ダンボール戦機 絶対零度の闘士   作:超甲形巡洋艦

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世界の剣

═ダックシャトル════

今回のパリブレインジャック終結から一時間が立つ。スルガはLBXの回収を待ちながら今回のことを聞いていた

 

『んで結局最終的な被害はどんなもんよ?』

「先の報告とフランスからの情報を合わせると怪我人は沢山、そして死者は現在判明しているだけで300名を越える。フランス陸軍の救出部隊も21名の死者が出た。轟雷の到着がもう少し早ければ・・・」

 

途中フランス陸軍の救助部隊の援護に向かった轟雷隊、全速で移動しブレインジャック範囲外へ脱出するのを援護していたが、途中何両かの装甲車やトラックが何者かが設置した対戦車地雷を踏み大破したそうだ。ワールドセイバーはとことん暴れまわってくれたらしい

 

『予想以上の被害ですね。こっちの被害は?』

「シーカーのLBXは約半数が被撃破、そのなかでも最新鋭機スティレットの殲滅はかなりの痛手だ。NICSのLBXも大小損傷有りで、そこから見た建物の被害はどうだ?」

『そうだな・・・多分被害を被ってない建物は無い。いくつかは焼失したり倒壊してる。多分文化財もいくつか喪失してそうだし金銭換算だと幾らになるのか検討も付けれない』 

 

 

改めて見る眼下の街は悲惨そのものだった。古くからある保存建築物は既に焼失、いくつかビルが合ったであろう場所まで見受けられる。少しずつ消火活動や瓦礫の撤去等が始まった所だ

 

スルガが背後を見る

機龍の背後には解析するために集めたトルークビルトの欠片と残った三機、撃破されたGレックス、頭を落とされたトリトーン

 

『しかし収穫は確かにあった。あいつが繰り出したLBXと言動、戦闘機を撃墜してこの騒ぎを起こしたのはあいつで間違いない』

『それに奴のLBXの破片から未知の技術、空飛ぶ剣もこれはいくつか無傷で手に入れられたし、まあ人命に変えられるものでは無いけど』

「そうか・・・スルガ、これからどうする?」

『リフィルス・クロウドの身元と所属組織の洗い出し。こいつは多分オメガダインに次ぐ第四勢力、次こいつらが本気で暴れたら今までとは比になら無いくらいトンでもないことになる』

 

塔の麓を見るとジープが数台到着、中からNICSとシーカーの面々が降りてくる

 

さて、ワールドセイバー全体が動き出したのか、リフィルス・クロウドだけが動いたのか。これでこの後の動きが大きく変わるな

それにガーダインの行動も気になる。ホワイトハウスにも協力者を作れれば良かったんだけど、風摩キリト経由で色々探ってもらうしかない

もうここまできたらレックスと檜山真美を引き合わせて今まで集めた情報世界にばら蒔いて引っ掻き回すのも手かもしれんな

 

取り敢えずそこで一旦思考を辞める。上で戦っていた面々が一時的に復旧させたエレベーターで上がってきた

 

「スルガ、お疲れ様」

「お疲れスルガ」

 

ルナとレックスが機龍の近くで腰を下ろす。

 

『皆お疲れさん。早速で悪いがトルークビルトと空飛ぶ剣の回収をお願いしたい』

「スルガ、これって」

『あ?ああ、凍って崩壊した残骸だ』

 

分子レベルへの崩壊を起こし氷が溶けてスライムみたいになっている。一応こちらで処分しておいた方がいいだろうか。燃えないごみで良いのかな?

 

『シーカーの人、この残骸の回収お願い。ついでに日本で燃えないごみの日に出しといて欲しいんですが良いですか?』

「教官、解析しなくていいんですか?」

『これ分子の塊だし何も情報無いよ』

「教官!こちらの敵LBXはどうしましょう」

『LBXの欠片は全部シーカーに回して。空飛んでた剣もまるごと回収、後で修復可能の奴を取り分ける。なるべくフランス政府には情報を渡さないようにお願いします』

 

スルガ主導でエッフェル塔のお掃除(証拠隠滅&情報隠蔽)が進む中機体の回収も行われていた 

 

「うっ、後でスルガさんにペルセウスの点検お願いしなきゃ」

「オーディーンも修理しなきゃな」

「ムーンもスルガに直してもらおっと」

 

この三機は比較的損傷は少なく修理は短時間で終わるだろう・・・が、ムーンは多数被弾。スルガが高機動に耐えられるようなカスタムを

 

「トリトーン、済まない」

「無理をさせたな。Gレックス」

 

この二機は完全に壊れていた。トリトーンは首が斬られただけで時間はかかるだろうが修理は簡単だろう。しかしグレネード特攻をしたGレックスはトルークビルトが開けた穴に高温の爆風が侵入し内部損傷が酷い

 

「ジン・・・」

「僕の修練が足りなかっただけだ。先に戻っている」

 

トリトーンをバックに入れて先に降りていった。何か思うところがあるようだ

 

「ジン君・・・何かできれば良いんだけどね。スルガに相談してみるかな」

『よし、後は搬出した後お掃除お願いします。この体じゃ掃除も厳しいので』

 

よしこれで一段落・・・あれ?ジンどっか行った?

