═カイロ ホテル・従業員用通路ダクト内部════
降りていく途中ホテルのはずなのに落とし穴や坂を転がり迫る大岩などベタで古典的な罠に襲われながらさらに地下へ
最後の扉の鍵を開けるためにダクトに侵入したLBX。しかしダクトの中に降り注ぐ銃弾の雨。多種多様なLBXが超濃密な弾幕を形成しているので動けない
「ありゃりゃ、凄いね。普通には突破出来そうにないや」
「どうしますか?一か八かやってみます?」
「いや、辞めといた方が良いわよ。ここまでの弾幕相手なら遠距離から叩くのが手っ取り早いと思うけれど」
ムーンは試作電磁機関銃を持っているが狭く複雑な構造のダクトでは射程は生かしい辛いし回り込むことも叶わない
「そうだ。ヒロ君、確かオーバードウェポンってもう一個受け取ってたよね?」
「えっと、グラインドブレードですね。どうするんですか?」
「本当に最悪ソルジャーが壊れるかもしれないけど、それなら」
グラインドブレードの特徴の一つとして何か頑丈な障害物にぶつかるまで進み続けると言う物がある。つまるところ肉壁だろうが弾幕だろうが無理矢理突撃突破すると言うことだ
「・・・時間が惜しい私達に取れる手はそれしか無いわね。ヒロ、お願い出来るかしら」
「分かりました・・・でもソルジャーは」
「慰めになるか分からないけど、スルガなら残骸持ち帰れば直すと思うからそこは安心してね?」
そしてソルジャーDはグラインドブレードを装備して戻ってきた
「スルガさんすいません・・・行きますよ!グラインドブレード!」
オーバードウェポン
グラインドブレード
ヒロCCM『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』
左腕が爆破パージされケーブルが引っ付きエネルギーを貪る。六本のチェーンソーが展開し右腕に装着、回転しながら一本の武器に変形、更に回転を強める
そしてブースターとタイヤが機体を激しく前に押し出し始めた
そのタイミングで再び弾幕の形成。しかし時既に遅し
突撃を始め速度が乗ってしまったグラインドブレードは止められないし止まらない
ズガーン!ギャガギャガギャガドーーーン
チェーンソーの刃が敵機を内側に引きずり込み回転しながら破砕していく。ソルジャーを狙い混乱した所に速度に自信ありのストライダーフレーム三機が突入。次々とLBXを撃破していく
「うっしゃあ!一気に決めるよ」
「オッケー!ヒロの作ったチャンス物にするわよ」
「いっくよぉ!」
アタックファンクション
炎崩し
アタックファンクション
サイドワインダー8
アタックファンクション
ドリルスラッシャー
焔の渦、8本のミサイル、高速のドリル。三つの必殺ファンクションが敵の群れに襲来し一掃していく
「ラスト一機、あたしが貰うよ!」
ミネルバクローがグラディエーターの胴体を貫いた。ミネルバはさっとクローを離し爆風から逃れる。そしてグラディエーターは爆発した
「わぁ、皆さん流石です!」
ソルジャーは壊れてないにしろ銃弾を浴び壁にぶつけた衝撃でかなりひどく損傷しており痛々しい
そしてキッチリ壁も粉々に破砕している辺りオーバードウェポンの破壊力がよくわかる
「待ってて。今扉を開けてくるわ」
「ランちゃん、ソルジャーの回収手伝ってくれない?」
「オッケー」
爆破パージした左腕、ソルジャーD本体、グラインドブレードを回収する
ソルジャーを破壊した壁から引っこ抜くとグラインドブレードは格納状態に復旧、ダクトから引きずりおろす
「うわっ、これスルガさんに怒られませんか?」
「怒らないと思うよ?グラインドブレード渡した時点でこうなることも折り込み済みだと思うし。でもスルガは大丈夫かなぁ?無茶してないと良いけど」
