悪夢と共に   作:あんノー

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第十二話

まだ昼間なのにカゲツ達とミナモデパート屋上へ。うぅ……目立ってる。そりゃあそうだよ。こんな大人数が四天王の後ろに並んで、昼間のデパート内歩くってどういう事よ。

 

そんな訳でデパートの屋上ビアガーデンへ。本来は夕方からなんだけど、この男貸し切って交渉しやがった。

 

 

「「「「「カンパーイ!!」」」」」

 

はぁ……諦めて受け入れよ。昼間っからタダ酒と思えば多少はね。周りが私の事を姐さん、姐さん言わなければまだマシなんだけど。

 

 

あぁ……ビール美味し。どうせなら静かにこの昼間ビールの背徳感を味わいたかったね。

 

「あのさー、何で姐さんなの?私とそんな年齢変わんないでしょ。ていうか、中には私より年上いるよね?」

 

私は同じテーブルに座っていたメンバーに尋ねてみた。そのうちの一人は何と不良からジムトレーナーへのジョブチェンジ。

 

「俺、姐さんとアニキのポケモンバトル見て感動したっす!アニキがあんな楽しそうな表情したのは、あの時が初めてなんすよ」

 

 

カゲツはいわゆるポケモンバトルに関して天才と呼ばれる人間だった。ポケモンとの相性や育成、バトルセンスが飛び抜けていた。それも幼少期からだ。

 

ただそんな彼には、負かしてくれる人がいなかった。周囲のトレーナーは競うレベルですらない。ジムチャレンジもしたみたいたが、難なく突破し抱いた感想は退屈。そしてジムのルールとしてしょうがないが、手加減されたという腹立たしさ。

 

そして彼はバトルに対して楽しみを見いだせなくなった。自分を慕う子分達とつるみ、トレーナーをいびる方がよっぽど楽しいとなってしまった、らしい。

 

 

 

 

 

 

初めて会った時も、退屈そうにしてたっけ。あれは四、五年前かな。旅を始めて一年と少しが経った時。あの頃も今みたいな夏だっけか。

 

 

 

私が四天王から降りて、初めてホウエン地方へ訪れた時だ。民宿ミナモのモナミさんに警告された。トレーナーを狙う不良達がいるから街中でも気をつけなよーと。

 

 

まぁ、狙われても何とかなるだろうと、街を散策していると裏路地で誰かがバトルしていた。いや、バトルというより絡まれてたと言う方がいいか。不良が二対一でトレーナーをボコってた。

 

その様子を横目で見て、ふとした違和感を感じた。

 

絡まれた方のポケモンは、まぁ程々に鍛えられていた。知識があるトレーナーが育成中といった感じだ。このトレーナーとポケモンに、二対一とはいえ絡むのか普通、という疑問が一つ。

 

もう一つが絡んでいる二人組の方。ポケモンはグラエナとノクタス。こちらの二体が私でも目を見張る程、良く育てられていた。あくタイプ使いで四天王まで行った私が言うのだから間違いない。

 

当然、相手のポケモンを二体とはいえ圧倒していた。

 

 

問題はその動き。不良達の指示を無視して行動している。グラエナとノクタスの目を見て理解した。確実に他人のポケモンだ。それが渋々戦っている。ただ、攻撃を放棄したり、寝たりするような事は無い。

 

二匹の心境を表すとしたら、結果は出すから好きにやらせてもらう、といった感じかな。

 

不良達はそれで面白おかしく笑ってんだから、まぁ滑稽だよね。それ人のポケモンだよ。

 

 

 

まぁ、そんな面倒臭い場面を見てしまったら嫌々だけど介入するしかよね。この空間、不良二人以外の全員良い思いしてないから。絡まれてるトレーナーと痛めつけられてるポケモンは当然として、グラエナもノクタスもそんな事に乗り気では無い。そんな現場を見せられた私も気分悪いし。

 

 

「ねぇ……そんな楽しいかい?」

 

「なんだテメー。コイツと同じ目に遭いたくなければどっか行きな」

 

「おい何ボール構えてんだ?ヒーローごっこなら他所でやんな」

 

グラエナとノクタスがそんな不良達の様子を見て、ゆっくりと私の前に近づいてくる。

 

「……可哀想にねぇ。少しばかり寝てて」

 

 

ボールから出たダークライは瞬時にグラエナとノクタス、そして不良の一人を眠らせた。残された一人が尻餅をついて素っ頓狂な声を上げる。

 

「カゲツさんから預かったポケモンが?!」

 

 

ん?カゲツ……それってホウエン四天王の?私と同じあくタイプ使いの?

