冬の北海道は寒くて白かった。
説得から1週間、俺は今、網走監獄からくる迎えを網走駅で待っている。
北海道へ行くよりも北海道内の方が移動に時間がかかるとは思わなかった。
設定としては、警察官僚の息子の大学生が卒業研究の取材の為、コネで網走監獄に暫く滞在するという設定になっている。
変装として一応メガネをかけている。
取り敢えず、テレポンは北海道に用意した拠点で待機させて三人は口寄せを解除して呼び出せる状態で連れてきている。
「寒すぎる…」
吐いた息が白を通り越してなんかキラキラしてる。
体感的には最新の防寒着を着たお陰で、真冬の関東並みには寒さが軽減してる気がする。
最新の防寒インナー、売り文句が『冬でも春気分!』だったんだが北海道の冬には負けるようだ。
本当に敵連合は来るのかと一瞬考えてしまうほどの寒さだ。
しかし、この疑念は余裕があるから沸く疑問だ。敵連合には選択肢はない。
それに、移動中の新たな目撃情報から既に北海道入りしてると考えて良さそうだ。
それに、死柄木ならこの寒さで笑って進軍してる気がする。奴は楽しくて仕方ないのだ、自分で考えて実行し、今を楽しむことが。
困難に対して笑うのはヒーローの素質ある気がするが、まぁどうでもいい。
「にしても遅いな…。」
迎えの車が中々来ない、既に約束の時間から30分経っている。
一応ここ最近は晴れ間が続いているし、道も整備されてるはず、それに迎えにくる人間は刑務官だ。
時間を守らないとは思えないし、遅れてくるなら連絡があっても良いはずだ。
此方から連絡をしてみるか。
prrrrr…prrrrr…prrrrr…prrrrr………
(出ない…)
どうやら最悪を疑うべきなようだ。
駅から離れて、人気がない場所で懐から棒手裏剣を取り出し地面に放る。
(テレポン、緊急事態だから来てくれ。)
(モガ!?了解です!)
棒手裏剣と入れ替わりにテレポンが現れる。
蟹の脚は見なかった事にしよう。
「監獄からの迎えが来ないし、連絡も繋がらない。
急ぐ必要がありそうだ。」
「既に襲撃されている可能性がありますね。
わかりました、手筈通りに先行しますので後から来てください。」
テレポンは懐から、銃を取り出して監獄のある方向に射出する。
あの銃は、特別製でマーキング出来るギリギリの大きさの玉を打ち出すテレポン専用のアイテムだ。
1kmは飛ぶから、個性を使用すれば長距離移動が可能になる。
テレポンが移動を開始したので、一応公安に警戒の連絡を取りPlus Ultraを呼び出して今の状況を伝える。
「懸念が当たってしまうとは!」
「まだ、ヒューマンエラーの可能性もありますけどね。
一応迎えが来たとき用に棒手裏剣とネコを駅に置いていきます。」
人間はミスをする生き物だ、複数のミスが重なっただけの可能性もある。
どちらにしろ最悪を考えて動くべきだろう、ヒューマンエラーなら笑い話になるだけで、これで本当に襲撃があって動かなければマヌケも良いところだ。
「よし、では我々も向かうとしよう!」
Plus Ultraに抱えられながら雪原を進む。
大体、4km位だしテレポンは既に監獄についているだろう。
(テレポン、状況は?)
(事前に聞いた話では入り口に二名、塀の上にも警備がいるはずですが見当たりません。
周辺も調べましたが、戦闘の形跡はありません。
監獄へ向かう足跡が数名、出ていく足跡はありません。
侵入者はまだ中にいる可能性が高いですね。)
テレポンの視覚を覗いて確認したが、確かに警備はいないが争った形跡もない。
敵連合の仕業なら、壁の一つや二つ崩れているか、抉られていると思ったが。
(まさか、別の組織か?)
どちらにせよ、網走監獄が非常事態になってる事は確定だ。
網走監獄は地上1階、地下13階の地下に伸びる監獄だ。
1階と地下6階は医療室や監視室、作業部屋や運動場になっており、それ以外全てが牢になっている。
基本的に凶悪犯であればあるほど地下に収容される。
殆どの受刑者が知的犯罪で捕まった者ばかりだが、地下深くには殺人を犯した敵や組織の親玉等もいる。
他の組織だとしたら、組織の会計係や金庫番も此処に収容されているから、そちらが目的というのもあり得ない話ではない。
襲撃者が何者か分からないが、戦力確保、あるいは仲間を助けに来たのなら恐らく地下にいるはずだ。
(内部に先行しますか?)
(いや、俺達が揃うまで待機だ。
それに彼を呼ぶ。)
一応秘密兵器も用意したが、早速使う事になるとはな。
話は北海道に向かうことを上司に説得していた時に遡る。
『貴方の意見は分かりました。
確かに、敵連合が向かう可能性は高いという分析結果もあります。
拠点の場所については報告する義務はありません。
それと網走監獄に貴方一人が向かう事で此方の動きを悟らせない事も理解できます。
危険は十分承知なのですね?』
「まだ未成年ですが、俺は公安の一人です。」
『ホークスがいたら全力で止めていたでしょうね。
分かりました、貴方の北海道行きを条件付きで許可します。』
「条件とは。」
『貴方の現在の戦力は対AFO戦を想定した者で今回の作戦には不向きな者が多いでしょう。
なので室内戦に向いた人間を一人此方で用意するので同意の元に活動を共にしてください。』
この場合というか、俺に言う場合の人の用意とは、穢土転生を意味する。
室内戦に関しては、カロリとテレポン以外は確かに難しいだろう。
監獄の構造上グラディエーターは加重による威力を十分に発揮出来ないし、Plus Ultraはやれなくはないが体格的に少し難しい。
『素材には捕らえた脳無を使用するので、罪悪感を感じる必要はありません。
それと用意する人材はヒーローではありませんが彼等に匹敵する人格と強さを兼ね備えている事は保証します。』
元々というか初めから罪悪感がない事は黙っておこう。
それよりヒーローではないとはどういう事だろう。
『それに、今回の監獄という点に置いても有効だと思いますよ。』
というわけで新メンバーが次回!
SwitchでるffccってDSの奴じゃないのね。
DSのffccの奴は神ゲーだった記憶。
主人公がスープの味分かんなくなったりしていくの今でも覚えてる。