個性が「穢土転生」な件   作:ボリビア

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今週のジャンプを読んだらギガントマキアバケモノ過ぎて引いてる。
もう、本当何だあれ。


室内戦な件

 別荘に戻るとグラディエーターと監獄長が別荘の前に立っていた。

 

「来たか、テレポンはどうした?

 奴が審判のはずだが。」

 

 とりあえず休憩中に何があったか説明する。

 

「なるほど、今の我々において個性の成長はないが、実践訓練による技術の質を高める事は可能だからな。

 俺も後で加わるとしよう。」

 

 呆れるかと思ったが、意外にも肯定的な意見が出て驚いた。

 そういえば、グラディエーターはテレポンの強さをどう見てるのだろう?

 

「テレポンの戦闘力か、個性は相手を選ばないし彼女自身も天性の戦闘センスがある。

 対人戦に置いては生前ですら相手はしたくないが、今はサポートに徹する時が一番恐ろしい。」

 

 サポートか、確かにテレポンがサポートするということは被弾を抑えて死角からの奇襲、敵を宙に飛ばしたりが可能だろう。

 

「さて、お喋りはここまでだ。

 今回は室内戦で俺が敵となって奇襲する。

 五分後に突入するので、突入から五分耐えてみせろ。」

 

「質問、内部で工作は?」

 

「ふむ、アリだ。」

 

「外に逃げるのは?」

 

「俺から逃げられると思うならアリだ。」

 

 ふむ、Plus Ultraの時と違ってグラディエーターは体を軽くする事によるスピードがある。

 外より室内の方が安全そうだし、大人しく室内で戦うか。

 別荘は木造二階建てで一階はキッチンやリビング、風呂があり二階には個室が通路を挟んで並ぶ形で六部屋ありその先にバルコニーがある。

 リビングにはテーブルとソファのシンプルな家具配置だ。

 窓は浜辺が見えるようにリビングに大きな窓が一枚、トイレにも解放できる窓と通路の階段側にはめ窓がある。

 中に入り、始めにリビングの窓とバルコニーの窓をカーテンで塞ぎ施錠を確認する。

 これで外から内部を確認出来なくなったはず。

 次は何処に潜むかだ、あまり時間がないし凝った場所は無理、グラディエーターも敵として戦うが別荘が倒壊するほど暴れるとは思えない。

 よし、二階に潜もう。

 二階ならグラディエーターも個性を使用し辛いはずだ。

 音を消して歩きながら、階段側、一番手前の個室の中に入る。

 中はシンプルにベッドとベッドテーブルの上にランプがあるのみだ。

 取り敢えず向かいの部屋のベッドからシーツを剥ぎ取り広げられるように両手で持つ。

 別の部屋から持ってきたのは、外から確認した時にシーツの有無で俺のいる位置を誤認させる為だ。

 

(この程度の事グラディエーターに効果があると思えないが。)

 

 室内戦というか待ち伏せするような戦いはどちらかというと苦手だ。

 侵入パターンを考えて策を練るより、相手の出方や痕跡から行動を読み解く方が得意だし。

 

ズドン!

 

 自己分析をしていると、グラディエーターが天井に穴を開けて俺のいる部屋に着地した。

 咄嗟にシーツを投げ付けて廊下に転がり、そのまま一階に進む。

 考えが甘かった。

 別荘を壊す気満々だあの人。

 良く考えたら別荘にカロリがいない時点で気付くべきだった。

 なら此方も遠慮はいらない。

 早速武器になりそうな物があるキッチンへと向かおうとするが、後ろからトン、トン、トンと軽い物が跳ねるような音が聞こえた次の瞬間、襟首を捕まれリビングのテーブルに叩き付けられる。

 

「~っつ!」

 

 グラディエーターは容赦なく腹を踏みつけようとして来るので、慌てて転がり立ち上がる。

 テーブルが砕けた。

 

「はぁはぁ、別荘壊して良いんですか?」

 

「建物の一つや二つ壊してもお釣りが出るくらいの恩は公安にあるだろう。

 今は育成が最優先だ。」

 

 いやまあ、おっしゃる通りなんですが。

 質問の最中もグラディエーターからの攻撃は止まない。

 軽く速い足運びで此方に近づき、重く速い拳や蹴りが迫ってくる。

 ギリギリ避けるのが精一杯だが、グラディエーターは容赦なくフェイントも仕掛けて、俺はそれに引っ掛かり腹に一撃をもらい鎮圧された。

 

「さて評価しよう。

 シーツを被せてきたのは良かったが後は酷いな。

 あのまま、二階の部屋を移動し続けてシーツなりを使い、俺を絡めとるべきだった。」

 

 踞る俺に容赦なく評価を行うスタイルはどうなんですかね。

 

「…部屋が分かった理由は何ですか?」

 

「俺の個性を知ってるから二階を選ぶのは必然だ。

 それにシーツがない部屋があったが、あれがブラフとして近い部屋にいると判断、後はバルコニーから遠いあの部屋を選んだ。

 ブラフならすべてのシーツを剥がしておくべきだったな。」

 

 なるほど、一部屋からシーツがないのが逆にヒントになってしまったのか。

 Plus Ultraの時みたいに上手く行くかと思ったが慢心だな。

 

「さて、早速躓いた訳だが次は監獄長とだ。

 休憩が終わり次第浜辺に向かえ。」

 

 

 




室内戦かくの大変なのさ。
単純にグラディエーターって投げるにしても体重がいきなり増えたりして腰にダメージ喰らうし寝技に持っていけてもパイルバンカーみたいな肘内喰らうしでクソゲーなんだよな。
重量制限があっても体重0による高速移動は可能だし室内戦だと三次元で動けるしやっぱりクソゲーだわ。

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