エア・ギア【RTA風】   作:八知代

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 ねんのためR-15タグを付け足しました(おこ)

 文字数数えた訳じゃないけど、RTAパートと小説パートの比率が逆転してしまった気がします(激おこ)


9話 気持ち良くできましたか?(小声)

 予想外のタイム短縮に~嬉しさと驚きでゴチャゴチャしているRTA、はーじまーるよー。

 

 

 はい、キリクのあの会話イベント。あれが発生したので、あと二日で天空の塔ともおさらばですね。下手したらレベルと好感度足りなくてスシ君がこの世からおさらばする可能性もありますが(激ウマギャグ)

 

 まぁまぁ、仕方ありません。おとなしく練習しましょ。

 残念ながらキリク(とおまけのシムカ)は現れません。昨晩キリクが言ったとおり、他のグラチルにお話したり、例の研究者をストーキングしたりで大忙しです。

 

 じゃけん、誰か(Wソラ以外)が来てくれることを祈りつつ、個人練習しましょうねぇ。

 

 と言っても、もう個人練習じゃなかなかステータスも上がんないんですよねぇ。

 

 折角ですからあれ、やってみましょうか。一人合体技(意味不明)

 

 

 まずはあれです。()カズ()の合体技、火の鳥です!正式には「Grand Fang Fire Bird」と言いますが、英語は苦手なので火の鳥で通します(不屈の意思)

 

 まずは“血痕の道”で牙を作ります。すぐさま次の行程です。“炎の道”で先程の打ち出した牙に追いつき、その過程で生み出した炎を牙にブッ掛けます。上手く纏わせることができたら火の鳥完成です!

 

 いやー、三分クッキングも真っ青な調理時間でしたね。

 ……ていうか出来るのかよ、何だお前(素)

 

 まあ、多少足に負担がかかるようですね。よかったスシ君人間だったよ。

 

 でも……オラわくわくしてきたぞ!(悟○並感) 次何させましょうか!?さっきの火の鳥を風を使って自由自在に動かしてみますぅ!?大地×風で砂嵐やりますぅ!?血痕×荊棘でグネグネした牙でもつくりましょうかぁ!?

 あぁ、夢が広がりんぐ!

 

 はっ!……失礼しました。色々できるのが楽しくて思わずはしゃいでしまいました。

 

 でもステータスが普通の個人練習より伸びているので、やっぱり一人合体技の練習を続けます。もちろん倍速で。

 

 おぉ、凄いですね。大技の見本市ですよ。倍速だとなおのこと面白いです。あっ!

 

 

〉〉失敗した。A.Tの限界を見誤っていたようで、壊れてしまった。気は進まないが、先生に見せに行かなければ。

 

 

 そういえば、朝から女研究者との会話ありましたね。まあ実際はスシ君が一方的に気まずさを感じているだけですが。

 ダメですよ、スシ君。玉璽貰えるまでは仲良くしなさい(屑)

 

 

〉〉先生の研究室に着いた。ノックして、名前を告げるとロックが解除される音がする。中に入ると先生と……なぜかシムカがいた。

 

 

 おや?なぜお前がいるんですか?皆への伝達はお前の役目なんだから働きなさい(小姑並感)

 

 

「シイナ……」

 

「丁度良かったわ。呼びにいく手間が省けた……付いてきてちょうだい」

 

 

〉〉先生は此方の返事を聞くこと無く部屋を出る。突然のことで動けないでいると、シムカが此方の手を取り歩きだした。それに引っ張られるように付いていく。

 

 

「大丈夫。危ないことは無いから安心して」

 

 

〉〉大丈夫とか安心しろとか言うわりに、シムカの表情はいつもに比べて暗い。先生も素っ気ない感じだ。一体何がどうなっているのか……それからは誰も口を開くことは無かった。

 

 

 えぇ、どこまで行くんですか?

