光り輝く海!きらめく水面!サラサラな砂浜!賑わう人々の声!
「暑い……いや……熱いぃ……」
カゲツ達の酷い歓迎を受けた数日後、私はカイナシティのビーチに来ている。いやー日差しが痛いのなんの。玉のような汗がもう止まらない。衣服の下の不快指数が急上昇中。
近くにオーバいないコレ。絶対あの太陽いるよね。
さて、さっさとウチの子達をボールから出しますか。くそ暑いけど綺麗なビーチだからね。遊んでおいで。
「人様に迷惑かけないでね。絡まれたりしてもやり過ぎないでね〜」
必要最低限の注意だけすると皆すぐに解散する。自由時間よ。
ブラッキーとアブソルは波打ち際を走り回り、サザンドラは海の上をのびのびと飛び回る。目の前全てが弱点であるバンギラスは、海に入らず砂浜で座って海を見てる。座り方可愛いんだけど、何処か哀愁漂ってる。……こんどは山にでも連れて行ってあげようかな。
ダークライは私の影の中。護ってくれてるんだろうけど、影の中涼しそうだね。少し羨ましい。
私は海の家に避難。このままではとけてしまう。防御力はいつもより薄着なので逆にググーンと下がってます。キャミソールと七分丈パンツを着用中。未来の四天王、カリンスタイルってとこかな。
客席に座って机にぐったりと倒れながらサイコソーダを飲み干す。それでもまだ口と喉以外が灼熱地獄。グラードンってもう目覚めてたっけ。
「お客さん、扇風機そっち向けようか?」
「お願いします……」
ありがとう海の家のおじさん。随分とマシになる。肘餅つきながらなら、顔を起こせるくらいには元気出た。
あぁ……扇風機って素敵。夏は扇風機と結婚して、冬に離婚してコタツと結婚しよう。エアコン?アイツは都合のいいやつだからね。愛人枠でしょ。
なーんてしょーもないことを考えていると、ポケギアから着信音がなる。画面を見るとカゲツと出ていたので、とりあえず切ってみた。
また鳴り始めた。んー急ぎの用なんかな。
「……もしもし」
『姐さん……もしかして不機嫌っすか?』
「ウチの子達を遊ばせにカイナのビーチに来てるんだけどね……今年暑過ぎない?」
『今年猛暑らしいっすよ。って、カイナにいるんすね。丁度良かった』
私がカイナにいる事が丁度良い?面倒事の匂いがする。
「じゃあ切るねー」
『ちょっと待ってくださいよ!頼みがあるっす!』
ほらー予想的中。無言で切れば良かったかな。
「聞くだけだよ……」
『ダイゴの奴をサイユウに呼び戻して欲しいっす』
ただでさえ暑くて寄っている眉が深くなった気がした。
あの爽やかイケメンが夢中で石探してるイメージが幻視できた。もーなんでチャンピオンはどこか残念なのさ!聞いてますかシロナ。
「……アンタの口からはそれ以外の話題は出ないの?」
前の飲み会含めてもう二桁いったんじゃないかなこの話。
『その手の文句はダイゴの奴に言って欲しいっすね』
「ていうかさー、ダイゴさん呼び戻すって事は、なに?アンタ負けたの?」
『いやいや負けてないっすよ。客がアポ無しでこっち来て、ダイゴと話がしたいらしいっすわ』
「……じゃあアンタが呼びに行けば?」
『今日、挑戦者入ってるっす』
「……他の人は?フヨウちゃんは……ダメか。第二四天王だし。プリムさんやゲンジさんは?」
『プリムは人に言われて動くような奴じゃないし、ゲンジの爺さんも今不在なんすよねー』
「アンタの子分達は」
『アイツらにはアイツらの仕事や生活があるっす』
そんな奴らを昼間っから呼び寄せ飲み明かした奴が何言ってるんだ。とはいえ、私ほど今自由な人間もいないのも事実。
「はぁ……貸しにしとくよ」
『あざっす!』
「カイナでちょうどいいってことはムロタウンの石の洞窟かい?」
『そうっす。相手さん急いではないみたいなんでゆっくりでもいいっすよ』
「ところでチャンピオンをアポ無し訪問するって誰よ」
『四人組なんすけど、代表者はエニシダって名乗ってたっす』
あぁ……バトルフロンティアのオーナーさんね。そういえば現在各地方で建設中だったけ。あの規模のプロジェクト打ち出せる人ならチャンピオン呼ぶ力もあるか。
海の家を名残惜しく後にして、炎天下の中ウチの子達を回収しに行く。
座ってるバンギラスの周りに子供達が群がってる。頭とかの止まれそうな所ではキャモメがはねやすめしてた。あくタイプにしてはほのぼのする光景。
「はい、集合ーー」
では、いざムロタウンへ。サザンドラの背に乗り、軽く空の旅だ。
てなわけでやってきましたムロタウンは石の洞窟。日光入らない洞窟内は涼しいね。外の地獄とは違ってここは天国だわ。
洞窟帰りの人に聞くと、しばらく前に壁画が見つかり軽く観光スポットとなっているとか。
