個性が「穢土転生」な件   作:ボリビア

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パズドラに飽き始めている…



暇が毒な件

 おっと、不味い思考だこれは。

 原作について考えると、つい『普通の個性持ちに対する感情』が沸いてきてしまう。

 彼らは優秀な個性持ちで使いこなしている為、純粋に欲しいと思ってしまう。

 普段は情報をシャットアウトしたり、文章で読む事で抑えているけど、原作については大好きな作品であった分、鮮明にイメージしてしまう。

 正直、ステインの個性だって羨ましい。

 キャスターの角が生えるだけの個性も羨ましい。

 彼らが欲しい。

 ああ、ダメだ、ダメだ、考えるな。

 最近、カウンセリングも効果があるように思えない。

 寝ているときも、夢をみてしまう。

 ある意味一番効果があるのは仕事だ。

 個性を使えるし、原作知識を生かすために資料の分析やまとめに集中しているのが一番楽になる。

 今は皮肉な事に、仕事をしたら仕事を取られたのでそれがない。

 ああ、早く事件が起きてほしい。

 

 

 願いが叶ったのか、一週間後テレビでステイン逮捕の速報が流れていた。

 原作通りに、ステインの叫びと敵連合も放映されてしまった。

 原作と違うのは、逮捕者がインゲニウムとエンデヴァーになっていた事だ。

 どうやら、インゲニウムは重傷を負ったが再起不能になっておらず怪我を押してステイン確保に動いたらしい。

 速報を見ているとホークスから連絡が来た。

 仕事に復帰できるらしい。

 今回の事件で被害が抑えられたのは、ステインの個性が判明していたためで、お陰で一人のヒーローが再起不能に為らなかった結果は俺の功績となった。

 公安委員会も今回の一件で俺の個性以外の価値を認め、個性だけの人形にすべきと主張する連中を黙らせるのに充分だったみたいだ。

 

 今回の仕事というか役目は個性ではなく意見を聞きたいらしい。

 ホークスもいつもの施設で会い、幾つかの資料を渡される。

 一つはAFOについて、オールマイトからの証言も含め、その所業や現在の状態を推測した資料。

 後は、ブローカー等の裏社会の金や資材の流れについてである。

「AFOの育成についての更なる考察と敵連合の扉間君なりの動きの予想を聞きたい。」

 

 資料を眺めながら、何処まで話すか考える。

 AFOの教育方針についての他の公安の考察も乗っているからまずはここからかな。

 

「AFOについてですが、色々と教育関連の資料を見て考えたのですが、どのような分野であれ教育の理想的な形は自立です。なので、敵連合に対して直接指揮を取るようにはせず、アドバイザー的な立ち位置で活動し最終的には死柄木の元を離れると思います。」

 公安も馬鹿ではない、此処までは資料でも候補の一つとしてあげている。

「…離れるという点について具体的な考えは?」

 離れる事に関しては具体的な考察はされていない。

 

「行方を眩ます場合は、恐らく死柄木は捨てられたと感じるので違います。死亡も復讐という短絡的な発想になるのでこれも違います。なので、居場所が分かって生存が確認出来て手が出せない場所が理想的です。」

 

「…わざと捕まるって事か。」

 

「捕まるにしても、恐らく全力で暴れるでしょう。理想としてはかなりの被害を出してオールマイトと全力で戦って致命傷を与えて敗北する。これなら市民に敵連合の恐怖を刻み、社会に不安を与える事も出来ます。もしオールマイトも退場したならAFOを失った敵連合が力を蓄える時間もかなり稼げます。」

 

 AFOの原作での展開を最悪の予想として伝える。教育という根拠から考えれば一番現実的な予想として。

 

「それと、敵連合ですが此れから数を増やすと思います。USJを襲った時のチンピラ連中ではなく、本物の敵が加わると思います。

 ステインの最後のセリフ、あれが致命的です。

 ステインが逮捕された今、ステインという実力者であり、信念を持つ人間が加入した敵連合はステインの意思を継ぐ輩や、単純に暴れたい輩が集まるでしょう。

 実際、もらった資料にも何人かのブローカーの動きが活発になっています。

 そして、集めた敵を選別するために何か事件を起こす可能性も高いと思います。」

 

 さっきの考察をあわせて考えればAFOは死柄木をサポートする幹部を集めているようにも見えるだろう。

 ホークスも今の考察を聞いて深く考えている。

 

「敵連合の流れやAFOの考えについては分かった。後、一つ聞きたいのは、AFOの後継という形について考察を聞きたい。」

 

 ホークスの方から聞かれるとは思わなかった。流石速すぎるヒーローと言うべきか、今ある情報で此処までは予想するのか。

 

「…俺は遺伝子学とかの教授じゃないんで完全な素人考えによる妄想ですが、AFOの個性である『個性を奪い与える個性』と脳無の複数の遺伝子が混ざりあっているという事実から、AFOの個性を死柄木に移す事だと考えています。

 殻木が協力者であるなら、個性因子の培養は容易でしょうし、AFOの遺伝子を死柄木に定着させれば死柄木は崩壊の個性と合わせて最恐の存在になります。

 脳無はその実験の副産物で、もしかしたら、脳無の身体能力は素でオールマイト並みとUSJ事件の報告であるので、身体能力も身につける可能性があります。

 直ぐに行わないのは、精神面の成長を待っているからでしょう。」

 

 原作でのAFO逮捕後の流れを妄想として伝える。殻木が協力者である可能性は非常に高いが、まだ可能性の段階だし他人の遺伝子を植え付けて安定する技術や人体の出力を改造する技術なんて信じろというのが難しい。

 個人的にはさっさと殻木の地下室を潰したいが、地下室には恐らくAFOがいるから今襲えば、反撃にあい今度こそ行方を眩ます。

 ベストはAFO逮捕直後に襲撃だが、それまでに証拠が揃うだろか。

 恐らく、死柄木とAFOは敵連合が活動にヒーローの注意を逸らして地下で研究を進めている段階だろう。

 研究に目処がついたらAFOは捕まるために行動を起こすがそれまで影も形も見せない。

 病院に送り込んだ公安が成果を出せれば良いが。




今回は長め。

頭の中で着地点が見えてきた気がします。

明日と明後日はポケモンGoが忙しいので更新ないかもしれません。
もしくはコンパスの新コラボで発狂してるかもしれません。

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