 ただでさえスシ君と女研究者の部屋は塔の天辺に近いのに、こんなに降りて行ったら地底人になりますよ(錯乱)

 

 

「着いたわ……あなたは向こうで準備してきてちょうだい。シイナ君はこっちよ」

 

 

〉〉シムカと別れ、連れてこられたのは様々な機械で四方を埋め尽くされた部屋だった。中央にはひと一人が座れるような場所がある。先生はそこを指差す。

 

 

「あそこに座るのよ、裸で」

 

 

〉〉裸?なぜ。

 

 

「今からするのは調律よ。シイナ君、あなたのA.Tを完成させるために、あなたの情報を調律者に余すこと無く伝える必要があるの……ちゃんとした設備が使えれば、そもそも調律者(リンクチューナー)に調律してもらう必要性なんて無いのだけど」

 

 

〉〉どうして使えないのか尋ねる。先生は具体的な答えは出さず、曖昧に笑うだけだった。答える気は無いらしい。大人しく服と下着を脱ぎ、背もたれに体を預けるようにして座る。先生はそれを見届けると、部屋の片隅にあるパソコンなどの機材の方に向かった。

 

 

 あっ!このゲーム、選択肢によってはR-18になるんでした。タイムのことしか頭に無くてすっかり忘れてましたよ。

 

 しかし、これはRTAなので(R-18展開は)ないです。安心してくれよ~。

 

 じゃけん、編集して下半身にモザイクかけましょうね~……卑猥度上がってない?気のせい?

 

 

〉〉座ってから一分も経たないうちに扉が開き、裸のシムカが入ってきた……いや、よく見ると体にピッタリと張り付くスーツのようなものを着ている。

 

 

「始めようか、シイナ」

 

 

 顔以外モザイクかける?…………全裸っぽいだけで全裸じゃないからいいか!(面倒くさがり)

 

 

〉〉まさか、調律者というのはシムカのことなのだろうか。先生に顔を向けると彼女は無言で頷いた。正面に視線を戻すと、既にシムカは此方の目の前に立っていた。

 

 

「やり方は知ってるし、イネがやってるのをちゃんと見てたから、シイナは安心して身を任せてくれて良いよ。だいじょーぶ……痛くないから」

 

 

〉〉そう言って、シムカはさらに此方に寄ってくる。此方の腰を挟むように両膝をつき、両肩に手を置いてきた。身長は此方の方が高いとはいえ、流石にこの体勢でお互いの顔を合わせるには、此方が見上げ、彼女が見下ろす必要がある。シムカの桃色の長髪が、まるでカーテンのように周りの景色を覆い隠す。見えるのは彼女の整った顔だけ。

 

 

「……最初ね、先生は巻上教授に頭を下げて、イネにシイナの調律を手伝ってもらおうとしてたんだって。当然だよね、イネはみんなのA.Tの調整に携わってるんだから……私とは経験値が違う。わかってる……でもダメ」

 

 

〉〉内緒話をするように彼女は囁く。そのまま腰を下ろした。つまり、此方の太股の上にシムカがペタんと座る形になっている。

 

 

「手、出して」

 

 

〉〉言われるままに右手を差し出す。その手に彼女は白魚のような指を絡める。

 

 

「調律に必要なのはね、調律者(わたし)パートナー(あなた)に心と体を全て捧げてパートナー(あなた)の全てを識ること」

 

 

〉〉絡めた指が、少し震えている。

 

 

「シイナのA.T()を完成させるために……教えて、あなたのこと、全部」

 

 

〉〉正面に見える彼女の顔は笑っているが、どこか暗い影がある。不安……なのだろうか?……どうする?

 

 

 もう何でも良いから、さっさと調律させなさい(ホモはせっかち)

 

 

〉〉空いている左手でシムカを抱き寄せ、失敗してもいいから好きにしろ、と伝える。

 

 

「失敗って、失礼な……でも、ありがと」

 

 

 はい、ここからは倍速します。やってることはシムカとスシ君が全身ねっとりと隙間無く絡み合う(意味深)だけですからね。

 余すこと無く見たい方は、自分で買ってプレイして、どうぞ(無慈悲)

 

 

 お、データを取り終わったようですね。シムカがスシ君から離れてA.T組み立て始めました。

 

 

「─────♪」

 

 

〉〉シムカの口から紡がれる歌。ただの歌ではなく、この中に数多の情報が組み込まれているもののようだ。

 

 

 ポポン──“閃律の道”ヲ走レルヨウニナリマシタ.

 

 

 はい、なんかおまけのように“閃律の道”を覚えることができましたね。

 私、この道をこんな覚え方したの初めてです。基本的に“閃律の道”をプレイしたいなら、最初のステータス決めのときに「調律」の項目にポインヨ全振りですからね。

 ……こいつ(スシ君)天才か?(今さら) まあ、この道使うことはないでしょうけどね。

 

 

 あ、最終調整入るからって部屋追い出されました……なんでや!

