個性が「穢土転生」な件   作:ボリビア

17 / 73
日刊ランキング7位!!!!

嬉しい!
書かねば!!


確認な件

 あれから家へと帰り、部屋で穢土転生体テレポンを呼び出し色々と試していく、

 動物の時のように、念じれば自動で動くし五感の共有も問題なく行える。

 五感を共有して操れば、自分の手足の様に動かせる。

 不死性も小さな傷なら数秒、腕を落としても数分で戻るし、五感を共有した感じ、痛覚もない。

 さて、問題は個性の方だ、取り敢えず部屋の端にマーキングを施してもらい、個性を発動するように命じる。

 すると、テレポンは一瞬で部屋の端に移動した。

 よし、個性も問題なく使える。

 後は個性の制限についてだが、手のひらのマークは直径3cm位で、完璧に貼り付けなければ機能しない。

 筒状の物は握る事でマーキング出来るみたいで、重要なのはマーキングする面積らしい、なので俺の首についたチョーカーは外す事は出来ない。

 チョーカーは細く、マーキング出来るほどの面積がないし、握るのも首にフィットしてるので不可能だ。

 だから公安委員会もテレポンを寄越したのだ。

 

 

 久々に、警察から協力要請があったので、いつもの施設の地下で個性を使う。

 その時に穢土転生を穢土転生体越しに使う事は可能なのか試してみたが、流石に出来なかった。

 契約した穢土転生体を呼び出すのは可能だろうが、今はテレポン一体しかいないので試せないし、仮にいてもホークスの前では行わない。

 爆弾を付けられた身だ、手札は隠したくなる。

 いつもの、尋問が終わって穢土転生を解除した後に、ホークスに自我を解放して良いか尋ねた。

 一応守ってもらう身だ、自我があった方が護衛としては使いやすいだろう。

 ホークスは安全確保の為に動きを縛る事を条件に許可してくれた。

 穢土転生の欠点の一つに術者より強いと縛りに逆らえるが、一応自我を縛れるし大丈夫だろう。

 ホークスがテレポンの周囲に剛翼を展開して、自我の縛りを解除する。

 

 縛りを解いた途端、無表情だった顔に生気のような顔つきになった。

 

「…ここは、何処ですか?確か自分は死んだはずなんですが!?」

 

「はじめまして、テレポン。俺は千手扉間、俺の個性であんたを蘇らせた。ここは公安委員会の施設で隣にいるのは現役ヒーローのホークスで俺の上司。」

 

「蘇り!?公安!?ホークスってあの速すぎる男!?」

 

 驚いている所に情報を与えるのは悪手だが、此方に注意を向けてもらいたいし、後は思考が読めるか試してみたい。

 

(えっ!えっ!蘇り!?あり得るの!?いやワープもあるなら蘇りもあり得る!?私の個性すごい!?)

 

 念じたら覗けたが、殆ど口に出した事と同じで裏表がある感じではなさそうだ、ついでに此方の思考を送ってみる。

 

(ファミチキください。)

 

「ファミチキ!?えっ今のだれ!?」

 

 こいつ馬鹿だ。

 ホークスも少し呆れている。

 取り敢えず、此方の情報と現在のテレポンの役割を情報を整理するまで黙るように念じて送る。

 

 …口を開くのに十分またされるとは思わなかった。

 

「…取り敢えず、私の今の状態や役目についてはわかりました。

 少年、難儀な個性を抱えましたね。」

 

 驚いた、自分の状態について罵倒されるかと覚悟していたが、まさか、同情されるとは思わなかった。

 動揺して、縛りを緩めてしまう位には。

 テレポンは動けるようになった途端に、抱きついてきた。

 ホークスは咄嗟に剛翼を彼女に突き刺すがお構いなしに、抱きついて頭を撫でてくる。

 …これが、ヒーローか。

 

 塵で出来たひび割れた体で熱もないはずなのに温かった。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。