 

『レックス、ジンは?』

「LBXを持って先に出てったぞ。何か思い詰めていたようだが」

『あー、あの激速の時か。初見殺しにも程があるから仕方ねえって。あんな速度オーディーンの損傷ガン無視の最高速で出るか出ないかってとこやぞ。ましてやあんな精度で人間に操作出来るかっての』

 

取り敢えず塔の上の後始末を済ませ全員で下へ、下の広場も酷い有り様だった。木々が折れ花が燃え地面がぼっこぼこになっている(ここは大体オーバードウェポンが原因)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つい半日前まで花の都と謳われ人口200万の都市は僅かな時間で崩壊した。最終的な人的被害は死者約1400名、重軽傷者多数、行方不明約200名と言う悲惨な結果となった

パリ全域で起こった大規模ブレインジャックは更なるLBXの排斥運動等を加速させててしまった

 

だがオメガダインも肝心の暴走時に作動しないMチップの安全性や必要性自体に疑問を持たれ更に強い批判を浴びる。世界では一部の国がMチップは安全装置として信用出来ないと取り外し措置、特定場所以外でのLBXの使用及び起動等禁止を法的に制定するなどの対応に踏み切る事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

═ダックシャトル機内═════

事件終息から三時間、シーカーの面々は既にエクリプスで日本への帰路に着きチームNICSはミーティングルームで各々自身のLBXのメンテナンス作業をしている

後の処理をフランス政府に任せて山野博士のお誘いで今度はイギリス、グリニッジ天文台に向かうことになった

 

だが顔色や表情は良くない。特にヒロやランの用な荒事は始めての連中は尚更だった

そしてカイオス長官への報告を兼ねてスルガと大人達が会議をしている

 

《スルガ君、今回の犯人であるリフィルス・クロウドと名乗っていた人物は知り合いか?》

『知らない人ですね』

「今回の事件、本当にディテクターの犯行なのじゃろうか」

「突然の無予告大規模ブレインジャックと大量の死者を出した。だが今まではディテクターのテロでは死人を出していないし病院等の施設も積極的には襲わなかった。あくまで警告、混乱だけが目的のようだった。イノベーターとは別の薄気味悪さを感じる」

『大量の指令コンピューターとエッフェル塔のハッキング、そして道中突然出現したキラードロイド、そう言えばコブラ、あのグリフォンの解析進んでる?』

 

あの後ワイヤーに絡み取られていたグリフォン本体と切り落とした部位を秘密裏に回収、コブラに解析を依頼していた

 

「ああ。しっかし何も分からんかったぜ。記録媒体の中にもお前達との戦闘データしかなかった」

《手掛かり無し・・・か》

『いやぁ?無いわけでもない。クロウドが上でセレディとかオーバーロードとか言ってました。ここから調べれませんかね?』

「オーバーロード・・・スルガ、それは」

《オタクロス、何か心当たりがあるのか?》

「ネットの噂じゃ。ワシも詳細までは把握しておらんデヨ」

 

オタクロスが上手く誤魔化してくれた。ただ今回の件をどう収束させようか?直球で言っててみるか

 

『カイオス長官、今回の件はディテクターと別物と考えた方が良いかもしれません。今までと手口や手法、目的が違いすぎます』

《うむ。了解した。スルガ君後で詳細な報告書を纏めてくれ》

『了解』

 

カイオス長官は通話を切った。そこでオタクロスが口を開く

 

「さて、本題に入るゾイ。スルガ、おまんどこまで情報を把握しておる?」

 

おっと?オタクロス勘づいてる?

 

『・・・ワールドセイバー』

「まさか・・・スルガ君からその名前が出てくるとは思わなかった」

「博士、何か知っているんですか?」

「ああ。ネット上で存在が噂されている武装テロリスト集団だ。イノベーターに居たときに名前を聞いた覚えがある」

『成る程、じゃあ豚箱にぶちこんだ元イノベーターの連中から聞き取り調査を八神さんに依頼しておこう』

 

そう言えばセレディのオプティマもイノベーターからの供与品とかどっかで見た覚えが・・・

 

「俺達は同時に三つのテロリスト集団を相手取る事になるのか」

『いや?多くても2つだ。だろ?山野博士』

「ワールドセイバーはこれ以上の行動を起こさないと?」

 

突然スルガの元にチャットが届く。オタクロスからだ

 

オタクロス:スルガ氏、ここで言うんデヨ!?

スルガ:いや?鎌掛けただけだ気にするな

 

「スルガ、どう言うことだ?」

『悪魔で予想と言うか今までの結論だけどディテクターは手段が悪いだけで味方よりだと思う』

「味方?どういう事だ?」

 

山野博士が疑問を呈する。しかし表情を崩さない

 

『どっかでメッセージ出してんじゃね?って俺言ったよな。それについてハッカー軍団に調査を依頼してたんだがどうやら通信衛星パラダイスは大出力レーザー砲を備えた軍事衛星らしい。過去に他国の軍事基地やエネルギー施設等の消失事件。パラダイスが、A国が犯人だ。それを裏付ける証拠も隠してあるが確保してある。恐らくこいつがディテクターの示す点だ』

 

スルガが一気に畳み掛ける。山野博士がロンドンでのブレインジャックを起こさなければディテクターとしての目的は達成される事になるが果たしてどうする?

 

「成る程・・・下手したらA国を敵に回すことになる。スルガ君、どうする気かね?」

『オメガダインを隠れ蓑にしてる黒幕が居る。だから表舞台に引き摺り出してぶん殴り倒す。そしてルナと添い遂げる。以上』

 

スルガの目的はどこまでも単純明快だった

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