エア・ギア【RTA風】   作:八知代

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 実は作者はこういうほのぼの家族を書くのが~結構やりたかったり~するんですよね~。

 まあ、過激派バーサーカーニキネキには申し訳ないけど、ちょっとだけ付き合って?


閑話:小話まとめ

 あまりにプレイ時間が長すぎて全部を投稿することを諦めたゲームの実況、はーじまーるよー(嘘)

 

 さて、今回はほんへからもれてしまった小ネタをおまけ感覚でさらします。おまけなので(編集に一貫性は)ないです。

 一応、前回のお話以降の夏頃のイベントを時系列順で並べてます。

 

 年齢的にはスシ君(14) リカ姉(13) ミカン(8) イッキ&リンゴ(5) ウメ(1)ですね。

 

 もう言うことはないですかね?よし。はーい、よーいスタート(棒読み)

 

 

 

○授業参観

 

「だーかーらー!無理に来なくていいって言ってんじゃねーかよ!」

 

「だから俺も無理じゃないと言っているじゃないか」

 

「ウメ達はどーすんだよ!」

 

「イツキとリンゴは一時間くらいなら自分達でどうとでもなる。ウメは保健室でしばらく見ていただけると言って下さった」

 

「ほら!自分で見れないから預けるんだろ!?無理してんじゃねーか!」

 

「……ミカン」

 

 

 やめろ。そんな落ち込んだ声で俺の名前を呼ぶなよ。

 

 

「……なんだよ」

 

 

 それまでの勢いを削がれる。兄貴にそんな態度とられたら……俺……。

 

 

「俺が無理してるとかそういうのは考えなくていい。お前が来てほしいか、来てほしくないかで答えてくれないか?年若い俺が保護者として来るのが恥ずかしいというなら、素直にそう言ってくれ」

 

「ちがうっ!恥ずかしいなんてそんなことっ!」

 

 

 あるわけないじゃんか、というのは口から出てこなかった。

 くそっ、バカ兄貴。わざわざ俺が負担を減らしてやろうって気を使ってるのによ。そういう聞き方は卑怯だろう…………来てほしくないわけないじゃんか。

 

 

「……もう知らねぇ。兄貴の好きにすればいいさ」

 

「本当に嫌なら言えよ?」

 

「好きにしていいって言ってんだろ!」

 

 

 あぁ、素直に来てほしいと言えない自分に腹が立つ。そして、兄貴が見に来てくれると分かって喜ぶ自分のチョロさが恥ずかしい。

 

 

 

 ……なんて考えていた俺が馬鹿だった。

 

 

「本当、シイナ君ったら偉いわねぇ」

 

「うちの主人にも見習わせたいくらいよ」

 

「うちのグータラ亭主にもシイナ君の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ」

 

 

 おばさん達による、ほんとほんとの大合唱。あー……早く授業が始まって欲しいとか思うことってあるんだな。

 

 

「ねー、あの人ミカンちゃんのお兄さんって本当?」

 

「結構格好よくない?」

 

「野山野ん家は何で親じゃねーの?変なの」

 

 

 普段そんなに仲良くないのにこんなときだけ話しかけてくんじゃねぇ!兄貴に色目使ってんじゃねぇ!その人は既に売約済みだ!テメェの母親の厚化粧の方がよっぽど変だっつーの!

 

 ……なんて、兄貴の顔に泥を塗りたくるようなことを言えるわけもなかった。

 

 

「はぁ……」

 

 

 早く始まんねぇかな。

 

 

 

 

 

 授業参観が終わり、俺は兄貴と兄貴の腕のなかで寝息をたててるウメと下校していた。

 

 

「ミカン、お疲れ様」

 

「ほんとだぜ……」

 

 

 授業参観が始まる前に疲れたと言うのもあるが、授業中も普通に疲れた。

 

 いや、これはまあ、なんというか……兄貴にみっともない姿見せられねーなって思ったから少しだけ頑張ってみたのが原因だけど。とにかく、いろいろ疲れた!

