═ダックシャトル、ミーティングルーム═════
本部から飛び立って直ぐ、カイオス長官から衝撃の続報が入った
《軍からの情報だ。サンフランシスコを襲った武装集団は、シーカーを名乗っているそうだ》
「シーカーだと!?」
拓也さんが目を剥く。シーカーはオーストラリアでセト50の警備に当たっている。あり得ない
「おかしな話だ。シーカーの実働部隊はオーストラリアに居る。エクリプスも無しでこの短時間での移動は出来ないだろう」
「そうだよ。父さんの言う通りだ。」
「じゃがシーカーを名乗る連中とは、珍しい連中じゃな」
「Lシティの国防基地は?」
《今のところ何もトラブルの連絡は入っていない》
「分かりました。また何かあったら連絡してください」
《了解した》
さてと、シーカーを名乗るとは。まとめて血祭りにあげたいけどこればかりは軍に任せるしかない
《ダックシャトル、15分程で国防基地に到着するモ》
全員席に着席、ダックシャトルは滑走路に着陸した
═Lシティ 国防基地═════
ダックシャトルから降りた一同は近くの建物に案内された。そこに居るのは赤い特徴的な髪型をした人物
「君たちか?パリの英雄達と言うのは?」
「パリの英雄?」
ヒロの頭に?が浮かぶ
「NICS諸君、警備の協力感謝する。私はLBX実験部隊《ファイアースウィーツ》の隊長、ジャックジェラートだ。階級は中尉、宜しく頼む」
「宇崎拓也です。宜しくお願いします」
「それで、パリの英雄達ってどう言うことです?」
「知らぬは当人達ばかりか?フランス軍でもどうにもならなかった事態に正確な情報を掴んで黒幕を撃退して騒動を収束させた功績は軍人の間で噂になっているぞ」
ちなみに表向きの発表では仏軍戦闘機がエッフェル塔のアンテナを破壊し黒幕はその攻撃に巻き込まれ死亡、遺体ら損壊が激しく身元判別不能
となっている。NICSもシーカーの名も出ていない。一部見栄を気にして手柄を欲しがる現場を知らない政治家とか言う糞共から苦言を呈されたがスルガが脅迫して黙らせた。大国の機密事項握ってる奴が一個人の弱みを握る程度容易いのだ
「さて、まずは君たちの腕前を試させてもらおう」
ジャックジェラート中尉の命令で迅速にDキューブ(ジャングル)がセットされ隊員二名が両脇に立ちLBXバスターを取り出しフィールドに投下。中尉もLBXプロト・iを投下する
プロト・i コンバットナイフ アドバンスドライフル
バスター(1) ラグナナックル
バスター(2) アサルトAR5X
「そのLBX・・・なぜ君が?」
山野博士がプロト・iに反応を見せる
「その答えは勝負に勝ったらお聞かせしましょう!プロト・i」
代表としてバン、ヒロ、ランが相手取る運びに上手く誘導した。そのバトルを見つつ自身の体の異常について考える。さっき脳に焼き付けられた人質にされたルナの写真の事だ
明らかにオーバーセンスとは違う能力。もし仮にこの画像が現実の物になったら・・・俺はガーダインを殺す(唐突)じゃなくて、いやまあルナの扱い方次第では殺すけどそうじゃない。
現実になってしまったらこの能力はオーバーロード確定、またはそれに類似する力か
オーバーセンスだけでもワールドセイバーを引き付けた。そのうえオーバーロードと併発してると分かったらやつらに何をされるか・・・ヒロみたいに洗脳で済めば五体満足で無事の可能性があるが実験台にされたら堪ったもんじゃない
それにそんなこと明るみになってみろ。絶対狙ってくる組織はワールドセイバーだけじゃなくなる。大体の国家や組織が敵に回る可能性が高い
そんなことになったらインフィニティネット経由で敵対勢力全て滅ぼすか()
最悪ルナとヒノが無事ならそれ以外どうでもいいし。新世界の悪魔にでも成りますか・・・地球を将棋盤にしてミゼルと戦争するのも悪くない
「スルガ?」
「どうしたの?大丈夫?」
「ちょっと腹が減った。甘いものでも食べたい気分だ」
「ならこれ食べなよ」
「センキュ」
スルガがヒノから貰ったのは日本人に馴染み深いパインアメ、三粒もらい二粒を口の中に放り込む
「何かすげー旨い。ほんとにこれパインアメか?」
「そうだけど、そんなに美味しい?」
「てかお前イギリス住みだろ?どうやってこいつを?」
「普通に売ってるよ?」
「そうなのか・・・てか強いな中尉」
バトルの事を思い出しフィールドに目を落とす。バスターがバンとランを相手にしている。てっきり連携戦術を駆使してくる相手だと思ったが個々でバトルしてる
「以外だな。軍人なら連携を重視してくるかと」
「見ていなかったのか?」
「すまん。考え事しててな。ジン、勝負どんな推移してった?」
「最初は連携を取っていたがバン君の作戦がハマって上手く分散させた。が、少し劣勢だな。バスターは性能は中々だが量産機、僕らのLBX程の性能は無い」
「ラン君の戦闘術も精錬されて来ているけどあのバスターの方がより無駄の無い動きをしている
操作の腕はバン君の方が上だけど銃撃戦に持ち込まれた。相手はそれのプロ、位置取りや障害物の利用は本職の向こうの方が上手い」
「ヒロも善戦しているがあのプロト・iの特殊機構、高次元多関節機構の挙動に振り回されているようだ」
ジンとユウヤの解説で大まかな物事を把握し考えを巡らせる
