何でも良いので感想ください、筆が進むので。
現在、自分達家族は福岡にいる。
あの後直ぐに、保護に当たり(任務に当たる、担当する、相当する)責任者のホークスの拠点である福岡に引っ越したのだ。
表向きの理由は父さんのヘッドハンティングという事になっている。
心配な点として、ホークスは日本各地を飛び回るタイプのヒーローである事だ。(後日聞いた所、サイドキックには変質的なヴィランに狙われている家族ということにしてサイドキックと公安による二重警護が行われているらしい。)
生活に関しては、父さんは公安委員会が用意した会社に就職して、普段と変わらない仕事をしてるし、母さんも前より広い家になったので喜んでいる。
自分は中学生であり学校にいかなければならないが、引っ越し先の地元中学には書類上所属し、実際には行ってない。勉強に関しては教材を取り組むことになった。
そして、個性を使う時が来た。
福岡での暮らしを始めて一週間程でホークスから連絡が来た。
ホークスの指示に従い、家から路地に進むと一台の車が止まっており、近付くと窓が開いてホークスが顔を見せて車に乗るように促されたので車に乗る。
車はワゴン車でホークスは羽がデカイため、真ん中の席を占領する形で座っている。
自分は一番後ろに座ると車が発進した。
「やぁ、福岡での暮らし、慣れた?」
「まだ、方言は慣れませんが、良いところだと思います。」
「本当?
なら今度、美味しい焼き鳥の店連れていって上げるよ。」
移動中、ホークスは仕事の話はせず地元の話をアレコレと話してくれた。お気に入りの店、観光名所、安いスーパー。
正直言うと、これから何をするのかを聞きたい。
だが、質問をしようとするとホークスが絶妙なタイミングで話し出して質問をさせてくれない。
ホークスの話は車が何処かの建物の中に入るまで続いた。
建物の駐車場に入ってからは、運転手を勤めたスーツの人の案内で奥まで進む。
途中、カード認証、網膜認証、声紋認証等、複数のタイプのパスワード等の様々なセキュリティを通していった。
案内の人は扉の前で止まった。
目的地はこの扉の向こうだろう。
ホークスがしゃがんで目を合わせてくる。さっきまでのヘラヘラした感じはない。
「扉間君、これから君にして貰いたい事は俺達には必要な事だけど君には必要の無い事だ。
だから何時でも辞めて良い。
辞めたとしても俺は死ぬまで君や家族を守るし、公安委員会にも守らせる、それだけは覚えといて欲しい。」
ホークスは、辞めて良い、辞めても守ると自分の口でハッキリと告げてきた。
目をそらさず真っ直ぐと見つめて。
その目を見た時、自分は心配されているとハッキリと自覚した。
ホークスにとって、本来、自分は守るべき人なのだ。
未成年の学生で本来ならその翼で守るはずの人間なのだ。
本当は俺を使う事に反対だし、出来れば辞めて欲しいとそう考えてくれている。
「ホークス、自分は自分の個性について悩んで苦しんでいた。
日に日に強くなる欲求に耐えて、自分がこの個性を持っている意味を考えていた。
けど、自分の中では見つけられなかった。
だけどホークス、貴方にスカウトされて色々と考えたんだ、そしてこう思った、使う目的だけは正しくありたいと。
だから貴方を上司にするように条件を付けた。
貴方は自分にとっての正しさなんだ。
だから、個性を使う時は貴方に任せる。
そして任せる以上、俺は逃げない。」
前世の記憶なんて言えない。
でも、ホークスの願いは正しい物だって事は分かる。
だから手を貸したい。
そして、ホークスに個性の使用を委ねる以上、逃げることはしない。
ホークスはじっと此方を暫く見つめて、
「分かった。俺は君の期待を裏切らないと誓おう。」
そして、扉の先に向かう。
扉の先は検死室のような場所だった。
銀色の台の上に布を被せられた人間が寝ている。
死体に見えたが、個性の発動にはそこまでの遺伝子情報は要らないので恐らく、生け贄となる死刑囚だろう。
「君には、ある未解決事件の被害者を蘇らせてもらう。自我を縛った状態で質問は俺がする。何か質問は?」
「質問は無いです。でも、生け贄になる死刑囚の名前だけ後で教えてください。」