そして最下層への最後の扉のロックが解除された
ここを越えれば指令コンピューターのある場所に出る
═カイロホテル・最深部════
洞窟の中と言う環境に似せて建築されたコンピュータールーム。古代エジプト神殿をイメージした装飾の数々や黄金のヌアビス神の像。その足元にコンピューターが鎮座する
「ここが指令コンピューターの場所ですか」
「ええ。恐らくスレイブプレイヤーも居るはず。警戒して」
ゆっくりと歩みを進める。やはりと言うべきか、立ちふさがる人物がいた
頭にヌアビス神の仮面を被った人物。しかしヒロはその特徴的な服装で直ぐに正体を見抜いた
「まさか・・・」
過去色々な人気投票一位を総ナメにし挙げ句の果て殿堂入りした男。五条勝、もといM・ゴジョー
仮面が縦に2つに割れその尊顔が顕になる
「彼はクリスターイングラムの!」
「こいつがスレイブプレイヤーか」
「ゴジョーさんが、敵・・・」
「俺は指令コンピューターのガーディアン。ディテクターの障害となるものは排除する」
彼はDエッグを投げフィールドを展開する
「ペルセウスッ!」
「いっけー!ミネルバ!」
「ジャンヌD、GO!!!」
「行くよ、シャルナック・ムーン」
充電とメンテナンスを済ませたペルセウスが出撃していく。相手はシン・エジプト、ヌアビス4機だ
map 砂漠+オアシス複合フィールド
アンリミテッドレギュレーション
バトルスタート
中央に大きなピラミッド、それを囲うように倒れた柱や建築物が点々としその近くには大小さまざまな湖が存在する
シン・エジプトは中央のピラミッドで待ち受ける
「ゴジョーさん。必ず助けます!」
先んじてナイルブレードを持ったヌアビス二機が襲来するがミネルバとムーンが迎撃
「ヒロ!取り巻きを押さえてるうちに私達で」
「はい!」
ジャンヌDが軽機関銃を持ったヌアビスを牽制してペルセウスの道を開く。階段を駆け上がりペルセウスは左の剣で横凪ぎ一閃、次撃で右の振り下ろし。シン・エジプトは少し後退り攻撃を回避する
次はシン・エジプトの反撃。その速度と精度は洗脳され操られているにも関わらず一品級の剣速
双刃剣『王剣クフブレード』から激流の如く斬撃を繰り出し防御するペルセウスを斬りつけ後方へ吹き飛ばした
その後もピラミッドの舞台で斬り合いの一進一退の攻防が続く
一方の女子三人は
「中々捕まんないなぁ」
ルナのぼやき
恐らくディテクター直々のカスタマイズが施されているヌアビスは砂漠と言う環境と機動力重視のカスタマイズで回避重視の戦い方をしてくるのでムーンやミネルバでも中々捉えられない。しかもパワーも高いと言う厄介仕様だ
と言うかストライダーフレームの足と砂漠の相性があまりよろしく無い
「くっ、ちょこまかと!」
砂漠の中でもクローの突きや踵落としなどの体術を次々素早く繰り出すミネルバだが防御されたり避けられたりで上手く一撃が決まらない
「ラン、焦ったら敵の思うつぼよ!」
ジャンヌDは軽機関銃持ち二機と戦闘しているが火力の差で押され気味だ
「でもここで私らが苦戦してたらヒロが!」
「何とか一網打尽にしたいねぇ」
ルナがフィールドにある物を見ながら少しニヤリする
まるでスルガのように
「ねえ二人とも、あそこに敵を誘導できない?多分スルガなら・・・」
「なるほどね。オッケー。誘導してみるわ」
「ああ!成る程。そう言うことか。これならどんな奴でも逃げられないね」
二人がムーンの持つアイテムを見て何をどうする気なのか納得する
─ヒロ君side─────
シン・エジプトとの剣の打ち合いは続く。ヒロも奮戦しておりほぼ互角と言うところか
(強い・・・けどゴジョーさんが!)
