個性が「穢土転生」な件   作:ボリビア

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初投稿です。
序章的な感じです。
全体は後で調整します。

7/15
文章が短いと指摘を受けたので、1話と2話を繋げて加筆修正しました。


本編
転生した件


 自分がヒロアカの世界に転生した転生者である事を思い出したのは4才の誕生日の時だ。前世と言っても、前世の自分に関する事は殆どぼんやりとしていて、記憶というより知識を思い出したという感覚だ。

 

 現在の自分の名前は、千手 扉間という。名前を見てピンと来た人もいると思うが、NARUTOに出てくる卑劣様と呼ばれるキャラクターだ。見た目もあの姿を子供にした感じで、目は細く鋭い一重で髪は白いまんま卑劣様と言った感じである。

 余談であるが、一人息子なので兄者はいない。正直あっちの方が好きなので残念である。

 

 さてさて、ヒロアカの世界のお約束で名は体を表すというか名は個性を示す傾向にある。

 その考えで行くと、自分が目覚める個性は「千手扉間っぽい事が出来る個性」になる可能性が高い。いや、両親が無個性である事から無個性の可能性もある。

 前者であれば当たり個性であろう。火影クラスの忍っぽい事が出来るなら、将来は安泰である。ヒーローとして活躍出来る神個性だ。

 逆に無個性なら原作最初の主人公みたいに、人生ハードモードである。

 個性は遺伝するのであれば自分は無個性であるが、転生者でこの容姿で無個性とか詐欺だと思うし、突然変異で個性持ちになるであろうというメタ的な憶測もある。

 両親も突然変異による個性の発現、あるいは先祖帰りの個性の発現を少し期待してるらしい。

 

 個性社会となってから、無個性への潜在的な差別は存在する。優れた個性を持つ人間が使えない個性持ちを下に見て、使えない個性持ちは無個性を下に見るという、階層構造の様な差別意識は存在し、両親は苦労したらしい。

 逆に言えばどんな個性でもあるだけ無個性よりマシに生きられるのだ。

 

 さてさて、色々と語った所で、自分、千手扉間は現在病院にて個性検査の結果待ちで母と長椅子に座っている。

 個性は4才迄に発現するということだが、前世を思い出す前も後も個性を発現したという自覚はない。千手扉間なのだから何か印を結べば発動すると思い、影分身の印を結んだがウンともスンとも言わないし、壁を登ったりとかの忍者ぽい事も出来ない。

 条件付で発動する個性かも知れないので、そもそもの個性因子があるかを検査する為に病院で遺伝子を調べてもらう事になったのである。

 検査の為の採血は一週間前に行ったので今日は結果を聞くだけである。

 

「扉間、個性が無くても大丈夫よ。」

 

 黙って座っていたら、落ち込んでると思われたのか、母さんに頭を撫でながら慰められる。

 母さんも父さんも良い人で、毎日愛されている事を実感できる。

 転生者というメタ視点的には個性があると思うが、別に無くとも、今の両親がいれば大丈夫だと安心感が持てる。

 個性を使ってみたいという欲はあるが、ヒーローに成りたいという意思は薄い。

 少なくとも両親への孝行に個性は関係ないと思う。

 

「大丈夫だよ、母さん。あってもなくても頑張るから。」

 

 何を頑張るのかは分からない。けど、個性が無い事が頑張らない理由にはならない。

 母さんは笑って抱き締めてくれた。自分も抱き返しぬくもりを感じていると、診察室へと呼ばれた。

 

「先に結論から言うとね、千手さん、息子さんに個性因子はありますよ。」

 

 診察室に通されて、まず始めに医者は結果を伝えてきた。

 個性因子がある。

 つまり、この体には個性が確かに宿っていると言うことだ。母はその知らせを聞いた瞬間に、目に涙を浮かべて抱きついてきた。

 

「よかったねぇ…よかったねぇ…!」

 

 無個性ではない。この事実だけで自分達よりは生活がしやすくなる。それだけで母さんは嬉しそうだった。

 母さんが落ち着いてから、医者が詳しい説明を始める。

 