「高次元多関節機構・・・あー、何かタイニーオービットでそんな文字列見た気がする」
「山野博士が開発していたがその動きを処理できるAIが無く当時は断念したそうだ」
「あの人がそれを使ってると・・・クリスターイングラムに情報盗まれたときか?」
そう言えば久しぶりに見たらクリスターイングラム社の株価が暴落してた。俺のウイルスでデータが飛んだ事が外部に漏れたらしくかなり痛い目を見たようだ
これを機に久しぶりに結城さんと連絡取ってみるか
「うっわ動き凄いな。でも胴体だけ180度回転とかこんな動き多用したらトリトーンの処理能力でも処理落ち起こすだろ?」
「ああ。これを解決するほどのAI、私も興味がある・・・が本来のLBXにはない動きだ。いつかはCPUがオーバーヒートを起すだろう」
プロト・iの高次元多関節機構に苦戦を強いられるペルセウス、近付きすぎたら予想外の動きで反撃されかといって離れればアドバンスドライフルが向けられる
原作ではΣオービスで有効打を与えられず耐久勝ちした相手だ。それに今回は部下も居る。かなり厳しい戦いだ
「しかし耐久も厳しいだろう。簡単な話をするとΣオービスならプロト・iの攻撃を耐えられるだろうが、そしたら三機からの同時攻撃を受けることになる。簡単には行かない」
「レックスなら勝てる?」
「余裕とは行かないな・・・実際に手合わせしないと分からないが轟雷で10戦したら2・・・いや3くらい取られるかも知れないな」
「そこまで行くの?あ、そう言えばレックス、だいぶ前に渡した設計図、あれ作ったの?」
「いいや、作ってない。あれをベースに轟雷をカスタマイズさせてもらおうかと思ってる。あれは確かに凄い設計図だが俺の思いに合わなくてな」
「なるほど。イフリート改はお気に召しませんでしたか」
「ああ。あの怪物はもう眠りについた」
「そう。ならいいや。けどあれを使う日は来ると思うよ?いずれ・・・ね」
「いざというときの出し惜しみはしないさ」
再び勝負を見ると盤面が動いた。なんとランが隠し手である脚部レーザー砲(Σツインブラスターの応用品)で不意打ちしバスターに致命傷を与え炎崩しを叩き込み撃破した
そしてバンの援護に行く
「ほう。そっちに行くか?ランならより強いプロト・iの方に行くと思ったが」
「先にバン君を解放すればプロト・iに対して三人で連携するかΣオービスで畳み掛けられる。ヒロを信用している良い判断だ」
レックスからもそこそこ良い評価を下された。エルシオンが盾を構えてその場に留まりバスターの機関銃弾を弾く。そしてミネルバはバンの指示でこっそりと移動
狙撃警戒か少しずつ射撃地点を変えるバスターに近付きレーザー砲の再装填がてら潜伏した
と言うのもこの武装、改造に無理があり威力は申し分ない分基本的に足に一発づつしか込められないし射程も無い
更にΣツインブラスターの仕組みを流用する必要上エネルギーを伝達して装填するためには足をピンと伸ばして固定してやらねばならずその隙も致命傷レベルだ
相手によっては完全なる初見殺し、不意打ち、奇襲でないと中々決まらない
「奇襲の構えだな。ランが取る作戦としては珍しい」
「俺がランと戦うとき嫌がらせのように奇襲多用して止め刺しまくってるからじゃねえかな?」
「スルガには人の心無いの?」
「言うがよルナ、あいつ面白いくらい綺麗に罠はまるんだもん。やってて楽しいのが悪い」
少し話す内にバンが反撃に出る。エルシオンシールドはそのままにシューターSR-33で牽制射撃
バンの射撃の間を縫ってまた別の岩へ、しかし直ぐ近くの岩にミネルバが潜んでいる
バスターの銃声に音を隠して一気に接近、気付いたときには既に遅い。ミネルバのレックス直伝ガトリングバレットが炸裂しバスター戦闘不能
二機はペルセウスと戦うプロト・iに向かう
「ほう、教えたばかりだが随分上手いな」
「いつの間にガトリングバレット教えたんだ」
「ついさっき、な。さすがの吸収力だ」
そして、三人が合流しΣオービスに変形合体
高次元多関節機構の乱用を引き出して持久戦に持ち込む構えを取った。Σオービスの耐久の前ではさすがにCPUが悲鳴を上げる方が先である
プロト・i 行動不能
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戦闘が終わり参加者が一息ついた。中尉は早速プロト・iの入手経緯を山野博士に説明する。
「なるほど、オメガダインか」
「基本的にファイアスウィーツのLBXはオメガダインから供給されていた。今後はどうなるか分からないが」
「ジェラート中尉、もしよろしければなのですが、ガーダインが宇宙に行く事があったらプロト・iを少々融通してくれないでしょうか?」
「よしいいだろう。もし逃がす事があれば予備機なら三機程融通しよう。無論ガーダインはここで捕まえる」
「ありがとうございます」
「なら俺達は二手に別れよう。片方は人工衛星のコントロールセンター、もう片方はロケット打ち上げ施設でどうだ?」
「うむ。君達を頼りにしている。だがサンフランシスコの用な武装勢力が来たなら直ぐに避難すること。それが私から付ける条件だ」
念を押される。確かに俺達は対LBX戦の専門家だ。対人戦は出来ないだろう