「分かった。」
ホークスから渡された、被害者の髪の毛を持って死刑囚の寝ている台に近付く。
顔を布で覆われている為見えないのは救いだった。
覚悟は既に決めた。
手を合わせてから髪の毛を押し当てて個性を発動する。
個性を発動した瞬間、何処からともなく塵が死刑囚を覆っていく。
塵で覆われていく様を俺とホークスはじっと見つめている。
やがて、死刑囚の寝ていた台には塵で出来た棺が出来上がった。
「開けますよ。」
一言、ホークスに声をかけて穢土転生体を棺からだす。
棺の扉が外れ、中から出てきたのは女性であった。
ヒビだらけであるが、普通の女性の姿で服装も普段着のような格好である。
すぐに、念じて自我を縛ると、全身のヒビがさらに大きくなった。
ホークスは呼び出した穢土転生体を観察して、気になった事があるのか質問をしてきた。
「このひび割れや白目の黒い部分は、消せないのかい?」
「目は直すことは出来ませんが、ひび割れは制御下にあればあるほど大きくなるみたいで、やった事無いですが完全に制御を放棄すればひび割れは無くなると思います。
試しに自我の縛りを解きますか?」
「いや、良い。それより扉間君は大丈夫かい?」
「今は何ともないです。」
恐らく、スパイとして活動させる事が出来るかを考えていたのだろう。
制御下にある時点でひび割れが服を含めて発生するので出来るとしたら声や指紋の利用くらいだろう。
人へ個性の使用については猫やカラスに行った時と同じ感覚で、特に罪悪感や後悔のような気持ちはなく、寧ろ、人に使えた事に満足感のような解放感のような感覚の方が強い。
流石に正直に伝えるのは不味いと思い、何ともないと答えたが、後であるカウンセリングでは正直に話そう。
ホークスは俺の回答に対して、少し間を置いて「分かった。」と返した。
その後、ホークスの質問に正直に答えるように穢土転生体に命令し、尋問を行った。
事件の詳細を俺は知らされていないが、端々の情報を繋ぐと二年位前に起こった事件の様だ。
暫く時間が経ち、欲しい情報が得られたらしくホークスから穢土転生体の解除を命じられた。
解除の方法も念じるだけで、解放出来る。
穢土転生体を解放すると、女性が塵に戻り中から死刑囚が出てきた。
(この死刑囚は死んでいる。)
眠ってるように見えるが、直感は死体だと伝えてくる。
穢土転生体の生け贄になった人間は死ぬ。
これが穢土転生の唯一の代償である。
だが、その事に罪悪感を感じない辺り、俺は手遅れである事が実感できた。
やるべき事が終わり、再びドアの向こうの案内人に案内されて駐車場まで戻る。
移動している時にホークスが話してくれたが、彼女の証言で犯人が絞り込めたらしい。
公式な証言にする事は出来ないが、公安委員会が証言を元に証拠品の確保を行い、犯人を捕まえる事が出来るだろうと話してくれた。
俺としても、穢土転生をした意味がなければ困る。
人への個性の使用に何も感じないと分かったが、無駄な犠牲は避けたい。
俺はカウンセリングを受ける為、ホークスとは駐車場で別れた。
最後に、今度焼き鳥をご馳走するといって飛んでいった。
ホークスの性格からして直ぐに実現するだろう。
カウンセリングは個性を使用した時の感情をリラックスした状態で話すというシンプルな物だった。
カウンセラー曰く、自分の感情を吐き出してリラックスするのが個性カウンセリングで大事な事らしい。
カウンセリングは個性社会になってから需要が急増した職業である。
主に個性を使用出来ない一般人が利用する事が多い。
個性に由来する欲望との向き合い方、自分の個性に関するコンプレックス、異形種である事に対する周りの反応等の個性由来のストレスは現代個性社会の社会問題の一つにもなっている。
人を癒す類いの個性持ちがカウンセラーになる事が多い。
俺を担当するカウンセラーも体からリラックス効果のある体臭を出す個性持ちで、確かに部屋に入った時から癒されるような感覚になった。
ホークスとのシーンが難しい。
後、方言難しい。
今回の話で、主人公の穢土転生バージンは卒業です。
これからはバンバン使うかは、わかりません。