 

 


 

 

「シムカちゃん、ちょっといいかしら」

 

 

 みんなに明後日のことを伝えに行く途中、先生に声をかけられた。

 研究者は信用ならない中で、彼女についていくのは得策ではないだろう。

 

 

「明後日が楽しみね」

 

「っ!……盗み聞きですか?」

 

「あの子も含めて、あなたたちの部屋にプライバシーなんてあると思わない方がいいわよ。まあ、盗聴機能はシイナ君の部屋に私が勝手につけただけだけど」

 

 

 流石にピンポイントで言われてしまったら、逃げることは出来なかった。

 

 案内されたのは先生の研究室。先生は椅子に座り、頬杖をつく。この部屋は来客を想定してないようで、他に椅子はない。私は先生と机を挟んだところに立つ。

 

 

「さて、単刀直入に言うわね。私のお願いを一つ聞いてほしいの」

 

「お願い……私に何をさせるんですか?」

 

「頷いてくれたら言うわ」

 

 

 ……何がなんでも私にお願い事を呑ませたいらしい。

 

 

「じゃあ、私の質問に答えてください。真面目に答えてくれたら、私も先生のお願いをききます」

 

「いいわよ、質問は?」

 

「先生とシイナの関係」

 

「……一応聞くけど、なんでそんなこと気になるの?」

 

「大事な人のことを知ろうとするのはおかしなことですか?」

 

「……あぁ、やっぱりシイナ君のこと好きなの?」

 

「なっ、ちがっ!大事とは言いましたけど、好きとか言ってませんよ!」

 

「じゃー、嫌いなの?」

 

「いや、そんなことも言ってないじゃないですか!」

 

 

 にやにやと私を見る先生。何だろう、凄い敗北感が。

 

 シイナと同じ黒髪。肩口まで伸びたそれを、彼女はかきあげる。

 

 

「ねぇ、シムカちゃん。あの子のことが好き?あぁ、別に恋愛感情とかじゃなくていいわ。人としてとか、友人としてとか、そういうので」

 

「好きですよ」

 

 

 その言葉には迷い無く答える。先生は満足気に笑った。

 

 

「うん。やっぱりあなたで正解なのかもね」

 

 

 一人で勝手に納得したようだ。先生は静かに語りだす。

 

 

 結婚したけど子供が出来なかったこと。

 

 イネのお父さんの協力で子供が産めるかもしれなくなったこと。

 

 シイナのお父さんが死んだこと。

 

 ……先生の身勝手さでシイナを……手放したこと。

 

 色んなことから目を背けるように、この塔の研究に没頭したこと。

 

 今から一年前、思いがけずシイナを見つけて生きていることを知ったこと。

 

 

「なんで母親だって伝えないんですか?」

 

「血は繋がっているけど、私はあの子を一度捨てた。母親なんて……口が裂けても言えないわ」

 

 

 彼女の中でそれは決定事項なのだろう。瞳から意思の強さが滲み出ていた。そう言えば……

 

 

「シイナは三ヶ月前、最初にあったときにそれ以前の記憶が無いと言っていました。それはどうしてですか?」

 

「……出会った頃からあの子はね、凄かった。天才的だったわ、研究者間で成功例と呼ばれたあなたやキリク君よりもね。そうねぇ、私とあの子が塔の奥深くで静かに生活していて……一ヶ月かしら。とうとう南博士が他の研究者にあの子の存在を明るみにしてしまったの。みんな突然のことでてんやわんやしてたわね」

 

 

 その場面を思い出したのだろうか、先生の口角が少し上がった。

 しかし、すぐに不機嫌そうな表情に切り替わる。

 

 

「最初はなんてことない、他の重力子と同じ訓練や検査を受けていたんだけどね……どんどんエスカレートしていったの。あの子もこなせてしまったからなおのことね。次第にボロボロになるあの子を見ていられなくなったわ」

 

「……なんでそこまで」

 

「私には唯一無二でも、他の研究者からすればぽっと出の重力子。もともと居ない存在だったんだから、使い潰しても問題ないという判断だったみたいよ」

 

「そんな……」

 

「でもね、あの子は笑ってたの。『たしかにキツイけど、これでもっとうまく飛べるようになるなら』って……私ね、その時に思ったの」

 

 

 先生は背もたれに体を預け、少し上の方に視線を向ける。

 

 

「あぁ……このままだと、この子まで(あいつ)が奪い去ってしまうって……だから私ね、消したの。記憶を」

 

「え?」

 

