軽率な行動取らせたのは自分だけど皆、緑谷君に厳しない?
修行開始から2週間が経過した。
今は全員で朝食を食べている。
全員からの5分間の逃走はクリア出来たが、次の段階がクリア出来る気がしない。
5分間の時はチュートリアルだったのだ。
Plus Ultraは単純にスピードが上がり、グラディエーターは奇襲の質が、監獄長は放出する鎖の量、テレポンは複数のタイプの罠を二重に仕掛けてきた。
二段階目でこれなのに三段階目とか5分持つかも怪しい。
誰か武器なし実質無個性で頑張ってる俺を褒めてくれ。
「頑張ってると思いますよ?
ただ現実は厳しいというか、扉間君が襲撃されると予想した場合に仮定する敵の質が高いせいなんですが。」
テレポンの言う通り、俺が奇襲される状況を作れるとしたら確実にテレポンと穢土転生体のどちらかに対策をして孤立させてから襲うだろう。
そういう計画を立てて実行できる組織、あるいは個人を想定するとこのレベルの訓練でも温いかもしれない。
「うむ、ワシらの予測では今の段階で監獄長君とグラディエーター君の訓練はクリア出来ないと思っていたからな!」
「まあ、五分クリアと言ってもギリギリだったし今の段階で3分も逃げ切れていないがな。」
相変わらず、訓練ではグラディエーターは辛口だ。
たが、Plus Ultraの予測を上回っているというのはちょっと嬉しかったりする。
「貴君が立ち回りは意識したからこその成果。
常に考えて行動すれば、目標の達成も難しい事ではない。」
監獄長の評価は厳しいが褒める点はしっかり褒める。
ルールに乗っ取った動きなら大体の事は肯定してくれる。
まあ、つまみ食いしたテレポンの様にルール破ったら吊るされるが。
「俺はマッサージくらいしか力になれねぇが頑張れよ。」
何時もマッサージありがとうございます。
prrrrr…prrrrr…
む、電話だ。
「隙あり!」
スマホに気をとられた瞬間におかずが消えたが、犯人はテレポンだし、この後速攻で吊るさせるので無視して電話にでる。
「はい、扉間。」
『私です。
那歩島での暮らしは慣れましたか。』
「ええ、訓練しながら快適に過ごしています。
そちらに戻る予定は立ちましたか。」
『いいえ、政府や警察への対応は済みましたが世間やマスコミへの対策に時間が掛かります。
もう少しの間滞在をお願いします。』
「了解しました。」
『では、本題に。
今滞在してる那歩島ですが、町の唯一のヒーローが引退した為、現在町にヒーローはいません。
そこで、雄英生が後任のヒーローが到着するまでの繋ぎとして現地実習を行うという事なので、一応私有地なので立ち入りは無い筈ですが、注意してください。』
二作目の映画か。
あれ、時期が不明でパラレルって話だけどこの世界ではこの時期なのか。
「俺移動した方が良くないですか。
もしくは、実習に干渉して場所変えるか。」
『移動について検討しましたが、ここ以外の公安の施設は潜入の為の拠点が多く都市部にあります。
実習についても中止か変更を検討しましたが、ホークスが内偵している団体が貴方の予想通りの規模と判明、全面戦争になった場合を考えて少しでも仮免を持っている生徒には経験を積ませるべきと考え、承認しました。』
なるほど、確かに異能解放軍とぶつかる場合、全国のヒーローが事にあたる必要がある。
仮免とはいえヒーロー、前衛を厚くする意味でも後方支援として少しでも人手は欲しいか。
「わかりました、大人しくしときます。」
『此方の都合とはいえ、ありがとう。
ホークスの内偵で得た情報はこの後送るので何か発見があれば報告をお願いします。』
通話が終了し、取り敢えず全員に状況を報告する。
「というわけで町から距離はありますが、大人しくしときましょう。」
「取り敢えず、夜間の我々の組み手は止めた方が良いですね。」
夜間の組み手とは、個性が成長しない彼等が穢土転生体としての体の使い方や戦い方を研究するために行っている戦闘訓練だ。
何時もは訓練場の耐久力とか考えて取り組めていなかったが、人気がほぼ無いこの場所ではお互い不死身なので遠慮なく個性をぶっぱなして戦っている。
何度か見学したが、砕けながら再生しながら戦う姿は北欧神話のヴァルハラを想起した。
ジャンプ漫画特有のインフレの極みみたいな戦いだったよ、うん。
あれは、ラグナログに備えて集められた戦士達が修練するが俺達というか、四人が備えなければいけない戦いは果たしてやってくるのだろうか。
「昼間に関しては、熱中しなければ大丈夫だろう!
良かったな扉間君、訓練続行だ!」
…はは、ですよねー。
というわけで書き直しました。
それに伴い『邂逅?な件』を消しました。
あと小ネタを思い付いたので活動報告にのせてます。