 

なるほどだったらこの二匹くらい育てられるか。まだ四天王には就任してないけど。

 

 

「さて残った一人……そのカゲツって人の所まで案内して」

 

 

おい、未来の四天王何してんのさ。

 

 

 

 

 

残った不良にミナモシティの郊外まで案内される。着いたのは小規模な工場の跡地。その寂れた廃墟の中から時折笑い声がする。

 

着いた瞬間、案内させていた不良がその建物内に走って逃げて行った。その後をとことこと付いていく。

 

 

 

「アニキ!」

 

「あん?どーした」

 

「やたら強い女に追われて!」

 

「俺がやったポケモンはどうした?」

 

「一瞬で眠らされて……」

 

 

あぁいたいた。あのリーダーっぽい人がカゲツかな。……あれ? そんなに髪あったっけ? 相当特徴的な感じだったんだけど。

 

「おーい、カゲツって人ーいる?」

 

「あの女っす!」

 

 

「えらいちんちくりんだな。本当にこんな奴に負けたのか?」

 

「見たこともないポケモン使われて……」

 

「へぇ……おいお前ら。さっき貸してやったポケモンで返り討ちにしちまいな」

 

 

カゲツは動かず、周りにいた子分が下品な笑みを浮かべながらボールを次々に投げた。まぁ出るは出るはあくタイプ。グラエナ、ポチエナ、ノクタス、ダーテング、コノハナ、シザリガー……こんな状況じゃなきゃ、グラエナをもふったりしたいんだけどね。

 

「うーん、面倒臭いなぁ……みんなーお願いー」

 

この時の手持ちはブラッキー、ヨーギラス、ヘルガー、ダークライ。

 

この時はドンカラスは休暇の意味を込めて、シンオウ地方で自由に過ごさせている。キクノ師匠曰く、たまにシンオウポケモンリーグにヤミカラスの群ごと飛んできて、私が帰ってきているか確認しているらしい。そろそろまた顔見せないとね。

 

ミカルゲはシロナに預けてたかな。シロナのミカルゲとずいぶん仲良しみたいだけど、タマゴとか持ってきたらどうしようとかちょっと思ってた。

 

 

空いた枠でホウエンのあくタイプ探す予定だった。その矢先にこれだよ。

 

 

 

 

まぁ、ポケモンが良くてもトレーナーがアレだったんで、数の差があっても瞬殺だった。

 

 

 

「……貸したヤツらも半端な育てはしてねぇつもりなんだがな」

 

「そりゃあ見たらわかる。……で、こんな良い子達を使ってなにやってんのさ。普通にバトルさせてあげたらいいじゃないか」

 

「つまんねーんだよ。俺と張り合える奴なんて何処にもいやしねぇ」

 

「ジムでも巡ったら?」

 

「既にやってる。手加減なんかしやがって……あぁ、思い出しただけでも腹が立つ」

 

「随分な自信だね。良いよ。お望み通り張り合って……いや、捻り潰してあげる」

 

 

「あ゛ぁ?……ずいぶんと大きく出たな。言っておくが俺のメンバーは貸してた奴らと一緒じゃねぇんだぜ」

 

「つべこべ言わずかかってきなよ」

 

 

 

 

いやーなんとかカゲツのベストメンバーを全滅させた。ヨーギラスには遥か格上に無理させてしまったし、他のメンバーにも相当頑張ってもらってようやくといった感じだ。最後ダークライしか残らなかったしね。

 

未来の四天王現段階でも強すぎ。こりゃあ確かにジム戦もつまんなくなるわ。

 

 

「そんな……アニキが」

 

「カゲツのアニキが……負けた?」

 

 

 

彼は自身のエースポケモンのアブソルを労りながら尋ねてくる。その目は先程とは随分変わった。コチラを舐め腐った感じではない。

 

「アンタ、いったい何者だ」

 

「楽しかったかい?」

 

「……あぁ、こんなすっきりして悔しいのは初めてだ」

 

「ならポケモンリーグに行きなよ。そこにはアンタの望む奴らがゴロゴロいる」

 

 

