『敵連合と例のテロリスト集団、潜入するならどっちが良いと思う?』
最近、ホークスが前置きもなく本題に入るようになった。
信頼の証なんだろうか、今回も電話に出るなりぶっこんできた。
「…テロリスト集団だと思いますよ。
敵連合はパトロンも仲間も失って頼る相手がいない、それに殻木逮捕も知っているだろうし、ヒーロー側が敵連合に先がないと思っている事を向こうは知ってる可能性が高いです。
潜入するなら手土産が必要かと。
テロリスト集団は潜入まで時間がかかるかも知れませんが、彼らの目的が革命とすると貴方の知名度を利用したいはずなので、重宝される可能性が高いです。」
正直、敵連合にスパイするメリットはないと思う。
AFOの思惑は先回りして潰してあるし、彼ら自体の戦力は十分に危険だが全容はほぼ把握されてる。
それに、仲間が減ったからか、目撃情報も少なくなっている。
一瞬罠かと警戒したが、彼らの起こしたと思われる事件は起きてないので、より深く潜伏している可能性が高い。
テロリスト集団、もとい異能解放軍への潜入はホークスなら簡単だと踏んでいる。
今は本が出回ってるし、恐らくヒーローに対するスカウトマンが既にいるはず。
現役ヒーローが異能解放を支持していると分かれば、構成員の士気向上、革命後の一般層への受けが良くなる。
人気が高ければ高いほど価値は上がるはずだ。
「というか、専門外の俺に聞く時点で答え出てますよね?」
『まあね、扉間君の案で警戒レベルを上げて調べたら、扉間君の読み通りかなりデカイ組織って事が分かってね。
今の敵連合よりこっちが重要じゃないかって話になってね。
テロリストの方に回る事になった。』
確かに、現在の状況でホークスの能力を生かすなら異能解放軍の内偵をしてもらった方が良いだろう。
「危険ですよ?」
正直、ホークスの背中が焼かれる未来はごめんだ。
『承知の上。』
「なら俺から言う事は死なないで下さい以外に特にないです。
後、敵連合は此方で追い詰めます。」
『じゃ、これから連絡出来なくなる。
手伝いが欲しくなったら別の手段で連絡する。』
通話が終わる。
ホークスはスパイとして異能解放軍に潜り込むだろう。
もしかしたら泥花町で敵連合を迎え討つかもしれない。
その前に敵連合を捕まえる必要がある。
改めて、敵連合の最近の目撃情報を地図上で確認する。
基本的に、目撃されやすいのはトカゲ、次に勧誘に動いている荼毘だ。
死柄木はオーラというか全身から敵オーラ出してるし、コンプレスは素の顔も仮面も割れているしボロボロの義手は目立つだろう。
最近の目撃情報はほぼ荼毘に集中している。
荼毘が目撃された近くで焼死体が見つかってる場合が多い事から本物と考えて良いだろう。
他の三人についてはヒーローが何回か潜伏場所と思われる場所に踏み込んだが、ギリギリ逃げられている。
敵連合は荼毘の目撃情報や潜伏場所の位置から一直線に北上している。
北海道なら土地もあり、人も少ない。潜伏にはもってこいだ。
それに、北海道には二番目の規模の刑務所がある。
警戒レベルは上がっているが、警備の質はタルタロスに数段劣る。
死柄木とコンプレスの二人なら潜入も破壊も可能だろう。
流石に北海道襲撃なんて安直かと思ったが、時期的に今の北海道は人が少ないし、ヒーローや警察は雪で増援は望めない。
敵からしたらある意味理想の潜伏場所だ。
「テレポン北海道は好きか?」
「蟹!ウニ!味噌ラーメン!」
というわけで、こっから北海道編!
冬の北海道という誰が行きたがるのかちょっと不思議な場所に移ります!
オリジナルエピソードなので無理そうなら早めにかたします。