═アメリカ、NICS本部═════
あれから三日後、NICSではスルガの無人機含めLBXの修理が完了しスルガも設備を借りてカスタマイズLBXを数機新規製作&増産、新たな武器を生産した
シーカーも轟雷とスティレットを補充、配備出来たらしい。戦力も十分と言った所だろう。後は山野博士からシーカー経由でGOサインがくるのを待つだけだ
破壊したキラードロイドは記憶媒体のみNICSに渡しファクトリーではグリフォン含めた四機のパーツを使いイコイチ修理を進めている。しかしトルークビルト等ワールドセイバー関連技術の解析は依然として成果を見せていないのが現状だ
今は作業室でその解析の続きと武器等を作っている
「スルガさん、ペルセウスの事で相談が」
『おう?どうした?』
作業を続けながら意識を向ける。どうやらペルセウスに合体機構と特殊モードが同時実装されたせいでメンテナンスの難易度と複雑さが跳ね上がったらしい。
『成る程ねぇ・・・ペルセウスが一番変化大きいし仕方ねえか』
「はい。日常のメンテナンスで一々スルガさんに頼るのも申し訳なくて」
『分かった。ペルセウスの図面は貰ってるし後で良いならメンテナンスの方法纏めたメモでも作っとくよ』
「ありがとうございます!助かります」
─────
「スルガ、バトルしようぜ!」
『ん?作業の片手間で良いなら良いぞ。他は?』
「えっと、ルナとユウヤとラン、後拓也さん」
『拓也さんも?珍しいな』
「少しは鍛えとかないとなって」
『りょ。丁度試したいものもあるし』
シャルナックに意識を移して他のやつが集まっている所へ運んでもらう
「あ、スルガも来たんだ」
「イッちょやりますか!」
「バン君、チーム分けはどうするの?」
『六つ巴の勝ち残りで良いんじゃね?』
「いや、出来ればチーム戦でお願いしたい」
『じゃ俺とルナは敵同士で、久しぶりにルナとやりあってみたい』
「じゃあ、俺、拓也さん、ルナでスルガ、ユウヤ、ランで行こうか?」
「それでいいと思うよ」
「何気にスルガと戦うの久しぶりだね。負けないよ!」
「よっしゃぁ!燃えてきた」
map 港湾都市
ストリートレギュレーション
バトルスタート
拓也さんはホーネット、武器はゲパルトライフルとビクトリーエッジ、スルガはシャルナックで武器は天叢雲で新作の電磁狙撃銃、腰への格納状態でコマンドハンドガン二丁とこれまた新作、ジャックダガーを持ち込んだ
他の奴はいつも通りだ
『索敵行ってくるー』
「ラン君、警戒しながらスルガ君の後を着いていこう」
「りょーかい!」
『ワイヤー見つけたら近付くなよ。ルナに喰われるぞ』
さーて、蜘蛛の巣作られてたら面倒だが、まあリュウビとワイヤー斬り飛ばせばなんとかなるだろう
「スルガ、なんか居る?」
『いや、影もない。ルナがどっかでワイヤー張ってるな。エルシオンもその中で待ってるか誘い込みにくるんじゃないか?』
多分ワイヤーの中心辺りに拓也さんが狙撃銃構えてる。ルナが変態機動で撹乱しつつバンが正面戦闘って作戦か?
「ねえスルガの右の方、なんか光った」
『ルナのワイヤー陣だ。あの中だな?・・・あ?何か違和感あるな』
建物に張り付いて顔だけ少し出す。何か変な感覚を覚えるが?
