個性が「穢土転生」な件   作:ボリビア

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この世界線だとどうなるかって話


WHM編

「さて、どうするべきか。」

 

 AFOの一件や敵連合の逮捕等のゴタゴタが終わり、雄英の一年A組達も無事に進級出来たりした今日このごろ。

 オールマイト無き今、新たなナンバーワンヒーローであるエンデヴァーはヒーローとして新たな形を示した。

 エンデヴァー、ホークス、ジーニストの3名のチームによる活動だ。

 オールマイトには成れないがナンバーワンヒーローとしての在り方を示す為に固執を止めた彼のお蔭で、公安が予想していた犯罪率よりも緩やかな犯罪率の上昇に留まっている。

 しかしそれは表向きの話。

 裏はAFOが逮捕されたと知ると嘗ての敵組織や新興の敵組織が活発化していた為、扉間達は普通に働いていた。

 そしてとある日、穢土転生動物達を基点とする日本中の情報収集システムを用いて扉間達はある敵組織を壊滅に追いやった。

 

「まさか、世界規模のテロ組織だったとは!!」

 

「団員の殆どが無個性だと取り扱いに困るな…」

 

 ホークス経由で届いた資料を見て驚くプラスウルトラとグラディエーター。

 

「取り敢えず、日本が無事な事にホッとするべきですかねー。」

 

「国内の次は世界かよ…」

 

 世界の危機の前に日本が無事であるとこに取り敢えず確認するテレポンと呆れるカロリ。

 

「無個性による個性差別の過激派か。

 何時の時代も人の本質は何も変わらないものであるか。」

 

 監獄長は嘗ての時代の囚人達や世情を思い出し、落胆を隠せない。

 届いた資料に書かれた内容を簡潔に纏めると、『扉間が発見、検挙した組織は国際的テロ組織の日本支部』『近々世界規模テロを実行する可能性アリ』『彼らの宗教思想から構成員の殆どが無個性』の3つ。

 国際社会が標的の時点で扉間の手が届かない話であり、組織の全容を聞いてもさっさと外務省を通して各国と連携して行動をすれば良いと言うのが扉間の感想だったのだが、連絡を寄越したホークス曰く『何処にシンパがいるか分からない。』のが問題らしい。

 

「各国の中枢にシンパがいる可能性は高く、妨害によるテロ阻止の失敗確率は高いか。」

 

 現代において無個性とは潜在的弱者である。

 男性社会において女性が軽んじられる様に個性が台頭した現代において無個性は軽んじられる。

 無個性は良く言えば守るべき対象であり、悪く言えば劣等種という認知を互いに潜在的に持っており、無個性と個性持ちの間には見えない溝が存在する。

 故に日本を含めた国際社会はヒーロー以外の個性使用を犯罪として扱う等を行い、無個性と個性持ちの社会的な差をなくそうとしておりそのキャンペーンの一環として企業の採用枠に無個性を設けたりしており、政府も積極的な雇用を行っている。

 しかし人間とは比較する生き物である。

 無個性が優秀な働きをしたら個性持ちが嫉妬し、無個性が無能なら個性持ちは愉悦するし、その逆もしかり。

 ぱっと見の無個性差別は無くなった代わりに潜在的な醜い差別意識が増大したのが現代であった。

 幸い日本ではオールマイトという絶対的平和の象徴が君臨していた為、潜在的な個性差別は少ないが中学時代の緑谷と爆豪を知っていれば無個性がヒーローを目指せば笑われる程度で済んでいる。

 しかし、海外は個性の広まりと共に治安は悪化しており日本より数倍悪く差別も強烈であり、個性持ちが無個性を殺すより無個性が個性持ちを殺した方が罪が重い傾向にあるくらいには根深い。

 つまり、シンパは何処にでもいるし差別意識による忠誠心もとても高い。

 

『だから各国と連携を取ろうと動いても敵に察知される可能性が高いんだよね。』

 

「それで何で俺に出動の話が回って来るんですか。」

 

 扉間としては自分達が動く必要性を感じていなかった。

 世界単位の話であるが、日本は既に無事である。

 ヒーローとしては手を貸すのが筋であるし、扉間としても何か出来ないか考えたが、自分の立場というか個性を考えると世界に晒すのは悪手である。

 

『世界というより国内の対応をしてほしいんだよ。

 今回のテロを未然に防いで彼らの存在を知らせた事で世界中の諜報が興味を持ち出してる。

 唯一安全な日本に本部を置くだろうという予測を建前に世界中の諜報部隊が侵入しようとしていて防諜が追いつかないのが現状だよ。』

 

 世界は日本の成果ではなく方法に注目したのだ。

 各国の諜報機関の中にも存在自体は認知している国もあり、実際にスパイを送り込んでいた国もある。

 それでも末端からの侵入であり数年の月日をかけてようやく本部に近いところまで漕ぎ着け、これから情報収集するレベルだったのだ。

 それを日本は支部とはいえ、圧倒的速さで制圧して敵に情報を処分させる暇も与えなかった。

 お陰で彼らが使う個性増強爆弾の威力や範囲、組織の資金の流れから予測される数まで判明しており、彼らのダミーの本部や支部については既に所在も分かっている。

 既に各国で監視チームが組まれて爆弾らしき物品の運搬が無いか監視されており、後は本部の場所を明かせば解決する段階まで来ている。

 それもこれも日本の成果だ。

 

「つまり世界的テロはヒーローに任せて、その間に国際テロ組織の全貌を暴いた日本の諜報について各国が探りを入れると。」

 

『既に中国、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ各国とぞろぞろと入ってきてるよ。』

 

「元々裏が活発になって公安が人手不足な所に世界的テロの対応を利用して日本のヒーロー達を派遣させて層が薄くなった所でスパイを送り込むって…」

 

 人間の醜さというか全てを利用するという大国の強かさとその対象が自分で有ることに思わず頭を抱えてしまう扉間。

 

「人気者ですねー!」

 

 そして大して考えてないテレポン。

 

  




まあ扉間がいる時点で組織なんてけちょんけちょんよ。
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