あと、今回は三人称です
side No.1
(公安ヒーローか。)
敵連合全員逮捕は世間にとってもエンデヴァーにとっても寝耳に水であった。
昔の彼ならこの事実に対して燃え上がるような己への怒りが沸いただろう。
だが、今は違う。
息子の仮免補講を見学し、オールマイトと平和の象徴について話し合った事で己のNo.1としてのあり方を見つけ出した彼は冷静に捉える事が出来ていた。
(これで犯罪率が下がる。)
己がNo.1の座に座る事が決まってから増えた犯罪率に歯止めをかける。
オールマイトがいなくとも平和は保たれるという事が証明された事は歓迎すべき事ではある。
だが同時に、No.1としての責務を奪われたような錯覚を感じたのも事実だ。
昔のエンデヴァーであれば、虚無感を埋める為により熱を上げて、己への怒りで顔を歪めていただろう。
(だが俺がすべき事は変わらない。)
息子が誇れるヒーローに、次の世代が笑ってくれるヒーローを目指し続ける。
(むしろ、ここからが俺のNo.1としての務めだ。)
敵連合以外にも、悪はいる。
公安ヒーローが晴らしてくれた空を再び曇らせる事がないように己の炎で維持し続ける。
それこそがNo.1としての、息子が誇れるヒーローになるためにすべき事なのだ。
side イレイザー
イレイザーは敵連合を捕まえた公安ヒーローについて考える。
彼らを捕まえたのは恐らく、死穢八斎會摘発の時に出てきた公安ヒーローのチームであると直感が告げていた。
直感なんて非合理的だと普段なら気にしないが、今回は事が事だけに直感を信じてしまう。
それと、死穢八斎會摘発の時も感じた疑問がさらに強くなった。
(公安ヒーローってこんな事するのか?)
己がスカウトを受けた身だからこそ、今回の敵連合逮捕に首を傾げてしまう。
自分をスカウトしに来た公安の人間の説明では、公安ヒーローはあくまでも極秘に活動して情報収集を中心に行い、証拠を集めて敵組織摘発に協力するのが役割のはずだ。
その役割故に、敵連合を直接逮捕するという行為には納得出来ない。
(俺が、スカウトを受けた時とやり方が変わっただけかも知れないが。)
どちらにせよ、教師として公安ヒーローという職業を一度確認する必要が出てきた。
(将来あいつらがなるかも知れないしな。)
危険かどうかではなく、職業としてどんな事を求められるのか、索敵や情報収集だけでなく戦闘力を求められるならある程度カリキュラムを調整する必要があるのだ。
side オールマイト
オールマイトは敵連合逮捕に心底ホッとしていた。
AFOの残滓とも呼べる彼らが逮捕された事よりも、己の後継者である緑谷出久がお師匠の孫と戦う事がなくなった事にホッとしていた。
死柄木弔はオールマイトのヒーローとしての心残りのひとつである。
一度は悪として殴ってしまったが、可能ならば話がしたい。
彼がどんな目にあってしまったのか、彼が何故敵となってしまったのか、最早彼が更生の余地が無くても師匠からOFAを引き継いだ人間として受け止める義務がある。
そして二度と同じことが起きないように緑谷出久のサポートをしながら、更に続いていく次の世代にもサポートを引き継げるようにしていく事がOFAを生きて次代に託した者としての新たな務めだとオールマイトは考えている。
(そういえば、今回の逮捕も彼が関わっているのだろうか?)
緑谷出久と同年代ながら、既に公安の人間として活躍しAFOの企みを暴いてくれた少年、千手扉間。
何となくだが、今回の件にも彼の協力があるような気がしてならない。
本人に連絡しても多分、否定される気がするが少年の嘘位はオールマイトは見抜ける。
(本当に扉間少年が関わっているならば、ちゃんと誉めなければな!)
決意と共にマッスルフォームになり、吐血し地に臥すまであと5秒。
というわけで、エンデヴァーたイレイザー、オールマイトの今回の敵連合逮捕に対する反応です。
他にも見たい視点があれば感想欄に書いてみてください。
ビビッとくれば書くかもしれません。
今後の更新ですか都合により不定期なりそうです。
都合というのは単に現実が忙しいからです。
後、『とある未元物質の劣化能力者』の更新したのてよろしければ見てやってください!
五話目で文字数二万文字!
この作品の20%分です!