電磁狙撃銃に持ち替えスコープで更に索敵、が突如としてミネルバが空中で体を反転させながら前に跳ぶ。跳んだ直後、ミネルバが居た場所に着弾跡が出来た
「何度も同じ手は食わないよ!」
そしてシャルナックの背後にも銃弾、そしてその銃弾を撃った張本人が舞い降りる
「ちょっと油断してたんじゃない?」
『マジかッ!』
銃撃の直ぐあとに持ち替えの隙を与えない朔の連続突き
銃口を向けようとするも斬った煙幕のような動きで消え去り別の場所から顕れる
伝説のLBXプレイヤーや箱の中の魔術師でやっとまともに扱える程の性能を持ったLBXが、不完全だが性能を引き出す石森ルナと言う少女に駆られ開発者に牙を向く
『ヤッバ!性能解放したらここまで厄介なんかッ!』
「スルガ君、今フォローに入るよ!」
ミネルバとリュウビがホーネットからの狙撃を警戒しながらムーンとシャルナックの方へ走る。しかし二機の行く先にエルシオンハルバードが突き刺さった
「バン君!」
「ここから先は通さないぞ!」
同じ所に着地してきたエルシオンがハルバードを引き抜き構えた。遠くには狙撃態勢を取ったホーネットの姿も見える
『よいさ!』
攻撃を掠めながらも避け、狙撃を警戒しながら電磁狙撃銃を適当に放り投げるスルガ、腰からジャックダガーを射出しキャッチ、上からの朔の攻撃を受け流す。逆手持ちをひっくり返しこっちからムーンにダイブしダガーを突き出す
「その動き・・・ヒノちゃんだね?」
『ご明察の通りで』
二本の短剣を獅子が獲物を仕留める爪をように鋭く振るい始める。防御もままならない至近距離に飛び込み関節部に刃を叩き込む
以外と!扱い難しいな!ヒノから直接コツ聞いとくんだった(ただの見様見真似)
ヒノのようにフルアタックでなく左右で攻守を分けた保守的な戦闘スタイル、頻繁に攻守を入れ替えムーンを翻弄する
─────
こちらはユウヤとランの方、バンが防戦に徹しており時折拓也からの狙撃に悩まされて中々突破も撃退もかなわない
「ふん!セイッ!」
「ハァ!やぁ!」
ミネルバクローと武の剣がエルシオンに突き付けられるがバンは機体を少し後退、ミネルバクローをハルバードで引っ掛けて体勢を崩しシールドバッシュで押し飛ばす
そこにホーネットが狙撃、リュウビが鏡の盾で弾を弾き体勢を立て直したミネルバ
「ユウヤ!私拓也さんの所行く!」
「分かった。任せるよ」
『ほい。このmapの狙撃ポイント。活用して』
「ありがと!」
ミネルバがビルの間に消える。一瞬だけエルシオンが追跡の動きを見せたがリュウビが立ち塞がり諦めたようだ
─────
大胆ではあるが慎重に行く。スルガが用意したフィールドの狙撃ポイントデータを元に死角を縫いながら突き進みホーネットを見つけ出した
「見つかった・・・逃げられないか」
ホーネットがビクトリーエッジを構え飛び掛かりクローを受け止める。ランのテクニックとミネルバの出力で押されている
「ぶれて狙いが、定まらん!」
「おりゃおりゃ!」
防戦一方、ホバーLBXの弱点が露呈した結果となる
常に浮遊しているクイーンやガニメデのようなホバー機体の長所は悪路などの足場に左右されず安定して高い機動力を発揮出来るのが長所だ
しかし浮いているのが弱点なのだ。どんなに良い性能のスタビライザーを装備していても強く押す力の前では衝撃を相殺しきれず揺れ、動いてしまい照準諸々がずれてしまうのが短所になってしまう
そのため接近戦パワータイプのミネルバとは相性最悪だ
回し蹴りがホーネットの右肩に直撃、大きくよろめく
「今だ!必殺ファンクション!」
アタックファンクション
炎崩し
火炎の渦がホーネットを捉えミネルバは力を込めたクローで強烈な二打目を加えた
ホーネット、ブレイクオーバー
sideユウヤ
お互い有効打を与えられず泥沼化しているなか、事は突然起こった
『ユウヤ、援護行くぞ』
「スルガ君!?そっちは大丈夫なのかい?」
『うん。大丈夫』
既に高所ではシャルナックが狙撃態勢を整えていた。ムーンと戦っていたはずなのに、だ
そこそこの高層ビルの屋上で擬態にトタンみたいな板を被り腹這いになりながら電磁狙撃銃を構えている
自分の周囲、正面以外にむけた指向性地雷をセットしてある
ムーンは一時的に撒いただけだから撃てて三発、さーて、少しでもこっちに気を向けろや。そしたらユウヤがなんとかできるはず
いつもより慎重に照準を合わせる。狙いは急所だがエルシオンの動きが思ったより大きく激しい
『ユウヤ、鍔迫り合いみたいなのでいいから一瞬動き止めて』
「分かった。やってみるよ」
リュウビが斬りかかる。しかしルナからスルガを見失なった事を聞いているであろうし当然動きを止めるような事は中々しない
スルガが下を見るとムーンが自分の事を探しているのも見えた。
もう少し、もう一瞬で良い!