 

 もうこんなのは懲り懲りだ。次からはやっぱり無しの方向で───

 

 

「今日はミカンの頑張っている姿が見れて良かった。ありがとう、ミカン。今日はミカンのおかげで良い一日だった」

 

「……そりゃ、よかったな」

 

 

 そんな嬉しそうにされたら……次から来るなとは言えないよなぁ。しゃーない、諦めるか。

 

 

「ところで、いつから俺の兄貴はアメリカ留学で飛び級して弱冠13歳で高校卒業したエリート帰国子女様になったんだ?」

 

「いや、その……学校を聞かれたものだから……つい。ほら、義務教育受けてないって言ったらお母様方に怪しまれるだろ?」

 

 

 後日、髭オヤジ(リカ姉の父親)の勝手で兄貴の学歴にアメリカの学校が追加されるのはまた別の話。

 

 

 

○人類を越えた日

 

 

『シイナ!シイナ!どうしよう!イッキがっ!!』

 

 

〉〉珍しく動揺しているリカ。なんとか状況を聞き出した……どうする?

 

 

 こっ、これは!イッキが東京タワーからI can fly!するイベントですね!行きます行きます!

 

 いやー、自分ですね原作イベントとかは見に行きたい派なんですよ。聖地巡礼とか大好き(隙自語)

 

 現在ウメを抱っこしながらのお散歩中だったので、A.Tはリュックの中。速攻で履き替えて現場に向かいます。

 

 

 というわけで、つきました東京タワー!

 すでに野次馬がわらわらいますね。リカ姉を見つけたら、彼女が飛び出して行かないようにウメを押し付けましょう。

 

 

 お、救助ヘリがイッキに近づいていきますね。そうそう、そこでイッキが救助隊員の腕を噛んで……Fly!!

 

 落下中にホクト(推定30歳以上。魔神岩周辺の主で胸に7つの傷がある大ガラス)が飛んできてイッキの肩を掴むことによって事なきを得るのですが……掴んではいるものの、なんかフラフラしてますね。

 

 あぁぁああ!なんかやばそう!スシ君いっきまーす!

 ……あっ!飛び立つ前に“紫電の道”で周囲の電子機器をちょっと使い物にならなくさせときましょう。映像残されると面倒なので。

 

 

 はい。それではもうスピードで東京タワーの足から登っていきまして……あ!ヤバい、ホクトが限界そうです!イッキが落ち───たところでダイビングキャッチィィィイイイイ!

 やりますねぇ!(自画自賛)

 

 

 あぁ、これあれですね。たぶんイッキが原作より少し重たくなってます。そのせいでホクトが持ってられなくなったんでしょう。

 ん、原因ですか?食卓に肉が増えたせいじゃないですかね?

 

 

 さて、いつぞや言ったように、原作開始前のイッキにはA.Tの存在をあまり教えたくありません。

 なので現在お姫様抱っこの状態のイッキの注意を空や街並みのほうへ上手く誘導しましょう。

 

 地上に着きましたら、イッキはリカ姉に丸投げしましょう。説教でスシ君のことどころではなくなります。

 

 少し離れたところで靴に履き替えて、みんなのところに戻りましょう。

 

 まーだ説教してますね。

 

 ぼちぼち切り上げさせて帰りましたところで終了しましょう。

 

 ご視聴ありがとナス!

 

 

▽▲▽

 

 

「ねえイッキ。どうして私達のとこって親がいないのかな?私とイッキって苗字が違うでしょ。なんで一緒のとこに住んでるのかな」

 

「別に死んだりとかしてるわけじゃねーって……リカ姉が。タモリが居ねぇのは元気の素だとかなんとか」

 

「それ『便りがないのは元気のしるし』だとはおもうけど……なんで私達ってこんな放ったらかしにされてるの?」

 

 

 リンゴはそう言ったけど、俺はそこまで気にしてなかった。

 俺達の「あたりまえ」が世の中の「あたりまえ」と違うことはいつからか気づいていた。

 でも……。

 

 

 ───帰ろうか……イツキ、リンゴ。

 

 ───お帰りなさい。そろそろご飯ができるから、みんな手洗いうがいをしてきてね。

 

 

 二人がいるから、寂しいなんて欠片も思わなかった。

 

 そんなことを考えているとホクトの縄張りの見廻りが始まった。

 

 

「ホクトー、ホクトー。いってらっしゃーい」

 

 

 リンゴがホクトに手を振って見送りをする。そして、ホクトが空を飛ぶ様をみて何かを思い出したかのように話し出した。

 

 

「イッキ、知ってる?世界はぜーんぶお空で一つにつながってるの。ホクトくらい高く飛べたら、私達の親がどこにいてもきっとすぐ見つかるのにね」

 

「それだっ!!」

 

 

 リンゴの制止を振り切って、この街で一番高いタワーに登りながら考える。

 

 みんながいるから寂しくはないが、少しだけ自分の親という存在が気になったんだ。

 名前は?年は?俺と似ているところはあるのか?……今何をしている?