一般の人はちゃんとしたガイドさんが付いて最奥まで行くらしい。暗い事、崖や足場が不安定なところ、野生のポケモンに注意さえすれば一本道なので、冒険に慣れていれば素人でも行って帰れるとの事。
なお野生のチャンピオンが出現している事も聞いた。
「ブラッキー、フラッシュお願いね」
入口から奥に進み暗くなってきたところで、ブラッキーの額にある模様が光り輝き周囲を照らしてくれる。
アブソルがわざわいポケモンと呼ばれる由来でもある、周囲の変化を察知する能力で危ない箇所を避けてくれる。
この二匹の後ろを私は歩いていくだけ。時折ゴルバットとかが襲ってくるも、私の影に潜んでるダークライによって追い払われている。まさに完璧な布陣。
「きゃーーー!!」
洞窟の奥から若い女性の悲鳴が聞こえた。
野生のポケモンに襲われたか、崖から足を滑らせて落ちたか。急いでその現場まで駆けつけると、野生のケーシィがいて、その後ろは崖だった。ケーシィは私達が近づくと、どこかへテレポートしていった。
もしかして急にテレポートしてきたケーシィに驚いて崖の下に……。
そんな事故現場を想像していると、下から声が聞こえた。
「誰かいるんですかーーー!助けてくださーーい!!」
ひとまず良かったと胸を撫で下ろし、下にいる哀れな被害者の二の舞にならないように注意して崖下を覗き込む。想像していたより深いことはなく、高さは建物三階分だろうか。そこに左右に揺れる光源と人影、その傍にポケモンが見える。
「……おや?」
リボン巻きのバンダナ、赤いキャミソール。懐中電灯を持ちながら手を振るトレーナーの姿があった。傍にいるポケモンはワカシャモだ。
「今助けるよー」
とりあえずサルベージ。ダークライがゆっくりと崖下へ降下していき、ワカシャモをボールに戻したトレーナーをお姫様抱っこで私の元まで運んでくる。んー昔の私を思い出すなー。
「ありがとうございます!」
「大丈夫かい?怪我は?」
「ワカシャモが助けてくれました!」
なるほど落ちる際にワカシャモが咄嗟に抱きかかえて着地したのか。イケメンだね……なおメスらしい。
懐中電灯頼りにワカシャモと進んでいると、背後にケーシィがいきなりテレポートしてきて、驚いて足を滑らせたとの事。ケーシィに悪気は無いみたいなんでというか、寝てる上でのテレポートだもんね。ほぼ一日中寝て生活するのいいな……。
「私ハルカって言います!本当にありがとうございました!」
明るい子だね〜。見てるこっちが元気になるよ。何処かのレッド少年とは大違いだ。
「ハルカちゃんね。うん、何事も無くて良かった良かった。ところでこの洞窟に何しに来てるの?」
「ダイゴさんって人に手紙を渡さないといけないんですけど、どうやらこの洞窟にいるみたいで」
「出てくるまでムロで待つわけにはいかなかったの?急ぎの用事?」
「いえ、ジムリーダーのトウキさんが彼はムロタウンに寄らずそのままどっか行っちゃうって」
ダイゴさーん……石のことになった瞬間フリーダム過ぎるでしょ。カゲツはともかくこんな可愛らしい女の子にも迷惑かけて。
「私もダイゴさんに用があってね。一緒に来るかい?」
「そうなんですか!助かります!まだ冒険に出たばかりで……」
ええ子だね……。よーし、お姉さんが守ってあげるよー。頼むよーウチの子達。
しばらく二人で歩き続けて最奥までたどり着く。一際広い空間だ。そしてその一面に壁画が描かれている。その前で佇むスーツ姿の男性。その足元には成果物であろう岩石の入った袋が置かれていた。
「おーいたいた。ハルカちゃん、探してたダイゴさんだよ」
私の声にダイゴさんは壁画から振り返り私たちを見る。初対面だけど多分向こうは私の事くらい知っているはずだ。
「ん?……あぁ、ヒナノ君じゃないか。それと君は?」
「私、ハルカって言います!これをツワブキ社長から預かってきました!」
「僕に手紙?」
ダイゴさんはその場で封を開けて、中身を確認する。一瞬目が険しくなり、またすぐに元のイケメンスマイルに戻る。
「うん、ありがとう。わざわざ届けてくれたんだ。何かお礼をさせて貰うよ。その前にヒナノ君は何故ここに?」
「カゲツに泣きつかれたって言ったら分かりますかね?」
「おや?今日の挑戦者はまだカゲツにも挑戦していない時間のはずだけど」
「いや、チャレンジャーじゃなくて、エニシダさんがお呼びですよ」
「エニシダさんか。何か伝える事があったのかな?あの人のプロジェクトにデボンとしても協力していてね」
その後ダイゴさんがハルカちゃんにお礼としてわざマシンを渡した。そして、私は自然にハルカちゃんの興味を壁画へ移し、彼女が私とダイゴさんから離れた時に彼に話しかける。