エルシオンが構えたシールドに対してリュウビもシールドをぶつけた。衝撃がお互いに伝わり体勢を崩した
ここだ!
シャルナックが引き金を引く。二発の弾丸が空中に躍り出た。直ぐに飛び降りてジャックダガーに持ち変えた
音速を越える弾丸はエルシオンシールドを後方から貫き大穴を穿つ。もう片方は足を掠めるも外れ
「今だ!剣を投げて!」
バンが動揺した。リュウビが武の剣を盾に穿たれた穴に差し込み胴関節を突く。そのまま武の剣を放し片手機関銃、四王スザクで牽制射撃
『そいやっさ!支援はここまでだ』
シャルナックが天叢雲を投擲、上から襲来したムーンの一撃を空中で受け止めようとしたが?
『待てや朔じゃないの!?』
電磁機関銃と拾ってきた電磁狙撃銃の至近距離射撃は防御できず、当然耐えられずブレイクオーバー
一方ではリュウビがフェイントをかけスルガが投げた天叢雲を回収、勝負を決めにかかった
「ありがとう。スルガ君!必殺ファンクション!」
アタックファンクション
白虎衝波斬
リュウビの回りに波が集まり白い虎を形成、吼える
そのまま走りだし白虎と共にエルシオンに突っ込んだ
しかし黙ってやられるバンではない
「一か八か、必殺ファンクション!!」
アタックファンクション
ライトスピア
剣の刺さった盾を放り捨て予備動作の少ないライトスピアでカウンターを狙う
キイィィン・・・
二機がぶつかり合う。エルシオンが膝を付いた
リュウビはそのまま立っている
ぶつかり合いを制したのはリュウビだ
エルシオンは胴関節に更なる攻撃を受け動けずに居る
が、リュウビの背中にレイピアが突き立てられた
インビジブルブレイドで接近してきていたムーンだ
「ユウヤ君、ごめんね。後が無いからさ」
「油断・・・してた」
リュウビ、ブレイクオーバー
「ふう、後は」
「あたしだけだね」
ムーンが電磁機関銃を撃ちながら後退する。ランは勘で避けながらダッシュ、朔とイージスシールドに持ちかえてミネルバを受け止めた
「技の精度が上がってる。でも私も強くなってるんだよ!」
ムーンがミネルバの体術に対してワイヤーを射出、足に絡み付き動作を制限、
「捕まった、あれを使えば!」
横にダッシュ、盾に刺さった武の剣でワイヤーを切断、しかし巻き付いたままなのは変わらない。が
ミネルバの前に何かが通過していく。エルシオンがハルバードを投げたのだ
「うえ?」
「貰ったよ!」
一瞬ハルバードが視界を塞ぐ間に朔が目の前まで迫っていた
ミネルバ、ブレイクオーバー
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「スルガ、隣良い?」
『どうした?ルナ』
「私ね、夢を見たんだ。スルガがスルガじゃ無くなっちゃう、不思議な夢」
『俺が俺じゃ無くなる?』
「うん。よく思い出せないけど凄く怖かった」
『ルナを悲しませるとは確かに俺じゃねえな。まあ、フルリンクシステムをこんだけ使ったのは初めてだし何が起こるかは分からない。ただ俺が俺で、河白スルガが河白スルガである限りルナの事は忘れない』
「うん・・・スルガ、居なくならないでね」