先陣を切ったのはグラディエーターだった。
ここで改めてグラディエーターの戦闘スタイルについて話そうと思う。
グラディエーターの個性『加重』は自身の体重を自由に操作出来、最低は0kgから上限は天井しらず。
欠点というか注意すべき点は、あくまで体重の操作のみ行う為、重すぎれば筋力が足りず動けなくなるし、軽すぎれば筋力に振り回される事になる。
普通に考えれば、鈍足パワースタイルとスピードタイプとを切り替えて戦うのが普通だろう。
たがグラディエーターは違った。
黎明期末期の凶悪な敵達を瞬時に鎮圧するためにより速く、より重い一撃を求めた。
より強くなる為に瞬間的な体重操作を極め、0から1tに瞬時に切り替われるように個性を極めた。
結果、インパクトの瞬間に加重するという技を編み出した。
例え話として、同じ大きさで同じ固さの重いボールと軽いボールがあるとしよう。
簡単に速く投げれるのは勿論軽いボールだが、威力があるのは重いボールである。
もし、軽いボールが相手に当たる瞬間に重くなったらどうなるか。
それは軽いボールの速さで重いボールが飛んでくるのと同じ威力である。
グラディエーターはこれを無意識に行える域まで生前に鍛えた。
軽くて速い拳が相手を殴る瞬間だけ重くなる。
軽くて速い踏み込みが大地に触れる瞬間だけ重くして解除する。
その結果、見た目から想像出来ない速さで移動し、見た目から想像出来ない威力の拳が振るわれる。
勿論、作用反作用の法則上反動で手足に甚大なダメージが発生するため、生前は連発出来ない技だが今は関係ない。
分かりやすく説明するなら、常時縮地で迫る鉄塊だ。
なぜ改めて説明したのかというと、既に戦闘は終わっていたからだ。
高速で飛来する強固な外格を纏った鉄塊を受け止められる人間は此処には居なかった。
門の向こうで待機していた死穢八斎會の構成員を一瞬一撃で全員を昏倒させた。
「庭は片付いた。
ナイトアイ、隠し通路の案内を頼む。」
「…ああ、此方です。」
カロリ以外全員唖然としているが、先にいくぞとグラディエーターが促しナイトアイが動き出す。
ナイトアイに続いて、ファットガム、ミリオと続々動き出し、内部へと踏み込んでいく。
内部で待機していた構成員もグラディエーターが片付けていく。
「ここです、開けます」
ナイトアイが隠し扉を開いた途端構成員が襲ってきたがグラディエーターが鎮圧した。
隠し扉の先は行き止まりになっていた。
雄英生達がぶっ壊すと、通路全体が動き出す。
「ジュール、熱源は?」
「おう、小さくて高めの熱源を把握した。」
地下の気温は基本的に低い、カロリなら人の熱源、特に子供の熱源は探知しやすい。
俺を経由してカロリのイメージをグラディエーターに伝える。
これで、グラディエーターとカロリは壊理ちゃんの熱源を追う事が出来る。
通路が変形していくが、グラディエーターは粉砕することで無理矢理道を作り熱源へと進んでいく。
本来なら先行したミリオ以外を広間に落として処理するはずだが、グラディエーターを危険と判断したのか、先にグラディエーターを無力化しようとするが、それよりも速く壁を粉砕していく為追い付かない。
「大人サイズで高い温度、こいつだな。」
迷路を作っていた入中という男はかなり強いクスリを使い個性を強化していた、個性を強くするという事は細胞の活性化、つまり高温になる。
「指向吸熱<ハンドスティール>」
入中がいる方向に手をついたカロリ。
手のひらを向けた方向から熱を吸い出す事で、狙撃するように熱を奪い凍結させる。
カロリが入中らしき熱源を凍らした瞬間から壁の変化は止まった。
これで迷路化は防げた。
「通路に出たぞ、ナイトアイ確認してくれ。」
グラディエーターも通路にぶち当たったようで、道があってるかナイトアイに確認する。
「ええ、この道は予知で見た箇所です。」
道が正しいと分かり、グラディエーターはドンドン先行していく。
早くミリオに追い付かなくては。
グラディエーターの生前と今のヤバさを比較すると。
生きてる時
常にライト級チャンピオン並みの速さ×ヘビー級チャンピオン並みの重い拳
エドテン時
常時縮地レベルで移動する鉄塊
説明の物理法則が間違っててもスルーしてください。
言いたい事は要するに↑みたいな事です。
防御面に関しては雑に説明すると理不尽な消力(バキ参照)。
戦闘時のグラディエーターはターミネーターみたいな感じです冷静沈着に慈悲なき拳で鎮圧していきます。
一応鎧の耐久ギリギリまで押さえてこれです。
カロリが活躍出来ていない…
というか、戦闘シーン書くといって一行で終わったのだわ。
サーが自分が死ぬ予知って何処で見たっけ?