個性が「穢土転生」な件   作:ボリビア

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何か「出血押さえるためにきつめに縛ったら血が回ってないので糸抜きます。」とか言われたんじゃが?
何かこう、黒いんじゃが?


実践的な件

「強化合宿である!」

 

 知ってた。

 ということでバカンスは三日で終わった。

 今回は監獄長がいるので放出系の個性の対策が出来ると楽しそうに言ってくるPlus Ultraに少し殺意が湧いたのは秘密だ。

 

「今回は実践形式で基本的に訓練を積んでいく!

 多対一や、特殊な環境、可能な限りの環境を想定し戦っていくぞ!」

 

 基本的なルールとしては俺が時間内に逃げ切れるか、無力化すればオッケーでひたすら戦っていく。

 しかもカロリ以外は個性を使用してくるという超ハードモードだ。

 

「今回は長期間の滞在が予想されるので、徐々に制限時間を長くしていく!

 目標は一回でも20分逃げ切る事!

 まずは手始めにワシと浜辺で勝負だ!」

 

 浜辺には俺とPlus Ultra、審判役のテレポンしかいない。

 後の二人は別荘にて待機してテレポンの視界を共有することで、後からアドバイスを貰う事になっている。

 お互いに距離を開けて向かい合い、テレポンの合図を待つ。

 

「今回の制限時間は5分です、はじめ!」

 

「っ!」

 

 気が付いた時には視界一杯にPlus Ultraの右手が広がっていた。

 Plus Ultraは合図と共に一瞬で詰めてきたのだ。

 ギリギリの所で気付き、右に避ける。

 Plus Ultraの無力化は体格差を考えれば不可能。

 突きだした右腕をかわされたPlus Ultraが上体を捻って今度は左腕で裏拳を放ってくる。

 咄嗟に両腕でガードをするが、思いっきり吹き飛ばされてしまった。

 

「…防いでこれか。」

 

 ガードした両腕が痺れる、ある程度手を抜いてこの重さか。

 愚痴ってる場合ではない、Plus Ultraが突っ込んでくる事を予想して砂を蹴りあげて後ろに飛ぶ。

 

「むっ!」

 

 Plus Ultraが砂を被ってる隙に遮蔽物が多くある森へと逃げ込む。 

 浜辺で逃げ回るのは不可能、森なら遮蔽物もあるし足場も悪い、条件は此方も同じだが向こうの方が影響はでかいはず。

 森の中でPlus Ultraの視界から逃れる為に腰を低くして木々の間を走る。

 

「すぐに森へ逃げる点は誉めよう!

 だが、敵は環境破壊なぞ気にしない!」

 

 バキバキバキッ!

 

「は?」

 

 破壊音に振り替えるとPlus Ultraが木々をへし折りながら無理矢理此方に向かって来ている。

 

(敵に成りきり過ぎだろ…)

 

 Plus Ultraから逃げる為にスピードを上げたいが地面が不安定で走りにくい。

 既に真後ろまで破壊音は聞こえている。

 …あえて戻るか。

 目の前の木を踏みつけ反転しながら跳び、真後ろに迫っていたPlus Ultraの肩を足場に後ろへと駆け抜ける。

 

「おお、見事!」

 

 直ぐにPlus Ultraも反転し捉えようとするが、勢いを殺せず木々に体をぶつけている。

 その隙にPlus Ultraが進んできた道から脇に逸れるようにして、再び木々の間へ逃げ込み、暫く走った後に木を盾に地面に伏せる。

 すると、Plus Ultraが再び木々をへし折りながら迫り、俺の隠れた木もへし折れ、木屑が降り注ぐが声を殺して耐える。

 そのままPlus Ultraは俺に気付かずに森の奥に進んでいく。

 どうやら、上手くやり過ごせたみたいだ。

 

(5分経ったので終了でーす!)

 

 丁度テレポンの終了の合図が頭に響いたので浜辺へと戻る。

 何とか逃げ切れたが、腕は痺れるし森の中で切り傷は出きるしで反省点は多い。

 浜辺に戻ると、既にテレポン以外の二人は来ていた。

 

「まだ先生が戻ってきてないが、始めよう。

 まず、俺からだが森に逃げた点や先生の体格を考えて伏せた点は良かった。

 だが裏拳を受けた時に硬直していたな、力を抜けばダメージを押さえられたし飛距離も稼げた。

 腕が使えれば森の中でも動けただろう。」

 

 確かにグラディエーターからは力を抜いてダメージを軽くする方法を教わっているが、実践で実行出来ないならまだまだと言うことか。

 

「此方からも一つ、森に逃げるなら木々の上を跳ぶ事を推奨する。

 足跡を残さずに、自由に動く事ができるからな。」

 

 監獄長からは逃亡の際にいかに痕跡を残さないかをレクチャーされた。

 確かに、木々の上を跳ぶのは出来なくもないが、後ろから迫るPlus Ultraの圧に焦って普通に逃げてしまった。

 

「私は裏拳の時にしゃがんで、あのまま浜辺で対峙するのもありだと思いますけどね。

 二人の体格差ならピッタリ近付かれると逆に攻撃しづらいですし。」

 

 テレポンの言い分も間違ってはない、確かに足元でうろちょろして時間稼ぎもありかもしれないが。

 

「いやテレポン、流石にその度胸はない。」

 

「うーん、なら後で手本を見せてあげましょう。」

 

 テレポンって結構天才気質な面があるんだよなあ、技術とかは分かりやすく教えてくれるのだけど、実践的な活用方法が独創的というか天才的なのだ。

 

「ワッハハハ!

 初戦にして早速負けてしまった!」

 

 森からPlus Ultraが戻ってきた、このままPlus Ultraの評価を聞こう。

 

「砂を浴びせる判断、森に入る判断は見事だ!

 しかし、森での走り方を知らずに走っていたので距離を詰めるのが容易であった!

 しかし、その後の機転は良かったぞ!」

 

 確かに、森の中は想像以上に走りにくかった。

 これから時間があれば森の中でランニングするか。

 

「では、評価も終わったので休憩後に次の訓練だ!

 グラディエーター君頼むぞ!」

 

「任されました。

 扉間君、次は別荘を使った俺との室内戦だ。」

 

「あ、じゃあ休憩中に私とPlus Ultraの組み手を扉間君に見せましょう。

 よろしいですかPlus Ultra?」

 

「うむ、構わない!

 扉間君の基礎は君だから見るだけで意味のある訓練になるだろう!」

 

 

 

  




という訳で訓練回。
さっそく環境破壊してますけど、劇場版にくらべたら誤差だよ誤差。
ちなみにカロリは戦闘訓練に参加しません、一撃必殺なので。
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