後は、「巨大な人型存在が、ボロボロで氷付けで幽閉されてるって良くない?」というロマンもある。
side ホークス
神野の悲劇やギガントマキア襲撃事件後、公安は速やかにヒーローと連携を取り、殻木確保及び個性移植技術確保の為に動いた。
あのオールマイトの活躍とAFOの脅威を認識したヒーロー達は全力で事に当たってくれた。
結果、殻木逮捕、脳無確保、個性移植技術及び個性複製技術を確保する事が出来た。
殻木は脳無を使用し激しい抵抗を見せたが、事前に対脳無を考えてチームで動いてもらい、負傷したヒーローは沢山出たが死亡者は0に終わった。
個性関連の技術については、技術自体は記録として厳重に保存し装置自体は完全に破壊、拉致した人間の実験記録や押収した個性因子に関しては今後殻木とAFOの罪の証拠として活用されるだろう。
ギガントマキア襲撃事件を唆した公安の職員に関しては焼身自殺を図り死亡した。
DNAは取れなかったが、歯形から本人と断定。
使用していたパソコンには遺書がなく、代わりに彼自身を含むAFOの信奉者リストが残されていた。
此方に関しては俺が直接捜査していないから詳しくは分からないが、リストにはかなりの大物の名前もあり適切に処理しなければ火種になる可能性があると上司が苦い顔をしていた。
今は、リストにある人間の中で影響力のある人間を中心に表社会から退場させる工作を行っているが数年は掛かるだろう。
その後、オールマイトの正式な引退により社会全体が動揺するなか、獄中のAFOが扉間君の名前を呟いてくれたおかげで、さらに隠蔽工作の仕事が増えた。
(今も忙しいけどあの時が一番忙しかった気がする。)
扉間君を那歩島に避難させて隠蔽工作をやっていると、今度は平和の象徴と裏社会の支配者がいなくなった影響で幾つかの要監視団体が動きを見せたり、解散した敵組織が再び集結したりと何時もの三倍くらい日本中を飛び回る羽目になった。
自身のライフスタイルと真逆な忙しさに疲弊してると、今度はオールマイトが扉間君を調べ出したと聞いた時は一瞬膝が折れそうになった。
直属の上司としては失格だが、流石にオールマイトの対処は無理なので上司に丸投げした。
平和の象徴と裏社会の支配者が消えた事で公安は忙しくなったが、良いこともある。
扉間君の立場だ。
あの襲撃の一件から、扉間君は四人のヒーローに囲まれている。
不死身という特性を生かして、個性の制限を取っ払った彼らに守られる扉間君に物理的に干渉出来る人間はいない。
どさくさに紛れて首輪も外したし、ある意味誰も手出し出来ない存在になった扉間君に対して公安はもはや懐柔という手段しかとれない。
扉間君に今回の件を謝罪した所、まだ公安に残る選択を取ってくれた為、改めて全面的なバックアップを約束をした。
その結果、上司が公安委員長に就任した関係もあり委員長直属の部下というNo.1の懐刀的立場を作った。
これで、彼が道を外れない限り公安内部で彼に政治的に干渉する事は出来なくなる。
(ほとぼりも冷めて、安全を確保出来て扉間君に戻ってもらうと今度はネットで怪しいことしたから胆が冷えたよ全く。)
まあ、本人にその場で刺し違える覚悟で、直接聞いたら敵団体引っ張りあげるとは思ってなかったけど。
何か、もう彼保護してから忙しいか胆冷やすかでジェットコースター乗ってる気分なんだよね。
しかも調査報告書引っ張り上げた団体がかなりキナ臭いし大規模かもしれないって聞いた時は一周回って笑ったよね。
舌の根も乾かないうちに、今度はヤクザの事件に関心もって、これはかなり内部でも揉めたけど穢土転生で甦った人達の運用テストという事で試してみたら普通に成果上げてくるし。
いやー、本当に俺より仕事してるよマジで。
しかも拾ってくる事件が全部社会問題になりかねない重要な事件で、変な言い方すると要点を押さえてくれてて、将来的に楽になるのが目に見えてるから俺も含めて皆やりがい感じてるんだけどさ。
というわけで、ホークスからみた主人公。
途中から愚痴半分な感じになりましたが、主人公を保護してから公安は重大事件ラッシュで現在進行形でデスマーチです。
だけど、無事に解決すれば社会が良くなるの目に見えているから頑張ってます。