「扉間君の詳しい個性についてですが、恐らく条件を満たす事で発動するタイプでしょう。事前の身体検査で異形系の特徴もない、問診でも五感の変化はない、血液検査も個性由来の物質は確認されませんでした。個性活性剤の投与でも血液に、変化は起きませんでしたが個性因子の活発化が確認できたので、条件を満たした上で特定の物質に作用する個性かもしれません。」

 

 条件を満たす事で発動する個性、原作知識を例に考えると、ヴィラン連合のボスの死柄木弔の初期の個性『五指で触れた相手を壊す』の様な条件の事だろうか。

 あれは、本人が無意識的にセーブした状態だから厳密には違うが。

 

「扉間君の個性ですが、所謂、先祖帰りの可能性があるので直系の血縁者の個性方面から調べていく事をおすすめします。」

 

 検査結果を聞いた後、母は帰り道にお祝いとして、フルーツ盛りだくさんのケーキを買ってくれた。

 家に帰り、ケーキを食べていると、母さんは父への報告と、早速血縁者の個性を調べる為に祖父母に連絡を始めた。

 ケーキを味わいながら自分の個性について考える。

 条件付きの個性と聞いて、心当たりがある。

 始めに思ったのが自分の個性とは一つの忍術が個性になるのではないか、と言うことだ。

 恐らく忍術が個性に置き換わっていると仮定すると、印等は簡略されると予想を付けて、扉間様が使える忍術で条件付きの忍術を思い出す。

 一つは、飛雷神の術、これは発動にマーキングが必要で、扉間様が開発した忍術で本人も使いこなしていたので候補ではあるが、この術の一番の使い手といえば、四代目なので可能性は薄い。

 次に、四赤陽陣、これは四人揃わなければ出来ないので条件付きの個性になりそうである。この忍術が元であれば、地面に手を当てる事で結界を張る個性になりそうである。

 ぶっちゃけ、原作で似た個性というかまんまな個性が有るためメタ的に可能性は低い。

 

 2つの忍術についての考察は現実逃避である。

 条件付きの忍術で千手扉間を代表する忍術なんて一つしかない。卑劣様の由縁であり、恐らくNARUTO史上最も外道な忍術である術。

 

 穢土転生である。

 

 正直外れて欲しい予測である。この術は生きた人間を生け贄に死んだ人間を塵で出来た不死身の人間として蘇らす。しかもこの術は術者にとってデメリットは存在せず、必要なのは死者の遺伝子情報だけという倫理を無視すれば大変便利な術で、敵味方問わず批判された。

 この術が個性という事は没個性、いや、禁止個性だ。生者を生け贄に不死の死者を生み出す個性なんてバレたらどんな目に遭うか分からないし、ヒーロー向きとかそんなレベルではない。

 何より、AFOに奪われたら原作崩壊なんてレベルではなくヤバい。オールマイトに先代の穢土転生体をぶつけて遊ぶに決まっているし、一般人を穢土転生して人間爆弾とか平気で行って嘲笑う姿が目に浮かぶ。それにAFOはたくさんの個性因子、即ち遺伝子情報も持っているため、単純に兵力増大という意味でヤバい。

 

 自分の将来について遠い目をしていると、母が此方を向いているのに気づいた。恐らく、父方か母方の祖父母から、可能性のある個性を聞いたのだろう。

 そしてその個性が喜ばしいものでなかったのだろう。母の顔が少し強ばっている。

 どんな個性でもあれば良いと考えている母を強張らせるのだ。聞いた個性はろくでもない可能性が高い。

 自分の個性についての予想が外れている事を願って、血縁者の個性について聞いてみる。

 

「かあさん、個性について何か分かったの?」

 

 母さんは此方をじっと見つめて言いづらそうに告げた。

 

「…お父さんの曾祖母がね、『死者を憑依させる』個性を持っていたんだって。」

 

 個性、穢土転生で確定ぽい。




一話と二話まとめて加筆修正しました。
問題なければ、全部修正します。
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