主人公がこれだよこれ!って感じにドンピシャだったし楽しいなぁ、おい!
正直言うと今回の状況には一つ奇妙な点がある。
まず始めに死体が転がっていない事。
いくら囚人とはいえ敵連合に黙って従うとは思えないし、見せしめの死体があってもおかしくないと覚悟していたが、死体が無い。
囚人達も怯えているようには見えず、寧ろ嬉々として襲いかかってきた。
監守長の個性でないとしたら副長の個性が原因なのだろうか?
いや、此処まで来て考える疑問でもないか。
この扉を開ければ答えが分かるはずだ。
(今の敵連合で一番我々が警戒すべきはコンプレスです。)
奴の個性は封印タイプ、原作同様に封印が唯一の穢土転生への対抗手段だ。
既にカロリの個性で中の人数と配置は分かっている。
「よし、ではワシが扉を破り、先頭を走る!
監獄長は全体を分断しつつコンプレスの確保に集中!
カロリ君は荼毘、テレポン君は監守達の保護を頼む!」
Plus Ultraの指示に全員が同意を示して突入する。
扉を破った瞬間、青い炎が視界を染める。
荼毘の先制だろうが、四人には効かない。
火達磨になりながら突っ込んでいくPlus Ultraとその後ろから監獄長は鎖を放出し、死柄木とトカゲ君、コンプレス、荼毘、監守長達を分断するように鎖の壁を作る。
その鎖の隙間を縫うようにテレポンとカロリがそれぞれの役割を果たす為に進む。
コンプレスの姿はPlus Ultraの視界を見せているため、問題なく捉えている。
一瞬コンプレスを拘束したが、直ぐに圧縮によって鎖を千切られる。
だが、その一瞬でも体力は吸収される。
「お前ら、やベーぞ!
この鎖体力を吸いやがる!」
コンプレスが全員に情報を共有しようと声を上げるが、反応はない。
死柄木とトガケはPlus Ultraと向き合い、荼毘はカロリ、テレポンは監守長と副長に猛攻を仕掛ける。
監守長や副長の前にはずらりと監守達が並んで待ち構えている。
監守長は個性を使い、迫るテレポンの動きを止めようとするが、テレポンの聴覚は一時的に閉じている為止まらずに個性が効かない。
監守達の間に棒手裏剣を投げて、位置を入れ替わることであっという間に監守長の前に迫り蹴りを放つ。
蹴りを加えたテレポンに対して監守達が一斉に攻撃を仕掛けるが、既にテレポンは其処にはいない。
「動きが単調、どうやら洗脳ではなく直接操られているようですね。」
蹴りと同時に真上に投げていた棒手裏剣と入れ替わり、再び棒手裏剣を副長の後ろへと投げて入れ替わり、当て身を喰らわす。
副長が気絶すると同時に監守達も糸が切れた様に一斉に倒れ出す。
「取り敢えず、監守達を地上に送ってサポートに回りますね。」
テレポンが監守達を無力化するのと同時にカロリと荼毘の対決も終わった。
室内、そして地下という環境は荼毘にとって相性が悪い。
そして荼毘は自身の炎が熱すぎて圧縮放出による高速移動や攻撃が行えない。
炎をカロリに放出してもカロリは熱を吸うことで無力化し、荼毘へと接近戦を仕掛ける。
荼毘も相性が悪いと分かったのか逃げようとするも鎖がそれを阻む。
「ほい、タッチ。」
カロリが荼毘に触れた瞬間、荼毘は沈黙した。
監獄長は既にコンプレス、監守長、副長、荼毘の全員を捕獲し、今は死柄木とPlus Ultraを閉じ込める事に注視している。
因みに既にトカゲはノックアウトされ、捕獲されている。
Plus Ultraと死柄木の戦いはまだ続いている。
分断した後に、Plus Ultraは一撃で鎖の壁に叩きつけて鎮圧しようとしたが、トカゲ君が死柄木を庇う事で失敗した。
その後、何度もラッシュを仕掛けるが死柄木はかすりながらもギリギリ避け、鎖の壁も崩壊させる事で体力を吸われないように対応しながらPlus Ultraから逃げ回っている。
(むぅ、此処までの身のこなしとは!)
死柄木の厄介な体質というか、人としての本能というか追い詰められる程に成長していく。
笑いながら、ボロボロなくせに、身のこなしは原作でもみせた猫の様な動きを見せている。
(むっ!)
Plus Ultraの脇腹に一瞬手が触れる。
それだけでPlus Ultraの脇腹が崩れ落ちる。
「おいおい、なんだぁその体は?」
不味い、死柄木に塵の体がバレた。
此方が不死と悟られれば最悪建物をぶっ壊して逃げる可能性もある。
(Plus Ultra、作戦変更で一度捕らえます。
テレポン、監獄長お願いします。)
この手は出来るだけしたくなかったがしょうがない。
鎖の檻の中からPlus Ultraがテレポンと入れ替わり、死柄木へと突っ込んでいく。
(マーキング完了しました!)
入れ替わった一瞬で死柄木に近付きマーキングと共に一撃を加えるテレポンは流石としか言いようがない。
「鎮圧独房」
テレポンは棒手裏剣と入れ替わり、鎖の檻の中は死柄木一人になると同時に監獄長が鎖を戻し締め上げる様に死柄木を捕らえて体力を吸い上げる。
「此方は体力を吸い付くした。」
(グラディエーターさん。)
(既に上へ投げた。)
グラディエーターの返事を聞いたテレポンが死柄木を外に飛ばす。
死柄木は気力で立ち上がる可能性がある。
此処で捕まえて万歳した瞬間に崩壊の個性が覚醒して建物全体を壊すなんて展開をさせない為にも死柄木を空中へと飛ばした。
空中なら崩壊の個性が発動しても意味がない。
死柄木に続いて四人と捕まえた敵連合、荷担した監守長達も地上に戻る。
地上に戻った四人が見上げる先には死柄木が宙を落下している。
見たところ覚醒しているようには見えない。
テレポンが監獄長から鎖を受け取り、落下する死柄木に合わせて棒手裏剣を投げ、死柄木と並列にテレポンが並ぶ。
(手首固定完了です!)
死柄木を抱えたテレポンが地上に戻る。
死柄木の両手は後ろ手に鎖で縛られており、もはや何も掴む事が出来ない。
更に、特別な樹脂で指だけスプレーする事で完全に無力化する。
この樹脂は対死柄木捕獲様に用意した物で、振りかけると一瞬でコーティングが固まり、解除することが出来ない。
死柄木の個性は五指で触れなければ発動しない。
一応、コーティングされるだけで普通に手を使う分には何も問題ない。
これで敵連合は全員逮捕出来た。
取り敢えず、上司に電話するか。
Prrrrr‥
「扉間です。
網走監獄にて敵連合及び彼等に荷担した者を捕らえる事が出来ました。」
『素晴らしい成果です。
既に護送車を手配してあるので、護衛としてカロリさんと黒鎖さんを警護に就けて護送をお願いします。
それと、ヒーローや警察がそちらに向かい始めているので、速やかに拠点に戻るように。』
「了解しました。」
オリジナルストーリー難しくて終わらせてしまったぜ。
というか、敵連合が彼処から逆転出来るシナリオは一個浮かんだけど、風呂敷の広がり方がやばくなりそうで止めました。
没だけどせっかく書いたので活動報告に投稿するね。