「それよりもさっきの手紙……何か書いてあったみたいですね」
このポケギア、ポケナビを使う時代にわざわざ文通をする。それもポケナビを開発した企業の社長と御曹司が。そして、イケメンスマイルが一瞬崩れかけた事も考えると……チャンピオンの力でも面倒な事態だという事。
まぁ、ホウエン地方でそんなのは二つの組織しか出てこんのよね。
「何でもないよ……いや、君なら信用出来るか」
「あのー初対面で信用しますか、普通。デボンの御曹司ともあろう人がそれで大丈夫ですか?」
「実力は既に証明されているし、人柄もカゲツからよく聞いているよ。シルフの社長さんからもね。それに人を見る目はこれでもあるつもりだよ」
カゲツは私をどう紹介したのだろうか。絶対誇張とかされてそう。シルフの社長さんも繋がりあるのね。ライバル企業じゃなかったけ。
「デボンの情報や技術がマグマ団、アクア団に流れている。実際、大事な荷を移動させる日時がアクア団に漏れていた。そこをハルカ君に助けて貰ったそうだ」
「デボンに内通者が?」
「いや、デボンだけじゃない。おそらくだがポケモンリーグ関係者にもいる。彼らが行動を起こすのは決まって僕や四天王、騒動を起こす付近のジムリーダーが動けない日だからね。
彼らの組織は思想の下に集まっている。人類のさらなる発展を。ポケモンの住み良い世界を……主な構成員は極端過ぎる考えを持っているが、程度が違えば多くの人が持つ考えでもある。
その為、協力者が至る所にいる。どこに彼らの目や耳があるかわからないんだよ」
だからこそこんな時代に手紙。それも大事な荷物と共に、社員ではなく旅に出たてのトレーナーに託したという。知っているのは送り出したツワブキ社長とハルカちゃんを運んだハギ老人。そして手紙を貰うダイゴさんと荷物を貰うクスノキ館長だけらしい。
「人類の発展の為、ポケモンの幸せの為。その願いが極端な形で組織化したのがマグマ団とアクア団」
「そしてその為の手段が……コレねぇ」
私とダイゴさんは壁画を見上げる。二体の巨大なポケモンが争う絵。その大きく描かれた二体に目が行くが、隅々に書かれているのは虫けらのごとく倒れたり、波にさらわれている人やポケモンの姿だ。
「協力者の多くはそこまで知らないだろうけどね」
「んじゃ、互いに頑張りますか」
「協力してくれるのかい?こちらからはまだ何も言ってないけど」
「協力と言っても個人的に動くだけですけどね。それとも勝手に動かない方が良いですか?」
「いや、好きに動いてもらって構わないよ。どうせ僕の動きは向こうに流れているだろうし、自由に動ける味方が欲しかったのは事実だ」
自由に動ける味方ね。それってゲームでの彼の動きや主人公への多くの親切さ。そして的確な行先や行動の指示からすると……
「……ダイゴさん、もしかして私が居なかったら、ハルカちゃんをそれとなーく使ったりします?」
「まさか、これは僕らが解決する問題だよ」
さすがにそんな黒い一面を持ってるわけ「ただ……」……ん?
「彼女は良いトレーナーになると思うよ。そしてその時に世界が危機なら、彼女に協力を求めてでも僕は務めを果たさないといけない。それがチャンピオンとしての責任だ」
「あんな子に大人が何期待してるんですか。そのイケメン顔台無しですよ。私で我慢してください」
「カゲツの言う通り、強くて優しい人だね君は」
「どうやら誤解が広がっているようで。面倒くさいことが嫌いな悪くてダメな大人ですよ私は」
あーやだやだ。面倒臭いったらないね。でも、やらなきゃもっと面倒な事になるし、というか世界の危機だし。それに……
あんな可愛らしい少女に世界を託さなきゃならない、そんなかっこ悪い大人にはなりたくないしね。
なお、この世界はポケモンの世界である。大人組は勇者にはなれないのよね……。
時間貰ったけど書きだめダメでした。エメラルド楽しかったです。皆もエメラルドをしてみよう。まぁ、ボチボチ頑張ってこか。
ゲーム通りにすると不可解な点とか増えるけど、どうしようもない。無理に辻褄合わせる事増えると思う。その為これから原作ブレイク増えていく気がするけど、何かもうそれぞれ納得してください。自分は気楽に書く。
Q、ジヘッドの第二人格どこいった……?
A、感想で見てて楽しかったなり。わからんもんは無理に答えださなくていいや。それがファンタジーだもの。
Q、マグマ団とアクア団の思想はORASだけどこの世界Emで行くのでは?
A、EmにORASの要素ぶち込む。ただ陸海増やすよりよっぽどわかりやすいしね。
Q、Emではチャンピオンミクリでは?
A、入れ替えイベント入れると……思う。予定は未定。