 

 見つけてくれると思った。てっぺんまで……登ったら。どんなに遠くにいてもこの高さなら、見えないものなんてないと思ったんだ。

 

 

「へへ……どうだコノヤロウ。こんだけ高けりゃ文句ねェだろ。虫眼鏡じゃ……見えねぇか。ちぇっ……もういいやクソ!俺は目ェいいから自分で探してやらぁ!」

 

 

 そう意気込んで街並みに目を向けると……俺は雲の中に……いや、雲の上にいた。

 

 なんだかこのまま雲の上に飛び乗れそうな……そのままどこまでも歩いていけそうな……そんな不思議な感覚に襲われた。この感覚は……悪くない。

 

 

「雲で下、見えなくなっちまった!……しょーがねぇ。自分で探すのはあきらめっか。TVいっぱい来てたっぽいし……TVに出りゃ見てくれっかも」

 

 

 そう考えていた瞬間、後ろから誰かから体を持ち上げられた。反射的に俺の体の前に回された腕に思いっきり噛みつく。

 

 

 腕が離れて、体が自由になる。そのまま雲の上に足が乗る───なんてことはなく、雲を突っ切って落下する。

 

 

 落ちる、落ちてる……このまま……どこまでも?

 

 

 一瞬、恐怖が全身に満ちる。そのとき、肩の辺りが鋭いなにかに捕まれて落下が止まった……ように思えた。飛んでる?

 

 上をみる。ホクトだ!俺、ホクトと空を飛んでるっ!!

 

 空を飛んでいる高揚感。それは長くは続かなかった。

 

 

 ホクトと俺の体が揺れる。俺が邪魔で上手く飛べないのか!?

 肩にあったホクトの足が離れる。

 

 再びの浮遊感。まだ地面との距離は遠い。ホクトは少し離れたところで体勢を建て直している……俺は……どうすれば!?思わず目をつぶる。

 

 

 フワッ

 

 

 風が下から噴き上げる。それと同時に空気の冷たさとは違う、人の温かみに包まれた。目を開けるとこの半年でよく慣れ親しんだ顔があった。

 

 

「あ、ん……ちゃん?」

 

 

 なんでこんなところに?そんな言葉を投げ掛ける前に、兄ちゃんは俺に語りかけてきた。

 

 

「イツキ。上を見てごらん……空、綺麗だろう?」

 

 

 青。ビルも雲も何も遮るもののない綺麗な青が一面に広がっていた。

 無言で頷く。綺麗だ。

 

 

「じゃあ、次は前を見て。皆が暮らす街、凄いだろう?」

 

 沢山のビルや家が建ち並ぶ街の風景。無機質なはずのそれらから、どうしてか人の並外れた生命力を感じた。

 また無言で頷く。圧倒された。

 

 

「……最後だ。少しだけ視線を下げてごらん」

 

 

 人、沢山の人がいた。それでもリンゴとウメを抱えたリカ姉だけはすぐに見つけられた。

 

 

「イツキ、お前を心配してくれた人達だ。覚悟しておけよ、特にリカはお前を心配していたからな……思いっきり叱られてくるといい」

 

 

 兄ちゃんの体温で温かかったはずが、最後の一言で一気に冷や汗が出てきた。

 

 

「……無事で良かった」

 

 

 小さく呟かれた言葉を風が俺に届けてくれる。

 

 空いていた両手は無意識のうちに兄ちゃんの服を掴んでいた。

 

 

 

 

○夏祭り

 

 

「夏祭り行こうぜ!」

 

 

〉〉イツキが夏祭りのビラを持ってきた。ビラを受け取り確認するとどうやら来週の夜らしい。特大花火……少し興味はある。

 

 

「へぇ、良いじゃない。行きましょうよ」

 

 

〉〉後ろからビラを覗いてきたリカがそう言う。他は?

