「簡単に諦めないでほしいな。」
衝撃が来ない、その代わり誰かに抱えられている感覚と浮遊感、そして何時もの軽い声。
目を開けて確認すると間下にギガントマキア、そして見上げると。
「ホークス!家族は!?」
「君の両親は俺個人の安全な所に預けた、取り敢えず逃げるよ!」
ホークスが加速し一気にギガントマキアから距離を取る。
俺は加速の風圧で目を閉じてしまう。
このまま逃げられれば良いが奴は鼻が効く、すぐに振り返り此方に向かってくるのが遠ざかる破壊音で分かる。
「よし、取り敢えずここまで逃げれば大丈夫。」
浮遊感がなくなりホークスに下ろされた、辺りを見渡すとまだ施設内なのが分かる。
「ここは?」
「特別収用室、この施設で一番頑丈な場所。」
「…俺をここで殺す気ですか。」
「いや違う違う!ここに来たのは闘う為だよ、取り敢えず首失礼。」
ホークスが武器として使っている剛翼を俺に向けて一閃し、ポトリと首輪が外れた。
外して大丈夫なのか?
「大丈夫大丈夫、それダミーだし、今は緊急事態だから事故で外れたみたいなもんだよ、二度と付けさせないから安心して、取り敢えず奥へ進むよ。」
さらっと重大な事を言ってくれたが、今は緊急事態、後で聞こう。
ホークスと並んで収用室の奥へと走る。
飛んだ方が合理的かと思ったが羽が半分ない、恐らくギガントマキアの足止めに使ったのだろう。
そういえばテレポンは何処行った、指示してから全ての制限は解除した為、念じても場所がわからない。
「彼女は少しお使いを頼んだ、そろそ「ホークス!言われた物、持ってきましたよ!」
人のセリフに被せるようにしてアタッシュケースを片手にテレポンが飛んできた。
「よし、扉間君はステイン事件の時に現れた脳無の事を覚えている?あれが今向かっている場所にいる。」
「…良いんですかそれ?」
ホークスのセリフから何をしようとしているか把握できた、だかソレは…
「守ると言ってこのザマだし、俺の上司は許可している。」
「お?仲間増えるんですか?良いですね~、戦隊組んじゃいますか!」
「因みにここの情報漏らしたの公安委員会の人間らしいんですが?」
「少なくとも俺の上司ではないよ、そんな人なら着いていかないし。」
「あれ?無視ですか?ちょっとさっきのジョークはないかな~と思ってますが。」
うるさいテレポン、今はシリアスなんだ。
目の前の扉が見えてきた所で、後ろから破壊音が聞こえた。
「まじかよ、あの扉オールマイトでも10分持つって聞いてたのに、取り敢えず中へ!」
ここまでの通路は一直線だから障害はないし、地下なので崩落の危険がある。
中へ入ると、そこには拘束された脳無が三体いた。
「個性使ったらすぐに上に飛んでもらう!」
「今さら何ですが、蘇らせる対象は大丈夫なんですかね?」
「そこは実力も人格も保証するよ!」
「なら遠慮なく!」
生け贄の脳無に関しては、特に罪悪感もない。
渡されたアタッシュケースの中身を取り出して個性を連続で発動させていく。
三つの塵の棺にテレポンがマーキングを施して俺達は一気に地上に飛んだ。
短いですがここまで!
次回登場させるヒーローが思い付かない訳じゃないんだからね!
今の所候補が出来たけどマキアに勝てるビジョンが思いつかない…
因みに、ホークスは自分の羽何本かに事前にマーキングを施させており緊急事態用に必要な場所に羽を置いてテレポンを活用出来るようにしています。