そんな事を考えた所でシン・エジプトが突然強烈な蹴りを繰り出し対応出来なかったペルセウスを後ろに飛ばす
更に追撃、シン・エジプトも飛び上がり落下エネルギーも乗せた剣を振り下ろす
しかしペルセウスも刃が当たる寸前で横に回転回避、その先の岩で十分踏み込みヒロから打って出る
初撃はヒット、胴体パーツに一発入れた。しかし次の攻撃からはキッチリ防いだ上で反撃の機会を伺う
その打ち合いの最中、ヒロの目が少し光る
それに呼応されたのだろうかペルセウスの攻撃速度が少し上がった気がする
二機は再びピラミッドの頂上で対峙し剣をかわす
戦闘は更にヒートアップ。応酬はより激しいものとなっていく
ヒロは先程見たカイロ市街の惨状と逃げ惑っていた人々、助けてくれたゴジョーさんの事などを思い出していた
「ゴジョーさんを助けるためにも、世界を救うためにも僕は負けられないんです!」
ペルセウスが剣の振り下ろしをペルセウスソードで受けたあと自分の方へ力を引き込みシン・エジプトのバランスを崩す。そして回し蹴りでピラミッドから蹴り落とした
ペルセウスは攻撃の手は緩めない
蹴り落としたシン・エジプトに向けて飛び降りる。その最中に剣を平行突き上げてエネルギーを纏わせた
アタックファンクション
コスモスラッシュ
空中で予備動作を済ませたペルセウス、後はエネルギーと一体化した剣を振り下ろすのみ
─ルナside─────
朔の連続突きでゆっくりと確実に誘導する。目指させる場所は点在するオアシスの一つ。既にいくつかのオアシスに仕込みは済ませたのでミネルバとジャンヌDも誘導出来ている。と言うかフィールドに慣れて放っておいても撃破してしまいそうだ
そして畔まで追い込んだヌアビスを出力任せのシールドバッシュで水面に落とす
そして秘策、スタングレネード数個の水中起爆。水を走る電流がヌアビスを逃がさない。しかも水は関節の奥や戦闘中に出来たパーツの隙間に侵入、それが回路となり一時的に完全停止してしまう
「いやったぁ!それじゃあ終わりにしよう」
アタックファンクション
テンペストブレイド
巨大な光の刀身が嵐を纏い形成される。ムーンは天に飛び上がりそれを水面のヌアビスに振り下ろす
見ればジャンヌDもスタンさせ行動が鈍ったところにサイドワインダー8を撃ち込み撃破
「mission complete!」
ミネルバは追い込む前にかかと落としで顔パーツを叩き壊した後炎崩しで完全に破壊している
「いよっしゃぁ!」
─ヒロ君side─────
「はああぁぁぁぁぁぁぁ!」
地上に落ちたシン・エジプトにコスモスラッシュが振り下ろされる動く暇もなくエネルギーの刃が直撃し爆煙に包まれた
「やりましたか!?」
煙が晴れる。だがシン・エジプトは負けじとぎこちなく手を伸ばす。しかしダメージは限界だった。青い光を散らせてブレイクオーバー
機体の戦闘不能に合わせて首の洗脳チョーカーが外れる
「うぐっ」
洗脳が急に解けて一時的に気を失ったM・ゴジョー
「ラン、ここはヒロとルナに任せて私達で指令コンピューターを!」
「分かった!」
と、二人はなかに駆け込んでいく。その中でM・ゴジョーも目を覚ました
「・・・ここは?」
「ゴジョーさん、あなたはディテクターに操られていたんです」
「ヒロ君が貴方の事を助けたんだよ?」
頭を押さえよろけながら立ち上がる
記憶を辿っているらしく納得した様子でシン・エジプトを回収し立ち去ろうとする
「ちょっと、何かないの?」
『ブレインジャックが終わったならここに用はない』
と立ち去ってしまった
「・・・」
「礼の一つも無し・・・か」
M・ゴジョーが立ち去った後に指令コンピューターにワクチンをぶちこんだ二人が戻る
「あら?スレイブプレイヤーは?」
「帰っちゃいました・・・」
「まあ、確かに終わったし戻ろうよ。コブラも待ってるだろうし」
═カイロホテル エントランス════
来た道をそのまま戻りエントランスまで戻ってきた四人