 

 

「俺も別に良いぜ」

 

「私も~」

 

「うーあ!」

 

「もちろんウメも一緒よ」

 

 

〉〉ふむ……じゃあ浴衣、買いに行くか。

 

 

 というわけで、祭りの日当日ですね。リカ姉とかは遠慮してきましたが、粘りに粘った結果、全員浴衣と甚平ですよ。

 

 うーん、原作では見られなかった季節物の衣装……ナイスゥ!

 

 

 スシ君は完全に皆の財布役です。それなりに下ろしてきたので大丈夫でしょう……たぶん。

 

 

 あー、ほら!イッキとミカンが馬鹿みたいに食べ物を要求してきました!

 

 リカ姉とリンゴはもうちょっと要求していいのよ?

 

 あっ、イッキがくじ引き屋台にっ!ダメですよ!そこには闇しかありませんから!(偏見)

 

 背中にいるウメには、わたあめを少しだけ与えておきましょう。

 

 

〉〉みんな夏祭りを楽しんでくれているようだ。

 

 

「兄ちゃんコレ買って!」

 

 

〉〉イツキが此方の腕を引っ張って向かった先は、お面の屋台だった。狐や般若やひょっとこ、国民的な電気ネズミや猫型ロボット、日曜朝のカラフルな戦隊ヒーローや魔法少女など様々な種類のお面が並んでいた。イツキはどうやら今放送されている仮面戦士のお面をご所望のようだ。

 

 

 あー、なにとは言いませんが数字が3つ並んでるやつですね。

 

 形に残るものも1つくらい買ってあげましょう。おや、あれは……。

 

 

〉〉屋台の左上に1つだけ少し古いお面がある。あれも仮面戦士のようだが。

 

 

「あー、あれ?あれ俺の趣味なんだけど、やっぱり古いからあんまり売れないんだよね」

 

 

〉〉店主は色々教えてくれた。この初代仮面戦士は敵に改造手術を施された改造人間で、脳改造される前に脱出し、人類の未来を守るために戦うヒーローになるらしい。改造人間……か。

 

 

「それください」

 

 

〉〉横で一緒に説明を聞いていたリカが買った。欲しかったなら俺に言えばよかったのに。

 

 

「奢ってもらってばっかりだったからね。私はバイトとかしてないから、今はこんなものしか買えないけど……」

 

 

〉〉リカはお面を受けとると、少し屈むように指示してきた。大人しく従う。

 

 

「似合うと思うよ。だってシイナは私のヒーローなんだから」

 

 

〉〉微笑みながらお面を被せてきた。ヒーロー……最初に助けたときのことを言っているのだろうか?

 

 

「さぁ?ま、無自覚でそういうことができるからヒーローなのかもね」

 

 

〉〉よくわからなかった。少し眉をひそめるが、お面のせいで伝わらないらしい。

 

 

「うん、よく似合ってる。ほらみんな、そろそろ花火が上がるから向こう行くよ」

 

 

 ポポン───「縁日のお面(初代仮面戦士)」を手にいれました。

 

 

 はい、このあとしっかり花火のスクショ撮りまくりました。

 

 ご視聴ありがとナス!

 

 

 

Item

・縁日のお面(初代仮面戦士)

 

 数十年前に放送されていた初代仮面戦士を模したお面。「技の初代」の異名を持つ。装備すれば【技術】のステータスが向上するとかなんとか……。

 

 

 

 

○将来的な呼び方(おまけ)

 

「シイナ」

「兄貴」

「お兄ちゃん」

(あん)ちゃん」

(にい)様」

 

 

「リカ」

「リカ姉」

「リカ姉」

「リカ姉」

「リカ姉」

 

 

「ミカン」

「ミカン」

「ミカン姉」

ミカン(ゴリラ)

「ミカン姉」

 

「パイルドライバー!」

「ぐへっ!」

「こら!ミカンもイッキも暴れないの!」

 

 

「リンゴ」

「リンゴ」

「リンゴ」

「リンゴ」

「リンゴ姉」

 

 

「イツキ」

「イッキ」

イッキ(バカラス)

「イッキ」

「イッキちゃん」

 

「ブッコロス!」

「おぉん!?ヤれるもんならヤってみな!」

「……いい加減にしなさい。私がヤるわよ?」

「「すんませんでしたっ!」」

 

 

「シラウメ」

「ウメ」

「ウメ」

「ウメちゃん」

「ウメ」

 

 




 たまにこんなの挟むかもです。いや、旧森結成まで長すぎるから、たしょうはね?

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