「三ヶ月前、訓練中に事故があったの。そのときあの子は頭を打って気絶……丁度いいと思ったわ。南博士がガゼルを作って以来、あそこの設備には誰も近寄らなかったから、他人に見られずにあの子を連れ込むのは容易だった」

 

 

 先生は椅子を回転させ、私に背を向ける。空気がどっと重くなった気がした。

 彼女は私の反応を見ること無く、淡々と語る。

 

 

「施したのは記憶の消去(デリート)のみ。私はあの子から飛ぶ気持ち()をきれいさっぱり忘れさせてあげたの。これであの子は私から離れていかない……そう、思ったのに」

 

「あの子はまた同じ道を辿ってきてしまった。あっという間だったわ。きっと飛ぶことを気持ち(こころ)じゃなくて遺伝子(たましい)で覚えていたのね。流石に……もう殺せないわ」

 

 

 重苦しい空気が霧散する。再び椅子を回転させて此方を見る先生の顔は、とても優しげだった。

 

 

「だからね、今度は全力で生かすことに決めたの。あの子が(あいつ)に拐っていかれないように、全身全霊をもってあの子を重く(強く)する」

 

 

 先生は椅子から立ち上がり、こちらの目の前まで歩いてくると私に目線を合わせるようにしゃがむ。

 

 

「さて、私とシイナの関係を話したところでさっき言ってたお願い。シムカちゃん、あの子の調律者(リンクチューナー)になって」

 

「私が、シイナの?」

 

「そう。本当は巻上教授に頭を下げてイネお嬢さんにお願いするつもりだったけど……シムカちゃん、あなたにあの子の唯一無二の翼をつくるのを手伝ってほしいの」

 

 

 いつもシイナの走る姿を見ていたからだろうか、彼がどこか走りにくそうにしてたのを覚えている。

 

『四対四、残り二』

 

 イネが教えてくれた比率。自身の最高の力を出すには『自身の実力:A.Tの性能=四:四、残り二割は運』この比率が大事なのだという。

 この比率があまりにも狂っていると、体を痛めることになる。

 

 私たちはその割合をあまり意識したことはない。だって最初から、自分たちに合ったA.Tを渡された。しっくり来なかったことがない。

 

 シイナは違うのだろうか。

 

 

「頭を打った衝撃で記憶を無くしてしまったと説明したら、研究者たちはあの子に見向きもしなくなったわ。むしろ処分されそうになったほどよ……まあ、取り下げることには成功したけど、結果的に私とあの子は村八分状態」

 

「だからこの辺り誰もいないんだ」

 

「そう。あちらもこちらも不要な干渉しない。だからちゃんとした設備使えなくて困ってるんだけどね。記憶を消す前に使ってたA.Tじゃ、今のあの子に合わないのよ」

 

「それはわかりましたけど、なんで今なんですか?」

 

「……妻の勘は働かなかったけど、母親の勘は働くのね。明後日、不安で不安で仕方ないの」

 

 

 彼女は立ち上がり、部屋の片隅へ行く。そこには箱が幾つか積み上がっている。

 その箱の表面を、まるで宝物を扱うように優しく撫でる。

 

 

「別に杞憂であればそれでいいの。でももし、あの子に何かあるんじゃないかと思ったら……いま動かずにはいられない。だってもう、あの子のことで後悔するのは嫌なのよ」

 

 

 先生の辛そうな声を聞いて、私はこれが母親なんだと思った。

 私たち重力子には本来両親はいない。遺伝子提供者はいるだろうが、流石にその人たちを親と呼ぶ気にはなれない。

 

 ただこの人なら……

 

 

「いいですよ。私、シイナの調律者やります」

 

 

 義母ってことで、いいよね?

 

 

 

 

 

 イネも着てたけど、このSCってやつぴったり過ぎない?

 いやいや、流石にこれは……あぁでもここで私がやらなかったら代わりにイネがこの格好でシイナと……それもちょっと困るなぁ。

 

 ていうか、これでもしシイナに拒否されたらどうしよう……ムリ、立ち直れる気がしない。

 

 

「別に失敗しても良いから、やるだけやってみたら?」

 

 

 失敗が不安で震えてるんじゃないのよ、ばか。

 

 




 小説はナマモノだからタグは勝手に増えるってばっちゃが言ってた。


 キャラ崩壊のタグも視野に入れてる(意訳:シムカ推しの人に刺されないかガクブルしてる)

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