「おい、まさかアンタ四天王か?」

 

「いや、元四天王だよ。今は落とされてただの一般トレーナーさ」

 

 

 

 

しばらくミナモシティに滞在してて、不良達の噂は聞かなくなった。

 

住処を移したのか、解散したのか。まぁ、こっから先は私の領分じゃないと、ホウエン地方の旅を開始した。

 

 

一年ぐらいブラブラと過ごして、今の手持ちのアブソルも仲間に加わり、ホウエンを発とうとした時の事だった。

 

ホウエン第三四天王にカゲツが就任した。いやー早すぎでしょと思ったね。そしてポケモンリーグのコネクション使って私に連絡してきたのだ。

 

その時だっけ、カゲツに初めて姐さんって呼ばれたのは。言っとくけど私が呼ばせた訳じゃないよ。

 

 

 

 

「ぶちのめしただけなのにねぇ……」

 

違うテーブルで子分らと盛り上がるカゲツを見る。態度も目も、髪型も最初の頃とは変わった。

 

 

「いや〜あれからアニキは変わりましたよ。すぐに残りのジムバッジ集めてサイユウシティ行っちゃうくらいに。で、そのまま四天王っすからねぇ」

 

カゲツのジムバッジ集めと四天王就任までの期間は僅か一年経ってない。

 

「で子分想いの人なんで俺らみたいな一度道踏み外した連中に、四天王の地位とコネでやり直しの機会を用意してくれて、今じゃ俺もキンセツシティのジムトレーナーっすよ」

 

「ほえー、路地裏で尻餅着いてたのに……変わるもんだねぇ」

 

「全て姐さんのおかげっす!」

 

ちなみにこの元不良、脅すように案内させた人である。ビフォーアフターとはこの事か。

 

 

「カゲツさんが四天王になってから行く宛てのないウチ……じゃなかった。私たちをちゃんと人に紹介してくれて。四天王が勧めるならと元不良の肩書きの私がポケモンセンターのお姉さんですよ」

 

ほんと変わったよね。ていうか同一人物とは思えないよね。で、そんな可愛いお姉さんがポケモンセンターの制服で昼間っから酒飲むのは大丈夫なのかい。

 

 

「なーーーにいってやがる……お前たちもあれから頑張ったんだろうが」

 

 

違うテーブルで盛り上がってたカゲツがこっちに来る。いやー雰囲気とセリフはカッコイイけど……顔赤いぞー。ふらついてもいるし、コイツもう相当できあがってるな。

 

 

 

 

で、数時間後……日が落ちたデパートの屋上は死屍累々だった。

 

「姐さん聞いてくださいよ〜〜ダイゴの奴が〜〜」

 

「あーはいはい……」

 

このチャンピオンダイゴがフリーダム過ぎる話をもう五回以上は聞いている。

 

周囲は飲んだくれや寝始めた奴ら。横には石マニアの愚痴を言いまくる出来上がった四天王。その後ろではカゲツのアブソルと私のアブソルがなんか良い雰囲気。

 

ねぇ、そこの二匹。私達の様子見てよ。なんでそっちだけラブロマンスしてるの。なんだこのカオス。




更新ちょいと休むねー。エメラルドとasやり直してくるわー。

多分エメラルドにasの要素ぶち込む形になると思う。

エメラルドのアクア団マグマ団の姿で、思想とかはas的な感じかなー。


カゲツとはいつか正式に戦わせるから今回はしょらせて。

Q、他のあくタイプ使いとは面識や交流があったりする?
A、四天王ネットワークとかあると思うぞ

Q、ゲッコウガ見たかったな……
A、メガシンカの無い世界線のカロスわかんないからねぇ。触れぬが仏

Q、アブソル抜いて他入れようぜ
A、やめてーホウエン枠なの。モフり枠なの。

Q、サザンドラの両腕の頭には脳みそは入っていないよ
A、感想で見た一番の衝撃。今更変えないけどその場合ジヘッドの第二人格は一体どこへ……あかん何か相当闇な気がしてきたぞぉ

Q、シロナと同年代……それって少女……?
A、このコメントは隠されています

Q、メガアブソルのもっふもっふが……消えた?
A、相当な世界の損失だ。何処かで補填しなくてはならない

ホウエン地方の主人公どっちにする?あまり出番ないと思うけど

  • ユウキ
  • ハルカ(アニポケとは別人)
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