取り敢えずコブラに事を報告する
「そんで何も無く立ち去って彼処に居ると、そう言うことか」
「はい。大体そんなところだよ」
ヒロだけは何か上の空だ。そしてなにやら突然慌て始めた
「ヒロ、どうかしたの?」
「ランさん大変です!このホテル爆発します!」
「「ええ!?」」
「おいおい。指令コンピューターなら無力化したはずだぜ?」
「まさか指令コンピューターは一つじゃない?いや、それならオタクロスから何か連絡が・・・」
「オタクロス、なにかあるか?」
『少し待っておれ・・・・・・・・・・・・・・・た、大変じゃあ!』
「どうしたオタクロス!」
「ヒロの言うとうりじゃ!ブレインジャックで処理能力が下がったからかホテルのボイラーがオーバーヒート寸前じゃぁ!最悪貯蔵されている燃料に誘爆してホテルが崩落を起こすデヨ!」
「なんだって!?聞いたなお前たち!俺は今すぐホテルのオーナーに連絡する。避難誘導の手伝いをしてくれ!」
「「「了解!/オスッ!」」」
「・・・あれ?」
ヒロだけはどこかに向かうM・ゴジョーの後ろ姿を見ていた
─ルナside─────
ひとまずホテル側と避難誘導を開始して間も無くランがヒロが居ないのに気が付いた
『コブラ!そう言えばヒロは?』
『そう言や・・・あいつまさか』
「あはは、そのまさかじゃないかな?」
『一人でボイラーの暴走を止めに言ったの?!無茶よ!』
「じゃあ手伝いに行こうよ!スルガからこう言うときに使えそうなLBXを借りてるんだ」
と言ってバッグをごそごそあさり一機の黒いLBX。オーディーンと同じ飛行形態をもつLBX『オリオン』のカスタムLBXオリオン・E(エクリプス)
しかしオレンジのクリスタルが無いなど機体の持つ雰囲気はガラリと変わっている詳細は河白スルガの改造集に乗っている
「スルガの説明書だと自律行動して捜索電波を中継してくれるみたいだよ」
『分かったわ、すぐに合流しましょう』
と、ホテルのエントランスに集合しオリオン・EにLBXとCCMを接続、オリオン・E、ムーン、ミネルバ、ジャンヌDはサーバールームを目指し移動を開始した
コブラのオペレートの元LBXは移動する。幸いこの四機は機動力は高いので時間は掛からなかった
そして部屋に入るそこには何かを見下ろすアキレス・ディードだった
「あれがアキレス・ディード?」
「ええ。見るのは初めてなの?」
「うーん、多分?」
「そんなことよりあいつヒロと、あれ?なんであいつがこんな所に?」
取り敢えずアキレス・ディードにちょっかいをかけるムーン、その隙にヒロとM・ゴジョーがコンソールを操作してボイラーを緊急停止させようとしている
「あいつ逃げる気?」
「あまり手合わせする気はなさそうだね」
「逃げる前に倒しきるよ!」
ミネルバが大ジャンプして倒しにかかる。しかし飛び回ることで回避せれる。さらにムーンの試作電磁機関銃とジャンヌDのスナップピストルとサイドワインダーが対空弾幕を張る
しかし全力で逃げの姿勢のアキレス・ディードは捉えきれない。しかしオリオン・Eがステルス性を生かす形で奇襲、飛行形態のまま空対空ミサイルを二本発射する
アクティブレーダーホーミング方式で追尾するミサイルはアキレス・ディードと共にダクトに侵入
いずれミサイルからの信号は途絶えた。撃墜出来たかは不明
それと同時にM・ゴジョーとヒロの手によってボイラーは停止されていた
═エジプト カイロ市街 ダックシャトル═════
一時的に大きなヘリポートに着陸しているダックシャトル。既にアメリカへの撤収の準備がされている
「あ!ゴジョーさん。アメリカに帰るなら一緒に乗っていきませんか?」
「ありがたいがもう少しここに居るつもりだ」
「そうなんですか?」
「休暇中だ」
「ヒロー!モウイクヨー!」
「あ、また会いましょうゴジョーさん!」
「ああ。頑張れよ。ヒーロー」
ゴジョーはそう言い残し観光に赴くのだった