ならではの攻撃速度。一打一打気合いを入れた打撃
やがて蓄積ダメージは限界を向かえる
エジプト、ヌアビス一機 破壊
この二機に対応しようとする敵はムーンとジャンヌDが残りの三機を相手取る
ムーンが巧みに進路を塞ぎ一機のナイルブレードをぶった斬り、ジャンヌDからのスナップピストルが首関節を撃ち抜き破壊
「ナイスショット!まだまだ私も行くよー!よっ、ほっ!」
ムーンも横から斬り付けてくる斬撃を盾で受け止め背後に飛び込みコアボックスを貫いた
「決まった!」
「くっ、鬱陶しい」
「ジェシカさん。今助けます」ガチャ
「私が頂くよ!」
もう一機はジャンヌDに接近戦を仕掛けていたがスルガが鹵獲したのをヒロが譲り受けたペルセウスのキラーガトリングが追い払いミネルバクローを突き立てる
「へっへーん!私に掛かればこんなもんよ」
「ヒロ、良いカバーだったわ」
「ありがとうございます。ジェシカさん」
まだまだ道のりは遠い(雑な話切り)